スマブラ個人小説/Shaillの小説/大乱闘!スマッシュブラザーズ 3

Last-modified: 2015-04-21 (火) 19:54:10

ACT12 集結

38

リンク「お目覚めのようだな」
マリオ「……!」
腹部はまだジンジンと、痛みが治まるばかりか増している
ファルコ「テメエは…一体、何がしたい…?」
リンク「愚問だな。ただ起こすための行為だ」
マリオ「なんでそんなことを?」
リンク「解せんのか?貴様らは置いて行かれたかったか」
マリオ「違う。なんでわざわざそんなことしたんだよ」
リンク「我が身は主を、そして救国の英雄を護るためだけに在る。主の命にも、恩人の命にも従う」
ルイージは頭を掻き、
ルイージ「…いや、まさか殴るとは思わなかったけど…」
消え入りそうな声で呟いた
マリオ「殴る他になかったのかよ…」
リンク「ほう。ではあの手段を用いずとも、貴様らを目覚めさせることが出来たと謂うか?」
マリオ「っ…!」
リンク「戯言を。残念だが、貴様とはどうあっても相容れぬようだ」
マリオ「……」
二人の間に亀裂が出来たのは見て取れた
すると今度はアイクらが降ってきた
ドサッと床に落ちた7人を睨み、
リンク「…見たところ、彼らも気を失っているようだが。どうするかは知恵を出し合って、せいぜい頑張れよ」
マリオ「……」
リンク「……」
ムッと二人で睨み合った
痺れるような沈黙の時間が経ち、
ルイージ「…兄さん、この人たちどうするの…?」
気不味くなったルイージが話題を切り出した
マリオ「…放っておけ。暫くしたら目も覚めるだろ。俺に出来るのは、せいぜい、その程度なんだから…」
ルイージ「兄さん…」
本当に待つようだ
ペシペシとアイクの頬を叩き、気絶から回復を早めようとしている
マリオ「誰かは知らんが…置いて行くわけにはいかないだろ」
ルイージ「……」
無言だったがマリオに寄り添い、アイクの体を揺すった
フォックス「…ファルコ、お前はどうするんだ?」
ファルコ「どうもこうも…それが我らスター☆フォックスのリーダーの言う台詞か…?」
フォックス「まったく……」
フォックスは嘆息した

39

アイク「ぃてて……気を失ってばっかだな、ここんとこ」
この台詞はいったい何度目だろうか
マリオ「お、やっと起きた」
ルイージ「起きた起きたっ」
アイク「……!?」
自分を見つめるたくさんの顔
彼は飛び上がり、後ずさった
アイク「な…な、何だお前らは…?」
フォックス「何だも何も…」
ファルコ「良かったな、俺と同じ目に遭わなくて」
リンク「……フンッ」
アイク「?」
するとアイクの後に続き、マルスたちも目を覚まし始めた
マルス「ふぅ…」
カービィ「ぽよ…」
GW「……」
メタナイト「ぐぬ」
スネーク「……」
マリオ「おーみんな起きたか?」
メタナイト「いや、まだ居眠り大王が一人」
マリオはちらっとリンクに目配せした
リンク「っ……」
マリオ「このデカイのを頼む。俺の手には余るからな」
リンク「…」
大きな鼻提灯を出し、鼾を立てて気絶(?)している巨大なペンギンに…
スゥっと大きく一息吐くと
リンク「…寸剄……!」


バキイィッ!!


骨が砕けたんじゃないか、と思わせるほどの打撃音が鳴り響いた
デデデ「!$+☆4<×>◇&%#¥○!!」
有り得ない奇声を発しながら、デデデが跳び起きた
マリオ「うん、まぁ見てる分には確かに面白いけど…」
リンク「……」
ファルコ「受け側が大変なことになってるがな」
拳の打撃部位を手で抑えながら奇妙なダンスを踊っているデデデを遠目に、二人が感想を漏らした
実際寸剄を喰らって動けていること事態、常人でない
デデデ「い…痛いゾイ…。こっっ…骨折したゾイ…?」
骨折で済むのなら軽いほうだ
頸に喰らったら即死、本当に眠ってしまう
リンク「いちいち手を煩わせたな」
マリオ「……」
メタナイト「とんだ災難だったな、デデデ」
デデデ「っ~~~~!!」
彼は今、床で悶絶している
マリオ「そろそろ出発するぞ。いつまでも此処でグダグダしてられないからな」
デデデ「……」
メタナイト「起きれるか?ん…?」
デデデ「……」
メタナイト「…昏睡している」
リンク「……」


ぱぁんっ!!

 

マリオ「ループするのか、これは?」
リンク「……」

ACT13 終焉

40

アイク「?」
ふと耳に微かな音が届いた
マリオ「…なんか…聞こえるな?」
リンク「…呻き声だな。ここの支配者のものとみて、間違いないだろう」
リンクは自慢の長い耳をピクピクさせながら言う
フォックス「では、もう近くに潜んでるってことか」
ファルコ「おそらくはな……だが、どこに居るか判らな…」
Au………r…
マリオ「!…上だ!」
その指の先には…
頭上、蒼い半霊体姿が浮遊していた
「タブー」と呼ばれた罪人の怨念の塊
マルス「…いよいよ、お出ましってわけか」
リンク「しかし、何故わざわざ人目に晒すような醜態を…?」
■■■■■■■!!
辺りに轟く咆哮。ビリビリと虚無の空間に響きわたる
アイク「……そんなことは…どうだっていい。今は戦闘だけに集中しろ」
スラリとラグネルを抜きはなった
剣を執り、拳を構え、銃を抜き、火器を担ぎ…


迎え討つ!


■■■■■■■ー!!!



ついに最終戦が幕を開けた……

41

■■■■■■■!
タブーはワープを繰り返し、ファイター達を翻弄し続ける
マリオ「これでは攻撃が当てれないな。誰か何とかしてくれ」
ゼルダ「私が何とかしましょう」
彼女は胸に手を当てて、長い瞬きを一つ
ゼルダ「爆ぜよ、風撃…!」
ゼルダの両掌から光が放たれた刹那、轟ッ!とゼルダの周囲に風が巻き立った
風は巨大な竜巻となり、行く手を囲む壁になる
ゼルダを囲った風は荒れ狂い、やがてタブーを飲み込む
リンク「散れ…」
竜巻の真上、中心は無風である
タブーの頭上で下突きを放ったリンクにゼルダの恩恵が加わる
ゼルダ「翔べ、雷撃…!」
蒼い雷は、避雷針のように突き立てられた退魔剣に纏う
リンク「下、突き…!!」
頭から貫通した剣先は雷電を放ちながら、さらに奥深くへと刺さる
…ur……
足まで刺し抜いたリンクはとどめの回転斬りを見舞い、着地を決めた
リンク「まずは、先手だな」
アイク「油断はするなよ」
リンク「…我々騎士は油断とは無縁だ。世話を焼かれる筋合いはない」
アイク「何だと!」
マルス「今そういうのを油断というんだ」
リンク&アイク「何だと!」
マルス「……」
これだと「だからそれが油断なんだって」→「何だと!」の繰り返しで、場違いな会話を連鎖することになるのであえて触れないでおいた
ゼルダ「再装填には時間が掛かります。誰か食い止めて下さい」
■■■■■■!
竜巻から解放されたタブーは、再びワープを繰り返す
フォックス「流石にまだ、やられはしないか」
ファルコ「…次は俺達の番だ」
バッとブラスターを引き抜くと、狙い構わず乱射した
スネーク「おい…」
ファルコ「銃器使い同士で見過ごせないか?だがな…」
フォックス「数撃ちゃ当たるって諺もあるんだぜ?性に合わんかもしれないがな…」
スネーク「……」
何百何千と放たれたビームが、僅かにタブーにダメージを与える
それと同時に
スネーク(成る程な……だが…)
大量のビームはそれ単体の攻撃の他、移動範囲を狭める役割もあったのだ
ファルコ「追い詰めたぞ!」
フォックス「追い詰めた!……あ」
ブラスターを撃ちながら冷や汗が垂れた。何故最初の算段の内に忘れていたのか
すると
キイィーーーン!と風を切る何かがタブーに向かって行く
スネーク「だがな、お前たちの攻撃には[破壊力]というものが欠けている!」
凄まじい爆音をならし、爆炎と共に粉々に砕け散るロケット弾
そこにはスネークが、発射口から噴煙をあげているRPG7を担いでいた
ファルコ「お前…!」
スネーク「数撃ちゃ当たるってのも正解だ。だがな、一撃必殺ってのも結構大切だろ…?」
フォックス「……」
しかし、タブーをやるとなっては剣撃と近代兵器一つでは足りない
!!!
一瞬消えたかと思えば、
ゼルダ「あっ…!」
リンク「ぐ…!」
フォックス「!」
ファルコ「うぁっ…!」
スネーク「ぬあっ!」
背後から爆発音と悲鳴があがり、慌てて振り向くと
マリオ「これは…またしても…!」


フィギュア化!!

42

ゴトゴトと音を立てながら、床に倒れていく
マリオ「ルイージ!触って元に戻すんだ!」
ルイージ「それが…さっきから全然戻らないんだよ…!」
マリオ「なんだと!?」
馬鹿な。さっきは何事も無かった筈だ
だが現実は、ルイージが焦りながらペタペタと硬いフィギュアを触れているが、何も変化は訪れない
………
確か前回とは違った箇所は…
マリオ「……そうか、判ったぞ」
ルイージ「何が!?」
マリオ「…こっちは油断させられたってわけだ。地の利を生かされてな」
ルイージ「?」
アイク「成る程な。つまり、[この空間でフィギュアになったら戻せない]ってだけなんだな」
マリオ「ああ。フィギュアになったら元に戻せるものと、固定観念を植え付けられていたんだ。ヤツに」
マルス「そしてワープからの爆発攻撃だな。結構な策略だ」
アイク「薄汚い謀略なんかに染めやがって…。マルス!」
マルス「?」
アイク「アレだ。あのコンビネーション技。叩きつけてやろうぜ」
マルス「あれはまだ未完だけど……まぁ分かったよ」
二人は聖剣を執り、上方に掲げ合わせた

43

メタナイト「私も加勢する」
デデデ「ゾイ!」
カービィ「ぼよ!」
アイク「あれ?カービィ姿変わってないか?」
そう。カービィの頭上は、青色の電気がパチパチと発光していた
マルス「ゼルダの雷を吸い込んでたみたいだな。スパークってとこかな」
アイク「へぇ…」
何にせよ、
■■■■■■!
上空から轟く雄叫び
空中戦なら彼らの十八番なのだから
アイク「さあ、戦闘開始だ…!」

 

メタナイト、デデデ、カービィは得意の空中でタブーを撃墜
そして地上で待ちかまえるアイクとマルスの必殺技で仕留める、といった作戦だ
マリオ「勝機としてはかなり甘いが…」
アイク「賭けるしかないだろ」
上方に佇むタブーを睨みながら、言った
メタナイトらは既に飛行を始めている
マリオ「…ん?なあ。今まで気付かないのもオカシイんだがよ…」
マルス「何だ?更に不安にさせるなよ…?」
マリオ「…悪いが約束出来ないな」
アイク「いいから何だよ?教えろ」
そう尋ねながらマルスを締めている
ジタバタしているのを無視し、マリオは重たげに口を開いた
マリオ「リンクやフォックス達は、ワープ移動を封じるべくして戦ってたけどさ」
アイク「今はワープしてないってことか?」
マリオ「そうだ」
マルスは真上にいるタブーに目を移した。都合上、首がかなり痛い
そう言われれば確かに、めっきり動かなくなっている
マリオ「訳アリと見て間違いないな」
マルス「う゛ぅ~~~!」
アイク「だがな、マリオ。何の為かは俺らが知る由がないだろ」ギュウッ!
マルス「~~~~!!」モゴモゴ
マリオ「……来るぞ」
メタナイトの一撃がタブーに向けて放たれた


ガキンッ!


鈍い音がし、メタナイトの腕に痺れが襲う
そして斬りつけられたタブーには傷一つない
メタナイト「!」
マリオ「彼奴の特性……もう解ったな」
マルス「……バ…リ、ア」
アイク「ワープの次は防御かよ」
その通り。タブーの周りに張り巡らされた結界
それがメタナイトの攻撃から身を守ったわけだ

 

デデデのハンマーを以てしても破壊出来ない鉄壁に、一時作戦を立て直すことに
アイク「一難去ってまた一難、だな」
メタナイト「しかし、どうする?デデデ以上の威力を持つ攻撃なんて無い」
デデデ「ワシの攻撃も防ぐとはな…」
カービィ「ぽよ……」
明らかに活力が失せていた
マルス「幸いといっては、彼奴がまったく手を出さなくなったところかな。防御に徹底してるだけで攻撃が出来ないんだ」
マリオ「だが空中で制さなければ、地上には引きずり出せない。いわば…千日手だ」
将棋で例えるとそういうことだ
こちらが攻撃しても防御されるだけだが、むこうも攻撃出来ない
マリオ「詰んだんじゃねえか?」
アイク「まだだ」
突然アイクが口を挟んだ
アイク「まだだ。まだ、道は切り開ける」
メタナイトには言っている意味が解らなかった
メタナイト「あのバリアを突破することは不可能だ!」
アイク「それは、お前ら三人にとってだ」
デデデ「ゾイ?そりゃ一体どういう…?」
マリオ「ブラフだ!たとえお前の剣でも、あのハンマーには劣るだろう!」
マリオの葛藤にもアイクは眉一つ動かさない
アイク「確かに俺の攻撃はハンマーより弱い。だがな、ただ威力だけを重視するのも華がないだろ」
マリオ「?」
アイクは自分の愛剣、聖剣を手に執り見つめ直した
アイク「防御を砕くことのみに特化した攻撃…叩き突けてやろうぜ。マルス!」
マルス「…うん……しかしだな…」
苦渋の表情を浮かべるマルス。許諾しているのかどうか…
マルス「シリアスな雰囲気を壊すみたいで悪いが…」
アイク「うん。まぁ…それは当然の課題だな」
メタナイト「どうした?」
急にやる気が失せたみたいだ
アイク「原点に戻れ。簡単な問題だ」
マルス「…僕達はあの高さまでは届かない」
「「…………」」
忘れていた
空高く昇れるのは、三人に他居ないことを


メタナイト「…簡単な問題だ」


アイク「え?いや、そうじゃなくて…」
メタナイト「実に簡単な問題だ。届かないなら、飛ばせばいいだけだ」
「「………何だと…」」
メタナイト「平らなハンマーに乗って…!」
そう言いながら、デデデの木槌を指した



アイク「スタンバイOKだな」
マルス「ああ。いつでも構わないよ」
マルスがデデデの木槌に乗り、投げ飛ばしてもらう。その直後にアイクも同様にする
そしてガードを打ち破るという秘術を二人でブチかます
見込みとしては強引だが
メタナイト「やるしかない」
皆が頷いた
デデデ「では決行するゾイ」
マルス「しくじるなよ」
念には念を。力が弱いと届かないし、逆に強いと高く飛びすぎてしまう
しかしチャンスとしてはいくらでもあるので、あまり緊張間は感じられない
デデデ「…行くゾイ。せーー…」
大きく大きく振り被って…
デデデ「…ーーのぉ!!!」
思いっきりブン投げた
マルス「うわあぁ…!!」
続けてアイク
アイク「どわあぁ…!!」
しばしの間浮遊感に捕らわれる
タブーはもう目の前だ
アイク「行くぜ…」
大きく回転しながら、叩き突ける…!
マルス「貫け…!」
アイク「打ち砕く…!」
「「Break!!!」」
マルスの剣が防御を崩し、アイクの剣が不可視のバリアを粉砕した
粉々に砕け散った破片は技を放った二人と共に、下方へと落下していった

44

メタナイトに確保されたアイクとマルスは、地上に降り立った
アイク「これで防御は破った筈だ」
マルス「後は地面に引きずり降ろしてくれれば、何とかする」
メタナイト「だが今の一発で体力を消耗しただろう。次の攻撃はキツイんじゃないか?」
カービィ「…ぽ……」
心配しているのか、アイクの腕をさするカービィ
アイクは胸が締められたが、この際は気に留められない
アイク「なんだろうと実行する。賭けるしかないって、そう決めたからな」
カービィ「……」
メタナイト「……判った。では…行こう」
そう言うと、タブーに向かって飛び立ってしまった。デデデもその後に続く
アイク「…カービィ…お前…!」
アイクの腕を掴んだまま、フルフルと首を横に振っている
マルス「辛いんだな、お前が居なくなってしまいそうで…」
アイク「…カービィ」
そっ、と頬に触れた
嬉しいのか気持ち良いのか、瞼を閉じてしまった
アイク「大丈夫だ。俺は死んだりなんかしない。そして、お前も…」
カービィ「……」
アイク「約束だ」
マルス「……!」
二人とも胸が痛くなった。心が折れそうになる
カービィ「ぽよ!」
そんな苦悩を知らず、カービィは元気な声を上げた
そして空へと飛び立っていく
アイク「……嘘をつくのだって、楽じゃない…」
上を見上げながら一人嘯いた
マルス「アイク…」
アイク「俺たちは死ぬかもしれない。彼奴に関わると殺される。やっぱり、奇跡に委ねるしかないんだ」
マルス「賭けようさ。その奇跡とやらに…!」
堅い握手を交わした
頭上からはメタナイトの声が響く
メタナイト「光よ…闇を打ち払え!」
ギャラクシアから極太の光のビームが放出されていた
メタナイト「スターリー、ブラスト!!」
彼の渾身の一撃だ

 

アイク「そろそろ俺らの出番だな…」
タブーの撃墜は成功したらしい
煙を立てながら落下していく怨敵に、必殺の剣を見舞う刻が来たのだ
マルス「合わせろよ、相棒」
下段に構えた剣を交わせ、金切り音を鳴らす
意識を集中させタイミングを見計る
そして、タブーが墜落して地面に触れるまで後少しの時、
「「今だっ!!」」
二人は駆けた

45

猛スピードで馳せる
戦場を駆け抜ける
「「うおおおぉぉーーー!!」」
タブーが床にバウンドした時、ついに剣が届いた
一度斬りつけると双方、両側からタブーを滅多斬りにする。幾重にも切り刻む
そしてトドメの斬り下げを見舞った
トドメ……いや、まだだ
マルスは後方にジャンプして、アイクはステップでタブーに背を向ける
そして脇の間に剣を滑らせ、タブーに突き刺した
アイク「終わりだッ!!」
そう宣言すると、剣から光の花弁が現れた
神々しいまでの花弁は、何であろうとたやすく貫く
抜き放つと、美しい光の花びらが舞う
一方マルスは意識を集中させているのか、目を閉じ、背中に構えていた剣をブーメランの要領で投げつけた
すると剣は回転しながら、タブーに向けて飛んでいく
マルス「決めるッ!!」
マルスが左手を返すと、弧を描く剣に炎が宿った
丁度アイクが剣を抜いた時、神剣がタブーを襲う
ギャキキキッ!と耳を塞ぎたくなるような音を立て、地面もろとも抉り取る。床からは岩肌が露出した
タブーを両断した剣が去るのに、ワンテンポ遅れてマルスが着地し、二人して叫んだ
「「…チェックメイトだ!」」

ACT14 終結

46

もうもうと立ち込める煙
タブーの姿が見えないものの、音も動きもないところで
アイク「やったか…」
マルス「…みたいだな」
強力な技を繰り出したおかげで、暫くは戦えない
が、相手が倒れたのなら善しとしよう
マリオ「なら早く帰ろう。奴が倒れたらじき、ここも消えるだろう」
ルイージ「でもこの人たちは?」
リンクらを指さした
「「……」」
メタナイト「担いで帰るしかないな」

 

マリオ「よい、しょっと…。クソ、何で俺がこんなこと…」
マリオの背には全てのフィギュアが担がれていた
メタナイト「ジャンケンでお前だけグーだからだ」
マルス「しかし凄いな。多いもん勝ちで1対14なんて」
マリオ「それを言うな」
メタナイト「そう言うことだ。荷は重いが頑張れ。落とすなよ」
マリオ「荷が重いよ…」
そもそも無理な要望だ。落とさずに運べる筈がない
マリオ「あ、落とした」
アイク「持ち直せ」
マリオ「そうだヨッシーに乗せれば」
メタナイト「ヨッシーはジャンケンに勝った」
マリオ「……」
アイク「…言うこと無しか」
マリオ「え?」
アイク「何だ」

47

■■■■■■!!
蝶のような羽根を生やし、煙の中から脱したタブー
彼の中枢から凄まじいエネルギーの波動が放たれる
メタナイト「何だと…!」
アイク「彼奴、まだ生きて……!」
先の言葉を発する猶予も与えず、為す術なくフィギュアに変える
マルス「これはあの時の…」
デデデ「ゾイ!?」
カービィ「ぽ…!」
続いてマルス、デデデ、カービィが餌食となる
ルイージ「兄さん!!」
ルイージがマリオの元に向かって走った
マリオ「馬鹿ッ!来るな!!」
マリオの忠告も虚しく弟が、兄を…かばう
ルイージ「……!」
兄の背中にズシリとした重みがのしかかった
マリオ「…ルイージ!!」
弟の頬に触れ、泣き叫んだ。慟哭が亜空間に響きわたる
次々と薙ぎ倒され、フィギュアになっていく仲間達
その顛末を見届けたのは、マリオの他にはいない
マリオ「嘘、だろ…」
立ち上がり、辺りを見渡した
そこかしこに散らばる仲間
しかし、それはもう動くことも歯を食いしばることもない
マリオは、必死で走っていたせいで脱げたであろう、Lの文字が刻まれた帽子を手に取った
マリオ「こんな…こんなのって……!」
彼はタブーに向かって駆け出した
マリオ「俺一人で何が出来るって言うんだ!」
■■■■■■■!!!
それは一重に、躍起になっていたといえる
タブーの攻撃が頬を掠め、体を抉るが、彼は止まらない
マリオ「うおおおぉぉぉーーー!!!」
想いをぶつけろ
左手に抱いた弟の形見がそう告げる
■■■■■■!
マリオが地を蹴った
タブーが波動を放つのが見える

 

ああ、終わりだ…


俺は結局何も果たせず、何も出来なかった


いずれ、また皆と再会する日が来ることを祈る


その日が来た時は


もうこんな終わりにはしない


最後に俺はそう誓う…









Fin

 


エピローグ

彼らの物語はここで終わったが

 

それが世界の終末を意味することではない

 

伝承は始まったばかり

 

これはほんの序章に過ぎないのだ

 

真の物語は、彼らの意志を受け継いだ者達が築き上げる

 

亜空の使者が立ち上がる、その日まで…



To Be Continued

後書き?

コメント

  • 完結おめでとうございます! -- チャカラ? 2013-03-27 (水) 21:09:45
  • おもしろいです^^感動しました -- くう? 2015-04-21 (火) 19:54:10