小説一覧表・掲示板/老人と人形と骸骨

Last-modified: 2017-05-09 (火) 22:00:55

  • ページ: 雑談掲示板
  • 投稿者: 管理人
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  • 投稿日: 2017-05-09 (火) 19:32:35
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メッセージ

老人がいた。
老人は呪われていた。
老人はなぜ自分がかの伯爵に呪われているのかわからなかった。

 

老人はかの古城の前をさまようしかなかった。

 

老人は一人が嫌だった。
老人は友人と呼べるものはいなかった。
老人は自分が仕立て屋であることを思い出した。
老人は人形を仕立て上げ、Williamと名付けた。

 

老人は死にたかった。
老人は死ぬことが出来なかった。
老人はただ永遠の安息を欲したのであった。

 

老人は人形に話しかけていた。
「問、なぜ私は生まれたのか」
老人は知っていた。人形に話しかけても意味などないと。
老人はただ、話し相手を欲したのであった。

 

老人はいつしか古城に入ろうとするものを拒んでいた。
「中に入りたいなら、夜に戻ってこい」
老人は知っていた。古城の内部には危険な骸骨がうろついていることを。
老人が来るものを拒んだのは、彼なりのやさしさであった。
老人はそうすることを人形に勧められた気がしていたのだ。

 

老人は自分を呪った古城の主を恨んでいた。

 

「問。スケルトロンよ、なぜ私を呪った?」
老人は知っていた。答えなど帰ってくるはずがないことを。
老人はもはやスケルトロン本人と同じになっていた。
老人は待った。自分の呪いを解くものを。

 

老人は見つけた。白金の防具を纏い、白金の剣を持った一人の青年を。
老人は彼に話しかけた。

 

「おぬしなら、私の呪いを解けるかもしれない。」


  • 管理人さんも作ったか・・・おもしろくていいですね! -- ポテト 2017-05-09 (火) 19:38:37
  • ちなみに続編あります。そのうち-- 管理人 2017-05-09 (火) 19:54:56
  • あ、Williamを英語にしたのは特に意味はないです -- 管理人 2017-05-09 (火) 20:15:10
  • おおおおおお!!!!すげえ!!完成度すごい -- エボン(小説ガチ勢)? 2017-05-09 (火) 20:40:24
  • 一応文芸部だし・・・ -- 管理人 2017-05-09 (火) 21:40:54
  • 続きます? -- 管理人 2017-05-09 (火) 22:00:01