戦闘の起こる状況

Last-modified: 2010-01-16 (土) 01:47:54

戦闘の起こる状況

 千幻抄における戦闘は、原則として、互いに戦いを挑む陣営(パーティー、あるいはチームなど)が相手の陣営のスペルカードを撃破しあうことで勝負を競う「スペルカード戦闘」の形式を取る。スペルカードを持たないような弱い妖怪との戦闘は、原則的に両陣営ともスペルカードを使用しない、というだけのことで、ルール上はスペルカード戦闘と同様に扱う。「スペルカードを用いない通常の戦闘」も、便宜上同じルールを用いて扱うことができる。

スペルカード戦闘

 スペルカード戦闘の位置づけについては公式に設定されており、wikipedia の「スペルカード」の項目などにも詳しい解説がなされている。以下では、千幻抄におけるスペルカード戦闘の扱いについて、集団戦などを念頭に置いた設定の追加・改変などを行いつつ解説する。


 スペルカード戦闘は一種の「合意の上での決闘」である。人間と妖怪が勝負することができ、また力を持つ妖怪の間でも全力での戦いを続けることがないため、多くの妖怪や人間の間で支持されている。スペルカード戦闘を行う場合、あらかじめ技の名前と命名しておいた名前の意味を体現した技をいくか考えておき、それぞれの技名を契約書形式で記した契約書を任意の枚数所持しておくことになる。このスペルカードを破ることで互いの技を競い、スペルカードが使用できなくなった時点で負けとするのが基本的な形式となる。
 スペルカード戦の結果は全力での勝負に等しく、負けた場合には、その場での相手の要求を飲んで引き下がらなければならない。このルールは多くの妖怪によって受け入れられており、スペルカード戦の結果を反故にするような行為をとった場合には「幻想郷のバランスを考慮しない危険な人物、あるいは妖怪」と見なされる可能性がある、とする(より砕けた言い方をするなら、「空気が読めず、遊びのセンスもわからないつまらない奴」という認識が広まる可能性がある)。

スペルカード戦の宣言

 スペルカード戦闘を行う場合、各自がその戦闘で使用可能なスペルカード数を宣言し、準備する。スペルカードの枚数は、「一緒に戦う一つの集団内でのスペルカードの総枚数が、人数×2~×2.5程度」が普通、とする。原則的には、この枚数の同意があって初めてスペルカード戦闘が開始できる。準備しているスペルカードの枚数は、互いに確認できる(確認できる状態で提示しなければならない)。通常、最初に攻撃を仕掛けた側がスペルカードを準備していれば、もう片方の側が同じ総枚数のスペルカードを準備することでスペルカード戦に同意したと見なせる。このため、不意打ちなどの工夫をすることは認められている、とする(不意打ちに備えきれなかった方が悪い、という考え)。不意打ちされた場合、行動消費無しで、その場で即座にスペルカードを同じ枚数だけ準備してもよい。また、事前に意思の疎通が可能な場合、スペルカード戦闘を行う互いの陣営は、交渉の上でスペルカード数を決定してもよい。NPCとの戦闘の場合、GMはプレイヤー人数×2~2.5枚程度を基準に決定する。PCとの交渉の余地を残してもよい。NPCのスペルカード数は、バランスを整えた上でPCと同じ枚数が望ましいが、バランス調整を含めて多少の差を設定することもできる。例えば原作の登場人物で非常に強力なキャラクターが弾幕戦闘に応じる場合、データを極めて強力に設定しつつ、スペルカード数をプレイヤーに比べて少なく設定することでバランスを取る、といった設定を行ってもよい。
 あるいは、GMの判断で、「幻想郷における多人数でのスペルカード戦闘は、人数の多い側が1 人2枚(または3枚)とし、人数の少ない側は多い側に合わせて枚数を増やす、といったルールが一般化している」などの規定を行っておいてもよい。こうした規定を行えば、戦闘前にスペルカード数の設定を行う手間を省くことができる。


 いずれの場合にも、スペルカード枚数が増えると戦闘シーンの所要時間の延長に直結するため、GMはバランスや戦闘シーンの重要度も考慮してスペルカード枚数を設定すること。キャラクターがスペルカードを所持していない場合、「スペルカード戦闘には参加するが、スペルカードの使用は行わない」として戦闘に参加することができるとする。こうしたスペルカードを持たないキャラクターの人数は、スペルカード数を考えるときに考慮に入れない。所謂「ボスの取り巻きザコ」として敵キャラクターを登場させる場合や、スペルカードを設定していない[使い魔]を戦闘に参加させる場合はこのような扱いを行う。

スペルカードを用いない戦闘(参考ルール)

 スペルカードを用いない戦闘も、この章で記述している通りのルールで扱う。スペルカード戦闘との差異は、ダメージが必ず本人のHPにのみ与えられることとなる。このような戦闘は直接肉体を傷つけることを意図した戦闘であり、現在の幻想郷では衝突の際の解決手段として受け入れられていない。幻想郷における「スペルカード戦闘」の位置付けなどの設定から、知性があり、PC と同程度やそれ以上の力を持っているような人間や妖怪同士で、こうした(言葉の本来の意味での)戦闘を行うことは、幻想郷の世界設定として推奨されない。(傷つけることを目的とした本気の戦闘を行わなければ解決しないような状況およびキャラクターを設定することは、幻想郷の世界観として共有されているイメージを破壊することになりうる)
 スペルカードを所持していない妖怪を追い払う場合、スペルカードを使用しないのであれば、ルール上は同様に「スペルカードを用いない戦闘」となる。この場合、直接傷つけるような行為は忌避されていることから、互いに相手を気絶させる程度の攻撃しか行っていない、と解釈してよい。また、野生の獣など、「スペルカード戦闘を行うだけの知性が無く、本気で攻撃を仕掛けてくるが、PCと比べれば非常に弱い」存在との戦闘を行う場合も「スペルカードを用いない戦闘」として扱う。

戦闘距離

 戦闘が生じる陣営間の距離は、最大で30m程度とする。千幻抄での攻撃手段は基本的に射撃であり、大部分の攻撃はこれ以上の射程があるが、30m以上離れてしまうと弾幕は密度が薄くなって効果が無くなり、その他の射撃や、接近を試みての近接攻撃は「十分な距離があるために、PCと同程度やそれ以上の力を持つ人間や妖怪は判定無しで回避できる」状態になると見なす。また、接触と書かれていない限り、戦闘距離以内であれば、30mの距離から発動可能な能力は全て射程内にあると見なしてよい。
 千幻抄の登場キャラクターは原則的に飛行可能であり、各キャラクターは「互いに有効射程である30m程度の距離を保ちつつ、3次元的に飛び回りながら戦闘を行っている」とみなす(「攻撃のタイミングのみ射程距離内に入る」行動もルール上は制限しないが、それぞれのキャラクターは射程距離内に入ったタイミングに対応して行動可能であり、こうした行動には相手からの攻撃を無条件で回避するような効果はないとする)。このため、原則的にキャラクターの位置関係は厳密に定義せず、戦闘状態にあるか否かだけを判断する。範囲のある能力の効果を考える場合は、「範囲にどれだけの対象を含むか(≒どの対象が範囲に入ったタイミングで発動するか)」だけを考えることにする。)