そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート

Last-modified: 2009-10-13 (火) 23:38:51
 

はやみねかおる 『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』 青い鳥文庫

 

本作に登場する探偵は、とにかく物忘れがひどい。
自分の年齢も覚えていなければ、いつ食事を摂ったかもすぐに忘れてしまうなど、まるでボケ老人のようなことを言う。
その容姿も胡散臭く、ひょろりとした長身を黒のスーツで包み、顔には黒のサングラス(しかも丸い!)をかけている。
名前は夢水清志郎、自称『名探偵』である。
本作はこのいかにも頼りなげな夢水探偵のデビュー作、舞台は完成したばかりの大型遊園地、
天才児と呼ばれ世を騒がせている五人の子供たちが遊園地のアトラクション内で次々と消えていく。
犯人は『伯爵』と名乗る神出鬼没の怪人。
ジェットコースターに乗ってはしゃいでいた矢先、事件に巻き込まれた自称『名探偵』の夢水清志郎は
事件を解決することができるのか?

 

そして忘れてはならないのが、夢水探偵と行動を共にする三つ子の姉妹である。
彼女たちの活躍抜きに本作の面白さは語れない。

 

自信過剰で毒舌家、常識はないが食い気はある。
モットーは『関わった人全てが幸せになるよう事件を解決する』ことだと豪語する名(迷?)探偵、
夢水清志郎が見せる赤い夢に貴方も浸ってみてはいかがだろうか。
例え本書が"青い鳥文庫"だろうとも、"小学上級から"と裏表紙に謳われていようとも、
勇気を出して手にとってみることをお勧めする。

 

担当者 - 瑚浮