炎の一週間

伊伏 衣緒
8月29日1：控え室
東京女子プロレス 正規軍 猛牛軍
伊伏 衣緒：

……………………

桐咲 真梨：

今日の対戦相手は、
伊伏さんですよね。

伊伏 衣緒：

…………………………

桐咲 真梨：

伊伏さん？

伊伏 衣緒：

…………………………

桐咲 真梨：

……あのー
……ちょっと
聞きたいことが……

伊伏 衣緒：

出ていけ。

桐咲 真梨：

えっと……

伊伏 衣緒：

ここは猛牛軍の控え室だ。
出て行け。

桐咲 真梨：

し、失礼しましたーっ。

試合前

では……参る！

勝利時

試合前はすまなかったな。
追い出したりして。

桐咲 愛音：

いえ、こちらも
配慮が足りません
でした。

桐咲 真梨：

ごめんなさーい！

伊伏 衣緒：

いや、
怒っているわけではない。
ただ、私は心が不器用な
ものでな。

試合前に敵と語ると
調子が狂う。
うまく切り替えが
出来ないのだ……
その点については、
むしろ未熟と言われても
仕方ない。

桐咲 真梨：

あー……確かに。
ウチ、気持ちの切り替え
うまい人が多いというか。

伊伏 衣緒：

そうだろう。

試合直前まで馬鹿話を
して笑いあっていた者
同士が……直後の試合で
血みどろになって
殴り合う光景をよく見る。

あの器用さは
見習いたいものが
ある。

桐咲 真梨：

はは……は……

伊伏 衣緒：

それはそうと。
試合前に何かを聞きた
そうにしていたが……
何だったのだ？

桐咲 真梨：

あ、えっと……猛牛軍は
どうするのかなーって。

伊伏 衣緒：

どう、とは？

（滝沢 泉vs.と日高 舜のカットイン）

 ほら、前回……神崎さんへの
 挑戦権を巡って、日高さんと
滝沢さんが争ったじゃないですか。

それで、神崎さんを守ろうとした
   滝沢さんが負けて……

（神崎 玲子vs.日高 舜のカットイン）

 滝沢さんに勝った日高さんは、
  神崎さんに惨敗した……

桐咲 真梨：

それで正規軍内が
すごい荒れてるみたい
だけど……

猛牛軍は、
どう動くのかなーって……

伊伏 衣緒：

ああ、そのことか。

一つ言っておこう。

私は心が不器用な
だけではない。
知能も不器用なのだ。

桐咲 真梨：

……はい？

伊伏 衣緒：

つまり考えるという行為が
苦手なのだ。

故に、考えるのは
上に任せる。
私はボスの決めたことに
従うのみだ。

リザルト

戦うことしか、能が無いのでな……

敗北時

ふむ……悪くない

岩田 香辛
8月29日2：控え室
桐咲 真梨：

えっと……
こっちはお邪魔して良いのかな……

東京女子プロレス 正規軍 猛牛軍
岩田 香辛：

お、どうしたん？
そんなところでコソコソして。

桐咲 愛音：

いえ、試合前のご挨拶に
来たのですが……
お邪魔ではないかなと。

岩田 香辛：

あー、そっかそっか。
１コ前が伊伏だったんだっけ？

いいよー。
私はそういうの気にしないから。
ご挨拶どうもね。

伊伏も悪気はないんだ。
気を悪くしないで
やっとくれよ。

桐咲 愛音：

ええ、それはもう……

試合前

んじゃ、試合は試合で……いくよっ！

勝利時

お相手、
ありがとうございました！

桐咲 真梨：

そういえば岩田さん。
猛牛軍ってこの後、
どう動くんです？

岩田 香辛：

んー、そういや
聞いてなかったな。

北村さーん。
私ら、今回どうするんです？

東京女子プロレス 正規軍 猛牛軍
バッファロー北村：

んー、そうだねぇ。

今回は女帝直下と
滝沢組の争いだろ？
好きにやらせとけ……
といいたいところだが。

次のお役目を
狙っているのは、
直下の連中だけじゃない
からな。となると、
滝沢以外は若手だらけの
滝沢組じゃ、
ちと心許ない。

勝負ってな、
結果が分からないから
おもしろいんだ。

岩田 香辛：

じゃ、猛牛軍は
今回滝沢組に加勢ですね。

バッファロー北村；

そうなるかな。

リザルト

了解了解。じゃ、直下の連中に喧嘩うりましょっか！

敗北時

へへっ。私ゃ、小さくてもミが詰まってるからね

鹿野 瑠璃
8月30日1：控え室
東京女子プロレス 正規軍 日高一派
鹿野 瑠璃：

はー、日高さんが
負けてからというもの……
居心地悪いわ。

桐咲 真梨：

やっぱり……日高さん、
落ち込んでるの？

鹿野 瑠璃：

逆よ、逆。

神崎さんがいきなり
全力を出してきたことで、
かえって燃えちゃってね。

「神崎に底を出させた！
 次はその底まで潜って
 いったる！ タイトル戦で
 なくていいから、
 もう一回やらせろ！！」

って……もう、
元気で元気で……

桐咲 真梨：

げ、元気なんだー……

鹿野 瑠璃：

負けたばかりなのに
威勢がいいもんだから、
居心地が……

桐咲 真梨：

ふぁ……ふぁいとー

試合前

でも、ここが踏ん張りどころですよね！

勝利時

大丈夫、大丈夫。
日高さんの敗北に比べたら、
今日の私の一敗くらい……
おちこむ必要なんて無い。

桐咲 真梨：

それで……
その日高さんは？
あの目立つ人が、
そんなに騒いでいたら
私たちの耳にも入って
くると思うんだけど……

鹿野 瑠璃：

あー、今いないから。

桐咲 真梨：

いない？

リザルト

まあ、詳しくは……西田さんに聞いて

敗北時

こうして結果を出していけばっ！

プリティ西田
8月29日1：控え室
東京女子プロレス 正規軍 日高一派
プリティ西田：

神崎さんがいきなり
全力を出したってことは、
それだけ日高さんが
警戒すべき相手だったからよ！

それ即ち、
それだけ神崎さんを
追い込んだということ！
最強の挑戦者で
あった証なの！！

桐咲 愛音：

は、はぁ……

桐咲 真梨：

西田さん、
あいかわらず
日高さんびいきだなー。

鹿野 瑠璃：

彼女、本当の本気で、
日高さんに心酔してる
から……

桐咲 愛音：

それで……
その日高さんは？
「いない」と
伺いましたが……

プリティ西田：

うん、いないよ。

日高さんはね、
会社に神崎さんとの
再戦をお願いしたの。
そしたら社長に
言われたんだって。
「周りが納得する実績を出せ」って。

桐咲 真梨：

実績って？

プリティ西田：

例えば「海外の団体から
ベルトを１つ２つ奪ってくる」
とか……

……って言われた翌日には
「ほな、アメリカ行ってくる」
って書き置きがあったの！

桐咲 真梨：

す、素早い……

プリティ西田：

でしょー♪
即断即決即行動！
さすが日高さんよねー！！

試合前

私も、見習わなくっちゃ！

勝利時

あーもー、勝ってから
行きたかったなー……

桐咲 真梨：

行く？

プリティ西田：

もちろん、日高さんの元へ！

一日でも早く
日高さんが海外のベルトを
獲れるようにね。
側にいてサポートしないと！！

瑠璃ちゃんも
今日は早く寝てね。
早朝出発だから！

鹿野 瑠璃：

やっぱり……
私も行くんですねー。

リザルト

ついでに海外ライブもやっちゃうよ！

敗北時

日高さんの一番弟子だもん。きらりっ♪

キャシー・ホワイト
8月31日1：控え室
東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
キャシー・ホワイト：

今回の抗争での、
私たち（サンデーモーニング）の立場？

って言ってるけど……
リーダー的には、
どう？

東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
あかり：

私たちは……
通常運行かなー？

東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
ジャスティスＸ：

通常運行だが、
激務でもあるな！

東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
メアリー・ノートン： （註：原文のまま）

そうそう。
正規軍内でゴタゴタ
してるから、凶獣（ヒール軍）との
戦いがこっちに
回ってくるんだよねー。

キャシー・ホワイト：

きっついわよー。
凶獣の相手するの。
正規軍内で連係とれてないから、
各派閥、各個撃破されてる
状態だもん。

最近は、
毎回ぼっこぼこに
されてる感じ？

桐咲 真梨：

た、大変だねー

試合前

今日は久々にクリーンなファイトが出来そう！

勝利時

はー、マトモな試合は
気持ちいいわー。

桐咲 真梨：

凶獣戦は、
やっぱりイヤ？

キャシー・ホワイト：

ん？ ああ、いやいや……

凶獣戦はキツいけど、
キライじゃないのよ？
だって……

あかり：

ヒール相手だから、
私たちが無条件に
正義になれるもんねー。

キャシー・ホワイト：

うん。私たちとしては、
ありがたい相手よ。

リザルト

ボッコボコにやられちゃうんだけどね……

敗北時

やっぱりキレイな試合はいいよね！

スクール飛咲
8月31日2：控え室
東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
スクール飛咲：

会社もひっどいよねー！

桐咲 真梨：

ひどいって……何が？

スクール飛咲：

夏が終わっちゃツタことだよ！

夏と言えば私！
水着と言えば私なのに！

（SUMMERディアナ、SUMMER石狩 みな、SUMMERあかり のカットイン ）

ディアナさんとか！ 石狩さんとか！ あかりさん
  とかで水着キャンペーンをやったのに！

私にお呼びが
かからないって、
どういうことさーっ！

あかり：

しかたないよー。

だって、
スクール水着って
イタいもん。

スクール飛咲：

イタ……っ！？

あかり：

あと、学生以外が
着てると何か
犯罪っぽいし？

スクール飛咲：

犯っ……！！

試合前

何か、私の存在意義全否定されたような！？

勝利時

はー……
なんか、今日は試合前に
すでに負けてた気がするよ。

キャシー・ホワイト：

あかりさんの言うこと、
真に受けてたら身が
もたないよー？

彼女、ホンネを
包み隠さず話してる
だけだから。

スクール飛咲：

その事実、何の救いにも
なってないよ？

桐咲 愛音：

サンデーモーニングは……
いつもどおりみたいですね。

あかり：

まあねー。

魔法が告げているの。
私たちはこのままで
いいんだって。

だって、私たちが
シリアス路線に転向したら、
ウチの団体みんな
シリアスになっちゃう
じゃない♪

桐咲 真梨：

（あれ？
 シリアスじゃない人
 たちって……
 サンデーモーニング
 以外にもいるような？）

リザルト

何と言われようと、私はスク水が大好きだーっ！

敗北時

イタくないっ！ イタくないんだーっ！！

なめこぐるみ
9月1日1：控え室
桐咲 愛音：

今日の対戦相手は……
二人とも、無所属の選手
ですね。

桐咲 真梨：

無所属ってことは、
どこのグループにも
属してない人たち？

桐咲 愛音：

ええ。この状況だと
フリーの人たちは大変だと思うわ。

東京女子プロレス 正規軍
なめこぐるみ：

ホント、
たいへんなのですよー！

ここしばらく、
なめこたちフリーは
凶獣の方々に
蹂躙されているのです。
ボコボコにやられて
いるのです！

こういう時こそ、
上は下の者を
守るべきなのですよーっ。
無垢な市民を
守って欲しいのです！！

東京女子プロレス 正規軍
中江 いんこ：

なーにトチ狂った事
言ってるんですかね、
この菌類は。

レスラーなら
テメェの身くらい
テメェで
守りやがれってんです。

なめこぐるみ：

それが出来たら
苦労しないのです！

一対一でも厳しいのに、
連中は容赦なくみんなで
フクロにしてくるのです。

こないだなんか、
試合で負けた後……
みそ汁の入った大鍋に
叩き込まれたのですよ！

その後、
みそ汁をおいしく
いただかれて……

中江 いんこ：

なめこ冥利に
尽きるじゃねーですか♪

だいたい、凶獣だって
誰でも襲ってるわけ
じゃねーです。
襲って「あいしい」と
思った相手だけ
襲ってるですよ。
むしろ、喜ぶべきです。

その証拠に、新人とか
どうでもいい中堅は
無視されてるでしょ？

なめこぐるみ：

……うぅ……

試合前

今だけ、どうでもいい存在になりたいのです

勝利時

あー、なめこも
トラバーユ先を
探すべきなんですかねー。
どっかの派閥に
属したいです……

中江 いんこ：

そんな性根じゃ、
どこいっても
やってけねーですよ？

なめこぐるみ：

性根なんて
どうでもいいではないですか。

過去の偉人も
言っているのです。

寄らば大樹の陰と！ （ドーンとドヤ顔）

中江 いんこ：

……………… （どんより呆れ顔）

なめこぐるみ：

な、何ですか……
その、かわいそうな
ものを見るような
目は！？

中江 いんこ：

………………

なめこぐるみ：

あっ、無言でどこに
行くのです！？

ま、待つのです！
なめこは同情されるのは好きですが、
哀れまれるのは嫌いなのですよっ！

桐咲 真梨：

…………

桐咲 愛音：

…………

次の試合の準備、
進めておきましょうか？

桐咲 真梨：

そうだねー。

リザルト

うう……間違った事は言ってないはずなのです……

敗北時

こ、これでまた狙われるのです（がくがく）

パペット夢原
9月1日1：試合会場前
桐咲 真梨：

次の対戦相手は
夢原さんだね。

なめこぐるみ：

お、夢原さんのところへ
挨拶へ行くですか？

なら、なめこも
行くですよ。
ついていくです。

桐咲 真梨：

夢原さんに何か用が？

なめこぐるみ：

大ありです。
いんこさんに
ドン引きされて、
なめこも反省したのです。

やはりレスラーたるもの、

少しは野心を

持たなくてはならない。

ちょっとぐらい冒険しなくては

いけない、と！

桐咲 真梨：

（口に出してる。
 本音も口に
 出しちゃってるよ？）

え、えーと……
具体的には？

なめこぐるみ：

無所属の人間で、
新派閥を作るですよ！

無所属の中にも
実力者はたくさんいるのです！
その方々を集めれば、
一大勢力の出来上がり！

その中で、なめこは
孔明的ポジションとなって
実力者を操り……
あいしいところをいただくって
寸法です！

桐咲 真梨：

（ああ、やっぱり
 残念な人だなぁ）

（控え室）
なめこぐるみ：

と、いうわけで……
なめことタッグを組もう
なのですよ夢原さん！
パートナーになって
くださいなのです！！

東京女子プロレス 正規軍
パペット夢原：

お断りするよ♪

試合前

私にはもう、妖精さんっていうパートナーがいるもの。

勝利時
なめこぐるみ：

はうぅー……
なんで駄目なのですか。
夢原さんはフリーでは
かなりの実力者。

理由を聞かなくては、
あきらめきれない
のですよー。

パペット夢原：

だって、
私のタッグパートナーは
妖精さんだもん。

なめこぐるみ：

言い方が悪かったなら
訂正するのです。
タッグでなくチームを
組もうなのです。
新派閥を作りたいのです！

パペット夢原：

チームねぇ。
それでも、お断りだよー。

もう先に……
ホワイトフェイスちゃんに
さそわれたし。

なめこぐるみ：

えっ。

中江 いんこ：

夢原さんが誘われたソレって、
もしかして星屑です？

パペット夢原：

そうそう、そこ。

中江 いんこ：

いんこも、珠樹ねーさんに
誘われたですよ。

こがねの馬鹿に
触発されたってのは
気にいらねーですが……

ねーさんには新人の時に
お世話になったから、
やる気になってくれて
嬉しいです。

パペット夢原：

いんこちゃんは、入るの？

中江 いんこ：

つきあってやっても
いいかもですねー。

ずっとつるんでた二人が
別の活動してるし……
馬鹿は、いい具合に
いんこの引き立て役
やってくれそうですし。

なめこぐるみ：

あれ？ なんでくるみは
誘われないのです？
二人に声がかかって、
くるみにかからない
なんておかしいのです！

中江 いんこ：

はぁ？
オメーの性根で
誘われると思ってるん
ですか？

なめこぐるみ：

ぎゃあ、言葉がいたいのです！

パペット夢原：

そっかー、それなら
私たちも前向きに
考えなきゃだねー。

リザルト

忙しくなりそうだね、妖精さん♪

敗北時

私たちのタッグは、無敵なんだよ！

都坂 ユーリ
9月2日1：控え室
桐咲 愛音：

今日は、Ｄ＆Ｄ戦の （註：原文のまま）
方達との対戦ですね。

桐咲 真梨：

Ｄ＆Ｄって、マーズ野々村さん
がリーダーのチームだよね。

最近、あまり
目立ってない気が
するなあ……

桐咲 愛音：

そうね。

ライバルだった
ナイトメアがいなくなって
しまったから……かしら。

桐咲 真梨：

ああ、
敵がいなくなっちゃった……
みたいな？

東京女子プロレス 正規軍 Ｄ＆Ｄ
都坂 ユーリ：

……うん？
だから、私たちも
これ以上くすぶって……
いられない……

桐咲 真梨：

うわっ、
ユーリさんいつから
そこにっ！？

都坂 ユーリ：

……最初から……いたよ？

昨日ね……みんなで
話してた……Ｄ＆Ｄも、
動くときが……
きたねって……

試合前

エンジン始動……ぶるるん……

勝利時
桐咲 真梨：

そっかー、
ついにＤ＆Ｄも
動くのか－。

都坂 ユーリ：

……うん……
……動く……

私たちも……
いつまでも…………
ナイトメアに
こだわっては……
いられない……

だから……今回の……
直下と、滝沢組の戦いに
……参加する……

桐咲 真梨：

ど……
どっちにつくの？

都坂 ユーリ：

それも……
もう話した……

形の上では……
直下に加勢……

……滝沢組には……
私たちの生贄に……
なってもらうの。

桐咲 真梨：

な、なるほどー。

（生贄って……
 見かけによらず獰猛な
 性格して
 いらっしゃる……）

リザルト

滝沢組……つぶすよ？

敗北時

ぶろろろろろろろろ

ムー成田
9月2日2：控え室
東京女子プロレス 正規軍 Ｄ＆Ｄ
ムー成田：

生きるということは、
戦いだ。

私はムーの戦士。
かつてはムー大陸で戦い、
生まれ変わったこの国でも
また、レスラーとして
戦っている。

故に、私は生きている。
だが、ここしばらくの
Ｄ＆Ｄは、戦っていなかった。
ナイトメアという好敵手を失い、
戦いを見失っていた。

それすなわち、
生きることを見失っていた
ということ。
生きていながら死んでいた。

だから……
滝沢組と戦うという
今回の決断を、
私は歓迎したいと思う。

都坂 ユーリ：

成田の言葉は……
いつも……分かりづらい……

もっと簡単に言えば……
いいと思う……

ムー成田：

むぅ……

ならば、簡単に言い表そう。
ようやく暴れられる時が来た。

嬉しいぞ。

都坂 ユーリ：

うん……わかりやすい……

試合前

戦いの狼煙を、あげよう

勝利時

ふむ……試合結果は
残念だが、仕方ない。
思ったよりは動けたし……
よしとしよう。

都坂 ユーリ：

成田……最近、ずっと……
肉体改造に……
腐心してたもんね？

ムー成田：

成果は上々と自負している。
生きたまま、
生まれ変わった気持ちだ。

この鍛え上げた肉体を、
現世の仲間……
Ｄ＆Ｄのために使うと
誓おう。滝沢組も……
女帝直下も……我々が倒す。

桐咲 真梨：

あれ？ さっき
Ｄ＆Ｄは直下に
加勢するって……

都坂 ユーリ：

……いった……よ……

ムー成田：

都坂は何もおかしなことは
言っていない。

何故なら、滝沢組を
倒した後に、
直下に宣戦布告
するのだから。

都坂 ユーリ：

そう……
何も……矛盾しない……

桐咲 真梨：

（好戦的だなー）

桐咲 愛音：

ふふ。Ｄ＆Ｄもまた……
東女の正規軍、
ということですね。

桐咲 真梨：

そ、そうなの？
ウチの正規軍って
みんなこうなの？

リザルト

最後は、Ｄ＆Ｄが東女の頂に登る

敗北時

今の私は、充実している！

十六夜 半月
9月3日1：控え室
東京女子プロレス 悪役軍（ヒール） 凶獣
十六夜 半月：

お邪魔するよ。

桐咲 真梨：

あ、今日対戦する……

十六夜 半月：

そうだよ。半月だよ。

桐咲 真梨：

これから挨拶に行こうと
思っていたところだよー。

十六夜 半月：

そう思って、半月から
挨拶に来たんだ。半月は、
思い立ったら即行動だから。

よろしくね、
エースのお姉ちゃん。
マネージャーのお兄ちゃん。
今日は、普通の試合……
しようね。

試合前

半月が……試合をするよ。

勝利時

桐咲 真梨：

あれ……普通に
試合が終わった？

桐咲 愛音：

終わった……わね。

（前回の乱入シーンのカットイン）

前回みたいに、凶獣の乱入があると思ってたのに……

桐咲 愛音：

無事に終わるなら、
それにこしたことは……

桐咲 真梨：

でも、いんこさん
言ってたじゃない。
襲って「おいしい」と思う
相手だけ襲ってるって。

まさか、ウチって
凶獣においしいって
思われてないんじゃ……
なめこさん以下に
思われてるとか！？

東京女子プロレス 悪役軍（ヒール） 凶獣
アントラー山口：

はっはっは。ないない、
それはない。

桐咲 真梨：

山口さんっ！

アントラー山口：

ほら、前回あんたらに
言ったでしょ。
「凶獣に来ないか？」って。

仲間になるかも
知れない相手には、
手を出さないよ。

桐咲 真梨：

そっかー、そうだよね！

（でもそれって、
 断ったら手を出す
 ってことだよね？）

リザルト

さすが、山口さんが見込んだお姉ちゃんだね……

敗北時

お姉ちゃんには、がっかりだよ。半月、がっかりだ。

恵比寿 さとり
9月3日2：控え室
東京女子プロレス 悪役軍（ヒール） 凶獣
恵比寿 さとり：

今度はね、
凶獣のターンなんだ。

桐咲 真梨：

凶獣のターン？

恵比寿 さとり：

うん、そう。

だって正規軍は前回、
ナンバー１と２で
頂上決戦をやったでしょ？
なら、それ以上のカードを
提供できないじゃない。

今度始まる女帝直下と
滝沢組の抗争で、
どんな新星が生まれるかは
分からないけど……

次の挑戦者は、
私たち凶獣から出すよ。
直下が勝とうが、
滝沢組が凌ごうが……
それを私たちが叩きつぶして
神崎さんに挑む。

今度の凶獣はね、
本気だよ。

試合前

だから私も、やれるだけの事をやる。

勝利時

私ね、凶獣が大好きなんだ。
ほら、私……人の心が
分かっちゃうからさ。
超能力じゃないけど、
超能力並みの正確さで。

だから疎まれて
きたんだよね……
自分の心を覗かれて
平気な人って、
あまりいないから。

それで、居場所が
無かったって言うか。
……うん、ずっと
フラフラしてたというか……
根無し草というか……

でも、井上さんに
居場所をもらったの。
井上さんの周りにはね……
本音で語る人が
多く集まるから。

みんな本音で、
本心から語るから、
きつい正確に見えたり、
変わり者に見えたり
するかも知れないけど……
気持ち悪くないんだ。

本心を隠してる
井ノ瀬ちゃんだって、
本心と行動がつながってて
わかりやすいから、かわいい。
嫌じゃない隠し方。

でもね。普通の人は、
考えてることと行動が
チグハグなの。
嫌な本心の隠し方をして、
気持ち悪い。

だから私は凶獣を守る。
私の恩人と、
自分自身の居場所を守るの。

……ふふ。この独白はね、
私からの誠意だよ？
山口さんがあなたを凶獣に
誘っているけれど……
そして凶獣は家族みたいで、
居心地が良いけれど。

それは私みたいな人間とも
つきあっていかなくちゃ
いけないということ。
菊池さんや、南城さんの
ような激しい人も
受け止めなくちゃいけないってこと。
その覚悟が、あなたにはある？

あるなら、私もあなたを
歓迎するよ。私……
善意には善意で
悪意には悪意で返すから。
それだけ、覚えておいて♪

リザルト

ふふ……

敗北時

あれ、こんなもの？ 山口さんの見込み違いかな……

赤津 ちか
9月4日1：控え室
桐咲 愛音：

最後は、
ソニックファミリーの
２人と対戦ですね。
ソニックファミリーは
……独立したチーム
としては、実質
正規軍最強派閥と
目されています。

桐咲 真梨：

あまり、
そういう印象
ないけどねー。

桐咲 愛音：

抗争の類いには、
あまり顔を出さない
派閥だからかしらね。

アントラー山口：

ってーわけで、頼むよ。

東京女子プロレス 正規軍 ソニックファミリー
ソニックキャット：

うん、いいぉ♪

桐咲 真梨：

あれ、山口さん？

桐咲 愛音：

なぜ、凶獣の山口さんが
ソニックファミリーの控え室に……

アントラー山口：

私がいても
おかしくはないさ。
私とソニの仲だしね♪

ソニックキャット：

山ちゃんは
同期なのさね。

東京女子プロレス 正規軍 ソニックファミリー
赤津 ちか：

そうだよ。
山口さんいい人だよ！

さっき、
２りっとるアイス
差し入れしてくれたし！

桐咲 真梨：

２リットルって
業務用の？

赤津 ちか：

うん、お店とかに
置いてあるヤツ！

桐咲 真梨：

今もらっても、
溶けちゃうような？

赤津 ちか：

だいじょうぶ、
もう食べた！

桐咲 真梨：

え？

赤津 ちか：

もう食べた！

東京女子プロレス 正規軍 ソニックファミリー
ディアナ・ライアル：

気づいたら
一人で全部食べてましたネ。

田中 えり子：

ったく、試合前だってのに。

桐咲 真梨：

え……でも２リットルって……
流石におなか壊すんじゃ……

ソニックキャット：

ふっ！
我等の胃袋を
ご存知ないのさね。

赤津 ちか：

あいす２りっとるなど、
朝飯前ならぬ試合前なのだーっ！

田中 えり子：

いや、大食いなの
その２人だけだから。

ディアナ・ライアル：

そんな食べたら、
おなかこわしちゃいまス。

赤津 ちか：

それじゃ、おなかも
ほどよく冷えたし……
試合であっためるかーっ！
おーっ！！

試合前

熱い試合で、おなかぽっかぽかーっ！

勝利時

アイスパワーを
出したのに負けたーっ！

アントラー山口：

そっかー、
差し入れ足りなかったかー。
ごめんなー。

赤津 ちか：

山口さんのせいじゃないよっ！
でも次はチョコ味がいいなっ！！

桐咲 真梨：

それで、山口さんは
なんでこっちに？

ソニックキャット：

ちょっとお願い
されちゃったんだぉ。

アントラー山口：

そうそう。
頼み事に来ていたのさ。

そろそろ、
ソニックファミリーも
本気になってみて
くれない？
……ってね。

リザルト

あ、でもいちご味も捨てがたい……

敗北時

山口さーん、おかわりないー！？

田中 えり子
9月4日2：控え室

本気……ね。望む所ですよ。

自分は、最初から
そうしたかった
ですしね。

アントラー山口：

そう言ってくれると
助かるなー。

いやね。今度はウチらも
本気なんだ。凶獣はね、
本気で攻める。
今が本気を出すに足る、
時代の節目とみてる。

次の挑戦権はウチが
もらう。私らが神崎さん
に挑む。私が行くか、
お菊が行くかは
わからないけど……

私としては
大決戦のつもりさ。
そのためには、
大譜代補整えたいんだ。
だから……

滝沢組と神崎さん直下、
その勝者に……
ソコんとこが全力で
手を貸してやって欲しい。
ぶつかって欲しい。

ウチらの本気に、
つきあって欲しいんだ。

ソニックキャット：

うん、だからさっきも
答えたのさね。
「いいぉ♪」ってね。

ディアナ・ライアル：

私は、ミカさんに
付いていくだけでス。

赤津 ちか：

本気でやるのが、
アイスのお礼ってことで
良いんだよねっ？

試合前

こいつは……燃えてきたな！

勝利時
アントラー山口：

お疲れさん。

田中 えり子：

うす！

アントラー山口：

それじゃ、
さっきの……頼んだよ。
後でガッツリやりあおう。

田中 えり子：

ええ、ガッチリ食らい
つかせてもらいますからね。
覚悟しといてくださいよ？

桐咲 愛音：

………………

（無言のソニックキャット）

桐咲 愛音：

あの……
差し出がましい
ようですが……

ソニックキャット：

気にしないでいいのさね。

桐咲 愛音：

それは……
失礼しました。

ソニックキャット：

にひ♪

桐咲 真梨：

……？

田中 えり子：

何です？

桐咲 愛音：

いえ、山口さんは
「勝った方に味方して
あげてくれ」とお願い
したものですから。

それでは、直下と
滝沢組の抗争には
口を差し挟めなくなる
のではないかと
心配しただけです。

田中 えり子：

あ……

桐咲 真梨：

そっか、
正規軍最強派閥が
加勢したら、
その時点で勝負が見えちゃうのか……

ソニックキャット：

山ちゃんが心配しなくても、
そんなヤボする
つもりはないの。
東女は、戦ってこそ東女なの。

そして、もう一つの
お願いも了解なの。
あたしたちは勝った方に
力を貸して……
本気の凶獣を迎え撃つのさね。

田中 えり子：

暑い秋に……
なりそうですね。

ソニックキャット：

ぽっかぽかなの♪

リザルト

その時が……楽しみだな！

敗北時

よし、この調子で……いくかっ！