スマブラ個人小説/シークの小説/神々の思惑

Last-modified: 2011-04-29 (金) 05:31:33

ここは何だ!何なんだ     ッ!!

いや、神々の思惑っていう小説のページなんですが。
さて、読む前に・・・

注意!

    前触れ無く消される事があります
    前触れ無く編集される事があります






『   巨大な戦争があった。
   それは巨大すぎる戦争だった。
   この世界は異常をきたし、時空間は歪んだ。
   私達はその歪みを、"亜空間"と呼んだ。
   私達の世界の事は、その歪んだ世界と区別するため、"この世界"と呼んだ。


   亜空間   。暗闇の世界。
   私達は、その世界に、彼を封じた。

   彼   『戦争を止め、生物の滅亡を防いだ者』

   彼は戦争をとめた。
   だが、私達は、自分達のしたことの過ちを知らなかった。

   「戦争をして何が悪い。」
   だから、彼を封じた。"この世界"に封印を施して・・・。
   彼は封印した後、皆から"タブー"・・・禁忌と呼ばれた。

   だが、私達はその後に、自らの過ちを知った。


   戦争が   闇が、世界を飲んだ時、何が起こるかを。


   私達は、彼に謝りたいと思うが・・・


   ・・・無理だろうな。

   私達が生きている内に、安全に亜空間に行く道具や、時空間を超える道具が出来るとは思えない。



   ・・・彼は、亜空間の中で何を思っているのだろう。

   怒っていなければ良いが・・・。   』










 亜空の使者から1年後。



 亜空間の中で、緑のローブをまとったものが、あるところへ向かっていた。
 向かっているのは、かつて"禁忌"がスマッシュブラザーズに倒された場所。



 目的の場所へたどり着くと、彼は言った。


「復活しなさい。」


 人間の声とも、機械音とも取れない声を彼が出した時、眩い光が一瞬だけ放たれる。
 亜空間がまた元の暗闇に戻ったとき、緑のローブの前には"禁忌"が現れていた。



 緑のローブは彼といくつか会話してから、消えてしまった。











「おーい、クレイジー。亜空間の見回りに行ってこようぜー。」


 白い右手のその問いに、左手は読んでいた古そうな何冊もの本を本棚に戻す。


「古い本だな。」


 題名のかすれている本を本棚に戻しながら、クレイジーハンドが答える。


「一年前に、見つけてきたんだ。さあ、亜空間行こうぜ。」





「特に何も無いようだな。」


 マスターハンドがのんびりとそう言った。


「それにしてもハイテクだな、亜空間は。」


 そう、クレイジーハンドが言った。
 亜空間には、亜空砲戦艦などを造ったガラクタ等がたくさん落ちていた。


「もしかしたら、亜空砲戦艦の試作品なんかもあるかもな。」

「そだな。んじゃ帰るか、マスター。」


 二人の手が亜空間から帰ろうとしたとき   



 突然、光の鎖が飛んできた!
 二人の手は、すぐさまそれを避けて、飛んできた方向を見る。

 するとそこには、一年前に倒したはずの、タブーが浮かんでいた。


「・・・!な、なぜ貴様ッ・・・!」

「久しぶりだな、マスターハンド。一年ぶりか?」


 マスターハンドは、内心焦っていた。

 OFF波動なんかを撃たれたら・・・!
 マスターのその心配の通り、タブーは虹色の羽を広げていた。


「クレイジー、逃げろぉ!!」


 そう叫んだと同時に、タブーがOFF波動を放ってきた。





    クレイジーハンドは、マスターハンドの声に反応し、咄嗟に逃げた。

 その後、フィギュアが床に落ちた音が亜空間に響いた。






 マスターハンドのフィギュアを拾い、呟くタブー。


「クレイジーハンドは逃がしたか・・・。亜空軍を差し向けるか。」


 そう言いながら、フィギュアの台座に触れる。
 マスターハンドのフィギュアに。


「な、なぜ貴様が私を復活させる?」

「私には、貴様の力が必要だからな。」

「どういうことだ!?」


「・・・遥か昔のことだ、私が"この世界"に行けなくなったのは。遥か昔、私は亜空間へと封じられた。
 それ以来、私は復讐すべく"この世界"へ出て行くチャンスをうかがっていた。貴様の力で、私は封印を解く!!」











「おーいルイージ、ピーチ姫に会いに行こうぜー。」

「うん。」


 キノコ王国で、マリオとルイージが話を交わしていた。

「出発ー。」


 そう言って玄関のドアを開けた瞬間、マリオの目的は達成された。
 なぜか、そこにピーチ、それにクッパがいるのだ。


「ク、クッパ!それにピーチ姫!?どうして・・・?」

「亜空軍よ!」

「あ、亜空軍?」


 亜空軍なら、とっくに壊滅しているはずだ。
 マリオはピーチに問い返す。


「知らないわよ、でも亜空軍が城に攻めてきて・・・。」

「ワガハイもだ・・・。亜空軍が攻めてきた。」


「う、う~ん、よく分からないけど、亜空軍が復活したって事か?」

「じゃあ、もう一度タブーと戦うって事だね・・・。早速準備するよ。」


 ルイージは、そう言ってキノコやスターを用意し始める。
 すぐに用意が終わり、彼らは旅立った。






「マスターがやられちまった・・・。よし、タブーとの戦いだ!戦力を集めに行こう!」


 そう叫んだクレイジーハンド。
 彼は戦力を探すべく、旅に出たのだった。


「標的、発見。」


そんなクレイジーハンドを、一台の巨大なロボットが追いかけていた。











「おい、あれ!」


 マリオが、砂煙に指をさす。
 砂煙の中心部には、巨大なロボットのようなものがあった。


「・・・ガレオムね、亜空軍よ。」


 ピーチ姫がマリオの指さした方向を見ながらそう言う。


「よし、行くぞ皆ー!」


ガレオムを追いかける四人。



「まて、ガレオム!!」


 マリオがガレオムに叫んだ。

 クレイジーハンドを追っていたガレオムは、声のした方を振り向く。

 マリオはそれに向かってファイアボールをニ、三発打ち込んだ。


 だが、ガレオムはすぐさま拳を地面に叩きつけて衝撃波を発生させ、マリオのファイアボールを相殺してしまった。

 逆に、衝撃波がマリオに直撃した。
 マリオは大きく吹っ飛んだが、何とか受身を取って立ち上がった。


 凄いパワーだ・・・。


「他の敵もいるんだぞ!」


 立ち上がったマリオは、衝撃波を打ち下ろした後のガレオムの腕に、クッパがクッパドロップを当てるのを見た。
 それによってガレオムの腕は変な音を立ててへこんだ。

 ガレオムは、右腕が使えなくなったことで不利と見たのか、すぐに逃げていった。











「ん、何か後ろから音がするな、気のせいかな。」

 クレイジーハンドは、ガレオムに気付いていなかったので、後ろの音もさほど気にせずに歩いていた。
 そんな風に歩いている時、とつぜん大きな影で日光が遮られた。

 クレイジーハンドが上を見る。

 そこに、戦艦ハルバードが浮かんでいた。






空に浮かぶハルバードに、クレイジーハンドは向かっていた。

確か、マスターの話では、復活ブローチをデデデが持ってるとか言ってたな。貰ってこよう。











「おい、メタナイトー。」


 ハルバードの主はメタナイトだということをマスターハンドから聞いていたクレイジーハンドは、その名を呼んだ。


「む・・・。なんだ、お前は。」

「ああ、実は・・・。」


 クレイジーハンドは、タブー復活の事や、自分のことなどを、詳しく説明した。
 信用されたかは分からないが、そこは突っ込まないクレイジーハンド。


「ところで、復活ブローチと言うやつを持ってないか?欲しいんだが。」

「今、この船には私も含め三人が乗っている。カービィや、デデデ大王陛下がな。だから、三つだけはある。」


 メタナイトがそう言うと同時に、カービィとデデデがやってきた。
 すぐにクレイジーハンドを驚きの目で見て、デデデが喋った。


「どうしたんだゾイ?」

「陛下、クレイジーハンドと名乗るものがブローチを欲しがっているそうです。」


 メタナイトがすぐに二人に説明した。
 話を終えたデデデは、クレイジーハンドの元へやってきて、ブローチを三つ渡した。


「我々三人分のブローチだゾイ。」

「サンキュー、それじゃあな。」


 クレイジーハンドは別れを言うと、戦力を求め、ハルバードを後にした。











 永遠の緑を誇る森で、一台の機械が暴れていた。
 亜空の使者と呼ばれる事件で、デュオンと呼ばれた機械。

 その暴走を止めるべく、黄色いイナズマのようなポケモンが走っていた。


「プリン、ルカリオ。デュオンっていう亜空軍が、暴れてるよ!」

「亜空軍プリか・・・。」

「よし、分かった!」


 三匹のポケモンはデュオンの元へと走った。






 デュオンの元へ三匹のポケモンが辿り着くと、すでに一人の少年が戦っていた。


「いけっ、ゼニガメ!」


 ゼニガメを使って戦っているのは、森の木に配慮しているのだろう。
 その戦っている少年、三匹のポケモンには見覚えがあった。

 ポケモントレーナーである。亜空の使者の時、彼もスマッシュブラザーズとして戦っていたらしい。
 ピカチュウ達もすぐに参戦する。


「十万ボルト!」


 ピカチュウがジャンプして十万ボルトを繰り出したが、二つ目の頭でガードされた。
 逆に、着地の隙を狙って、足元にビームを撃ってきた。


「影分身!」


 ピカチュウに撃たれたビームに対し、ルカリオが咄嗟に影分身で対処する。
 ビームのガードと同時に、反撃も兼ねている。

 ガツンという金属音。デュオンのガンサイドに影分身は命中した。
 だが、ソードサイドの方がすぐに振り向いてルカリオを斬りつけた。


「大丈夫、ルカリオ?」

「『波導は我にあり』。波導システムだし、平気だ。」


 ルカリオの言ったとおり、ルカリオの体から出ている波導は少し強くなっている。


「はどうだん!」


 はどうだんがルカリオの腕から撃たれた。大きさを見るに、平気と言っても結構ダメージを受けたらしい。

 デュオンはそれを大ジャンプすることによって、避けた。空中なので、大きな隙ができる。
 その隙を目掛けて、ピカチュウはかみなりを撃った。

「ピカァァア!!」

 かみなりは命中した。機械なので、大きなダメージを負っただろう。
 デュオンは空中でかみなりに怯みつつも、誰にのしかかろうかと辺りを見回した。


「いけっ、リザードン!」

 すぐさまリザードンに乗ってポケモントレーナーは空へと舞い上がった。

「かえんほうしゃ!!」

 高熱の炎に、デュオンの体が溶けていった。
 戦闘不能になったデュオンは、地面へと落ちた。


「よし、勝った!」

 ポケモントレーナーはそう言って地面へと降りてきた。



「ええっと、ピカチュウに、ルカリオに・・・。亜空の使者の時のだよね?」


 その問いに、「そうだよ。」と言うが、相手には多分「ピカチュ~」と聞こえている。


「ところで、プリンはどこにいるんだい?」



 プリンは、亜空の使者の時に、特に敵と戦ったわけではないが、ピカチュウやルカリオから
 敵の特徴などについて聞いていた。

 それによるならば、デュオンを倒すと、影虫になるはずであった。
 だが、今のデュオンはまだ実体を留めている。つまり、まだ倒しきれてはいない・・・はず。


「やっぱり、トドメを刺した方が良いプリよね・・・。」


 カキィン

 プリンは『ねむる』を使ってデュオンにトドメを刺した。


「どうしたの、今の音ー?」

 まるでバットでサンドバッグを殴ったような爽快な音に、ピカチュウ達が駆けつけてきた。
 だが、ピカチュウの問いに答えることは出来ない。プリンはねむっているからだ。

 しかし、デュオンが溶けて影虫になっている事が、すぐに分かった。

 そして、その影虫が、プリンに向かっている事も。


 ねむっているプリンに、影虫がジワジワと取り付いていった・・・。






「プリイィィイ!!」

 影虫が作り出した、プリン   ダークプリンが、本物と声の大きさ以外はそっくりな雄叫びをあげた。
 そのあまりの声の大きさに、一瞬ひるんでしまう。

 ダークプリンはその隙に、眠っているプリンに向かって横スマッシュ、『とびこみげり』を叩き込んだ。


「プリイィィイ!!」


 ふうせんポケモンにしては速すぎるほどのスピードで、
 プリンははるか彼方へ飛んでいった。


「プリンーッ!!」

 ピカチュウは飛んでいくのを見ていたが、途中でプリンはフィギュア化していた。
 自力で復活は不可能だろう。後で助けに行こうと思った。

「ぷり~。」

 ダークプリンは、その後、すぐに逃げていってしまった。
 その後を、ピカチュウ達は走って追いかけたが、見失ってしまった。







「がっはっは、オレ様の会社は今日も絶好調だぜー!」

 彼は満足そうにそう言った。


「た、大変です!」

「どうした?」

「コレを見てください。」


 彼の部下が写真を見せる。
 そこには、彼の会社の設備が巨大なプリンに壊されるシーンが映っていた。


「昨日撮られたものです。」

「な、なんだコイツは!オレ様の会社をよくも・・・。賞金首にしろー!」

「かしこまりましたー。」


 このような経緯を辿り、ダークプリンは賞金首となったのだった。







「えー、君達。そのようなわけで、一緒に戦って欲しい。」


 巨大な手袋が、三人の前で話していた。
 言うまでも無く、クレイジーハンドである。


「それで、コレをつけといてくれ。コレはフィギュア化を自動的に解くものだ。」

「ああ、分かった。亜空軍ってヤツと戦えば良いんだろ?」

「僕の森、きのうそんなヤツに襲われたピチュよ・・・。」

「そうか、アレが亜空軍と言うヤツなのだな?」

「ああ。あと、スマブラⅩと呼ばれる団体も、亜空軍打倒のために動いている・・・と思う。だから、協力してな。」


 ブローチをつけた三人は旅立っていった。

 そう、クレイジーハンドはロイ、ピチュー、ミュウツーの三人を送り出しのであった。






「賞金首・・・ね。」

 賞金首を目指し、二人のバウンティ・ハンターが動いた。
 彼らは高速で動くマシンにのり、旅立つのであった。







 高速で何かが空を横切るのを見て、彼は思っていた。


「ファルコン・フライヤー・・・。亜空の使者以来ですね。」


 彼、ロボットは、亜空の使者の時に、亜空軍として動いていた時を思い出していた。
 エインシャント卿、そう名乗っていた時の事を。


 ある時、彼は亜空軍として活動している時に、ふと資料を見たことがあった。

 『エインシャントの由来』

 そう書かれていた資料。
 その中には、エインシャントという名前の由来が書かれていた。


『エイ?シャント島のエインシャントとは、『古代』という意味である。
なぜそ?呼ばれるのか。それは、?インシ?ント島に、遥か古代より住み?いている存在がいるからである。
その存在?、いつも"この世界"の味方?する。なぜなら?の存在は、???????の??だからだ。
故に彼は"こ?世界"に破壊エ??ギーが??たとき、???せた存在を??す。』


 何箇所かがかすれて読めなくなっていたが。

「さて、私も行きましょうか。」

 たぶんまた亜空の使者のような事件が起こったのだろうと思い、ロボットは旅立った。






「ネスさん、今度会えませんか?」

「OK!」


 ネスとリュカは亜空の使者以来、比較的親しい。
 超能力者であること、それにネスが亜空の使者の際、リュカを助けたりしたことが要因として挙げられる。

 今回、二人は今度遊ぼうという事で、遊ぶために会ったのだが・・・。


「はあ~。それにしても、亜空の使者では、大変でしたね~。」

「うん、そうだね。そういえば、ポーキーはどうしてるのかな?」


 ポーキー。もともとネスの友達だったのだが、亜空の使者では敵、亜空軍となった。


「ボクがどうかしたって?・・・君達への復讐に決まってるじゃないか・・・。」


 後ろから老人の声。
 振り向かずとも、それが誰の声か、すぐに分かる。

 が、当然振り返って姿を確認する。
 もちろんそこに居るのは・・・。


「ポーキー!」

「一年ぶりかな。亜空軍が復活してね。僕も君たちを倒しに来たってわけさ。」


 亜空軍復活・・・!?

「さあ、今度こそ負けないよ・・・。」







「よお、久しぶりだな!」


 ファルコン・フライヤーから出てきたファルコンは、爽やかな笑顔でそう言い放った。


「そうですね、ファルコンさん。」


 ポケモントレーナーが返事をした。
 なお、ピカチュウ達ポケモンも挨拶しているのだが、もちろん人には分からない。


「そうねー、ポケモン達も久しぶりね。それで、プリンは?」


 サムスがそう聞いた。

 そう、ファルコン、サムスは、ポケモントレーナー達と合流したのである。


「・・・どこかに吹っ飛ばされちゃったんだ。」

「そっちもだけど、ダークプリンは?」

「あっちに逃げていった。」

「そうか、よし、行くぞ!」


 ポケモントレーナーが指差した方向に、三人と三匹は向かった。






「PKファイヤー!」


 ポーキーに向かってネスがPKファイヤーを放ち、足止めする。
 その隙にリュカが空中からPKサンダー体当たりを繰り出した。


「PKサンダー!」


 だが、ポーキーはそれを小型爆弾を出して盾代わりにして防いだ!

 リュカは爆発をまともに受け、地面に激突。
 ネスはリュカのもとに駆け寄った。

 そこへポーキーが素早く突進して、自らの機体をぶち当ててくる。


 自動車に轢かれたような音がして、ネスとリュカは地面に倒れ込んだ。


「ふふ、僕も一年前とは違うんだよ。タブーから力を貰ったんだ。」


 ちなみにネスとリュカには知る由もないが、ガレオム等の亜空軍もタブーの力を貰っていた。
 マリオが苦戦したのはそのせいである。


「・・・。」

「一年前が『やさしい』とでも言うなら、今回は『ゲキむず』ってところかな。」

「PKサンダー!」


 またもやリュカがPKサンダーを放った。

 ポーキーはすぐに小型爆弾を出して、体当たりに備えた。
 だが、PKサンダーはリュカに当たらずに、爆弾をかいくぐり、ポーキーにダメージを与える。


「リュカ、ナイス!」

「くう~~~・・・。」


 今度はポーキーの方から突進攻撃を繰り出してきた。
 だが、ネス達はそれをワープしてかわした。


「何処に行った・・・?」

「ここだっ!」


 ネスとリュカはポーキーの頭上に乗っていた。


「PKフラッシュ!」

「PKフリーズ!」


 二つの技を受けて、動けないほどにダメージを受けたポーキーに、リュカがとどめを刺そうとする。


「PK・・・。」

 リュカがとどめの一撃を放とうとした。


「あ、リュカ、ちょっと待って。」

 ネスがリュカを止めた。


「とどめを刺さないで欲しいんだ。」

「どうしてですか?」

「うーん・・・。彼も人間だし、いつか、悪から正義になるかもしれないよ。
 その機会を奪わないでほしいんだ。」

「そうですか。ところで、亜空軍の事についてですが・・・。」


 ネスとリュカはPSIを使って次の行き場所を決め、そこへと旅を始めた。

10






 ポケモントレーナー達は歩いていく内に森に辿りついた。


「森か、あんなでっかいプリンが通った後は木が倒れているだろうね。」


 案の定、木がバキバキと倒れている所がある。
 そちらへ足を進めた時。


「ウホッ!?」


 大きなゴリラや、小さなサル、恐竜が飛び出してきた。
 ゴリラの首には、ネクタイがついている。

 そう、ドンキーコングである。
 それに、小さいサルはディディーコング、恐竜はヨッシー。


「私が彼らの言葉を翻訳しよう。」


 ルカリオが、人間にもポケモンにも分かるよう話した。
 いや、テレパシーを使ったというべきか。


「あのな、オレ達の森が、でっかいプリンに潰されちまったんだ!」

「それで出てきたということか。実は亜空軍が復活してな、それはダークプリンという。
 そこのディディーが影虫に取り付かれたのをイメージしてもらえばよいな。」

「ほう、亜空軍が復活・・・。じゃあオレ達もお前たちに加わろう。」


 ドンキー、ディディー、ヨッシーを仲間に加え、先に進む彼ら。

 少し進むと、湖があった。


「おっ、湖だ。」


 そう言って湖に近付いた。
 すると、途端にゴボゴボと水泡が湖面にあがり   


「ギャオオオオォォオ!!」


 大きな雄叫びに、そちらを見てみると、もえぎ色の巨大な龍がこちらを見つめていた。







 ポケモントレーナー達がいる森の、違う場所で。

 一人の青年が、剣を引き抜いていた。
 巨大な化け物と戦うべく。


「それにしても・・・。あの化け物、プリンなのでは・・・?」


 聖なる剣、マスターソードを背中に背負い、街へと向かう彼の左手には、神のしるしが宿っていた。

11






 もえぎ色の龍を前に、ポケモントレーナーがバッグからポケモン図鑑を取り出した。


「レックウザ。てんくうポケモン。オゾン層を飛び続けているポケモン。
 海の化身と大地の化身が戦うと地上に降りてくると言われている。」


 ポケモントレーナーが図鑑をひろげてレックウザの方へ向けると、
 図鑑が喋り、その場にいる彼らに解説した。


「ホウエン地方の伝説のポケモン。どうしてこんな所に居るんだろう?やっぱり亜空軍・・・。」

「ウキッ!」

「ディディーとやらが亜空の使者の時に戦った事があると言ってるぞ。」

「そっか、じゃあ一年前からずっとこんなになってるんだね。よし、捕獲して帰してあげよう。」


 そう言ってポケモントレーナーは腰からモンスターボールを取り出し、投げた。
 紅い光と共に出てきたポケモンに、レッドは指示を与えた。


「フシギソウ、ねむりごなだ!」

「フシッ!」


 捕獲の定石。ダメージを与え、状態異常にしてモンスターボールを投げる。
 それに従い、ねむりごなを放つが・・・。


「ゴゥアアッ!」


 レックウザは、空たかくへ飛び上がり、それを避けた。
 そして、すぐに急降下してきて、フシギソウに巨体をぶちあてようとする。


「戻れ、フシギソウ!」


 当たる寸前にポケモントレーナーはフシギソウを引っ込めた。


「あの、私達は何をすれば良いんですか?」


 ヨッシーがそう聞いてきた。
 なお、ルカリオが翻訳している。


「先に行ってて良いよ。」

「そうか。・・・後から追いつくのか?」


 ルカリオがそう聞くと、ポケモントレーナーは短く「ああ。」と答えた。


「では、また後でな。」

 ポケモントレーナーを残して、他の者達は先へと進んだ。


「レックウザ・・・。今、解放してあげるからね。」







「・・・ん?」


 遠くに見える人影。
 頭の部分に大きく『W』が見える。


「久しぶりだな、マリオ。」

「ワリオ、どうしたんだ?」

「それがなあ、オレ様の会社が亜空軍と思われるやつに被害を被ってな。
 指名手配してから、亜空軍を倒しに旅してんだよ。」


 そう、ダークプリンを指名手配したのはこの男である。


「兄さん、あっちにも人影が・・・。」


 ルイージの指差した方向を見ると、一台のロボットが向かってきていた。


「マリオさん・・・ですよね?」

「ロ、ロボット?お前も打倒亜空軍を掲げて旅してるのか?」

「はい、貴方たちもですか・・・。」


「おい、あっちにも人影が見えるぞ。」

「またか、今日は人影が多いな。」


 クッパの指差した方向を見ると、巨大な花がこちらに向かって突進してきていた。


「ボスパックン・・・!?」


 その花は、ボスパックンと呼ばれる敵であった。

12






「ギャオオオオ!!」

 ボスパックンが二つのカゴをガチャガチャさせながら咆哮する。


「かかって来いやボスパックン!」

 マリオはそう叫んだ。

 亜空の使者の時は、カービィ一人に敗れた相手だと聞いている。
 それに対し、今は六人の仲間がいる。
 敗れるとは思えなかった。


 挑発に引っ掛かったボスパックンは、カゴを振り回す。

 マリオは、それを腕を交差させてガードした。
 だが、カゴはそのガードを破り、俗にシールドブレイクと呼ばれる症状をマリオに引き起こした。
 その隙にもう一方のカゴがマリオを吹っ飛ばした。


「はい兄さん。」


 ルイージが回復アイテムをマリオに渡した。


「家から色々アイテムとか持ってきたんだ。」

「そうか、サンキュー。それにしても、何だよコイツ、結構強いじゃん。カービィ凄いなー。」

「マリオさん。カービィさんが凄いんじゃないと思いますよ。」


 ロボットが機械音を発しながら言った。


「彼には、タブーの力が注入されています。私の分析ではね。」







「行きましょう、ゼルダ姫、ガノンドロフ。」

「はい。」

「分かった。」


 街を破壊するダークプリンに、勇気と知恵と力を持って、立ち向かう三人がいた。

 街の名前は、ハイラル。


 そこに、五人の動物と二人の人間が辿りついていた。

13






 ハイラルの上空で。


「遊びは終わりだ、スターフォックス!」

「ちい・・・。」


 つい先ほどまで三艇の機体がビームを発射し合っていたが、
 その内の二機が追撃を振り切り、地上近くまで降りてきた。


「おい、フォックスよぉ、ウルフ相手になんで退いてんだよ。」

「お、おいファルコ・・・。それよりアレを見てみろ。」


 そう言われたファルコの目に映ったのはダークプリンと戦う何人かのスマッシュブラザーズの姿だった。


「行くぞファルコ!」

「了解だ!」







「天空!」


 蒼い髪を揺らしながら、炎のように強烈な一撃を亜空軍、ガレオムに叩き込んだ。


「ドルフィンスラッシュ!」


 眩い光を伴った軌跡が、竜のように暴れ狂うガレオムを斬りつける。

 だが、いずれの攻撃にも怯まずに、ガレオムは二人を掴み、地面に向かってぶん投げる。


「っち、何だコイツ。マルス、平気か?」

「大丈夫だよ、アイク。それにしても、何だか亜空の使者の時より強いね。」


 アイクとマルス。

 彼らも亜空軍を倒しながら旅をしていたのだが、
 途中でガレオムと出会ってしまったのである。

 会話をしている二人に、ガレオムはミサイルを発射した。


「カウンター!」


 カウンターを使ってミサイルを防ぐが、剣の範囲にガレオムが居るわけではなく、反撃にはなっていない。

 ミサイルを全て凌ぎきり、反撃しようと試みて、走るが・・・。


「しまった!」


 ガレオムは、もう一度ミサイルを放っていた。
    爆発に紛れて見えなかった・・・。

 カウンターは間に合わない。
 二人はフィギュア化を覚悟したが・・・。



「カウンター!」


二人のものではない、第三者によるカウンター。

そちらの方を向くと、三人、誰かが立っていた。


「ロイ参上!!」


赤髪の剣士が、得意気に笑みを浮かべていた。

14






「・・・?マリオさん、ちょっとあっちを見てください。」


 ロボットがそう言った。


「どうした?」

「ほら、あっち・・・。巨大な何かが街を壊して・・・。」


 ロボットが言い終わらない内に、ボスパックンがカゴで殴りつけてきた。

 すぐさま飛んで避けた時、ピーチの声が響いた。

「伏せてッ!」


 その声がしてから数秒後、爆音とキノコ雲が上がった。
 ワリオによるワリオっぺ。
 極端な匂いを誇るその煙は、見事ボスパックンへ命中した。


「よし、そっちへ行ってみよう。」

「そうだ、皆にアイテム渡しておくね。」

「ありがとう、ルイージ。それにしてもアレ何かしらね。」

「望遠レンズで見ると、何となくプリンに形状が似ている気がしますが・・・。」







 ハイラルについたマリオ達。

 彼らの目に飛び込んできたのは、ダークプリンと戦う仲間たち。


「オレ達も行くぞ!」


 加勢しようと近づいた時、突如ダークプリンがとびこみげりをしてきた。


「いけっ、レックウザ!」


 誰かの声が聞こえた後、巨大な竜がマリオの体を救い上げ、とびこみげりは空を切った。


「ポケモントレーナー。・・・追いついたか。」


 ルカリオが波導を使ってポケモントレーナーに語りかける。


「ああ、追いついたよ。さあ、ダークプリン。このレックウザが相手だ!」


 マリオ以外の者もレックウザの上に乗り、レックウザとダークプリンの一騎打ちが始まった。





 その頃、ある場所で。


「ショータイムだ。」

「HEYスネーク、もたもたしてると置いてくぜー。」


 別の世界から、二人の戦士がやってきた。

15






「ったく、スターフォックスどこ行きやがった。」


 ウルフはそう呟きながら適当にウルフェンでうろうろしていた。
 と、その時。


「何ッ。」


 彼の機体のすぐ横に、一瞬だけ巨大な鳥が見えた。
 あれは、亜空軍と言うやつ、メタリドリーではないか?

 ウルフには知る由も無いが、メタリドリーはサムスと戦いに行く途中であった。


 そしてウルフとメタリドリーは戦闘になる。







「リュカ、見てみて。」

「コレは・・・!」


 ネスとリュカの目の前にある物。
 それは、Mrゲーム&ウォッチのフィギュアから、影虫が創りだされている光景。

 ネスとリュカは、PSIを使って影虫の発生場所の特定をしてここまで来たのである。

 二人は黄色い台座に手を触れた。
 光が辺りを包むと。


「ア、アレ。ドウシタンデスカネ・・・?」

「良かった・・・。元に戻った。」







 ロイらはアイクとマルスを先に行かせ、自分たちで戦っていたが・・・。


「うおっ、まずい!」


 ガレオムの右手に捕まったロイ、ミュウツー、ピチュー。

 そのままガレオムは空へと飛び立った。

16






「う、うわあ~。」


 ぼろぼろなロケットに乗っている彼は、ピクミン&オリマー。
 彼は前方に何かを確認、避けようとしたが、避けきれず。


「うわああっ。」


 メタリドリーに命中。
 結果オーライである。


「こい、ピクミン&オリマー!」


 メタリドリーが怯んでいる隙に、ウルフはピクミン&オリマーを連れてその場から脱出した。







 氷山。
 そんな過酷な場所にも、登りたいと言う者はいるもので、つい先ほどまで頂上に二人居た。
 だが、その二人は、ウルフとメタリドリーの戦いの巻き添えをくって落ちてしまった。

 落ちた先は、海。
 いや、船と言うべきかも知れない。


「なんで落っこちてくるんだろ・・・。まあいいや。」

 ネコ目のリンクに似た少年が、船の舵を切っていた。







「ん?」

 アイクはふと立ち止まった。

「おい、マルス。見てみろ。」

 マルスはその言葉に従ってアイクの指差す方向を見た。
 すると、上にはウルフェン、前にはネスら、横からはソニックとスネークが歩いてきていた。


「久しぶりだな。」

「亜空の使者の時以来だね。」

「お前たちも亜空軍を倒す旅か?」

「ああ。」


 合流した彼らは、また歩いてゆくのだった。

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「地上へ降りなさい。」

「はい!」


 自らの主君、パルテナにそう言われたことから、彼、ピットは地上へと降りていった。







「もう少しだ・・・。もう少しで、封印が解ける・・・。」


 亜空間の中で、タブーはそう呟いた。

 マスターハンドは、そんなタブーの隙を、静かに伺っていた。







 メタリドリーは、ウルフが居なくなったので、またサムスを狙い、飛び去っていった。



「メタリドリー!?」


 ハイラルに現れたメタリドリー。
 サムスがそれを見て驚愕の声をあげた。

 メタリドリーは今にも攻撃すべく、態勢を整えている。

 サムス以外は誰も気付いていない。


「フォックス、ファルコ!アーウィンを!」


 身軽にアーウィンを足場代わりに使い、サムスとメタリドリーは対峙した。







 ダークプリンに吹っ飛ばされたプリン。


「プリ~?」


 なぜだかプリンはフィギュア化を解除された。
 だが、周りに人は居ない。

 どうしてだろうと考えていると、すぐ前に不思議な七色の光を放つ珠を見つけた。


「これが、フィギュア化の解除を・・・?」


 そう、プリンは知らなかったが、この珠の名前は・・・。





 『生命の珠』



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「おい、アレ見てみろ。」

 そう言ってスネークが指差したのは、遠くに、空から何か落ちていく光景。
 ちなみに、スネークらが知ってるわけ無いが、この落ちる物体はピットである。


「行ってみよう!」







「チャージショット!!」

 ガンポッドから放たれた強烈な一撃。
 それに怯むことなく、メタリドリーはサムスに突進する。

「ピィカアアァア!!」

 雷の壁がサムスの前に出来て、メタリドリーは急停止した。
 そして今度は、雷の壁の発射主、ピカチュウに向かって突進する。


 ドン


 鈍い音が響いた。
 だが、それはピカチュウにメタリドリーがぶつかったからではない。
 ピットが、メタリドリーにぶつかったのであった。

 メタリドリーはウルフとの戦いもあって、地面に落ちていった。


「ありがとう、ピカチュウ、ピット。」

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 ピットの落下地点。
 そこに、トゥーンリンク達、アイク達、戦艦ハルバードが向かっていたが、たった今到着した。


 そして、全員でダークプリンとの戦いを始めた・・・。


 そう思いきや、突然ダークプリンは倒れた。

 倒れたプリンの跡に存在するは、白き左手。



「おー、みんな集まったらしいな。」

 クレイジーハンドがそう言った。

 自己紹介をして、メンバーを回復させた後に、クレイジーハンドは言った。


「さて、じゃあお前らを送るぜい。亜空間にな!」







 全員が亜空間にやってきた。なお、プリンを除いて。
 クレイジーハンドはプリンがいないことに気付かずに送ってしまったらしい。


「タブー。」


 クレイジーハンドが静かに言った。


「お前を倒しに来てやったぞ。」


 それに対し、タブーは言った。


「くっくっく・・・。貴様らが私を倒すだと?・・・笑わせるなッ、弱者どもが!!」


 余裕のあるセリフを言うも、タブーは内心ムカついていた。

 なんだコイツら、もう少しで封印を打ち破れたものを・・・。
 しかも、私の力を与えてやったのに、ガレオムやデュオン達、負けたのか。


「じゃ、スマブラⅩ。後は任せたぜ。オレはちょっと用があるんでな。」

 クレイジーハンドはそう言うと、地面に転がっているマスターハンドを担いで"この世界"に戻っていった。



 そして、戦いが始まる。

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「さて、マスターハンド。」

「何だー?」


 ぐったりした声でマスターハンドが返事した。


「創るぜ。最後の切り札を。」

「何だ、それは?」

「オレは、一年前、亜空の使者の時にタブーを倒す方法を探してたんだ。
 で、まあ要するに凄い強力な技を出す方法を見つけたんだ。」


 マスターハンドは思い出した。
 私がタブーに誘拐される前。


『古い本だな。』

『一年前に、見つけてきたんだ。さあ、亜空間行こうぜ。』


    そんなやりとりがあったのを。



「さあやるぜ、最後の切り札を・・・。スマッシュボールを!!」


 創り方をクレイジーハンドが説明する。


「簡単だ、お前の力とオレの力、神の力を合わせる。そしたら完成だ。」


 マスターハンドは右に、クレイジーハンドは左に行き、力を合わせ始める。
 すると、徐々に虹色の珠が出来ていった。
 力を消費した両手は、さっきのマスターハンドよりさらに力なく、ぐったりしている。


「はあ、はあ、完成だな。あとはスマッシュブラザーズに届ければ・・・。」

「な、なあ・・・。   どうやって届けるんだ?」

「え?」


 クレイジーハンドが何言ってんだ?と言う目でマスターハンドを見る。


「私はもう力が無いんだ。行く事は出来ないぞ。」

「じゃあオレが行くから。」

「行くだけじゃない、タブーと戦うんだぞ。
 スマブラメンバー総員を亜空間に連れて行った後にスマッシュボールを創ったりして、
 力を消費してしまったお前で戦えるのか?」


 マスターハンドの問いに、クレイジーハンドは沈黙した。







「おい、見てみろ。あそこにへこみがあるぞ。」

 ガレオムの腕の中、ミュウツーが叫んだ。
ミュウツーの視線の先、ガレオムの右腕にはへこみがあった。
そう、クッパの攻撃でへこんだ部分。


「かみなり~~~ッ!!」


 ピチューが放ったかみなりにより腕が壊れ、ロイ、ミュウツー、ピチューはガレオムの腕の中から脱出。


 その直後、爆音と共に空間が闇に切り取られる。


「おおー、危ないな・・・。」







「おいマスター、そういやオレが手配したメンバーもいるんだよ。
 ほれ、あそこ見てみろ。」


 クレイジーハンドの視線の先には、黒い空間を背景に、こちらに向かってくる、ロイ、ミュウツー、ピチューの姿があった。

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「頼むぞ。」


「おうっ、任せときな!」


 スマッシュボールを抱えたロイ、ミュウツー、ピチューはガレオムの自爆による亜空間へと突入していった。







 タブーとスマッシュブラザーズの戦いの現場に。


「スマブラⅩとやら!受けとりなあッ!!」


 ロイがスマッシュボールを投げた。
 それを、マリオがキャッチした。


「そいつはスマッシュボール!最後の切り札を出せる道具だ!」


 ロイの言葉を聞くよりはやく、マリオは体の奥からエネルギーが湧きあがってくるのを感じていた。
 エネルギーが体の外にまでもれだし、体がスマッシュボールのように虹色になっている。


「させるかあぁぁあ!!私は・・・私は復讐を誓い、遥か古代から待っていたんだ!
 貴様らなんかに、倒されてたまるか!!切り札なんか使えないままフィギュア化するが良い!!」


 タブーもスマッシュボールのように輝く綺麗なグラデーションの翼を出し、叫んだ。



「OFF波動!!」



 紅い閃光が次々とスマッシュブラザーズをフィギュア化していく。
 だが、そんな中でマリオだけは違った。


「なっ・・・。」


 タブーが驚きの声をあげた。


「なぜだ!?私の完全なる翼を・・・、亜空の使者のように壊されていない翼を受けても、フィギュア化しない!?」

 そこで、タブーは気付いた。
 マリオの体から、虹色の輝きのほかに、金色の光が出ていることに。


「っく、スター・・・。」


 そう、ルイージからもらったアイテム、スターは、OFF波動を耐え切った。


「さあ・・・。」


 マリオは両手を前に突き出す。
 名前はなぜか自然と口から出てきた。



「マリオファイナル!!」



 タブーのOFF波動よりもさらに紅の炎の龍が、禁忌の体を包み込んだ。


「ま、まだだ・・・。まだ死なん・・・。」


 タブーの呟きは、マリオには聞こえなかった。
 スマッシュブラザーズのフィギュア化を解いていたからだ。


「まだ、できていない・・・。復讐も・・・。記憶も・・・。」


 その言葉を最後に、タブーという存在は、亜空間から消え去った。







「ありがとう、皆。また何かあったら、来てくれよ。」


 マスターハンドがそう言った。


「じゃあなー。」


 事件の終結を意味する別れの声が、辺りから聞こえてきた。