作品集212

Last-modified: 2016-10-05 (水) 17:44:51
人形はお酒が飲みたい  maro氏

【作品集】212
【タイトル】人形はお酒が飲みたい   【書いた人】maro氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/212/1470583834
【あらすじ&感想】
私は酒が嫌いだ。

夏祭りの後に始まったいつもの面子でのいつもの宴会。
人形にお手玉させるという本来なら簡単にできる芸を失敗したときにアリスはそう思った。
お酒を飲み過ぎれば普段の自分ではしないようなことをしてしまう。アリスはそれが嫌だった。
中に幽霊の入った人形は飲めるわけがないのに何度もお酒を飲もうとする。

私は酒が嫌いだ。酔っ払えば普通なら絶対にやらない無茶や、無謀をやってしまうから。例えば今の私のように。
それでもお酒は良いものだ。

 

夏祭りの後の宴会でのアリスに起こった小さな出来事
普段ならきっとしないようなことをしてしまったのはきっとお酒のせいなのだろう
アリスがお酒を飲むだけの話、しかし読み終わると楽しいお酒の席の情景が浮かんでくる話

素敵な青をもう一度!  もふもリスト氏

【作品集】212
【タイトル】素敵な青をもう一度!   【書いた人】もふもリスト氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/212/1470382410
【あらすじ&感想】
探索中のへまが元で愛用のペンデュラムを失うことになってしまったナズーリン。
新しいペンデュラムのために宝石探しをすることに。
御供に最強の氷精チルノを連れて幻想郷中を駆け回る。
冒険あり、笑いあり、バトルありのエンターテインメント!
はたしてナズーリンは新しいペンデュラムを手に入れることができるのか!?

軽く明るい雰囲気ですらすらと進んでいくのでとても読みやすかった
サイズは118.27KBだけれどその数字のイメージよりもさくっと読めると思う
ナズーリンとチルノの凸凹コンビに訪問先のキャラを加えた軽妙な掛け合いもとてもいい
ぜひ読んでもらいたい爽やかな作品

そっちの復讐、ではなくて  面妖うわあうな!!氏

【作品集】213
【タイトル】そっちの復讐、ではなくて   【書いた人】面妖うわあうな!!氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/213/1474302007
【あらすじ&感想】
先生の服は空の色。
そんなことを生徒に言われてから慧音の「いつもの服」はそれなりに大事なものなのだ。
着れば意識せずとも気持ちが引き締まる、自分が「先生」なのだと自覚できる。
だからといって、
「私だ、上白沢だ」

これを私にどうしろというのだろうか

「慧音先生だ」

「先生みたいな。お空のように澄んだ、青が着たいの」
いや、着ればいいと思うのだが。

 

盛り上がるような展開はない
思わず笑ってしまうような大きなギャグシーンはない
手に汗握るバトルシーンもやっぱりない
それなのにするすると読み進んでしまって、気が付けば読み終わってしまって、ふと考えれば面白かった
先生が泣いている子をあやし慰めちょっとした問題を解決に導くというただそれだけ
その中に微笑ましさや、ちょっとした可笑しさ、不思議な納得が詰め込まれていた
最後のオチにも思わずくすりとしてしまう不思議な良作だった

スプーン  チャーシューメン氏

【作品集】212
【タイトル】スプーン   【書いた人】チャーシューメン氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/212/1472125393
【あらすじ&感想】
 幸せってなんだろう。一体何処に在るんだろう。
「おかわりください」
 ふらりふらりと、幻想の檻を抜け出して。
 都会の片隅にあるうらぶれた中華飯店のカウンター席で、古明地こいしはスプーンを握りしめていた。
「ごはん、おいしいし」
 幸せってなんだろう。一体何処にあるんだろう。
 こいしも、店主も、その妻も。もし旅人がそう問えば、きっとこう答えたろう。
 それは、今この時の事だよ。

「おかわりください」

 

こいしが幸せをのんびりと感じる、そういうお話
短いながらも暖かさと優しさの詰まった作品
古明地姉妹のそれぞれの幸せがたしかに感じられる
もっともこのこいしの幸せをさとりが正しく理解するのは遠いことかもしれないけれど
でもたしかにこいしは「このスプーンも、好き」なのだ