基本データ
解説
- 一般的には食パンをスライスした後表面に軽い焦げ目が付く程度に加熱した食品。
たまに食パン以外のパンでも行われる。 - パン食文化圏において古くなった(かまどで一度焼いてから時間が経った)パンを美味しく食べるために、
再度パンの表面を焼くのは古来から行われてきた。
しかし白く柔らかい製粉小麦を使ったパンは高級品だったため、そうでない黒パンを再加熱するととても硬くなってしまう。
こうしたパンは保存には適していたが食べづらく、多くの料理ではスープの付け合せ(クルトン)としても扱われた。 - 近代に入ると農業改革や産業革命により小麦が大量生産できるようになり、人々は家庭でパンを焼かずとも、
毎日パン工場から焼きたてのパン、特に白くて柔らかな部分がたっぷりの食パンを安価に購入できるようになった。
特にイギリスとその植民地や結びつきの強い国では四角い型につめた食パンが普及した。
このやわらかいパンなら二度焼きしてもふわふわな部分が保たれ、それどころかバターも溶けやすく塗りやすい。
かくしてトーストは食事、特に朝食の定番として世界中に広まった。 - 日本海軍では慣例として食パン一斤を切ったとき、両端のミミの部分は固いので不公平感をなくすためやや厚めに切られていた。
その見た目と硬さからアーマーなどと呼ばれていたが、
他の切り身より明らかに厚いため育ち盛りの兵士はアーマーが当たると大喜びで、他の兵士は羨んだという。