No63 アバークロンビー/元ネタ解説

Last-modified: 2022-08-21 (日) 23:46:00
所属Royal Navy
艦種・艦型ロバーツ級モニター艦
正式名称HMS Abercrombie (F109)
名前の由来Sir Ralph Abercromby(1734-1801) イギリス(スコットランド)陸軍中将 西インド諸島の英軍総司令官としてナポレオン戦争を指揮し数々の戦果をあげた。またエジプト・シリア戦役でのアブキールへの上陸は、英陸軍の最も大胆で輝かしい成功の一つと言われている
起工日1941.4.26
進水日1942.3.31
就役日(竣工日)1943.5.5
退役日(除籍後)1945.11 1954除籍(売却後1954.12.24解体)
全長(身長)113.77m
基準排水量(体重)7970英t(8098t)
出力Admiralty式重油専焼缶2基Parsons式蒸気タービン2基2軸 4800shp(4866.6PS)
最高速度12.5kt(23.15km/h)
航続距離12.0kt(23.17km/h)/2600海里(4815.2km)
乗員350~460名
装備15inch42口径Mk.I連装砲1基2門
4inch45口径Mk.XVI連装両用砲4基8門
ヴィッカース2ポンド機関砲x16(1x8+2x4)
エリコン20mm機関砲x20
装甲舷側:4~5inch 砲塔:13inch バーベット:8inch
建造所Vickers-Armstrongs Limited,Elswick,Newcastle upon Tyne
(ヴィッカース・アームストロング社ニューキャッスル造船所 イングランド国北東イングランド地域タイン・アンド・ウィア州ニューカッスル・アポン・タイン市エルツィック)
  • イギリス海軍所属ロバーツ級モニター艦2番艦。船体番号はF109。
    1941年4月26日、ヴィッカース・アームストロング社のタイン造船所で起工。1942年3月31日に進水し、1943年5月5日竣工した。
    • アバークロンビーの名を冠する艦船としては2隻目。先代はアバークロンビー級4隻のネームシップであり、ギリシャで建造され、中止となった戦艦サラミス用の主砲を流用したモニター艦である。この砲はアメリカで製造された事から、南北戦争時代のアメリカ軍人から名前を取ろうとしたが、当時アメリカは中立国だったため拒絶された。そのためイギリス陸軍の人名から取る事になった。
  • 就役後は地中海での作戦に従事。1943年7月、シチリアとサレルノの上陸作戦を支援しイタリアを降伏へといざなった。その後、マルタ島沖で二回触雷して損傷。
    1944年8月21日、得意の艦砲射撃で鉱山2つを攻撃。
  • 1945年7月、修理を終えると対日戦に参加することになり、シンガポール奪還作戦への投入が予定されたが、移動中に終戦を迎えた。
    戦後の1946年2月からチャタムで砲術訓練艦として活用。宿泊艦としても使用され、1954年12月24日破棄。
  • モニター艦とは、簡単に言うと「小さい船にでかい主砲つけてみました!」という艦。
    すさまじく鈍足なため避けられないただの的であり水上戦闘には向かないが、沿岸からの対地攻撃で真価を発揮する。
    つまり事実上の水上移動砲台であり、足を止めて戦うハードパンチャーなのである。
  • ちなみに全長は113mと小柄だが排水量は7850tもある。
    日本艦でいえば吹雪が118m1980t、阿賀野が174m8500t(満載排水量)である。