ショートトラックとは?

Last-modified: 2018-03-11 (日) 21:29:20

ショートトラックとは、スケート競技の一つ!

「ショートトラック」という言葉自体をはじめて聞いた方もいらっしゃると思います。
言葉だけじゃ、一体なんの競技やらわかりませんよね。

 

ショートトラックは、正式には「ショートトラックスピードスケート」と言って
有名な「フィギュアスケート」や「スピードスケート」と並んで
ISU(国際スケート連盟)が採用しているスケートの競技なんです。

 

1978年から世界選手権が開催され、五輪でも1988年カルガリーオリンピックで
公開競技(デモンストレーション)として実施されました。
そして、1992年アルベールビルオリンピックから、正式種目となっています。

 

小さなリンクで、速さを競うのが特徴!

「スピードスケート」という名前が入っているぐらいですから、滑る速さを競う競技です。
しかし、普通のスピードスケートのような広大なリンク(一周400m)で速さを競うのではなく、
フィギュアスケートやアイスホッケーのような小さなリンク(一周111.12m)で速さを競う
それがショートトラックの特徴です。

 

まずは、見てみましょう!

まあ、言葉で詳しく説明するよりも先に、動画で見て頂くのが早いと思います。
それでは2002年、ソルトレークシティ五輪の男子1000m決勝をご覧頂きましょう。
当時世界中で話題になった、伝説のレースです。ほんとに大袈裟でなく、伝説だと思いますw

 

なぜ伝説かというと…それは見てのお楽しみ。
youtube版はこちら ニコニコ動画版はこちら

 

着順を競う中での駆け引きが醍醐味!

動画はいかがだったでしょうか?ええ、あの一番遅い人が金メダルですよw
まあここまでのことはもう後にも先にもないでしょうが、こういう奇跡が起こり得るのは
ショートトラックがタイムではなく着順を争う競技だからですね。

 

普通のスピードスケートは、一度に2人でしか滑りませんし
その相手との勝ち負けよりも、良いタイムで滑ることが何より重要です。タイムで順位が決まりますから。
でもショートトラックは違います。一緒に滑る相手の中で、どれだけ前でゴールできるかが全てです。

 

ですから、ただスピードが速いだけでは勝てません
どこで前の選手を追い抜くか。どこでペースを上げるか。いかに後ろの選手をブロックするか。
そういった駆け引きの要素が非常に重要であり、観戦する者にとっても醍醐味です。

 

ショートトラックは氷上の競輪なんてよく形容されますね。
そう、まるで競輪のような、スピード感あふれるレース、目まぐるしく変化する展開。
選手同士の接触転倒も日常茶飯事で、予測不能なことも多々起こります。
そういった全てのことにワクワクできる、見ていて絶対に飽きない競技です!

 

勝ち抜き戦としての面白さ

ショートトラックは「着順を競う競技」でありますが
この小さなリンクで一度に滑れる人数には限りがあります。4人からせいぜい9人ぐらいまで。
よってショートトラックは、勝ち抜き戦の形式で何度もレースを行い、メダルを決めるのです。

 

たとえば五輪の500mや1000mは32人の出場者がいますが、これを4人ごとに8組に分けて予選を行います。
そして、各組の上位2人が、後日行われる準々決勝に進出します。

 

以後、準々決勝、準決勝と同じように4人1組でレースを行い、上位2人が次ラウンドへ進出。
最終的に残った4人で決勝を行い、その着順でメダルが決まるのです。

 

特にこの準々決勝以降の3ラウンドは、全て同じ日に行われるので
同じ選手を何度も見ることができます!

 

ついさっき、違う組でそれぞれ圧勝した選手どうしが対決!
みたいな、ワクワクを味わうことができるのです。
これもショートトラックの大きな魅力でしょう。

 

ちなみに、先程の動画のブラッドバリー選手は、準々決勝や準決勝も
前方の選手が転倒or失格したことによる棚ボタでの勝ち上がりでした。だからあんなに遅かったのです。
(ただしあそこまで遅れたのは、これまでのレースで体を痛めていたことも原因といわれています)

 

オリンピックは8種目

さて、普通のスピードスケートにも短距離や長距離など12種目があるように
ショートトラックも8つの種目に分かれています。

  • 男子500m,1000m,1500m,5000mリレー
  • 女子500m,1000m,1500m,3000mリレー

ショートトラックのリンクは1周約111mなので
500mは4周半、1000mは9周、1500mは13周半の勝負となります。

 

リレーは4人1チームで争う競技です。陸上のリレーのようなものを想像する方が多いと思いますが
たぶん、実際見てみると予想を裏切られると思いますwまあ今は説明は割愛しますが、
なかなか複雑で、しかし慣れるとほんとに白熱できる種目なのですよ~

 

動画紹介

最後にもうちょっと、実際の映像を見てみたい!という方もいらっしゃると思います。

 

実は2010バンクーバーオリンピックの公式アカウントが、ほぼすべてのショートトラックの競技動画を
アップしています。実況解説はないのですが、会場の臨場感も伝わってきて、雰囲気を掴むにはもってこいです。

 

まあ、ほとんど全ラウンドを収録+表彰式まで入ってるので、めっちゃ長い動画ばかりですがw
適当にシークバー動かして、決勝とかを見てみたら面白いんじゃないでしょうか。

 
男子500m予選~決勝
女子500m準々決勝~決勝
男子1000m準々決勝~決勝
女子1000m予選~決勝
女子1500m予選~決勝
男子5000mリレー6-7位決定戦,決勝
女子3000mリレー5-8位決定戦,決勝
 

なぜか男子1500mだけないんですよね~。面白かったのに…

オススメは男子1000mかな。各レース、長すぎず短すぎず張り合いがあるし。
男子は韓国勢3人(青いユニフォーム)と、アメリカ代表で日系2世のオーノ(OHNO)選手(水色のユニフォーム)
地元カナダのハメリン(HAMELIN)兄弟(赤のユニフォーム)などが強いので、注目してみて下さい。

 

あと男子5000mリレーの決勝は名勝負です。複雑ですが目と頭がついてこれる方はどうぞw

 

ちなみに、リレーに限らず、最初は選手を見分けるのが難しいかと思います。
しかし、慣れてくるとユニフォームの色で一瞬で判別できるようになります。

 

どうやって観戦すればいいの?

さて、せっかくショートトラックに興味を持っても、テレビで放送されているのは
オリンピックの時ぐらいなので、なかなか見る機会がないというところですね。

 

ただ、ワールドカップや世界選手権などの大きな国際大会は
ISUのスケーティングチャンネルで中継されます。
また、そういう大会の日程や結果速報などはこちらで見られます。

 

国内大会は、会場に足を運ぶとよりハマります!
日本スケート連盟のショートトラックのページにスケジュール等が載っています。
日本で特に大きな大会というか、頂点を決める大会と言えるのは、
9月の全日本距離別選手権と、12月or1月の全日本選手権でしょう。

 

オリンピックの時は、テレビでもよく中継されているほか、中継がない場合は
gorin.jpで中継してくれることが多いです。gorin.jpでは
過去の競技動画もそれなりに見ることができます。