概要
モデルはSharps Model 1874。
19世紀の中頃、クリスティアン・シャープスによって設計されたいわゆるシャープスライフルは、南北戦争に登場したいち単発銃としてその名を知られている。
戦後においても、その命中精度と信頼性を買われて、シャープスライフルは軍用銃としてではなく猟銃として活躍を続けた。
特にその堅牢さから大型の野生動物に対しても有用な大口径弾薬が使用できる為、西部開拓の時代においてこの銃は二つ名で呼ばれることもしばしばだった。
その二つ名こそが『バッファロー・ライフル』である。
単発銃ではあるが、同世代のミニエー銃やエンフィールド銃とは異なり後装式であり、イメージとしてはレバーアクションの単発版に近い、フォーリングブロックアクション方式を採用している。後装式の初期に考案されたフォーリングブロックアクション方式ではレバーを引いた際、連動してブリーチ・ブロックが作動することで薬室が開く。 その状態のまま後部より手動で薬莢を装填するのである。
ハンマーはレバーと連動しておらず、スペンサーカービンのように手動で起こす必要があった。
薬莢が紙から金属に移り替わりゆく時代において、シャープスライフルはモデルをまたいでその両方を扱っていたという点においても特筆に値する。
Model 1874は環境変化に弱い前時代的な紙製薬莢ではなく、より近代的な金属薬莢を使用する後発モデルである。
また、南北戦争中に作られた少数のシャープスライフルには、銃床に手動の粉挽き機が付属していたという。