メッセージ
老人がいた。
老人は呪われていた。
老人はなぜ自分がかの伯爵に呪われているのかわからなかった。
老人はかの古城の前をさまようしかなかった。
老人は一人が嫌だった。
老人は友人と呼べるものはいなかった。
老人は自分が仕立て屋であることを思い出した。
老人は人形を仕立て上げ、Williamと名付けた。
老人は死にたかった。
老人は死ぬことが出来なかった。
老人はただ永遠の安息を欲したのであった。
老人は人形に話しかけていた。
「問、なぜ私は生まれたのか」
老人は知っていた。人形に話しかけても意味などないと。
老人はただ、話し相手を欲したのであった。
老人はいつしか古城に入ろうとするものを拒んでいた。
「中に入りたいなら、夜に戻ってこい」
老人は知っていた。古城の内部には危険な骸骨がうろついていることを。
老人が来るものを拒んだのは、彼なりのやさしさであった。
老人はそうすることを人形に勧められた気がしていたのだ。
老人は自分を呪った古城の主を恨んでいた。
「問。スケルトロンよ、なぜ私を呪った?」
老人は知っていた。答えなど帰ってくるはずがないことを。
老人はもはやスケルトロン本人と同じになっていた。
老人は待った。自分の呪いを解くものを。
老人は見つけた。白金の防具を纏い、白金の剣を持った一人の青年を。
老人は彼に話しかけた。
「おぬしなら、私の呪いを解けるかもしれない。」
- 管理人さんも作ったか・・・おもしろくていいですね! -- ポテト 2017-05-09 (火) 19:38:37
- ちなみに続編あります。そのうち-- 管理人 2017-05-09 (火) 19:54:56
- あ、Williamを英語にしたのは特に意味はないです -- 管理人 2017-05-09 (火) 20:15:10
- おおおおおお!!!!すげえ!!完成度すごい -- エボン(小説ガチ勢)? 2017-05-09 (火) 20:40:24
- 一応文芸部だし・・・ -- 管理人 2017-05-09 (火) 21:40:54
- 続きます? -- 管理人 2017-05-09 (火) 22:00:01