BH Edge Tutorial
BH Methodのエッジ手順について解説します。
コーナーの解説に比べて、「このパターンだったらこう」といった厳密さは無く、単にパターンごとのコンセプトの説明になっています。
実際のところHalf Slice-Planeか8手手順かそれ以外かの判別さえつけば問題ありません。
その辺りは結構あいまいになっていますので、難しく考えなくてもOKです。本家でもエッジのページの方がどこかしら混沌としていることからも察せられるかと思います。
用語やコミュテーターの概要を知らないとこのページの内容は理解しにくいので、
あらかじめコーナーの解説?やCommutatorの基礎理論を一通り読んでおくことをお勧めします。
解説は、このページを参考にして作成しました。
この解説では、UBをバッファとして使います。
Half Slice-Plane(4手), Slice-Plane(8手)
Half Slice-Plane は、実質4手で3点交換ができるとてもスマートな手順です。(ただしFMCだと6手)
ただし、5x5x5や7x7x7などではセンターが崩れてしまいます。
そのため、センターを揃えた後に行うか、Half Slice-Plane を2回繰り返した Slice-Plane を使います。
コンセプト
Plane = UBとUFのように、ある平面上で入れ替え可能な2つのステッカー
Slice = BUとFUのように、ある面を3次元的にみた時に入れ替え可能な2つのステッカー
この2つの入れ替えを使うので、Slice-Plane の名前が付いています。
例えば(UB→DF→UF)の場合、手順は U2 M' U2 M' となります。
1回目の U2 がPlaneで、2回目の U2 がSliceです。
(UB→DF→UF)ではUBとUFがU-Planeで入れ替え可能で、UFとDFはF-Sliceにおいて入れ替え可能です。最初の1手ではUBをUFにインサートしています。2手目でUFとDFをU-Sliceに持ち上げ、3手目でそれらを入れ替えるとともにU面を戻し、最後の1手でセンターとエッジを本来の位置へ戻します。
この手順はCommutatorとして理解する意味はあまりありません。「2-2-1の交換をイメージする」「対角線上へ移動するエッジを2回180度回転させる」などの方法で覚える方が実践的かと思われます。
SP5,SP7,SP9(SPはSlice-Planeの略)などは、Slice-Planeのコンセプトを利用した手順です。
- 例
- SP5(UB→RF→LF) = F M F2 M' F = Half Slice-Plane + セットアップ + キャンセル (5手)
- SP7(UB→UL→UR) = M2 U M' U2 M U M2 = SP5 + セットアップ (7手)
- SP9(UB→RF→LF) = F' M F2 M' F2 M F2 M' F' = Slice-Plane + セットアップ + キャンセル (9手)
※SP9は、Slice-Planeと同様5x5x5や7x7x7でもセンターが崩れません。
Direct Insert, Toss Up, Drop and Catch
これらは全て、ABA'B'形式で8手のコミュテーターです。
インサートは3手で、入れ替え手順は1手です。
入れ替え可能なエッジのペアがあり、残りのエッジを入れ替え可能なエッジのどちらかに3手でインサートできる時にこれらが使えます。
この3つを区別できても、そんなにメリットはありません。多分……。
Direct Insert
インサート手順は X Y X' のような形式の手順となりますが、この X によって入れ替え可能なエッジと第3のエッジの両方が動くものを Direct Insert と呼びます。
- 例 : (UB→RD→UR)
手順 : R' E' R U R' E R U'
(A = R' E' R , B = U)
入れ替えを行うのはURとUBなので、第3のエッジはRDです。Xにあたる手順 R' によってURとRDが動くので、これはDirect Insertです。
Toss Up, Drop and Catch
Xにあたる手順によって第3のエッジが動かないものを Toss Up または Drop and Catch と呼びます。
Xにあたる手順でエッジがなんとなく「引き下げる」ような動きをする場合、Drop and Catch と呼ばれます。「持ち上げる」ような動きをする場合は、Toss Up です。「引き下げ」と「持ち上げ」の判断は個人の主観に依ります。
- 例 : (UB→FR→LF)
手順 : R U R' E R U' R' E'
(A = R U R', B = E)
入れ替えを行うエッジはFRとLFです。Xにあたる手順 RによってFRがF面からU面へ動くので、これは Toss Up です。
- 例 : (UB→UR→FD)
手順 : U S D S' U' S D' S'
(A = S D S', B = U)
Xにあたる手順 S によってURがD面に引き下げられるので、これは Drop and Catch です。
A9(9手)
コーナーのA9とコンセプトは全く同じです。解説はコーナーのものを参照してください。
B9(9手)
基本的にA9と同じですが、キャンセルがコミュテーターのBまたはB'に起こります。
- 例 : (UB→UL→LB)
手順 : U R E' R' U R E R' U2
(A = R E' R', B = U, Setup = U)
UBとULは交換可能ですが、LBはどちらにも3手でインサートできません。
URへは3手でインサート可能なので、初めにUBをURへセットアップします。
その後は普通のコミュテーターとして処理しますが、最後のU'の部分とセットアップ戻しでキャンセルが起こるので1手で処理します。
Wide setup into …(9手)
これは、もともと セットアップ1手 + コミュテーター8手 + セットアップ1手 で10手の手順です。
セットアップとコミュテーターの間にキャンセルは起こりませんが、2層以上を同時に回すことで2手を1手として処理します。
- 例 : (UB→FL→RU)
手順 : Rw' E R U' R' E' R U M'
(A = R' E R, B = U', Setup = M)
Aの R' とSetupの M が同時に行われ、Rw' となっています。
Setup into …(10手)
8手のコミュテーターの前後に1手のセットアップを行う手順です。
A9やB9とは違い、キャンセル等が発生しません。
- 例 : (UB→LU→FL)
手順 : (r') D M' U L' U' M U L U' D' (r)
(A = U L' U', B = M', Setup = (r') D)
Tag: 知識・理論