作品集208

Last-modified: 2015-12-04 (金) 20:16:43
バカモノの子  水上 歩氏

【作品集】208
【タイトル】バカモノの子   【書いた人】水上 歩
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1442852337
【あらすじ&感想】
チルノが拾ってきたカラスを大妖精と育てようという話。
だがそのカラスの正体は山から逃げてきた烏天狗だった。
大妖精の反対を押し切り烏天狗の子を育て始めるが、山から追っ手が現れる。
烏天狗と妖精の戦い。果たしてその戦力差の前で妖精に未来はあるのか!
(感想)
やられてることはかなりエグい、悲壮感にあふれた話。
だけど妖精特有の明るさというか、独特の軽さと救いのあるオチのお陰で読後感はハッピーとも言える。
物理的な強さではなく、精神的な強さを感じられる。あたいったらサイキョーね!
作中でチルノの一人称が「私」なのは大昔を意識してるのか、文花帖を意識してるんだと思う。
☆4つかな。長い話じゃないし会話文メインで読みやすいのでお暇があればどうぞ。

遠い数、見れど  夏後冬前氏

【作品集】208
【タイトル】遠い数、見れど  【書いた人】夏後冬前
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1442564186
【あらすじ】
ある日メリーは蓮子に夢の話をする。
その夢とは、竹林で出会った蓮子を連想させるある人物との邂逅であった。
【感想】
文章が良くさらさらと読める上に序盤から中盤にかけての展開の切り替えが面白い。
詳しく書くとネタバレになるので控えるが、タグにもあるように微グロなホラー展開になるので注意。といってもそこまでではないのでタグ避けするのはもったいないかも。
さっくりと読めるので秘封倶楽部の活劇っぽいのが見たい人はぜひ。
個人的な蓮子のキャラ像とぴったりだったのが高評価。

可哀想な毛玉  銘宮氏

【作品集】208
【タイトル】可哀想な毛玉  【書いた人】銘宮 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443129944
【あらすじ】
迷いの竹林へと異変解決に訪れた霊夢。
進めども代わり映えせぬ風景に焦れていると、ふと、繁みに隠れている大きな毛玉が眼に入った。
【感想】
秀逸なオチで上品な納得を味わえる作品。
短いだけに気楽に読めます。
文章は端的ですが、オチへと流れるレトリックも含め、全体的に上手に纏まっている印象です。
どういうオチか分からなくても感想欄のヒントを見れば、すぐに分かると思います。
今作品集中の個人的なイチオシです。

変なTシャツ  いかぽっぽ氏

【作品集】208
【タイトル】変なTシャツ  【書いた人】いかぽっぽ 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443606758
【あらすじ】
幻想郷では変なTシャツが流行っていた。
書いてある字を理解できている者、全く理解してない者、その全てに我らが早苗さんがつっこみまくる。
【感想】
公式ネタを早速2次創作でも取り入れた作品。
基本ギャグですが、英語、漢字、ひらがなを使って理解できるor理解できないを表現している点が素直に上手いと思います。
ただ、最初のネタが強烈すぎて他が印象に残りにくいのが少し残念かな。
とはいえ、生き生きとした早苗さんを見たのはひさしぶりなので、早苗さん好きはぜひ見てほしいです。
ところで、登場人物が変Tを着た絵を誰か描いてくれませんかね~。
【五段階評価】
★★★★☆
例文通りだけど、作品集に埋もれるべき作品ではないと切に思いまふ。

穢れたリンゴ  海苔缶氏

【作品集】208
【タイトル】穢れたリンゴ
【書いた人】海苔缶氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443607383
【あらすじ】
月を捨て地上で生きる事を決めた鈴瑚。勝手のわからない地上での生活で、彼女は空腹と戦っていた。
そんな中、とある出来事がきっかけで魔理沙と出会うのだが……
【感想】
タイトルはシリアスな印象だが、読み進めるとなんとも平和的で優しい物語でした。
鈴瑚と魔理沙という珍しい組み合わせにもしっかりと理由付けがされていて納得します。
秋の味覚を堪能する描写は完璧な飯テロ!
伏線回収とオチはお見事の一言でした。

ヴァージン・スーサイズ  人形使い氏

【作品集】208
【タイトル】ヴァージン・スーサイズ   【書いた人】人形使い
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443716941
【あらすじ&感想】
自分の弱さを憎んだ妖夢が自分の分身(?)的なモノと闘う話。
プロット自体はありふれており、また妖夢の葛藤を描ききれていない感じもある。
手放しで褒められる作品ではないが、自分の弱さと闘うという精神的な事象を血生臭く、肉体的な描写で表現したのは面白い試みだと思った。
評価は☆3と4の間くらい。

在りし日の紅き吸血鬼は何見て笑うか  monolith氏

【作品集】208
【タイトル】在りし日の紅き吸血鬼は何見て笑うか
【書いた人】monolith 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443927056
【あらすじ&感想】
パチュリーが外の世界に住んでいた時の屋敷、そこに置き忘れてきた一冊の本を取りに紅魔館メンバー総出で向うお話。
屋敷はすでに無くなっているため、過去へ遡る必要があり、パチュリーがレミリアを召喚した直後の時代へ転移する。

 

魔女狩りに遭うパチュリーをレミリアが救うという筋書きだが、
過去の時代の彼女らより、現代から来た咲夜たちの描写がメイン。
キャラ同士の掛け合いがよい。テンポ良く話が展開して気持ちいい。
丁寧語パチェがかわいい。

 

ただ、わざわざ過去へ飛んでまで手に入れた本が、
結局何の本なのか明かされないところが少し気になった。

イエスタデイに祈って  Benner氏

【作品集】208
【タイトル】イエスタデイに祈って  【書いた人】Benner
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1445606731
【あらすじ&感想】
 話をしようと思う。
 私の、レミリア・スカーレットの大好きだった、そして後悔に塗れた、十六夜咲夜という女性の話を。

 

 レミリアの一人称によるSS。
 良くも悪くもありがちな咲夜寿命モノではあるが、言葉選びが良く、短いながら丁寧に作品を作っている印象。
 ちょっと切ない話が読みたいときにでもどうぞ。
【五段階評価】
★★★☆☆

虎徹  四聖堂氏

【作品集】208
【タイトル】虎徹
【書いた人】四聖堂さん
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1443967357
【あらすじ&感想】
ある鍛冶屋の男の一生、妹紅という蓬莱人の一時

 

話として綺麗にまとめあげられているし、オリキャラも出たがりでなく程よい味付け
俯瞰的な視点からの一つの物語で、文章の視野がひろいから、情景がイメージしやすいなあと思いました

 

東方キャラ(二次創作)としての可愛さ、仕草や言葉には重きをおいていないからか、読者視点からはどうにも取っつきにくさがあったかと
あと、オリキャラの妹紅に対する理由付けが短容量だとやはり厳しい
経緯は文面から分かるけれど、俯瞰的な文章故に感情移入はしにくいかなと
特に時系列のスパンが一生で人間視点で見ると長いので

 

書き方一つとしても特徴がある作品ながら、需要は余り広くないテーマながら、楽しく読ませて頂きました

戦地メンタルサマーキャンプ  あめの氏

【作品集】208
【タイトル】戦地メンタルサマーキャンプ
【書いた人】あめのさん
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1445164905
【あらすじ】
飛べなくなった早苗を治療することになった鈴仙
治療の為に早苗の心に触れた鈴仙は、彼女の要望で一緒にキャンプをすることに……
【感想】
サブキャラを含めた登場人物のらしさ、前向きでありながらほのぼのとした内容と物語、
主要人物の関係も構築も含めて丁寧に描かれているので、
容量を感じることなく読み切れました
調子乗っている鈴仙は可愛いです

 

ちょっともったいないなと思った点としては、
タイトルが表す一番盛り上がる部分から終わりまでが少し長く、
間延びしているかなと感じられた点と、
冒頭のギミックが逆にどういう話であるのかを曖昧にしてしまいがちなので、
特に肩肘張らずにまったり話に入っても良かったんじゃないかなと思いました
読者であった私も、暗い話? と力入ってしまったので……

 

鈴仙、早苗好きだけでなく、ちょっと長めの物語が読みたいな、
って人にもオススメできる作品です

Fantastic Girl in Laboratory  昭奈氏

【作品集】208
【タイトル】Fantastic Girl in Laboratory
【書いた人】昭奈さん
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1446027584
【あらすじ】
時空を旅するちゆりと幻想の世界に生きるちゆり
二人は出会い、幻想のちゆりは一緒に時空の旅に出る
【感想】
ドラえもんのタイムマシン使用時の時空間みたいな場所で物語は進んでいきます。
容量は短めですが、イベントは結構あり、一つずつも全体も上手くまとめあげられています。
時空を旅する二人(夢美、ちゆり)と幻想世界から来たちゆりの色々なギャップは面白い所でもあり、物語の肝でもあります。

 

一人称が各章(段落)ごとにころころと変わるので、各登場人物の感情は汲み取りやすいのですが、ちゆりが二名出てくることもあって、混乱しやすい部分もありました。

 

タグ通りの旧作の話ではありますが、特に前知識がすんなり話は頭に入ってくる良作です。

冬の火  四聖堂氏

【作品集】208
【タイトル】冬の火(改訂版)
【書いた人】四聖堂
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1446219683
【あらすじ】
本格的な冬の到来には多少の間がある10月末に目覚めたレティが、無聊の慰めにジャック・オー・ランタンを作ることを思いつく
材料を集める過程での秋姉妹やお燐とのちょっとした邂逅を経て、自身の過去と本質を再確認する
【感想】
これといった事件性のない、いわゆる日常話に絡めて公式に語られないレティの素性を描いた一作
控えめながら仲睦まじい秋姉妹や、奥ゆかしくも気高いレティのあり方には清々しい読後感が残る
わかりやすい集客力には欠けるが、修正を重ねただけあって丁寧にまとめられた佳作と言っていいと思う
【評価】
★★★☆☆
地味話好きには是非

愛され人形の話  海苔缶氏

【作品集】208
【タイトル】愛され人形の話
【書いた人】海苔缶氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/208/1447078662
【あらすじ】
花映塚の異変から10年。メディスンは人形解放運動の異変を起こすために仲間集めに奔走する。
先々で出会う優しい人達。最終的にメディスンが導き出した答えとは…
【感想】
童話風に進む物語はとても読みやすい。そして登場人物皆がメディスンに良くしてくれる理由も可愛らしい。
後味は、何だか心が綺麗になった気がするし、絵本を読んでいる様な優しい気分になれる一本だった。

妖怪くずれ  春日傘氏

【作品集】208
【タイトル】妖怪くずれ
【書いた人】春日傘氏
【URL】 前 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/208/1447249510
     後 ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/208/1447389746

【あらすじ】
赤蛮奇が命蓮寺の主催する賭場に入り浸る話。
鴉天狗のイカサマを見破れるのか!?

【感想】
なんで前編と後編にわざわざ分けたのか謎過ぎ。
話としては物珍しくて面白かった。
東方でちょっと任侠ものめいた雰囲気の作品って少ないのでレビューした次第。
残念なのはどのキャラクターも少し軽率な感じがした。
口調も少しおかしく感じたからもっとじっくりと練って書いて欲しかった。
赤蛮奇は最後格好よかった。
ラストの引きも良い感じ。もしもあるなら続きが気になるところ