スキル

Last-modified: 2016-11-27 (日) 20:35:07

スキル

スキルと判定

 スキルは様々な日常的な行動への習熟度合い表すもので、個々のスキル毎にレベル(Lv)を持つ。3章「判定」に記載されている通り、スキルに関わる判定では、判定基本値を「{特性値}+〈スキル〉Lv」とする。使用する特性値とスキルの組み合わせは多くの場合には決まっているが、ルール上、スキルと特性値は1対1対応しない。判定の際に特性値とスキルを指定する。

スキルの習得

 スキルはスキルコストを支払って獲得する。作成時はランクから決まるスキルコストを持つ。何らかのスキルを1Lv上げるために必要なコストは、5Lvまでは1Lv毎に「習得後のLv」に等しい点数となる。成長を含めたスキルのコストは「スキルのコスト表」を参照。初期作成時での〈スキル〉Lv上限は4Lvとする。作成時の余りは半分(切り上げ)にして成長に持ち越してよい。

スキルのコスト表

レベル(Lv)0→1→2→3→4→5→6→7→+1
スキルのコスト12345555

汎用スキルと専門スキル

 スキルの中には、大雑把な括りで設定された汎用スキルと、技術を細分化した専門スキルの関係を持つものがある。汎用スキルを習得していれば、対応する専門スキルは全て同じレベルで習得していると見なして判定できる。また、ルール中で専門スキルを用いた記述は、対応する汎用スキルで読み替えてよい。専門スキルは判定の際に判定値を+2(1Lv の場合は+1)する。
 専門スキルを習得する場合も、汎用スキルと全く同じコストとなる。但し、特に記述がない限り、同じ汎用スキルに対応する専門スキルは2 つまでしか習得できない。同じ汎用スキルに対応する専門スキルを3つ以上習得したい場合は、必ず汎用スキルを習得すること。汎用スキルと専門スキルの両方を習得している場合、判定値の高いものを用いて判定を行ってよい。同じ判定に使用できる汎用スキルと専門スキルの両方を習得していても、特別な効果はない。

スキルリスト

 以下に習得可能なスキルの例を挙げる。もしこの例に当てはまらないスキルを習得したい場合、GMが適宜設定すること。スキルは便宜上幾つかの系統に分類しているが、戦闘関連を除いて、スキルの系統にルール上の差異はない。戦闘系スキルは戦闘能力に影響する。これらの詳しい扱いは戦闘の章を参照。
 スキルは「妖術との組み合わせ」を行うことができる。詳しくは10 章「妖力と妖術」を参照。判定で使う機会は少ないが、「妖術との組み合わせ」を念頭に置いて設定されたスキルも存在する。
 “→” の後に続けて書かれているスキルは、先頭のスキルが汎用スキル、“→” 以下が先頭の汎用スキルに対する専門スキルとなる。
 【 】付きで記述されたスキルは、使う道具や対応する地域(人里、妖怪の山、魔法の森、など)を選ぶ。これらは独立したスキルとして扱う。


運動関連

  • 〈運動〉→〈飛行〉〈地上運動〉〈水泳〉
  • 〈叫び〉

〈叫び〉は{耐久}を用いた「妖術との組み合わせ」を念頭に置いて設定されている。


芸術関連

  • 〈歌〉
  • 〈【楽器】〉
  • 〈踊り〉
  • 〈絵画〉
  • 〈彫刻〉
  • 〈人形〉
  • 〈文学〉
  • 〈手品〉
  • 〈占い〉
  • 〈イメージ〉

 それぞれが独立した汎用スキルとして扱う。多くの場合、{感覚}を用いた「妖術との組み合わせ」が可能。〈文学〉では{知性}を、〈踊り〉〈手品〉では{身体}を用いる。
 〈イメージ〉は能力で物体や形を作り出すときに一般に使えるスキル。正確さが必要な場合は{知性}を、創作として美しさを求める場合は{感覚}を使用する。


生活関連

  • 〈生活〉→〈食料採集〉〈料理〉〈家事〉〈狩り〉〈農耕〉
  • 〈工作〉→〈木工〉〈石工〉〈金属〉〈鍛冶〉〈服飾〉〈陶芸〉
  • 〈庭師〉
     〈生活〉を習得していれば、普段の生活で飢えたりすることはない。

盗賊関連

  • 〈忍び〉→〈隠密〉〈変装〉〈隠匿〉〈追跡〉
  • 〈盗賊〉→〈罠〉〈暗号〉〈鍵開け〉〈すり〉

 機械的な鍵よりも魔法的な鍵の方が一般的なことに注意。

 〈罠〉は魔法的な罠や結界の感知に対しても使用できるが、解除は魔法的な手段による。

 〈追跡〉は足跡をたどる(飛べる相手には使いにくい)ことにも、気付かれずに尾行していくことにも使用できる。


学術関連

  • 〈化学〉
  • 〈物理学〉
  • 〈心理学〉
  • 〈医学〉
  • etc...

 各分野毎に別の汎用スキルとする。

 ゲーム中では余り役に立たないもの。特に理系の学術関連スキルは幻想郷では一般的でない。大抵はかなり古い時代の知識である。外の世界からの知識を知っている、という設定はGMの許可を要する。


知識関連

  • 〈幻想知識〉
    →〈魔法知識〉〈神術・陰陽術知識〉〈属性知識〉〈妖怪知識〉〈伝承・神話知識〉
  • 〈自然知識〉→〈動物知識〉〈植物知識〉〈昆虫知識〉〈気象知識〉〈地学知識〉
  • 〈噂話〉→〈噂話/【地域or種族】〉
  • 〈歴史〉→〈歴史/【国or地域、幻想郷】〉
  • 〈地域知識/幻想郷〉→〈地域知識/【地域】〉
  • 〈文献検索〉
  • 〈武術知識〉

 キャラクターの知識を問う際の判定で使う。一部は学術関連で代用を許可してよい。

 キャラクターが知らない事柄を本から調べるなら〈文献検索〉を使う。

 〈噂話〉および〈地域知識〉は、専門スキルを3つ以上習得してもよい。〈噂話〉を習得しているキャラクターは、判定に成功すれば、対応している地域で噂として出回っている情報を知っているほか、新聞報道などでよく知られている情報を把握しており、地域内での噂の流れ方についても理解がある。


言語関連

  • 〈日本語〉
  • 〈日本語・古語〉
  • 〈英語〉
  • 〈ルーン〉
  • etc...

 スキルが無くとも、日本語での会話・読み書きには問題はないとする。〈ルーン〉〈日本語・古語〉の理解・使用はそれぞれ〈魔法知識〉〈神術・陰陽術知識〉で行ってもよい。(文学など専門的な状況を除く。神術・陰陽術を他のイメージに変更した場合は、背景となる言語を別のものとしてよい。)


医術関連

  • 〈医術〉→〈医術知識〉〈薬〉〈応急処置〉〈手術〉〈獣医〉

 幻想郷では、科学文明は遅れていることに注意。〈手術〉に関しても古い技術となる。

 〈薬〉の場合、科学的には古いが魔法的な知識が加わる。

 外の世界の医学は学術関連の〈医学〉として区別する。外の世界からの知識を知ってい
る、という設定はGMの許可を要する。


交渉関連

  • 〈交渉〉→〈言いくるめ〉〈商売〉〈嘘発見〉〈礼儀作法〉〈籠絡〉〈演技〉
  • 〈報道〉
  • 〈凝視〉
     〈報道〉は特技[新聞屋]を習得している場合に使用できる。

〈籠絡〉は性的魅力の要素が強い交渉の際に使用する。同性に通用するかも含めて、GMが判断すること。(もちろん、スキルの使用や描写については環境や参加者全員にとって適切な程度に留めること。ルールにスキルが定義されているものの、GMは行き過ぎたと判
断すれば却下するなどの処置を取ってよい)

 〈凝視〉は{意志}を用いた妖術との組み合わせを念頭に置いて設定されている。


探査・知覚関連

  • 〈感知〉→〈感知/視覚〉〈感知/聴覚〉〈感知/味嗅覚〉〈感知/触覚〉〈感知/幻想〉
  • 〈探索〉
     〈感知〉は一般に知覚判定全体に有効。

 〈感知/幻想〉は、効果を発揮している能力(系統は問わない)の存在や、魔法のアイテムの存在などを感知する。第六感のようなもので、通常は視覚や聴覚を伴わないが、壁の向こうにある場合にも勘づく可能性がある。
(特殊な能力の影響がある場合など、GMは視覚や聴覚のイメージを伴うと設定しても構
わない)


抵抗関連

  • 〈抵抗〉

 {耐久}による肉体抵抗判定も{意志}による精神抵抗判定も共通のスキルを使用する。


戦闘関連

  • 〈ショット〉:戦闘行動「ショット」の命中判定に使用。
  • 〈弾幕〉:戦闘行動「弾幕」の効果を決める(DP減少数とダメージ)。
  • 〈回避〉:回避判定に使用。
  • 〈ホーミング〉:戦闘行動「ホーミング」の命中判定に使用。対象数や達成値を決める。
  • 〈【射撃武器】〉:射撃武器による「ショット」の命中判定に使用。こちらで判定した場合、ダメージに固定値で+〈【射撃武器】〉Lvする。
  • 〈【近接武器】〉:「近接攻撃」の命中判定に使用。ダメージに固定値で+〈【近接武器】〉Lvする。

 それぞれ独立の汎用スキル。戦闘の章でルールが規定されている。

習得していないスキルの扱い

 習得していないスキルの判定が可能か否かは、「専門知識が必要か」をもとにGM が判断すること。〈感知〉〈回避〉〈抵抗〉や、常識の範囲と思われる知識スキル、誰でも挑戦できるような運動、交渉に対する対抗判定などはスキル無しで行ってよい。これらの判定の場合は、単にスキルを0Lv で習得していると見なす。その他、慣れていなければ実行しにくいような行動の場合は、スキルを習得していなければ-3を目安にペナルティを課す。逆に、「慣れている人物には簡単過ぎる行動であれば、スキルがあれば自動成功とする」「多少なりとも専門知識がなければほぼ失敗する行動であれば、スキル無しの判定は行えないとする」などの処理を行ってもよい。
 戦闘の章で明記するが、攻撃行動に含まれる戦闘行動はスキル無しでは行えない。

スキルの適用に関する規定と指針

 ゲーム的に重要だと思われるものについて、いくつか規定しておく。専門スキルに関して記述されている場合、汎用スキルでも同じ判定が可能であることに注意。
 一般の状況では、以下を例としてGMが裁定する。

  • 知覚判定:{感覚}+〈感知〉を用いる。
     〈隠密〉への抵抗や〈隠匿〉〈罠〉等を発見する場合は、隠れる(または隠す)側が行う判定との対抗判定を行って発見できたか否かを決める。魔法的な存在はありふれているので、何らかの効果を発揮している能力の存在や魔力(あるいは妖力や神通力など、所謂「幻想的な」力)を持った物体の感知も{感覚}+〈感知/幻想〉で行える。
     意識して探すのであれば、通常のスペルや妖術であれば目標値は16。特に探さない場合は、目標値は18~それ以上。PC の行動や注意力の低下も、状況などを考慮してGMが決めること。
     いずれの場合も、この判定でわかるのは「そのような存在が近くにある」ということとおよその方向だけで、正確な位置やどのような効果を持つかなどはこの判定では全くわからない。もちろん、目や耳で分かるはっきりした効果を発揮しているスペルや能力に関しては、能力の効果であるかどうかはわからないが、発揮されている効果は通常通り発見できる。
  • 調査:隠されたものを見つける場合には{感覚}+〈感知〉。どの感覚を用いるかはっきりしている場合は専門スキルを用いてもよいが、感覚を総合的に用いる必要があれば、専門スキルでは判定値に-4のペナルティ(専門スキルの修正を加えた上で)。能動的に探す場合は{感覚}+〈探索〉を用いる。部屋の中やガラクタの山から物を探すなどの場合は{知性}+〈探索〉を使う。文献から目標の物を見つける場合には{知性}+〈文献検索〉を用いる。
  • 交渉:ロールプレイの影響は状況に応じてGMが裁定すること。十分な演技があった場合はロー
    ルプレイのみで交渉の成否を決めてもよいし、演技次第で判定に修正を与えるとしてもよい。とっさの場合の嘘には{知性}+〈言いくるめ〉を用い、{知性}+〈嘘発見〉や{知性}+〈言いくるめ〉で対抗する。明確な嘘ではないが、はぐらかしているような場合、GM の判断で聞き手が{知性}+〈言いくるめ〉の判定を行い、成功すれば言動の不審さを感知できてもよい。{知性}+〈言いくるめ〉等との対抗判定を行うことも考えられる。
  • 運動:飛行が上手くできるかに関わる場合は〈飛行〉で判定できる。水中の場合は〈水泳〉。幻想郷に存在するかは不明だが、もしルールの規定された競技などを考えるなら、個別にスキルを設定すべき。
  • 芸術:基本的に{感覚}+〈対応するスキル〉で判定する。分野についての知識を問う場合は{知性}を用いる。
  • 抵抗:術への抵抗などは{意志}+〈抵抗〉を用いる。毒や病気に対しては{耐久}+〈抵抗〉を
    用いる。
  • 治療に関して:{知性}+〈応急処置〉または{知性}+〈医術〉を用いる。「ダメージと霊力消費」を参照。
  • 属性知識:目標値16程度(何らかの手段で隠蔽していればそれ以上)で妖精の属性を外見などから推測できる。

判定基本値の目安

人外の多い幻想郷では上を見れば天井知らずと言えるが、一応の目安を示しておく。

  • 判定基本値3:素人。
  • 判定基本値4~5:趣味人。
  • 判定基本値6:専門家としては駆け出し。
  • 判定基本値8:一人前。そのスキルで食べていくにはこのぐらいはほしい。
  • 判定基本値10:十分に専門家と言える。
  • 判定基本値12:人外の入り口。妖怪として一目置かれる。
  • 判定基本値15:人外。妖怪としても十分。
  • 判定基本値18:その能力で名の知れた人妖。達人。