作品集62

Last-modified: 2015-05-24 (日) 17:26:44
ツンデレは恋のスパイス/奈利 氏

ツンデレは恋のスパイス/奈利 氏
魔理沙はとんでもないものを霊夢に飲ませていきました。
お酒と薬はリアルで危険だからよい子は真似しないでね。

よっぱらって二日酔いの霊夢に言われたことを真に受けた魔理沙。
恋人にしてもらおうと咲夜の元へ向かったのだが―――

個々の文章がかなり読みづらく最後まで読むのに苦労したものの、
全体の雰囲気は割とあまあまでいい感じに仕上がっている。
偏見かもしれないけれどネチョ方面出身の人は雰囲気を書くのが上手いような。

ツンデレる霊夢とパチェアリが好きならおすすめ。
パチュリーの○○○○操縦法は必見かも。

阿求式/大崎屋平蔵 氏

阿求式/大崎屋平蔵 氏
転生をやめることを決めた阿求と、その周囲、そして安らかな終わりを描いた話。
ま た 死 亡 も の か と言おうとしたがここまで丁寧にかかれてたら何も言えない。
過去の死亡もの(厳密には死んでないけど似たような状況になっている話)ではキャラを微妙に
持て余していたので惜しい出来になってましたが、これに関してはディ・モールト・ベネ。

心情を丁寧に追うことはそれだけで強力な武器になるのが良く分かるお話でした。
この人は最近の方の中でも成長株かも知れないです。名前読みおすすめ。

『憂鬱レミィ』 まのちひろ氏

『憂鬱レミィ』 まのちひろ氏
紅霧異変についてのレミリア視点な物語。
ドラマチックな訳じゃない。ストーリーや着眼点に目新しい点があるわけでもない。
パチュリーの異変へのかかわり方も少し唐突に思えた。
が、しかし。そんなの全部大した問題ではない。
これは雰囲気を楽しむSSだ。完全な静寂の中響くゆったりしたピアノ独奏を聴いているような独特の雰囲気。
何処と無く切なさが滲むようなこの文章は、氏ならではだと思う。
あと、「傍らを歩く咲夜の足音は、ナイフ十数本分だけ重い」
この表現がツボでした。

 

憂鬱レミィ/まのちひろ 氏

紅魔郷直前のレミリアメインの話。
描写、文体、雰囲気で直球勝負の作品。
純文学的な匂いを感じる文章は詩的で寓意を底に隠したように透明で濃密。

話自体は一本道。ヤマオチもない淡々とした流れ。
ですが、文章そのもので楽しむ作品、楽しめる作品だと個人的には思います。

Freezin Fearin Nightmare /緋 氏

Freezin',Fearin',Nightmare /緋 氏
コメントしづらいほどの淡々さでチルノを描いた作品。
妖精に自分のしている残酷さを突きつけたらどうなるか、を書いているだけだが、それが絶妙。
敢えて変に修飾しないでそのままを綴っているので、つまらない人にはつまらないが、
波長が合う人にはなんとなく頭の端に引っ掛かってつい読んでしまうような話でした。

晴れた日の川原から/nig29 氏

晴れた日の川原から/nig29 氏
いいんだ。無理しなくて良いんだ。無理して書かなくても良いんだ。

多分ギャグものにカテゴライズ出来るんでしょうが、
なんというか痛々しくて逆に読んでて辛かったです。
話のノリは空回りし、文体は完全に食い違って、壊れ方も中途半端。
シリアスメインの人が無理にギャグ書いたらこうなるのかも……。

夏の日の気まぐれ/Closet 氏
ある夏の日、里の異変を解決するためにレミリアが巫女の代理として出向くが……。

夏の日の気まぐれ/Closet 氏
ある夏の日、里の異変を解決するためにレミリアが巫女の代理として出向くが……。

冗長な伝奇もの、といったところ。バトルシーンだけ妙に濃厚。
どうせボリュームを出すならもっと全体の構成と描写の配分を考えて欲しかった。
オリキャラも名前まで出した割に個性が薄くて微妙でした。

ただ、その他の部分については詰めが少し甘いもののおおむね良好。
特に阿求の能力の解釈などについてはちょっと面白いかと。
今後の成長に期待します。

三者三様の立ち位置で事件に立ち向かう彼女たち。

【作品集62】
【タイトル】夏の日の気まぐれ
【書いた人】Closet 氏
【サイズ】113.10KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226224538&log=62

【あらすじ】
 レミリアが神社で留守番をしていると、一人の少女が石段を登ってやってきた。千恵と名乗ったその少女は、里を守る結界の護符が何者かに破られてしまったこと、それを張りなおせるものが霊夢しかおらず、探しにきたことを告げた。話を聞いたレミリアは、千恵と、偶然居合わせた阿求と共に、人里へ向かう。

【感想】
 まず、阿求の登場シーン。何度か読んで、何をしようとしたのかは理解しましたが、作者視点の地の文だったはずの場所に突然阿求の独白を混ぜられても困ります。里の誰かが最初に結界の異常に気付いたシーンと、後の「結界を作る札が、さらに別の札で隠されているため一般人には認識できない」という説明が矛盾しています。既に何体かの妖怪が里に侵入しているという千恵の台詞と、里に向かう三人が会話しながら歩いていくという描写に違和感を覚えます。しかも、里に着くとまだ妖怪は里に侵入していませんでした。ここにも矛盾があります。
 何が言いたいかというと、「ノリと感覚だけで書いているため、前後の整合性が二の次になってしまっている」ということです。プロットをしっかり組むなり、一度読み返すなりすれば、もう少し違っていたかもしれません。
 さて、内容ですが、珍しい組み合わせでありながら、キャラの特徴を上手く捉えて書けていると感じました。人間でありながら妖怪に引けをとらない異能の力を持つ阿求、妖怪でありながら人間の味方をする慧音、そして、どうしようもなく妖怪であるレミリア。三者三様の立ち位置で事件に立ち向かう彼女たち。特に、カリスマ溢れるレミリアと慧音の会話は、良かったです。

【五段階評価】
★★★☆☆(カリスマ溢れるレミリアが読みたいなら+0.5、理屈を重視する人なら-1.0)

シリアス長編だと慧音の出現率が高くなるというのを今更発見しました

【作品集】62
【タイトル】夏の日の気まぐれ【書いた人】Closet氏
【容量】約113kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226224538&log=62
【あらすじ&感想】
普段参拝客など稀な博麗神社に少女が一人訪れていた。
神社にいたレミリアは、暇つぶしに自らを博麗の巫女の代理と騙り少女の依頼を解決することにした。
千恵と名乗るその少女が言うには人里を覆う結界、それを構成している護符が何枚か剥がされてしまったという。
阿求は使い魔をレミリアから貸してもらい侵入した妖怪の殲滅を手伝う。
求聞持の力と優れた頭脳を持った阿求は想像以上の働きを見せる。
そこに唐突に真犯人が現れて――

戦闘がある話の中でも阿求が戦闘してるものは殆ど見当たらないのでそこがまず新鮮でした。
レミリアもわざわざ会話等を見直して書いたんだろうなあというかっこよさと愛嬌があり、
彼女が好きな方にもオススメできると思います。
展開が先読みしやすいから来るのかもしれないこの得点ですが、十分な魅力を持っている
作品ではないかなあと思います。
★★★★☆(シリアス長編だと慧音の出現率が高くなるというのを今更発見しました)

ある日 彼岸の 幻想郷で/極月獄月 氏

ある日 彼岸の 幻想郷で/極月獄月 氏
SSというよりポエムの方が近いかもしれない。
というより、ポエムとして見た方が楽しめる。
色々と独特すぎるのでかなり人を選ぶ作品。
切なげな小町が見たい方に。

永久にともに/お腹が病気 氏

永久にともに/お腹が病気 氏
掘り下げが甘い。まだ浅すぎる。
バックボーンがないと何をやっても薄っぺらくなります。
どうせならまるごと過去の体験や経験を書き切るくらいはやって欲しかった。
もっとだ! もっと熱くなれ!

鈴の灰/八重結界 氏
堅実かつ丁寧に書かれ、ついでにミスリードもさりげなく仕込むのは熟練の技か。

鈴の灰/八重結界 氏
過去もの。タイトルの通り美鈴がまだ紅魔館にくる前の話。
堅実かつ丁寧に書かれ、ついでにミスリードもさりげなく仕込むのは熟練の技か。
個人的にはケチをつけられる部分なんてない作品。

でも、お堂で椅子に座って待ち受けてるレミ様はシュールだと思う。
想像してちょっと吹いてしまった。

レミリアと美鈴の出会いです。

【作品集】62
【作品】鈴の灰
【作者】八重結界さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226147807&log=62
【あらすじ】
ある村に人間の医師として住んでいた美鈴。苦労はあるものの平穏な毎日を送っていた美鈴だが、火事で全滅したという村に行き、
レミリアと出会ったことにより運命の歯車が回り始める。
【感想】
レミリアと美鈴の出会いです。霊夢たちと出会う以前のレミリアなので、力のある妖怪としての底知れなさというか、何を考えて
いるか分からない怖い所が出ていて、なおかつ吸血鬼としての矜持を見せている姿がかっこいいです。美鈴が主人公なのですが、
レミリアが魅力的に描かれていると思いました。ストーリーはよく練られていて、読後感がよかったです。

プロジェクトE/電気羊 氏

プロジェクトE/電気羊
…………ごめん、言葉に出来ない。
ただ、読み始めてちょっと後悔してしまった。
そんな作品。

 

・プロジェクトE/電気羊 氏

『永遠亭秋の交流会~冷たい川で水泳レッスン、インストラクターのポロリもあるよ~』
ここから始まる完全破壊型のギャグ。永遠亭の地位向上のため発案された上記の計画から幻想郷に

水着旋風が巻き起こる。このあたりですでに色々と突っ込みどころはあり、内容があまりにもメタ

過ぎるのと露骨が過ぎて拒否反応を起こす人がいるかも知れない。
そして長い。ひたすら長い。冗長すぎて読んでいて疲れてくる。これはギャグにとって致命傷なよ

うに思える。本当に欲望の赴くまま垂れ流してるのだと確信できるくらい、描写が不自然なくらい

薄い部分と濃すぎる部分がはっきり分かれていた。
ラストのオチはよく分からないまま良い話で終わらせようと見せかけてよく分からない。カオス。

正直言って、全力の欲望が度を過ぎて作品として中途半端なものに終わらせたのかも知れない。
それゆえに私が拒否反応を起こしたのかも知れない。
迷走と上下の激しい電気羊 氏の作風だが、その中でもこれはとびきり異端なように思えた。

病は気から?  奏葉 氏

病は気から?  奏葉 氏
前回、「八雲紫の抱く幻想。」を書いた作家の最新作。
妹紅と慧音の王道的な話。個人的にはもう少し前回みたいに奇抜な作品を書いて欲しかった。
文章力をもっと上げて、展開が急すぎるのを除けばもっと良い作家になれると思う。
これからに期待できる作家さんな気がする。

まぁ普通に良作なので、一読をお勧めしたい。

 

・病は気から?/奏葉 氏

風邪引いた慧音を妹紅が看病して……という話。
中身はカップリングものに近いが、スタンダードというか普通。
無難にまとめてあるともいえるし、ありがちともいえる感じ。
もっと深く心の動きや過去の描写を詰めていくと化けると思う。

「主の苦悩と式の思惑」 こうが氏

「主の苦悩と式の思惑」 こうが氏
注意書きがいらないんじゃないかな。
妄想とウフフを垂れ流すなんて大抵の人がやることだし。
まぁ続きものらしいので続きに期待

「閉ざされた 心の瞳 人こいし」 酢烏賊楓氏

「閉ざされた 心の瞳 人こいし」 酢烏賊楓氏
心を読むアプローチは面白かった。
さとりちゃんは1人称で書くと独特の表情で書けるから、
少し難しいけど挑戦していく人が増えたらいいなぁ。
あ、あと三点リーダーを正しく打って欲しいかな。

「博麗神社の裏手から」 キロリ氏

「博麗神社の裏手から」 キロリ氏
少し物足りないな。
文章表現を凝って、雰囲気を出したいというのはわかるけども、使われてる文字は割りと平易。
もっと暗がりを歩くときに人間の不安を煽るような? って言えばいいのかな。
人間の恐怖心に問いかける文章で構成されていたら、もっとよかったと思います。

「彼女は楽園の素敵な巫女」 マンマー氏

「彼女は楽園の素敵な巫女」 マンマー氏
展開が若干唐突かなぁ・・・・・・。
伏線なしで、その場の思いつきが重なって書かれているような印象でした。
けれど、霊夢が可愛いので面白かったです。

 

・彼女は楽園の素敵な巫女/マンマー 氏

典型二次創作のオンパレード。あちこちに違和感を感じて読み辛かった。
内容自体はちょっと悲しいちょっといい話、で無難にまとめているのでなお更。
可もなく不可もなく、といったところだろうか。占いでいうと末吉くらい?
ただ逆に言えば伸びしろがあるということなので、今後に期待。
初めての割には良くやってたと個人的には思います。

「世界にひとつのバイオリンと香霖堂」 鷹の子氏

「世界にひとつのバイオリンと香霖堂」 鷹の子氏
オチに思わず吹いた。ごめんなさい。
ルナ姉はクールで真面目で清楚なんだよ。
可愛い可愛いルナ姉ルナ姉。

 

・世界にひとつのバイオリンと香霖堂/鷹の子 氏

ルナサ×霖之助という珍しいカップリング。……なのだが。
プロットをそのまま載せたような文章が非常に読みづらい。そして薄い。
他にもU-1めいた陳腐かつ飛躍に飛躍を重ねた恋愛へのステップが非常にひどい。
もしや霖之助を「俺」に置き換えても通じるのではなかろうか。イチャスレでやれ。
前に創想話スレでいわれてた「霖之助に自分を投影してる気持ち悪いSS」の分かりやすい典型。

「今際の約束 」時風氏

「今際の約束 」時風氏
注意書きがいらないかと。こういう書き方は読者を狭めるだけだと思うので。
死ネタって時点で、頭に藤村流氏の「Beautiful Life」が浮かんでしまった。
ありふれたネタを扱うならば、偉大なる先人をぶち抜くぐらいの気概をもって書かんといけないと僕は思ってます。
続きものらしいですが、果たしてそれほどのパワーを持って書いてくれるかなーって密かに期待を。

 

今際の約束/時風 氏

ゆかれいむ。死別。独自設定。そして続き物。
ヤバげな材料を無難にまとめきったものの、ただそれだけ。
心を動かすには今ひとつ足りないところ。淡々と書きすぎているからか。
雰囲気のいい散文的な文章が、この作品では残念ながらマイナスに働いている。

……が、これを前編と考えるとなかなか気になってくるところ。
そうすると散文的な印象がプロローグ的に働いて雰囲気を立ててくれている。
作者も続きを書くようなので、次回作を期待すべし。

「チルノ、最強を目指す」 ナクト氏

「チルノ、最強を目指す」 ナクト氏
幽香が出てきたので◎です。
もっと幽香を書こう。

アリス居酒屋へ行く/B・G・M 氏

アリス居酒屋へ行く/B・G・M 氏
アリスとミスティアと小町。
内容はタイトルそのまま。
魔理沙の奇行に振り回されて疲れたアリスがミスティアの屋台へ呑みに行く話。

ざっと読んだ感じでは無難な愚痴話に見えるが最後まで読むと実は惚気だった。
というような印象を受けてちょっと吹いてしまった。

改行の仕方が気になる人は気になるかも。そこだけちょっと注意。

ディス・コミュニケーション-大きなお世話/電気羊 氏

ディス・コミュニケーション-大きなお世話/電気羊 氏
雛ドリル。地霊殿。
冒頭からして「すわこいつはギャグ系か」と思ったが内容は割と心温まる内容だった。
正直コメントしづらいが雰囲気を見れば良作なのは確定的に明らか。
とりあえず一度目を通してみることをおすすめします。

焼き芋/与吉 氏

焼き芋/与吉 氏
上手に焼けたお芋のようにほんのり甘い魔理沙×霖之助。
もうお前ら結婚しちゃえよ、と思うような心理描写が素敵なお話。
お互いに拗ねてないと意地を張るあたりが可愛い。

火車のすヽめ /漢字太郎 氏
妖怪の異常な価値観を垣間見れる奇作にして名作だと個人的には思える。

火車のすヽめ /漢字太郎 氏
お燐が死体運びを楽しむようになったきっかけ。
妖怪の異常な価値観を垣間見れる奇作にして名作だと個人的には思える。
割と幻想郷では身近で親しみやすい妖怪だが、その内面は……?

おしむらくは文章の書き方が万人受けしないので好き嫌い分かれそうなところ。
ただ、この文体が全体の雰囲気を構築しているのでこれはこれでベネ。

「お燐の話です。少しホラー気味。妖怪らしい彼女が味わえますよ!(引用)」

【作品集】62
【タイトル】火車のすヽめ 【書いた人】漢字太郎 氏
【URL】ttp://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/62/1226719255
【あらすじ&感想】
 昔々あるところに、タエという小さな女の子が住んでいました

 「お燐の話です。少しホラー気味。妖怪らしい彼女が味わえますよ!(引用)」
 とオススメ文には書いてあるが、お燐好きは読まない方がいいかもしれない話。
 ホラーというよりえぐい話である。容赦ない鬱が待っている。
 結末まで一切救いはないのでそういうの苦手という人は読まない方がよろしい。

【五段階評価】
 ★★★★★

Captain of Little Legion /山野枯木 氏

Captain of Little Legion /山野枯木 氏
アリスと雛。雛人形と流し雛、伝統と合理を両立させるような話。

素材は良かったものの、伏線に見えて無意味な場面が入っているのと、
アリスが不自然にツンデレしていて若干魅力を減じているのが残念。

繰り返すが、アイデアは悪くなく、むしろ新鮮な魅力に満ちているので、
前述のそういった部分に目をつぶって読めれば十分楽しめるはず。

硬い胸の記憶/道標 氏

硬い胸の記憶/道標 氏
諏訪子の過去の話。オリキャラ注意。
短くあっさり目にまとめたもののきっちり全体の雰囲気を構築できてる良作。
文章は詩的な印象を受ける小粋な言い回しを多用。部分部分の表現では目を見張る。

ただ、あとがきにもあるように無駄な部分を削いで彫りだした話のようなので、
長文が好きな人には物足りないかも。

蜘蛛の糸/猫井はかま 氏

蜘蛛の糸/猫井はかま
ゆかれいむ。えろい。超えろい。キスしかしてないけどえろい。
甘いけど毒なものを口に入れてしまったような読後感を覚える。サッカリン的な。
行間空けに改行を使っているからか文章が薄っぺらい印象を受けるが、
これの見所は中盤からの会話シーンなので気にせず読むべし。

名探偵サトリ/大根大蛇 氏

名探偵サトリ/大根大蛇 氏
さとりさんが能力をフル活用して探偵業を始めるお話。
自白不要の無敵な読唇術でさまざまな事件を解決してくさとり一行だったが……。

前半と後半で落差が激しく、良い意味で展開の裏切りをされてしまった。
改めて読み返してみると丁寧に伏線も張っているのが素晴らしい。
若干強引な部分もあるもののまったく気にならないレベル。

コタツ/与吉 氏

コタツ/与吉 氏
まりりん! まりりん! (ry
コタツを中心にして回るほのぼのあまあま短編。
思わずこーりん殺すといいたくなるほど霖之助に甘える魔理沙が可愛い。

後半のゆかりんは蛇足な気がしないでもない。
が、黄金の砂糖の塊で出来た二人が遅れをとるはずがなかった。

朝日と共に起きる吸血鬼たち。/大崎屋平蔵 氏

朝日と共に起きる吸血鬼たち。/大崎屋平蔵 氏
紅魔館。ラブラブ姉妹。超ピロートーク。
……ほ、他に言うことがない!

さておき、話の内容はぶっちゃけこんだけですが。
丁寧に書くことでレミリアとフランの可愛さと雰囲気のほのぼのさ、
そして健康的なスキンシップをですね。髪とかしたり色々。
とろけたい人ならぜひ読むと良いだろう。

大豆同盟/道標 氏

大豆同盟/道標 氏
冒頭の四行でポルナレフ状態になった。
そして内容を読んでさらにポルナレフ状態になった。
そしてラストまで読んでカオスを超えて終末が近づいた。

壊れギャグです。好きな人は読むと良いと思います。
もうこうとしか言えないほどの加速っぷりでした。
若干おいてかれているような気がしないでもありませんが。

ポール・ポジション/世界爺 氏

ポール・ポジション/世界爺 氏
開いた瞬間「やべえ……こいつガチだ!」と思わされるサプライズが。
そして内容が三月精。ヒャッハー! 三月精だー!!

さておき。
内容は……誤解を招くかもしれませんがこれほど「東方らしい話」を読んだのは久しぶり。
妖精が悪戯を仕掛け、何か起こり、その原因を知る人が語るという筋立てが実にそれっぽい。
そしてその「知る人」の役目を担っているのがスターというのがまた面白い。
さらに話全体が彼女の属性と関連して作られてるので無駄な部分がほぼ無いのがすごい。

外側だけでなく中身も丁寧に書かれていて、非常に読みごたえのある作品でした。
三月精好きなら迷わず薦められる話です。もっと書いてとラブコールを送りたい。
ただし短編といいつつも、中身はかなりの文章量&密度なので苦手な人は注意。

 

【作品集】62
【タイトル】ポール・ポジション   
【書いた人】世界爺氏
【あらすじ】
 ある新月の晩、迷いの竹林でうごめく三妖精の影
 人を迷わす悪戯を仕掛けようと息を弾ませる二人と、何故か上の空で夜を見上げるスター
「―――でも、今夜はたぶん、失敗すると思うわよ?」
 そして、星の妖精はそんな不吉な予言を……
【感想】
 お話自体は超シンプル、あっさり読めてなおかつ面白い
 全体的な雰囲気と、すらすら読ませて引き込む文章力
 何より自然に無邪気で残酷な妖精の目線から物語が垣間見れるのが面白い
 妖精の価値観による悪戯と、幻想郷の夜に思いを馳せよう

黒と紅 白と白/蛮天丸(元コメッド) 氏

黒と紅 白と白/蛮天丸(元コメッド) 氏
霊夢が死んだ後の魔理沙を描いた話。
……正直凡百の死亡SSと大して変わらない作品だったので何とも。

サイトの方では実体験などと言ってますが、正直その結果がこれというのは胡散臭い。
ただ体験をそのまま書いても人の心を動かせる話にはならないという典型。

アリスといっしょ/nig29 氏

アリスといっしょ/nig29 氏
ま た 死 亡 も の か。

と思ったら夢オチであっさり裏切られてしまった。
中身はコテコテのラブコメハーレム。アリス大人気。
細かいガジェットは氏らしいものが出ていましたが、全体としては普通。
さっくり読んで楽しめるライトな作品でした。

へんてこてんしゅとわがままひめさま/大地 徹 氏

へんてこてんしゅとわがままひめさま/大地 徹 氏
珍しい輝夜×霖之助。
……とはいえ、輝夜の正確が原作と乖離しすぎててあまり楽しめず。
霖之助も断罪役のような感じでキャラを活かしきれていないように感じました。
正直途中まではヘイトものと思われても仕方ないような内容。
ラストも取ってつけたようなハーレムエンドなのでどうにも味付けが悪い。

素材は斬新ながらそれを活かしきれていない、といったところ。
次に期待します。

有頂天姉妹/B・G・M 氏

有頂天姉妹/B・G・M 氏
こいつら、秋に酔ってやがる……!!

秋姉妹の秋到来の喜びをそのまんま文章として刻みつけたような掌編。
「秋は短い」を文字通りで行くような短さ。
しかし秋姉妹の軽妙な会話とテンションの高さで笑みがこぼれそうに。

話としてはワンシーンをそのまま切り取ったような感じですが、
会話と文章だけで十分に読めるものに仕立てられています。

心を読む少女、心を読んでくれない少女達。 /鷹の子 氏

心を読む少女、心を読んでくれない少女達。 /鷹の子 氏
最近は霖之助のカップリングが流行なのか、今度はさとりとの。

こういうのはどうしても後半~ラスト付近がマンネリ気味な展開になってしまうのですが、
これもまたその宿命を抜け出しきれず、といったところ。
話がやたらと走りすぎていて落ち着かなかったのも一因だろうか。

ただ斬新さは十分に潜在しているので、次に期待したいところ。

むぎゅっ/毛玉おにぎり 氏

むぎゅっ/毛玉おにぎり 氏
うさみみ。
うさうさみみ。
うさみみうさ。
ううささみみみみ。

まあその、見ててSAN値下がりそうなほど女の子してる師匠が見たければ、是非。
テンポの良い短さの中で散りばめられた小ネタも秀逸です。
言葉に出来ない。気になったら読んでみよう。

萃香、天子をしばくに助っ人を呼ぶの巻 /Myb 氏

萃香、天子をしばくに助っ人を呼ぶの巻 /Myb 氏
天子と勇儀がガチンコ勝負。
地面を殴って地震を止めたといってのけた範馬勇次郎を思い出したのは私だけだろうか。

内容はシンプルかつ一直線ながらスピード感ある爽快なバトル。
バトルを主軸に置くならもう少し長く立ち回らせたり描写を深くして良かったかも。

あなたと繁殖したい/aho 氏

あなたと繁殖したい/aho 氏
冬に憂鬱したり激怒したりする秋姉妹と巻き込まれる霊夢たちの話。

……なんというか。なんというか。aho氏の作品はこれが初読みですが。
この、ワライダケを秒速20kmにまで加速されてぶつけられたような気分はなんだろう。
色々な意味で言葉にしきれないが、半壊コメディとでも形容すべきだろうか。
ゆかりんと秋姉妹は全壊ですが。

ともかく読み手を置いてけぼりにしないテンポを維持しながらこの勢いはすごいと思う。
何気に緩急もついてて飽きさせない構成になってるのもベネ。
腹筋壊したい人におすすめ。

「リヴァイアサン」A-さん
地底に追いやられるには理由がある。

「リヴァイアサン」A-さん
地霊殿異変終了後の宴会から、地底組と地上組の確執の深さを表すような展開が説得力があって最初から引き込まれました。

地底に追いやられるには理由がある。パルシーがちゃんと橋姫している。
霊夢と魔理沙の関係も切ない。ラストも上手いと思う。
面白かったです。もう少し評価されてもいいかなって思います。
堪能しました。

パルスィの能力の解釈とキャラの描写が見事。

【作品集】62
【タイトル】リヴァイアサン
【書いた人】A- 氏
【ポイント】8830
【レート】11.50
(2010/05/23時点)
【あらすじ】
 間欠泉騒動が終わり、地上と地底の往来は解禁された。しかし、地上と地底の溝は埋まる事無く、未だ開いたまま。普通の魔法使いはそれを打開しようと地底へ行くが……
【感想】
 地底に追いやられるには理由がある。そう簡単に関係は改善しない。そのような、地底の妖怪に対して考え得る、暗い可能性を突き詰めていった作品。
 パルスィの能力の解釈とキャラの描写が見事。二次創作でありがちな鬱々しいパルスィでなく、笑いながら嫉妬を操り、人間を破滅に導いていく様は実に妖怪らしい。
【総合評価】★★★★☆(ダーク好きなら★5)

このパルスィはひどく無邪気で、そしてひどく妖怪面だ。

【作品集】62
【作品名】リヴァイアサン
【作者名】A-氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226868084&log=62
【あらすじ】
霧雨魔理沙は地上と地底の仲の取り持ちに苦心していた。そんな時、通りすがりのパルスィと出会う。
結果として地上と地底の取り持ちには成功する。だが、魔理沙の自我はパルスィによって刻一刻と変化していた。
【感想考察】
霧雨魔理沙の変貌と、トリックスター的な水橋パルスィを上手く描ききった快作。
このパルスィはひどく無邪気で、そしてひどく妖怪面だ。
霊夢劣等コンプレックスとも上手く絡めて、最終的に霧雨魔理沙を作中でも作品外でも高次の存在に仕立て上げたと言っていいだろう。
無邪気で美しく嫉妬妖怪な水橋パルスィ、嫉妬に狂い始める霧雨魔理沙。
どっちのファンにも、パルスィファンにはなおさら読んで欲しい。これこそが水橋パルスィとも言えるかもしれない。
[HE力]★★★☆☆(二人にとってはハッピーエンド)
[欝力]★☆☆☆☆(陰鬱とした雰囲気はない)
[グロ]☆☆☆☆☆(なし)
【評価】★★★★★(物語の中核のキャラが好きな人間は是非とも読んで欲しい)

読んでるこっちの胸がムカムカ、ジガジガして読み進めるのがつらくなる。

【作品集】62
【タイトル】リヴァイアサン
【書いた人】A-氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226868084&log=62
【感想】
途中で歪んだというより、もとから加わるべきじゃなかった歯車で出来た関係。あたかも当然の帰結のように巻き起こる悲劇。いちおうジャンル百合に入るかな?

読んでるこっちの胸がムカムカ、ジガジガして読み進めるのがつらくなる。それほどこの作品の世界観は暗鬱な空気に包まれている。
その空気感を例えるなら、マトリックス:レボリューションズで最後にネオとスミスが戦う場所みたいな感じ。ネタではなく。
全体に暗緑色のフィルターがかかっていて、コントラストは薄く、建物は無機質で、大気は湿りすぎ、雨は降り止まない。
ともすれば作品として駄目な方向に向かう要素もあるんだけど、これらを繊細に料理して、見事、読者に痛痒を感じさせる怪作を作り上げてる。
繰り返すようだけど、読んでる途中で全身の皮膚が痛痒くなること請けあい。すごく嫌な予感がするのだ。その嫌な予感の連鎖が止まらない。
先に「あたかも当然の帰結のように」って書いたのは、この「嫌な予感を覚えるからこその恐ろしさ」があるから。
ラスト。静けさは打ち破られて、でも心を苛むどす黒い何物かはますますその色を濃くする。

改めて読み終えて思うのは、物語の性質は確かに鬱なんだけど、奇妙なことにこのあたりの展開には非常にワクワクさせられた。
とても楽しく読めるような代物ではないのにどんどん先へ進みたくなる。それに比例して嫌な予感も増していくんだけど……。

この作者、今のところこの一作品しか投稿してないのが唯一残念。強くそう思います。

嫉妬心は人間個人では抑えきれない怪物である。

A-氏の「リヴァイアサン」は今更紹介することもない名作
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かつて国家哲学者ホッブズは国家を「人間には御しきれない怪物(リヴァイアサン)」と表象した
それを考えるとリヴァイアサンという一見わけのわからないタイトルは、この物語にこれ以外ないというほどピッタリとくる気がする
嫉妬心は人間個人では抑えきれない怪物である。そういう補助線を引きながら読むと、不気味なほどリアルに感じられる作品

輝夜と妹紅のお弁当対決/滝村 氏

輝夜と妹紅のお弁当対決/滝村 氏

タイトルどおりの軽いコメディもの。
もう少し尺があれば……ッ!

題材も内容も悪くないけど短すぎて味が出てない。
方向性もちょっと曖昧。限界まで壊すか限界まで真面目にやった方が笑える、と思う。

あなたの傍に/こうが 氏

あなたの傍に/こうが 氏
美鈴の過去と、咲夜との出会い―――

なのですが、いかんせん薄すぎた。オリキャラまで使ったのに薄い。
純粋に描写と話の構成不足。題材も使い古されたものなのでいずれも顕著。
ただし文章全体の雰囲気は十分アリ。オーラのある文章を書ける人は貴重なので今後に期待。

山茶始開(つばき はじめて ひらく)/やっぱりレティが好き 氏

山茶始開(つばき はじめて ひらく)/やっぱりレティが好き 氏
晩秋から『あいつ』の話。
敢えて名前を出さないということで霊夢と魔理沙だけで話を完結させているのでシンプルかつ読みやすい構成。
名前出さなくても『あいつ』が誰かなんとなく分かってしまうのは作者の愛か筆の上手さか。

総括としては特に欠点も見えない良作。
強いて言えば、文章全体のリズムを見ながら描写していくとより雰囲気を引き出せるかも。
特に冒頭の文章は詩的な雰囲気をより強く持っているので、5・7・5とかそういった慣れ親しんだリズムで書いていくと強く目を引いてくれる、はず。

「それは弾幕が○○だからだな」/音無 氏

「それは弾幕が○○だからだな」/音無 氏
おそらく、人によって好き嫌いが大きく分かれる話。萃香が一方的に悪者にされているようにも読み取れるので好きな方は避けるのが賢明。というより、どう考えても萃香が言いそうなことじゃないというのは私のイメージが偏っているせいなのだろうか。

伊吹萃香に「魔理沙なんて、スペルカードルールがなかったら一発なんだけどねぇ」という発言から始まる魔理沙の転機―――彼女の努力は果たしてどんな形で結実するのか。王道ながら丁寧に描かれた心理描写や結論に至るまでの経緯、やや強引ながら説得力のある力と代償の等価交換。
そしていよいよ魔理沙は、自らの努力した結果をぶつけるべく、挑戦を始めていく。
まさに王道。手垢はついているがそんなの関係ないといわんばかりに進む文章は熱い。

だが、残念なことに、この話には、非常に大きな欠陥がある。

肝 心 の 萃 香 と の 対 決 が 無 い 。

自らの成果を知人友人ライバルで試すのは問題ない。アリス、紫、霊夢とステップを踏んでいく様は熱い展開を予測されうる盛り上がり―――!

だが、まるで打ち切りエンドのように萃香との絡みは無し。霊夢との対決が始まるという瞬間で話は終わっている。これは無い。幾らなんでもこれは無い。勿体無いだけで済む話ではなく、場合によっては傑作になるだろう話をドブに捨ててしまったも同然だと思う。
私個人としては、全ての契機になった鬼を自らの力で倒して英雄になった魔理沙を見たかった。

ともあれそんなことになっているから、本当にこれはひどいとしかいいようが無い。おかげであちこち微妙に小難しい言い回しで煙に巻いているような部分とか魔理沙の決意が薄い部分とかラストで何故か出てくる少女とか、本来なら話の勢いで押し切って潰せるはずの欠点が全て蘇ってこの作品を虐待している。やめて、もうライフはゼロよ!

……終わりよければ全てよし、という言葉がありますが、その真逆を行く作品でした。

上海よ、肉を食え。/大崎屋平蔵 氏

上海よ、肉を食え。/大崎屋平蔵 氏
可愛ければ良い、それが全てだ!
アレです、上海人形が可愛い。ひたすらに可愛い。
なんでこんなに人を萌やす秘孔を心得てるんだこの人は。

アリスが自立人形への実験の一環で、上海に色々と食べさせる話。
内容はもう、タイトルそのまま。直球勝負。そのくせ内容は丁寧に書いているので飽きない。
これは読むべきということは確定的に明らかだと思います。上海可愛いよ。

恋愛小説 大人用/智弘 氏

恋愛小説 大人用/智弘 氏

大妖精とチルノ。
……これはネタバレを避ける必要がある作品と私は判断したので簡潔に。

こ わ い 。

途中から寒気を催すような作品でした。
愛は奪うもの。力こそ正義。いい時代になったものだ。

ごらん、あれが空飛ぶ阿求だよ/八重結界 氏

ごらん、あれが空飛ぶ阿求だよ/八重結界 氏

空を飛びたかった阿求の挑戦と墜落。
と見せかけて上った屋根から下りられなくなった阿求の決死の挑戦。
なんでいきなり屋根にいるんだ。
鬼瓦にオニヤンマとか上手いことを言ってる場合じゃない。

淡々ほのぼのとした文章で凄まじいギャグを描きやがってくれました。
文章の端々に挟み込まれる「さようなら酸素」「ヘロたんインしたお」
などの名状しがたいフレーズがさらに腹筋へのダメージを加速させている。
そしていい話と見せかけて派手に裏切るガード不能連携まで繰り出されては笑わざるを得ない。
徹頭徹尾笑いどころのあるギャグの手本みたいな作品でした。
ムクドリに引っ掛かる幽香が可愛い。

「幻想郷にメガネっ娘がやってきたぞ!」発泡酒氏

「幻想郷にメガネっ娘がやってきたぞ!」発泡酒氏
・あらすじ
「なあ霖之助、やはり店を里に移さないか?」
慧音は言う。生活苦のためにわざわざ行商にまで出てきた霖之助を見かねての言葉だった。
こうまでしても商品は売れていないのだ。慧音の心配も無理もない。
頑迷に意見を変えない霖之助に、慧音は仕方なく金持ちの伝を紹介することにした。
その場所は、竹林の奥に。

・レビュー
まず頭に入れておいて貰いたい。これはギャグ。ギャグなのだ。
前編で霖之助がやたらとヘタレて見えるが、何、気にすることはない。
物語を読み終えたとき、きっとあなたに笑いと爽快感を与えてくれるはずである。
イイヨー、メガネッコイイヨー。
あとおばさんは無理しすぎだと思う。

そうだ、秋刀魚を食べよう 粒状斑氏

【作品集】62
【タイトル】そうだ、秋刀魚を食べよう
【書いた人】粒状斑氏
【あらすじ】
天高く馬肥ゆる秋、紅魔館に沢山の秋刀魚が手に入る。
そして咲夜は瀟洒にこう宣言する。「焼き秋刀魚は己の手で焼くのがルール」だと、
こうして、紅魔館総出での秋刀魚焼きが始まったのである。
【感想】
綺麗に焼きあがった秋刀魚、早速頂こうとレミリアが箸を伸ばすと秋刀魚の目がギロリとこっちを向き……
という話ではございません。怖い話がダメな人でも安心して読めるほのぼのストーリーです。
読んでると頬が緩みます。ニヤニヤします。お腹が空いてきます。
氏はホラー以外のSSもしっかり書ける、
というか普段の氏が書くホラーは群を抜いて怖いのは、こういうほのぼのとした話をちりばめていて、
緊張感が抜けるポイントを作っているからなんだろうなぁ、と思った作品。
秋刀魚って最近冷凍物の放出で安売りしてるとか……ちょっと買ってこようかな。

黄昏の郷の黄昏 nig29氏
幻想郷で突如、ほとんど全ての者が現実感のある夢を見るという出来事が起きた。

【作品集】62
【タイトル】黄昏の郷の黄昏
【書いた人】nig29氏
【ジャンル】オリ設定、終末、幻想郷外、シリーズ(全3作)
【Ptランク】A(6000~8999)
【あらすじ】
 幻想郷で突如、ほとんど全ての者が現実感のある夢を見るという出来事が起きた。
最初は気にしなかったものの、それは幻想郷を巻き込む流れになっていき……
【感想】
 公式で使われる用語を使い組み立てられた幻想郷の設定は非常に細密であり、
それを見事な戦闘シーンや風景描写で引き立てている。
ただ、ストーリーが壮大すぎて、終盤まとめ切れていない印象を受けた。
筆者のやりたい事を全部積め込んだかのような、物凄い長さと密度の大作。

SFだったり、オカルトだったり、いろんな顔があるのもこの作品の魅力です。

【作品集62】
【タイトル】黄昏の郷の黄昏(光・陰・箭)
【書いた人】nig29 氏
【サイズ】計342.33KB
【URL】光:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225609814&log=62
    陰:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225632227&log=62
    箭:ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225632416&log=62

【あらすじ】
 リグルは夢の中で、外界に住む少女だった。蟻地獄に落ちた蟻を助けて、見ていた幼馴染に笑われた。
 ミスティアは夢の中で、一人の少女だった。蟻を助けた幼馴染を見て、自然の摂理に背いたとからかった。
 それは、不思議な夢だった。夢から覚めても手触りや音、色彩までが鮮明に思い出された。そしてさらに不思議なことに、幻想郷のほとんど全ての住民が、それぞれの視点で夢を見ていた。毎日少しずつ場面が進行していく夢に、皆の興味は釘付けになっていた。
 そんな時、映姫の元に紫が訪れ、「川に気をつけろ」と一言告げて去っていった。一笑に付した映姫だったが、普段と違う紫の様子が気にかかり、三途の川へと向かう。

【感想】
 前編にあたる「光」は、はっきりいって支離滅裂です。奇妙な夢から始まって、「永人」という弓道部在籍のイケメン男子に「妹子」という名の少女が恋焦がれる話が続き、メリーと蓮子が遭遇した奇妙な人体消失。そして幻想郷でおもむろに始まる例大祭。そう、訳が分かりません。もしかすると、ここで諦めた人も多いかもしれません。ですが、ここで止めるのは勿体ない。一見無駄とも思える全てが、「陰」以降のための大事な伏線にして、大前提。たとえ首をひねりながらでも、読む価値はあります。
 滅亡の危機に瀕した幻想郷。そのなかで物語は、幻想郷の成り立ちに肉薄していきます。――そこは、全ての願いが叶った夢の郷。それを創り出した彼女の願い。そして、彼女たちの願い。
 とかいいつつ、SFだったり、オカルトだったり、いろんな顔があるのもこの作品の魅力です。
 幾つか気になった点もありました。ラストシーンで、なんでこいつがここにいるんだ、とか思ったり、最後のヤマメの立ち位置が気に入らなかったり。
 「箭」の後書きから、作者の解説のページに飛べます。

【五段階評価】
★★★★☆(好き嫌いは別れると思いますが、+-で表せるものとは思えません。個人的には、多くの人に読んでもらいたい良作です)

モチーフがあったとしても魅力的な世界と人物を作る一次創作者って凄いなあとも思います

【作品集】62
【タイトル】黄昏の郷の黄昏 光・陰・箭 (3編構成)【書いた人】nig29氏
【容量】約313kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225609814&log=62
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225632227&log=62
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225632416&log=62
【あらすじ&感想】
※ダラダラあらすじ書いたら導入編っぽい「光」編を全部書いちゃったような物になりました※

ある日リグルとミスティアは奇妙な異世界の夢を見た。聞けばお互いに同じ世界のことを見ているらしい。
その夢は幻想郷中に広まっていたが、霊夢と魔理沙だけはその夢を見ていないという。
まあそんなことはこの郷だと奇妙でもないのかもしれない、そのことで神社に集まってしまった人妖に対し、
紫は例大祭を開こうと提案する。
楽しい祭りのフィナーレは劇。諏訪の歴史や神話、そして今の幻想郷へと繋がる物語は
奇妙な夢の事を忘れるぐらいの出来であった。


秘封倶楽部の二人は諏訪を訪れていた。目的は東風谷早苗を訪ねること。
そんな昼食の席でミシャグジ様という単語に反応して女性が話しかけてきた。名前は八雲藍というらしい。
同行することになった藍と共に早苗と面会した二人は、ミシャグジ様を祭る御神体の七つの石七つの木、
その最後に残った一つの石を見に行くことになった。
この石には御神体として祀ったという説の他にも、ある災害――少し前にこの世界を襲った地震――を抑える
ための要石であったという説があった。奇しくも地震の際に最後の1つは抜かれてしまっていたのだというが――
洞窟の中の石へとたどり着いた四人だが、石を藍が触ると不思議な現象が起きて……消えてしまった。

長いです…そして難解でもあります。起こったことはおおよそ暗示ではなく書かれているので、頭の中で整理がつかない類の
難しさですね。ブログの解説も見るべきでしょうか。
神話の如く(と言うか神話も作中に盛り込まれてるんですが)壮大なスケールで描かれる幻想郷が圧巻です。
作品自体の感想ではないのですが、こんな二次創作が作られる東方って凄いなあと読後すぐに浮かんできた覚えがあります。
こんなのを一度書いて見たいなあ…と思っても莫大な妄想力とストーリー構成力が必要な罠がが。
★★★☆☆(モチーフがあったとしても魅力的な世界と人物を作る一次創作者って凄いなあとも思います)

わたしやっぱりドMだったみたい! ahoさん

【作品集】62
【作品】わたしやっぱりドMだったみたい!
【作者】ahoさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226864847&log=62

【感想】
天界で爪弾き者の天子は、霊夢たちと過ごす時間をいつしか大切にしていた。しかし、ある疑惑のせいで……。
タイトルだけ見たらどんなカオスな作品かと思いきや、天子の立場や境遇に焦点を当てた真面目な話。不器用な天子の行動に読んでいるこちらがハラハラします。それにしても、明らかに魔理沙たちは天子を誘導しようとしているようにしか見えない(笑) それに全力で応える天子は色々な才能があります。

滅亡  ulea氏

【作品集】62
【作品名】滅亡
【作者名】ulea氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225510834&log=62
【あらすじ】
人類の夢だった宇宙旅行が、革新的な発明によりみるみるうちに庶民にも手がとどくものとなった。
あらゆる絶望は幻想と化したこの世界で、一体何を後ろめたく思うことがあろうか。
しかし、メリーは、蓮子との宇宙旅行の中、いつまでも、後ろめたさをぬぐうことができなかった。
【感想考察】
幻想郷とは、と深く考察し、メリー≒紫説を掘り下げたら、きっとこうなるであろう、という実験作。
彼女の感じる後ろめたさは、やがて伏線の回収と共に顕在化する。
どこまでも現実的な蓮子と、幻想を棄てきれなかったメリー。
メリーという器はやがて爆発し、幻想郷の復活リセットと共に世界を滅ぼすだろう。
この作者さんは、ハッと絶望させるのが上手くて大好きだ。
[HE力]☆☆☆☆☆(ハッピーエンドにする気さらさらないよね)
[欝力]★★★★☆(どうしようもない)
[グロ]☆☆☆☆☆(幻想郷観を汚されるのが嫌いな人は注意)
【評価】★★★★★(東方ショートショートの名作。セカイ系的要素も含み、個人的には大好物)

繁栄  ulea氏

【作品集】62
【作品名】繁栄
【作者名】ulea氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225790697&log=62
【あらすじ】
ある女性が、重大な話があると天狗に呼び出されていた。
聞けば、産業革命を発展し発展し発展させ続け、幻想郷が、飽和状態で、まるで孵化直前の卵のようなのだという。
解決策は、ひとつしかない。
【感想考察】
滅亡と表裏一体のSS。滅亡ほどのインパクトはないものの、二つを照らし合わせるととても恐ろしい真実が見えてくる。
楽園とは一体なんだったのだろうか。
どちらが本当の夢で、どちらが本当の幻想なのだろうか。
答えは、読者ごとにあるのだろう。
[HE力]☆☆☆☆☆(ない)
[欝力]★★★☆☆(陳腐な設定で欝になりきれない)
[グロ]☆☆☆☆☆(「滅亡」に同じ)
【評価】★★★★☆(滅亡を読んだなら読んでしまいたい。恐ろしい解釈を与えてくれる)

そしてあなたの頭上には  いこの氏
冬とはどんな季節なのだろう。寒いつめたいかなしい季節?

【作品集】62
【タイトル】そしてあなたの頭上には【書いた人】いこの氏
【容量】自称80kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226916949&log=62
【あらすじ&感想】
冬とはどんな季節なのだろう。寒いつめたいかなしい季節?

紅魔館を訪れたレティの目的はそこで足跡の途絶えたチルノを引き戻すことだった。一人の知り合いとして。

幻想郷を訪れた諏訪子はチルノと出合った。時間を止めて、冬をいつまでもと願うチルノは
紅魔館のやつらについて語り、彼女らにどうしても勝ちたいのだという。
打算があるのか気紛れなのか、諏訪子はその気ままな戦いに同行することを決めた。

しかしレミリアには客人の来訪が視えていたのだ。彼女が招待したのは館の地下室。

あたたかい文章と繊細な表現がやはりと言うか素晴らしいです。
キャラの心情を想いながら読むのが個人的なおすすめの楽しみ方。
レティ好きな人には是非とも薦めたい一作で、人外たちのカリスマに満ち溢れた一作でもあります。(咲夜は人間だけど)
★★★★★(日本語っていいですよね)

冬の寒さと優しい暖かさとを同時に感じられるお話でした。

【作品集】62
【タイトル】そしてあなたの頭上には  【書いた人】いこの 氏
【URL】ttp://coolier-new.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226916949&log=62
【サイズ】計95.45KB
【あらすじ】
レティは紅魔館を訪れた。知り合いであるチルノを助けるため。
幻想郷を訪れた諏訪子はチルノとともに紅魔館を目指す。
最強を目指し終わらない冬を願うチルノとそれに付き合う諏訪子。
その運命を見ていたレミリアは二人を地下室へと招待する。
【感想】
冬の寒さと優しい暖かさとを同時に感じられるお話でした。
あとみんなカッコイイです。素敵
【五段階評価】
★★★★★