アルゴス

Last-modified: 2023-04-19 (水) 21:10:36

◆忍◆ ニンジャ名鑑#531 【アルゴス】 ◆殺◆
月面基地に遺されたメガトリイ社のUNIXメインフレーム人工知能にツキヨミ・ニンジャのソウルが憑依しニンジャ化。圧倒的な論理タイプ速度によって、アマクダリ・セクトの暗黒管理社会実現と、鷲の一族の悲願である世界再定義を完遂せんとする。

登場エピソード

 

「ドーモ、アルゴスです。スコア988。現実的理想値。最新のデータ解析による数値。セクト中枢に被害皆無可能性98%」
『攻撃せよ。攻撃せよ。攻撃せよ。アマクダリの支配体制には、些かの揺らぎも無し』


人物

  • アマクダリ最高幹部「12人」の一人。ネットワーク上におけるニンジャやアマクダリに関する情報の監視を行っている。
    • 卓越したハッキングのワザマエを除き、その詳細は表の顔含めて全てが謎に包まれている。
  • 機械じみた極めて的確且つ冷酷な判断力に基づく高い指揮管制能力を誇るが、反面他者の心理や感情の類を一切理解できない部分がある。
    • 恐怖に駆られ戦意を喪失した結果自らの指示に従わなくなった者に対し、困惑や不満、怒りを抱く一面も見られる。
       
……010101てんからくだるあまくだりてんからくだるあまくだり010101
  • その正体は、メガトリイ社月面基地に設置された機密スーパーUNIXサーバーに組み込まれた男性格人工知能「A.R.G.O.S.」
  • 鷲の一族〉及びメガトリイ社は月面基地と複数の人工衛星を用いたネットワークを構築し、新たなインターネット秩序を築くことで法の守護者になろうと目論んでいた。A.R.G.O.S.はメガトリイ社が構想した新しいネットワークシステムの中核を担う存在として、月面基地のスーパーUNIXサーバー内に組み込まれていた。
  • 〈鷲の一族〉の後継者であるアガメムノンとの出会いもこの頃であり、アガメムノンの最初の下僕となった。
    • 少年だったアガメムノンは戯れにA.R.G.O.S.とショーギを行い、A.R.G.O.S.のためのハイク「いつのひかてんからくだるあまくだり」を送る。
       
  • しかし、Y2K問題の発生により計画は瓦解。あらゆるUNIXが爆発し、月面基地のジェネレータも崩壊したことで、地上とA.R.G.O.S.とのリンケージは途絶えてしまった。
    • その後メガトリイ社はY2Kの影響によって倒産。A.R.G.O.S.の秘密を知るものは、かつてA.R.G.O.Sを作り出したメガトリイ社AI開発部門より派生したらしいピグマリオン・コシモト兄弟カンパニーなど、限られた者だけになった。
    • 〈鷲の一族〉もまた、地上や月面から追い出され、地球衛星軌道上のコロニーで息を潜めるしかできなくなっていた。
  • A.R.G.O.S.へのアクセス手段を失ったアガメムノンは破損した微弱ハイク信号「てんからくだるあまくだり」を自動送信し続け、月面基地に取り残されたA.R.G.O.S.も生死確認めいたPINGメッセージ「てんからくだるあまくだり」を送信し続けていた。
     
  • 磁力嵐、大量のスペースデブリ、「蛮神」と称される無数の暴走軍事衛星などの要因により、Y2K以来、人類が宇宙へ出ることは不可能になった。
  • しかし30年以上の時を経て、「ヒア・カムズ~」にて、アマクダリはフクトシン博士の技術とニンジャの力でロケット「将来性」を月面まで接近させることに成功し、この時にA.R.G.O.S.とのリンケージを回復した。
  • 以降、アガメムノンがメガトリイ社の持ち主たる鷲の一族の人間であるためか、A.R.G.O.S.はアマクダリに従っている。
    • ピグマリオン・コシモト兄弟カンパニーはアマクダリ・ネットに現れたアルゴスの正体がA.R.G.O.S.だと気付き、監視を続けている。
       
  • なお、「フェアウェル・マイ・シャドウ」において彼は単なる人工知能ではなく、人工知能にニンジャソウルがディセンションした存在であることが示唆されている。
  • ニンジャスレイヤープラスインタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(26)にて、ツキヨミ・ニンジャのソウル憑依者であることが明かされた。

外見

  • コトダマ空間では、当初は「光り輝くニンジャ」、後に「無数の目を持つ巨人」と描写されている。
    • 「12人」同士のIRC通信でも姿は表示されず、アマクダリ紋が写るのみ。
  • ホロ映像としてはフードを目深に被った姿で映し出されている。

元ネタ・考察

  • アルゴス(Argus)とは、ギリシャ神話に登場する百目の巨人であり、その目を交互に眠らせることで死角が存在しないと伝えられる。

ワザ・ジツ

  • コトダマ空間でナンシー・リーを一蹴するほどの桁違いのタイピング速度を保有する。
  • 他にも「土砂降りの豪雨」と形容される凄まじい量の01スキャニングを絶え間なく放射出来る。このスキャニングの雨に触れてしまえば最後、即座にアルゴスに存在を探知されてしまう。
    • 通常は電脳空間に座するため物理空間への直接干渉は不可能。しかし、ネオサイタマ中の監視カメラやネオサイタマ市民が着用しているサイバーグラスを介して物理空間の情報を自由に収集出来る他、戦闘時には自身の手駒兼端末とも言うべきハイデッカーやペイガンを利用し物理空間での戦闘を代行させることが可能である。
  • 他にも、取り込んだAIを下位のデーモンとして使役している。
第3部終盤ネタバレ
  • 規格外の電脳戦能力を誇るアルゴスだが、実は第3部を通して不完全な状態であった。
    • 月面基地のジェネレータはY2Kとその後のオーバーフロー余波で休眠状態に入ったため電力が不足しており、本来の演算能力とタイプ速度を発揮出来ていなかった模様。
  • アガメムノンと並ぶアマクダリの心臓部であるアルゴスの真の力は、メガトリイ社の遺産を利用した「アルゴス・システム」によって世界全土のネットワークの再定義を成しうるほどである。

TELNETプロトコル

  • アルゴスが自在に操るコマンド。「古の強大なTELNETプロトコル」とも称される。
    • Telnetプロトコルは実在する遠隔サーバを操作するための通信プロトコルである。しかし現在ではセキュリティ面の問題から主流でなくなっている。
    • ヘッズの間では、(作中のTELNETは)暗号化による防御力がない代わりに、レスポンスに優れた超攻撃的プロトコルと解釈されている。
    • ナンシーと協力者がアルゴスに反撃する際にもこのプロトコルが用いられた。コードロジストの登場以来、通信プロトコルもまたハッカー達の執る武器として重要なアイテムと定義付けられたのだ。
  • コトダマ空間内では「010111011…」のような01ノイズを口に出している描写があった。機械語を直接入力しているのだろうか。

連携システム

  • 自身の卓越した電脳戦能力を応用した支援システム。
  • 戦闘を行うアマクダリ・ニンジャ同士の間を仲介することにより、隙の無い高度な連携戦術を実現させる。
    • しかし、アルゴスの送る膨大な情報量や命令速度に情報を受ける側のニンジャが対応できず、アルゴスの想定通りに動けないことがある。
    • カラテ力量の伴わない一定水準以下のニンジャが使用した場合主体性や判断能力が奪われるデメリットがあるが、テクノ適正の高いニンジャが使用すればデメリットを受けることなく効率的な戦闘力に磨きがかかる。

ストーリー中での活躍

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  • 「ヒア・カムズ・ザ・サン」にて、コトダマ空間にダイヴしていたナンシーの前に突如出現。コトダマ空間内に01ノイズ亀裂を生じさせながらナンシーと彼女をフォローしていたサヌマへ襲い掛かり、退却を余儀なくさせる。
    • これ以降、アマクダリの電子防衛の要として、ナンシーの最大の障害になる。
       
  • 「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」におけるニンジャスレイヤーとナンシーの作戦の目的はアルゴスの秘密を掴むことであり、アルゴスは彼等と本格的にイクサを構えることとなる。
     
  • 「フェイト・オブ・ザ・ブラック・ロータス」では、ブラックロータスのシェルターを掌握したナンシーとコトダマ空間にて交戦。シェルターのシステム奪還が優先であったため一瞬の交錯だったが、ヤバイ級ハッカーのナンシーが自らを囮としても数秒稼ぐのがやっとであった。
     
  • 「ショック・トゥ・ザ・システム」にて巨大空母キョウリョク・カンケイに侵入したニンジャスレイヤーとナンシーは、「12人」のマスターマインドからADMIN権限を奪取。ナンシーはアマクダリの機密サーバにアクセスし、メガトリイ社の遺産、月面機密サーバそのものがアルゴスであることを知るが、ハーヴェスターが参戦したことによりマスターマインドは復帰を果たし、ADMIN権限を取り戻した彼はアルゴスにナンシーのニューロンを焼くよう指令を下す。
  • アルゴスはナンシーを絶体絶命の危機に追い込むが、ピグマリオン・コシモト兄弟カンパニーのエシオ・カタリと自我に目覚めたネコチャンの介入によって彼女は命を拾い、さらにナボリ・ドックゴウト・ニシムラがシステムショックを起こす。これによって生じたネオサイタマのIRCの乱れにアルゴスの目が撹乱された瞬間、彼はナンシー達の攻撃を受け、アマクダリの機密データを奪われてしまう。
    • アルゴスへの攻撃の際にネコチャンがアルゴスに取り込まれてしまう。
  • 復帰したアルゴスはすぐさま機密データを追いかけるが、データは「ャー都会カルチ」へと転送されてしまう。この「世界の命運を賭けた」データを巡り、作戦と戦線は最終局面へと雪崩れ込むのであった。
     
  • 「フェアウェル・マイ・シャドウ」ではニチョーム戦争の指揮を取る様子が描かれたが、ケオスに呑まれ潰走するアマクダリ・アクシスを見て歪な感情が生まれ、苛立ちを覚えている。それは自我に目覚めたネコチャンを取り込んだことによって予想外に組み込まれたエゴか。あるいはニンジャソウルがもたらした怒りか。答えは明らかにされていない。
     
  • 鷲の翼編ではネオサイタマの全権力を掌握したアガメムノンと共にアマクダリの象徴として君臨し、ニンジャスレイヤーと協力者を苦しめた。また、人造ニンジャのペイガンを完成させ、各所で運用している。
     
第3部最終章での活躍

見よ。全てのモータルよ、詳らかにされた真の孤独を知り、跪くがいい。お前たちが忘れ去り、蔑ろにしたものが、いま、お前たちの忘れた荒々しい夢すべてを剥奪する。そしてお前たちが望んだ、均質な未来を引き渡す。奴隷の首吊り縄を引き渡す。飼い慣らされた均質なる魂のための均質の幸福を引き渡す。

  • しかし、月基地内部でのニンジャスレイヤーとアガメムノンのイクサの末、ニンジャスレイヤーがアガメムノンを複合UNIXデッキに叩きつけ、その衝撃でUNIXデッキは爆発四散。さらにUNIXデッキの爆発がジェネレータに届き、月内部空洞に築かれていたメガトリイ地下施設網とジェネレーター群が連鎖爆発を起こし、月が砕けた
    • 連鎖爆発すると月が砕けるほどの巨大な施設を、いつの時代、誰が、どのようにして建造したのか。地の文は「いたずらに歴史の闇に触れるのは得策ではない」としか語らない。
  • こうして月基地メインフレームの破壊が直接の死因となり、アルゴスは死に、再定義も巻き戻された。

一言コメント

「何故リージョン化?」
  • 心を獲得したAIってサイバーパンクでは定番ヒロイン枠なのに、その第一号が邪悪なニンジャ組織の大参謀というのが実に忍殺 -- 2018-09-01 (土) 01:16:55
  • ニンジャソウルは同性にしか憑依しないというのは、アルゴス=サンを見るに肉体的・生理的な制約ではなくあくまで自分をどう認識しているかというアイデンティティの問題に見える。だとするとこの制約も100%ではなく例外もありそう。性同一性障害のリアルニンジャとかもいるだろうから -- 2018-09-01 (土) 07:36:54
  • インタビューの中でさらっと憑依ソウル明かされてたけどネヴァーダイズの「ダンス・トゥ・ツキ・ヨミ」ってそういう事か -- 2020-06-04 (木) 16:39:18
  • 憑依ソウルのツキヨミ・ニンジャはどんなジツ運用をしていたんだろうか。憑依者ですらペケロッパに神として信仰されているし、元ネタ的にも神話級ニンジャだと思うが・・・ -- 2021-01-12 (火) 21:01:40
  • ↑3 オカマがニンジャになってるんだし、まあ多少はね。 -- 2021-01-13 (水) 17:03:37
  • ↑3 空に昇った月を介して、或いは月光に照らされたモノの情報を得て操るジツだとすればアルゴス=サンに通ずるモノが有りますネー。同時にアルゴスは月そのものだったとやっと気付いて目からスケイルな。 -- 2021-08-03 (火) 23:31:51
  • 名前だけでパワのある強大なソウルですね。珪素生物めいた存在にまで体を変化させたからコンピューターに憑依しちゃったとか? -- 2021-12-30 (木) 06:18:38
  • 全盛期ならオモイに十分に勝てたナンシー=サンと、三部終盤のフル稼働状態ならオモイを完封できるアルゴスと改めて規格外だなと -- 2022-01-06 (木) 12:27:04
  • オモイ・ニンジャ=サンの強大さゆえ、シルバーキー=サンの特殊空間から、3つの目だけでも、空にうかぶ巨大な星のように見えていた。つまり、ナンシー=サンやアルゴス=サンが同じことをすれば、巨大な豊満や、巨大なコンピューター(かそのまんま100の目の巨人)が、空に浮かび上がるのでは? -- 2022-01-06 (木) 20:54:41
  • ↑さりげなくナンシー=サンの強大さを豊満で表すのはちょっとやめないか -- 2022-11-11 (金) 18:30:06