No137 ポートランド/元ネタ解説

アメリカ海軍が建造した、ポートランド級重巡洋艦一番艦。ペンサコーラ級、ノーザンプトン級に続く条約型重巡洋艦である。形式番号はCA-33。
1930年2月17日、クインシー造船所で起工。1932年5月21日に進水し、1933年2月23日に竣工した。

1941年12月から太平洋戦争が勃発し、ポートランドは対日戦に投入される。まず初陣として1942年5月6日の珊瑚海海戦に参加。続いて6月5日のミッドウェー海戦に参加した。
8月からはガダルカナル島争奪戦が生起したため、ソロモン戦線に投入される。8月26日、第二次ソロモン海戦に参加。10月15日にはタラワを砲撃し、特設巡洋艦浮島丸を撃沈。日本側は航空機で反撃してきたが素早く退却したため無事だった。
その後、南太平洋海戦に参加し連戦をこなす。そして11月13日に生起した第三次ソロモン海戦に参加。この海戦は夜戦であり、しかも両軍が混乱したため乱戦状態となった。
そんな中、ポートランドは駆逐艦春雨が放ったとされる魚雷を喰らい大破。しかし不屈の精神で戦場に留まり続け、戦艦比叡と交戦。駆逐艦夕立の撃沈に関わった。
翌日、ツラギにて応急修理を受け、シドニーへと回航された。1943年3月3日、アメリカ本土に帰還しヴァレーホ工廠へ入渠。5月に工事を完了し、サンフランシスコを出港。
6月11日、アリューシャン列島に到着した。7月26日、日本軍が占領するキスカ島を砲撃。8月17日には上陸する部隊を支援するため砲撃しているが、既に日本軍が撤退した後だった。
作戦を終えたポートランドは9月23日に真珠湾へ帰投。11月、カルヴァニック作戦に参加。ギルバート諸島攻略を支援した。1944年4月1日より空母の随伴を務め、パラオ、ヤップ島、ウルシー環礁を空襲。
そして9月12日から29日までペリリュー島を砲撃。砲撃後、レイテ湾に入り日本軍に砲撃を加えた。そして10月24日、レイテ沖海戦に参加。ポートランドはスリガオ海峡海戦に参加し、西村艦隊と交戦。
海戦の結果、西村艦隊は丁字戦法によって完敗し、日本側戦力に打撃を与えた。レイテ沖海戦に勝利した後、フィリピン奪還作戦に従事。1945年1月、リンガエン湾やコレヒドールに砲撃を浴びせる。

小ネタ

ポートランドはソロモン戦線で空母エンタープライズの護衛を務めていた。
第三次ソロモン海戦で大損害を被ったあと、エンタープライズ艦載機が比叡を攻撃して撃沈に追い込むと、
大破状態で着艦できないエンタープライズの艦載機はヘンダーソン基地に戻り、「盟友ポートランドの敵討ち」を祝して、
魚雷の動力源だったアルコールを失敬し、敗血症予防のフルーツジュースで割って乾杯したという。