ここの小説について
ここには、第四回短篇個人小説投票会に出した小説があります。
リージョン化はしておりませんが、内容は変えておりません。
では、どうぞ。
小説
~まえがき~
こんにちは!ネスリュカです!!
今回も、またまた短篇個人小説投票会に参加することとなりました!!
さて!今回は、シリアスでもいこうと思います。と言っても恐怖系じゃありませんよ…。
では!どうぞ!
『君との約束』
「ちょっと!!ボクのマンガに折り目つけないでよ!!」
「いいじゃない!!別に!!」
そうやって合宿所内で始まった、くだらない言い争い。
どうせあの二人…、だから、明日には元にもどってる。みんなはそういう軽い気持ちだったのかもしれない。
それが大間違いの元…。だとも気づかず…。
そのけんかは、本当に、本当にすごくめずらしく1ヶ月も続いた。
両者共に険悪なムードただよい、どちらかが口火を切って。そうして毎日毎日けんかする。
ひどい時には、どっちかが相手をひっかいて、たたいたりして、それでもとまらない。それが、2回もあった。
本当は、両者とも仲直りして、前みたいに遊んでいたいのかも知れないのだ。でも、思わず出てしまういらいらした言葉が、またそういう行動が、どうしても二人を怒らせてしまう。
そうして、けんか勃発から1ヶ月と7日、そして朝を迎えた時のことだ。
「ん?」
異変に気づいたものは、フォックスだった。たまたま「彼」の向かいの部屋ともあり、いろいろと気づくかもしれない。だが、この日は妙な感覚に捉われた。
…え~っと…?…なんなんだ…?
まだ朝起きたばかりの脳が、じょうずに機能しなかった。 …何分か間をおいた後、ようやく気づいた。
「ああ、そうか。防寒着がないんだ。」
そう、向かいの部屋の外にある物置から、登山用の防寒着がなくなっていた。
なぜだろうか。少しは考えた。だがやめた。
「どうせ、登山にでも行ったんだろう。ポポは。」
それくらい考えて、少し気がついた。
「(そういや、ナナはどうしたんだ?ずっと前からけんかしてたが…。)」
そして、ようやく気づく。もしかして、一人で?
だとしたら…。
そして、何気なく部屋に置いてあるテレビを見た。が…。
「っ!!」
流れてきたのは、最悪のニュースだった。
「…それでは、今日のお天気を紹介します。今日は、昨日のポカポカ陽気から一転、大型の低気圧が流れ込み、激しい雪になることが予想されます。また、山は昨日の暖かさで崩れそうになっているところがあり、大規模な雪崩が起こることも予測されます。以上、お天気でした」
いくら、登山の知識にうといフォックスでも、この最悪の事態は想定できる…。
このまま、自分の推測が正しいのなら…。
「急いで、みんなに急を伝えないと!!」
フォックスが走り出した瞬間…。
「うわっ!!!」「おっと!!!」
ドン!!
角を曲がってきた少年と、思いっきりぶつかった。実はそれが…。
「あたたた…。ちょっと、もうちょっと前を見てよ!フォックス!!」
え、え、え、え、え???!?!?なんでポポがここに?
そう、フォックスの推測の中では、もう登山に出かけているはずのポポだった。
よくよく落ち着いて、考え…る間もなかった…。
「(あっ!!そういや、あそこの部屋は超寒がりなゲムヲだった…。)」
まったくと言っていいほど外れている推論に、思わず赤面になったフォックスに、ポポが尋ねた。
「そういえば、なんで走ってたの?」
それは…、…と言いかけたフォックス。だったが…、…本当に重要なことに気づいた。
あそこにあったのって、ピンクではなかっただろうか、と。
「!!!!!!!」
ようやく、つぎはぎの記憶を思い出した。たしか、あのピンクの防寒着はナナのでは?いや、そうだ。
一瞬にして、安心感が吹き飛んだ。だが、一応。
「なあ、この前ゲムヲがナナの防寒着を借りに来なかったか!?」
"ナナ"というキーワードが出てきて、いらっときたポポだが、フォックスの慌てきっている口ぶりに、不安が伝染したのだろう。
「え、え?なんで、知ってるの…?」
確信してしまった事実を隠す必要がどこにあるか。いや、なかった。
「どうしてだかわからないが、山に登って行ったらしい!それも、一人で!」
それを聴いてたポポは、もう階段を走ってる。
「ま、待て!!」といったフォックスの忠告などは、もう一切耳に入ってないだろう。
「う~…、…寒ぅ…。」
久々の感覚に、思わず変なことを言ってしまう。
「…でも、頂上まではあとちょっと!!ファイト!!ポポ!…あ、そっか…。」
本来なら、「うん!ファイト!!」と返してくれる相棒は、今はそばにいない。一人きりの登山。
でも、「一人」でなければ意味が無くなる。どうしても。
そして、この超悪天候の日でなくてはならない。どんなことでも。
…そう、全ては古くから伝わる、この山の伝説のため…。『豪雪降る霜月の朝、霧に隠れし龍の咆哮のごとき雪崩れがおきし時、目では捉えられぬ光、彼の者に降り注がん』
たかが言い伝えなんて…、と聞いたときは半信半疑のナナだったが、今日の朝になって、ふと思い出した。そして、この仮説を立てた。
「(…あ、そっか!!『豪雪降る霜月の朝、霧に隠れし龍の咆哮のごとき雪崩れがおきし時、→つまり、今日のこと!?』『目では捉えられぬ光、彼の者に降り注がん→つまり、一人で行けば、その何かしらヒントになる光をもらえるのね!!』)」
こんなたわいもない想像に本気になるほど、ナナはあせっているのだ。そう、全てはポポとの友情を元に戻すだけに…。
やっとついた頂上。でも、あいかわらず、喜びも半減したまま。
「さ!早く雪崩のおきそうなポイントの近くにいかなくちゃね…」
そういって、今度は山を降りていく…。
ミシッ!!
「ん?何の音?」ナナはあたりを見回す。
だが、すでに時遅し…。
ポポはもう半分やけになっていた。そして、後悔もしていた。
「(どうして、素直に『ごめん』って言えなかったんだろう…)」
そうして、どんどん山の中に入っていく…。
ドゴオオオオォォォォンン!!!!!
助けてえええええぇぇぇ!!
今の音は…、…それに、ナナの声だ!!行かなくちゃ!!!
…あのね、ポポ、私…、…帰ったら言おうと思ってた。「ごめんなさい」って。
なのに…、…約束、守れるかなあ…?私、…言えるかな…?
ポポ、ごめんね…。
…ナ…。
…え…!?今、ポポの声がした…?
…ナ、ナ…!
間違いない!いる!!
ナナ!!ナナ!!
「ナナ、つかまって!!」
今…、…二人は洞窟にいる。
あの時、ポポは「ゴムジャンプ」のゴムで引き上げたナナに、「何で勝手に山に登ってたの!?」と思わず語気を強めてしまった。それで、ナナは全ての事を話した。「ごめんなさい」とも付け加えて…。
そしたら、案の定ポポは思いっきり笑った。そして、ナナに「真相を知る?」といって、この洞窟に招いたのだった。
「ここはね、晴れた日には来れない。大雪崩が起きて、雪がどけられた時にしか開かない。そして、『目では捉えられぬ光』って言うのは、すなわち目に見えない大切な何か…。こういうことだったんだよ。」
そっか…、と思う反面、なぜポポがそんなことを知っているのか…、と聞くと。
「昔ね、たまたま見つけたんだ。それ以来、大雪崩が来ると、だいたい登っているんだ。」
これで、全ての謎が解けた。そして、最後にポポが言ってくれた。
「でもさ、いらいらしてナナに当たったからこんなことになったんだよね。ごめんね、ナナ。そして、いつもありがとう!!これからも、一緒だからね。約束!!」
ああ、よかった。これで、元の「アイスクライマー」に戻れる…。
これからも、きっと…。
ねえ、ポポ。
私たち、この約束、忘れないよね。絶対だよ!
いつまでも、20年後も、100歳になっても、ありんこになっても、どんなことがあったって。
「アイスクライマー」でいようね!!
「君との約束」 おしまい。
~Thanks Words~
こんにちは、ネスリュカです!!いかがでしたか?
今回は、シリアスに挑戦!!と、意気込みはよかったのですが…。
駄目だあ!!何も思いつかねえ!!(ちょちょちょちょちょch(ry
と、思っていると、この作品が思い浮かびました。
きっと、こんな奴のために、アイクラがネタをくれたのでしょうか…?
何はともあれ、書き終えてよかったです!
で、これを読んで、一つ、お願いがあります。たまにでいいから、これをチラッと思い出してほしいです。
どんな反応でもいいです。つまらなかったら「つまんなかったなあ」でもいいんです。
何かを感じて欲しいんです。この短篇を読んで…。
…少し、長くなりましたが…。何はともあれ、読んでくださり。
真にありがとう御座います!!
次からがあとがきです。
~あとがき~
…さて、いかがでしたか?
上でも言っていますが、この短篇を読んでくださり、
ありがとう御座います!!!
いろいろと、視点が変わったり、途中でフォックスがおいてけぼりにされたりと、少し、理不尽がありました…。
それでも、最後まで読んでくださった皆様。
本っ当に、本っ当に、ありがとう御座います!!!!!
では!!