No247 香取/元ネタ解説

Last-modified: 2018-03-04 (日) 19:30:20
所属大日本帝國海軍
艦種・艦型香取型練習巡洋艦
正式名称香取(かとり)
名前の由来香取神宮 日本国千葉県香取市
起工日1938.8.24
進水日1939.6.17
就役日(竣工日)(1940.4.20)
除籍日(除籍後)1944.3.31(トラック島空襲/Operation Hailstone 1944.2.17沈没)
全長(身長)133.5m
基準排水量(体重)5800英t(5893.1t)
出力ホ号艦本式重油専焼缶3基艦本式蒸気タービン2基 4400shp(4461.0PS) 艦本式22号10型ディーゼルエンジン2基2軸 3600shp(3649.9PS)
最高速度18.0kt(33.33km/h)
航続距離12.0kt(22.22km/h)/7000海里(12964km)
乗員505名
装備(1942)50口径三年式14cm連装砲2基4門
40口径八九式連装高角砲1基2門
九六式25mm機銃x8(4x2)
53cm連装魚雷発射管2基4門
艦載機x1
装甲なし
建造所三菱重工業横浜船渠 (現 横浜みなとみらい21) (日本国神奈川県横浜市)
香取型練習巡洋艦について
  • 香取型練習巡洋艦のネームシップ。
    ゲーム内では軽巡洋艦になっているが、日本海軍の正式な書類上は艦種自体が「練習巡洋艦」であり、「二等巡洋艦=軽巡洋艦」ではない。命名規則も軽巡洋艦は「川の名前」を使っているが、本級は「Kの頭文字を持つ神社の名前」であり軽巡洋艦のそれと異なっている。とはいえ排水量や武装で分類すれば間違いなく軽巡洋艦クラスなので、間違いとも言い切れない。
  • 海軍には新兵が艦船に習熟するための練習艦が必要不可欠だが、日本海軍含め多くの国では旧式化した艦がその任につくことが多い。
    日本海軍でも旧式化した装甲巡洋艦(重巡洋艦のご先祖様のようなもの)をその任に充てていたが、装甲巡洋艦自体の老朽化や艦艇の急速な進歩などにより、それらの艦では練習艦としての任務を果たせなくなりつつあった。
    このため、新規に練習艦専用の艦艇を建造することとなり、香取型が設計された。
  • 練習艦としての任務に特化した艦であり、通常の軍艦とは色々と異なった部分が多い。
    船体は素人同然の士官候補生による運用のため安定性重視、また商船構造を採用しており非常に安価。
    兵装は14センチ連装砲や12.7センチ連装高角砲など、軽巡洋艦で多く採用されたものを色々搭載。機関もディーゼル機関と蒸気タービンを組み合わせており、訓練生たちが様々な形式の機関・兵装を学べるようになっていた。
    他にも士官候補生用の居住区や講義室なども備えていた。
  • 練習航海で海外の目に触れることを考慮して艦橋は大型で異様のある設計にし、賓客をもてなす司令官室なども完備。
  • 元々戦闘を前提とした艦ではないため、速度は18ノットとかなり遅い。
  • 同型艦として鹿島・香椎の2隻がいる。4番艦の橿原も計画されていたが、対米開戦に伴い不急艦として建造中止となった。
 
艦歴
  • 就役後に早速、妹の鹿島と共に練習艦隊を編成。1940年8月、最初の遠洋航海に出発する。
    しかしその直後、対米開戦が現実のものとなり、9月20日に練習航海は中止。香取は練習巡洋艦としてスペースに余裕があったことから、潜水艦を率いる第6艦隊の旗艦に任命された。
    太平洋戦争の開戦後は、主にトラック泊地にて潜水艦の指揮に当たった。1942年のギルバート諸島空襲にてエンタープライズおよびヨークタウンの艦載機から空襲を受け損傷、幹部に死傷者を出す。
    ミッドウェー海戦では、配下の潜水艦伊168がヨークタウンを撃沈する戦果を挙げている。
     
  • しかしその後、日本は徐々に押され劣勢となっていく。1944年2月15日、長らく務めた第6艦隊の旗艦を特設潜水母艦平安丸に譲り、海上護衛総隊に編入。第4125船団として、特設巡洋艦赤城丸、駆逐艦舞風および野分と共にトラック諸島から本土に向かうこととなった。
    本来は2月16日に出港の予定だったが、赤城丸の荷役が遅れ、1日だけ出港が延期される。しかし、そのたった1日が香取の命取りとなってしまった。
  • 2月17日、その日は朝早くからトラック泊地に空襲警報が鳴り響いた。アメリカ軍の空母部隊によるトラック島空襲が敢行されたのだ。
    奇襲を受けた日本側は迎撃が立ち遅れ、一気に制空権を握られてしまう。香取たち第4125船団は北水道から逃れようとしたものの、途中でアメリカ軍の空母部隊に捕捉され、執拗な攻撃を受けてしまう。
    一連の攻撃により赤城丸は撃沈、舞風は直撃弾で航行不能、香取も3発の直撃弾を受けて爆発炎上する。まともに動けなくなった香取と舞風だが、その目の前に最新鋭のアイオワ級戦艦2隻(旗艦ニュージャージー、アイオワ)を含む水上部隊が立ちはだかった。
    香取は重巡洋艦ニューオーリンズおよび姉妹艦のミネアポリスの獲物に指定され、配下の駆逐艦も合わせた部隊から砲撃を受ける。既に満身創痍ながらもありったけの砲弾と魚雷をぶち撒けて反撃した香取だが、ついに刀折れ矢尽き、無数の砲弾を食らって撃沈された。
    数隻の救命艇が脱出したものの、これらもアメリカ軍機の銃撃などで全て撃沈され、香取(および香取が救助した赤城丸)の乗員は1人残らず戦死。野分はどうにか離脱できたものの、舞風もアイオワ級2隻に撃沈され、この艦も全滅した。
    第4125船団は4隻中3隻が撃沈+乗員全滅という大惨事に終わった。トラック島空襲では他にも軽巡洋艦那珂や阿賀野、駆逐艦文月など7隻の戦闘艦、および30隻以上の補助艦船が撃沈されており、戦没艦船の中には香取から第6艦隊旗艦を引き継いだばかりの平安丸も含まれている。