PMD version4.8 コマンドマニュアル_2

Last-modified: 2017-11-19 (日) 08:18:17

PMD version4.8 コマンドマニュアル
(1/3) (2/3) (3/3)

§4-10 タイ・スラーの指定

	& &&

[書式1] &
[書式2] &&
[書式3] & [音長][.]
[書式4] && [音長][.]


[音源] FM / SSG / PCM / R定義


	前後の音をタイ(&)またはスラー(&&)として繋げます。
	2つの違いは、タイの場合は、直前の音符をkeyoffしませんが、スラーの
	場合はkeyoffされますので、Keyon時のアタックが解る(=&&)か解らない(=&)か
	の違いです。
	必ず、音程コマンドの直後に指定して下さい。
	&の直後に音長を指定すると、l+ コマンドと同等の扱いとなり、
	直前の音長に指定した音長を加算します。

[例1] a8&2

	a8l+2
	a8&a2

[結果] すべてラの 8分音符+2分音符。

	&&の直後に音長を指定すると、コマンド直後に直前の音符と同じ音程の
	音符が、指定された音長で発行されます。

[例2] a8&&2
[結果] a8&&a2

[注意1] W,Sコマンド実行中は、加工後の最後の音量/音程の音のみ変化します。また、

	&コマンド直後の音符はW,Sコマンドの影響を受けません。

[注意2] リズム定義(R)パートでは、書式3 のみが有効です。

	書式1,2,4は使用出来ません。

[例3]
R0 @1 c4&c4
[結果] エラーとなります。c2 とするか、c4 r4 として下さい。

	SSGリズムパートは、休符が来ても音は切れません。

[関連] l+ コマンド (->§4-9)

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§4-11 全音符長の設定

	C

[書式] C 数値


[範囲] 1~255


[音源] FM / SSG / PCM / R選択 / R定義


	全音符の長さを決定します。#Zenlenコマンドと同等です。
	いずれかのパートの頭に設定すれば、すべてのパートに有効となります。
	指定するすべての音符長は、この数値の約数でなくてはなりません。
	デフォルトは 96 ですので、使用出来る音符長は、
	1,2,3,4,6,8,12,16,24,32,48,96
	になります。
	64分音符まで指定したい場合は、C192等の指定をしてください。

[注意1] 変更した場合、テンポの値が、1分間にどの音符がテンポ指定値になるかが

	変化します。

[注意2] 指定した時点で、l コマンドの値が初期値の4に戻ります。

[例] C192
[結果] 全音符を内部クロック 192 とし、使用出来る音長を

	1,2,3,4,6,8,12,16,24,32,48,64,96,192 の14種類に増やします。
	#Tempo 及び t コマンドの指定値は 4分音符= の値になります。

[関連] #Zenlen コマンド (->§2-11)

	#Tempo コマンド (->§2-10)
	t コマンド (->§11-1)
	l コマンド (->§4-8)

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§4-12 音の切り方の指定1

	Q

[書式] Q [%] 数値


[範囲] 0~8 ( %が付いた場合 0~255 )


[音源] FM / SSG / PCM


	音の切り方を指定します。
	N88BasicのMMLと同様、1/8単位で、0~8までの指定が可能です。
	%を指定すると、1/256単位で、0~255までの細かい指定が可能です。
	0を指定すると、最後まで音を切りません。
	デフォルトは 0 です。
	実際は、このコマンドで指定した、音を切る位置から、q コマンドで指定した
	数値を引いたタイミングでKeyoffされます。

[例] Q4c4
[結果] 音を音長の半分の位置で切ります。

[関連] q コマンド (->§4-13)

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§4-13 音の切り方の指定2

	q

[書式1] q [数値1][-[数値2]] [,数値3]
[書式2] q [l音長[.]][-[l音長]] [,l音長[.]]


[範囲] [数値1] 0~255

	[数値2]	0~255、但し数値1との差は +127~-127以内となること
	[数値3]	0~255
	[音長]	1~255のうち、全音符長の約数となる値

[音源] FM / SSG / PCM


	音の切り方を指定します。
	ここからの音は、

1) 数値2が指定されていない場合

	[数値1の時間分]、

2) 数値2が指定されている場合

	[数値1~数値2の範囲内で ランダム に]、
				~~~~~~~~
	後ろから切った音になります。
	但し、切った音長が数値3の指定時間よりも短くなった場合は、
	数値3で指定した時間が実際に発音される長さとなります。
	(数値3 = 最低でもこの長さは発音して欲しい音長、と認識して下さい)
	数値は、lを付加した場合は音長、付加しない場合は内部クロックの
	値で設定します。
	数値1で0を指定すると、最後まで音を切りません。
	デフォルトは 0 です。
	数値2で数値1と同じ値を指定、または省略すると、切る時間は数値1の値
	固定となります。デフォルトは 固定 です。
	数値3で0を指定すると、最低保証音長は1となります。
	デフォルトは 0 です。
	数値1~3はそれぞれ省略出来ます。
	但し、数値2を指定する場合は数値1は必ず必要です。
	省略した場合は、数値1,3については値は指示されずに前の値を保留します。
	数値3のみ指定する場合は q,4 というように指定して下さい。
	実際は、Q コマンドで指定した、音を切る位置から、このコマンドで指定した
	数値1~2を引いたタイミング、それが数値3のタイミングを越えていた場合は
	数値3で指定されたタイミングでKeyoffされます。

[例] Q4 q2 c4
[結果] 4分音符の内部clockは C96では 24 ですから、

	24の半分、12から、2引いた値の 10 clock目で keyoff するようになります。

[例2] ql8,l16 c4 c8
[結果] c4の方は実際には c8 r8 相当となり、

	c8の方は最低発音長が有効となり、実際には c16 r16 相当となります。

[例3] q2-4 c4 c4 c4 c4
[結果] 発音毎に q2,q3,q4 の状態のどれかをランダムに選択します。

[補足] 音量/音程のランダム化についてはLFOのランダム波で行えます。(→§9-1-4)

	(例) M0,255,1,6MW3*2

[関連] Q コマンド (->§4-12)

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§4-14 転調指定

	_ __

[書式1] _ +数値
[書式2] _ -数値
[書式3] __ +数値
[書式4] __ -数値


[範囲] -128~+127


[音源] FM / SSG / PCM


	そこからの音程コマンドをすべて、指定数値分、半音単位で変化させます。
	_は絶対的な指定、__は相対的な指定になります。
	転調する際はもちろん、gliss等に便利なコマンドです。
	_M コマンド(→§4-16)が指定されている場合は、マスター転調値と
	ここで指定される転調値が加算されて設定されます。

[例] _-2[e__+1]8_0
[結果] dd+eff+gg+a

[関連] _M コマンド (->§4-16)

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§4-15 移調設定

	_{ }

[書式1] _{+ 音程1 音程2・・・}
[書式2] _{- 音程1 音程2・・・}
[書式3] _{= 音程1 音程2・・・}


[音源] FM / SSG / PCM


	移調の設定をします。
	指定したパートで、このコマンドを指定した後は、指定した音程に自動的に
	シャープ、フラット及びナチュラルを付加します。

[例1] _{-eab}
[結果] ミとラとシにフラットを自動付加する。(変ホ長調、ハ短調)

[例2] _{=eab}
[結果] 例1の設定を元に戻す。

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§4-16 マスター転調値設定

	_M

[書式1] _M +数値
[書式2] _M -数値


[範囲] -128~+127


[音源] FM / SSG / PCM


	パート毎でマスター転調値を設定します。
	このコマンドが認識されると、即時転調設定がされ、さらに
	これより後の _ コマンドによる転調値に、指定した数値が
	増減されるように設定されます。

[関連] _ __ コマンド (->§4-14)

	#Transpose コマンド (->§2-27)

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§5 [[[[ MMLコマンド・音量部 ]]]]

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	このセクションでは、音量に関するコマンドをまとめています。

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§5-1 音量指定1

	v

[書式] v 音量値


[範囲] 0~15 (SSG,SSGリズム音源パート)

	0~16	(FM,PCM音源パート)

[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ) / R選択 / R定義


	大雑把に音量を指定します。
	SSGリズム(K/R)パートでは、PPSDRVが常駐していない場合は無効となります。

[参考] FM音源の場合、v0~v16までが、以下のようなVコマンド値に変換されます。
v | 0| 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| 9| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16|
V | 85| 87| 90| 93| 95| 98|101|103|106|109|111|114|117|119|122|125|127|

	PCM音源の場合、以下のように変換されます。
	V(2) は #PCMVolume が Extend の場合です。

v | 0| 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| 9| 10| 11| 12| 13| 14| 15| 16|
V(1) | 0| 16| 32| 48| 64| 80| 96|112|128|144|160|176|192|208|224|240|255|
V(2) | 0| 1| 4| 9| 16| 25| 36| 49| 64| 81|100|121|144|169|196|225|255|

[例] v13
[結果] 音量を 13 にします。

[関連] #PCMVolume コマンド (->§2-19)

	V コマンド (->§5-2)

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§5-2 音量指定2

	V

[書式] V 音量値


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ) / R選択 / R定義


[範囲] 0~127 (FM音源パート)

	0~255	(PCM音源パート)
	0~15	(SSG音源,SSGリズム,PPZパート)

	細かく音量を指定します。
	K/Rパートでは、PPSDRVが常駐していない場合は無効となります。

[例] V120
[結果] 音量を 120 にします。

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§5-3 全体音量変化1

	v+ v-

[書式1] v+ 数値
[書式2] v- 数値


[範囲] + 0~127

	- 0~128

[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ) / R選択 / R定義


	パートのそこからの音量指定コマンドの音量を、すべて指定数値分
	増減させます。
	また、同時に現在の音量も指定数値分増減させます。
	( V コマンドを発行します)
	数値は、Vコマンドレベル(細かい値)で指定します。
	全体の音量を変えたい時に便利です。

[例1] v-8
[結果] そのパートのそこからの音量コマンドの音量値から、毎回 8 を減算します。

[注意] 同じパートで2度使用した場合は、2度目を指定した時点で1度目の指定は

	無効となります。(相対変化はしません。)

[例2] v-4 V100 c4 v-6 V100 d4
[結果] c4 は 音量 V96、d4 は 音量 V94 (V90ではない) となります。

[関連] V コマンド (->§5-2)

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§5-3 全体音量変化2

	v) v(

[書式1] v) 数値
[書式2] v( 数値


[範囲] 0~16


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	パートのそこからの音量指定コマンドの音量を、すべて指定数値分
	増減させます。
	音量変化1と違う点は、

1) 指定値が v コマンドレベル(おおまかな値)である。
2) v コマンドにのみ効果を発揮します。( V コマンドは変わりません )
3) 指定時に現在の音量を指定数値分増減しません。

	( 次の v コマンドからはじめて有効となります )
	の3つです。

[例1] v(2
[結果] そのパートのそこからの v コマンドの指定値から、毎回 2 を減算します。

[注意] 同じパートで2度使用した場合は、2度目を指定した時点で1度目の指定は

	無効となります。(相対変化はしません。)

[関連] v コマンド (->§5-1)

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§5-5 音量相対変化

	) (

[書式1] ) [^] [%] [数値]
[書式2] ( [^] [%] [数値]


[範囲] 0~255


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ) / R選択 / R定義


	音量を指定数値分、相対的に変化させます。
	) の場合は加算、 ( の場合は減算されます。
	数値が省略された場合、1 となります。
	^記号が追加された場合、変化させる音符を次の1つだけに制限します。
	(アクセント)
	%記号が追加された場合は細かく(Vコマンド相当)、
	そうでない場合は大雑把に(vコマンド相当)変化します。

[注意] 音量値は、% が指定されていなかった場合、単純に、

	FM 音源では 指定数値の 4倍
	PCM音源では 指定数値の16倍
	変化されるようになっています。
	ですから、FM音源部と、#PCMVolumeがExtend状態のPCM音源では、
	変化後期待した音量値よりずれが生じます。

[例1] v12 c ) c (FM音源部)
[結果] V117 c V121 c (v13より大きくなる)
[例2] v13 c ( c (FM音源部)
[結果] V119 c V115 c (v12より小さくなる)

[関連] V コマンド (->§5-2)

	v コマンド (->§5-1)

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§6 [[[[ MMLコマンド・音色指定部 ]]]]

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	このセクションでは、音色番号指定及び、音色定義に関するコマンド解説を
	まとめています。

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§6-1 音色番号指定

	@

[書式1] @[@] 音色番号
[書式2] @[@] 音色番号[,数値1[,数値2[,数値3]]]


[範囲] 音色番号 FM,PCM 0~255

	音色番号	SSG	0~9
	音色番号	SSGリズム	0~16383
	数値1		PCM	-32768~+32767
	数値2		PCM	-32768~+32767
	数値3		PCM	-32768~+32767

[音源] FM / SSG / PCM / R定義


	以後、指定された音色番号の音色を使用するように設定します。
	@@ と表記された場合は、音色番号に128が加算されます。
	(2つ目のPPZFile音色選択用の便宜)

§6-1-1 音色番号指定/FM音源パートの場合


	@ 音色番号 で使用する音色を指示します。

[例] @1 cde @2 fga
[結果] 音色番号1 の音色で ドレミ、音色番号2 の音色で ファソラ、を演奏します。

[注意] s コマンドで スロットをマスクしてある場合、そのパートでは

	指定されたスロットにしか音色は定義されません。
	s コマンドを使用した場合は、なるべく音色を再定義した方が安全です。

[関連] s コマンド (->§6-2)

	FM音色定義(@) (->§3-1)

§6-1-2 音色番号指定/SSG音源パートの場合


	@ 音色番号 で、MMLコンパイラ内部に用意してある、10種類のSSGソフトウエア
	エンベロープからセレクトして、E コマンドとして展開されます。
	展開される内容は以下の通りです。

@0 E0,0,0,0 標準
@1 E2,-1,0,1 Synth type 1
@2 E2,-2,0,1 Synth type 2
@3 E2,-2,0,8 Synth type 3
@4 E2,-1,24,1 Piano type 1
@5 E2,-2,24,1 Piano type 2
@6 E2,-2,4,1 Glocken/Malimba type
@7 E2,1,0,1 Strings Type
@8 E1,2,0,1 Brass type 1
@9 E1,2,24,1 Brass type 2
@10 以降は指定しないで下さい。

[例] @6v10l8 cegb>c<gec
[結果] 打楽器タイプのソフトウエアエンベロープでCM7のアルペジオを演奏する。

[関連] E コマンド (->§8-1)


§6-1-3 音色番号指定/SSGリズム定義パート(PPSDRV無し)の場合


	R パートでは、PMD内部に定義してあるSSGドラム音色のどれを使用するかを
	選択します。
	音色番号とリズム音の対応は以下の通りです。

@1 Bass Drum
@2 Snare Drum 1
@4 Low Tom
@8 Middle Tom
@16 High Tom
@32 Rim Shot
@64 Snare Drum 2
@128 Hi-Hat Close
@256 Hi-Hat Open
@512 Crash Cymbal
@1024 Ride Cymbal

	PMDB2/PMDVA/PMD86では、/N オプション(->PMD.DOC)が指定されていなければ、
	同時にリズム音源で適当な音が発音されるようになっています。
	その場合、各値を足し算すれば、いくつか同時に鳴っているように
	聞こえる風になります。(SSGリズム音は小さい番号の音色が優先されます。)

[例1] @2c
[結果] スネアドラムを鳴らします。

[例2] @129c
[結果] PMD.COMの場合は、@1のバスドラムが鳴ります。

	PMDB2/VA/86の場合は、上に加え、リズム音源のハイハットが同時に鳴ります。

§6-1-4 音色番号指定/SSGリズム定義パート(PPSDRVあり)の場合


	PDR,PPSDRVが常駐している場合は、SSGPCM音色を選択します。
	指定される音色番号は§6-1-3のSSGリズムの場合に加え、
	@2048 / @4096 / @8192 の3つが追加されます。
	音色番号とリズム音色の関係は、.PPS ファイルの内容によって変化します。
	PDRを #Double モードで再生している場合は、同時に2つまでの音を
	加算する事によって発音させる事が可能です。

[例] @4c
[結果] .PPSの3番目に定義されているSSGPCM音を発音します。


§6-1-5 音色番号指定/PCM音源パートの場合


	@ 音色番号 に加え、PMDB2/PMDVA/PMD86/PMDPPZでは、その後ろに、音色の
	リピートアドレスの設定を追加する事ができます。( ->§6-1 [書式2] )
	各値は、

数値1 リピート開始位置
数値2 リピート終了位置 (デフォルト0)
数値3 リリース開始位置 (デフォルト$8000) ※PMDPPZ,PMDPPZEでは無効

	となっていて、-32768~+32767までの値が指定出来ます。
	各値とも、正の値(+)を指定した場合、音色開始アドレスから加算、
	          負の値(-)を指定した場合、音色終了アドレスから減算
	されます。
	数値1が無指定の場合は、リピート設定されません。(ワンショットPCM)
	数値2が0or無指定の場合は、リピート開始位置~音色終了アドレス でのloopに
	なります。
	数値3が$8000or無指定の場合は、keyoffされても、
	リピート開始位置~リピート終了位置 のloopを保持します。
	各値は、
	PMD86/PMDPPZの場合	  1byte単位、
	PMDB2/PMDVAの場合	16byte単位で計算されます。
	ただし、PMD86に/Sオプション(->PMD.DOC)を指定していた場合は、
	32byte単位で計算されます。(ADPCM 16byte = PCM 32byteに対応するため)
	この場合、内部で32倍しているだけなので、各数値は-1024~+1023の範囲内で
	指定して下さい。

[例] PMDB2の場合

	@0の音色の大きさが4000bytesだったとすると、16byte単位で考えると
	音色開始アドレス = 0 / 音色終了アドレス = 250 という値になります。

J @0,100,-50,-50 g1

	の場合、以下の順に再生されます。

1) 先頭位置から、+200 (250 -|数値2|)の位置まで再生。
2) +100(数値1)から、+200(250 -|数値2|)の範囲がリピート再生。
3) keyoffされた瞬間に、+200(250 -|数値3|)~+250までの範囲が再生されて

	発声終了。

[補足] YM2608(PMDB2/PMDVA)のADPCMでリピート再生する場合、リピートする瞬間、

	次のデータの電圧差予測値が 0 にクリアされてしまうようです。
	これはハードの仕様のようで、どうすることもできません。
	このため、リピートさせた場合、リピートした瞬間に極端に音量が小さく
	なってしまう現象がしばしば起こります。
	その場合は、リピートアドレスをいろいろ変化させてみて下さい。
	コツとしては、まず、目的の音を鳴らしている最中にいきなり録音開始した
	データを使って、リピート時に音色の頭に戻すようにすれば、リピートの際
	音が小さくなる現象が出なくなります。
	その場合は、音色の音量の時間的変化はソフトウエアエンベロープを使用して
	表現して下さい。
	さらに、PCM波形を見ながら編集できるツールをお持ちでしたら、
	リピート開始位置と終了位置を、電圧±0に近い位置にし、さらに電圧変化が
	おとなしい場所を選ぶようにすれば、リピートする瞬間のノイズが
	軽減されるようですのでお試し下さい。

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§6-2 FM音源使用スロット位置指定

	s

[書式] s 数値


[範囲] 0~15


[音源] FM


	主にFM音源3chパートで使用し、演奏・定義に使用するスロット位置を
	指定します。
	数値は、そのパートで使用するスロットを、
	slot1 が 1 ,slot2 が 2 ,slot3 が 4 ,slot4 が 8 とし、
	合計した値を指定します。
	FM音源3chパートは、各スロット(4つあります)が、独立した演奏をする事が
	可能です。
	そこで、パートを複数用意し、このコマンドで使用スロットを指定する
	事によって、スロット毎に別のフレーズを演奏させる事が出来ます。

[例1] ALG4の音色を slot1,2 / slot3,4に分ける場合は、

#FM3Extend
C s3・・・
X s12・・・

	とする。
	このコマンドを指定後は、音色指定コマンド @ (->§6-1)では、
	使用しているスロットの音色パラメータのみが定義されるようになります。
	例外として、FB は、slot1が使用されている場合のみ定義され、
	            ALGは、無条件に必ず定義されます。
	よって、ALGの値さえ同じであれば、同じFM音源3chパートでもパート別で
	別音色番号を指定する事もできます。
	FM3音源ch以外のパートでこのコマンドを指定した場合は、単にそのスロット
	だけが鳴る事になります。(スロットマスク動作)

[注意1] s3 @200cde s15 fga

	としても、@200の音色はslot1,2しか定義されていませんので、
	fgaの部分の音色がおかしくなります。

[注意2] FM音源3chパート(PMD.COMで#FM3Extend無指定時のC~F、#FM3Extend指定時の

	Cパートと指定したパート)の使用スロットは重ならないようにして下さい。
	重なった場合の動作は保証しません。

[注意3] ALGは無条件に定義されますので、例えばALG6でslot 1,2と3と4 を分けて

	演奏中に、slot1,2を使っているパートがALG4の音色に変更すると、
	slot3および4の音色がおかしくなります。十分注意して下さい。
	ただしFBに関しては、slot1,2でFB=7の音を使っていて、slot3と4でFB=0の音を
	音色定義しても、FBは定義されませんので、slot1,2の演奏に影響は出ません。

[例2] PMD.COMの場合
; nm alg fbl
@202 004 007
; ar dr sr rr sl tl ks ml dt ams Trumpet *2

013 014 000 003 001 023 002 004 000 000	;slot1
019 003 000 010 000 000 001 008 000 000	;slot2
013 014 000 003 001 020 002 004 000 000	;slot3
019 003 000 010 000 000 001 004 000 000	;slot4

C s$3 ;slot1,2 only
D s$c ;slot3,4 only
CD @202v12M12,1,8,2*1
C o3l8W12,-2[[a4ga4>c4d4:c4<ba4g4]4:>c4<ab4g4]2>f4fg4 d4
D o3l8W12,-2[[e4ee4 a4b4:a4 ge4e4]4: a4 fg4d4]2>c4cd4<b4

[結果] アルゴリズム4で1チャンネルを2スロットずつ2つに分けて、

	和音を演奏させています。

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§6-3 FM音源TL値設定

	O

[書式1] O 数値1,数値2
[書式2] O 数値1,±数値2


[範囲] [数値1] 1~15

	[数値2]	[書式1]	0~127
		[書式2]	-128~+127

[音源] FM


	FM音色のTL値を直接設定します。
	音色のベロシティーによる変化を表現したい場合や、
	LFOのように周期的でなく、人間的なワウペダル制御を表現したい場合に
	有効です。
	数値1は、
	slot1 が 1 ,slot2 が 2 ,slot3 が 4 ,slot4 が 8 とし、
	合計した値を指定します。
	数値2は、設定するTL値です。
	+または-を指定した場合(書式2)は、現在の値から相対的に変化します。

[例1] O3,10
[結果] slot 1 と 2 のTL値を 10 にします。

[例2] O5,-2
[結果] slot 1 と 4 のTL値を -2 します。

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§6-4 FM音源FB値設定

	FB

[書式1] FB 数値1
[書式2] FB ±数値2


[範囲] [数値1] 0~7

	[数値2]	-7~+7

[音源] FM


	FM音色のFB値を直接設定します。
	O コマンドは TL値を制御するのに対し、このコマンドは FB値を制御する
	他は、使用用途なども O コマンドに準じます。
	指定する数値は、設定するFB値です。
	+または-を指定した場合(書式2)は、現在の値から相対的に変化します。

[例1] FB3
[結果] 現在のFM音色の FB値 を 3 にします。

[例2] FB-2
[結果] 現在のFM音色の FB値 を 現在の値から -2 します。

===============================================================================

§6-5 SSG / OPM トーン・ノイズ出力選択

	P

[書式] P 数値


[範囲] 1~3


[音源] FM(OPM) / SSG


	FM音源(OPM)のHパートのslot4、SSG音源のトーン・ノイズの出力を選択します。

・ SSG音源パートに指定した場合

	1	tone (デフォルト)
	2	noise
	3	tone + noise

・ FM音源(OPM)の Hパートに指定した場合

	1	tone (デフォルト)
	2	noise

[例1] P3 (SSG音源)
[結果] そこからの音を、tone と noise を mix して出力します。

===============================================================================

§6-6 ノイズ周波数設定

	w

[書式1] w 数値
[書式2] w ±数値


[範囲] [書式1] 0~31

	[書式2]	-31~+31

[音源] FM(OPM) / SSG


	FM音源(OPM)のHパートのslot4、SSG音源のノイズの周波数を設定します。
	数値は、大きいほど周波数の低い音になります。
	+または-を表記した場合、現在の値から相対的に変化します。
	これで周波数を設定しても、PコマンドでノイズがONになっていないと、
	ノイズは鳴りません。

[注意] SSG音源パートでこのコマンドを実行する際に、SSGドラム等のSSG効果音が発音

	されていた場合は、その場では設定せず、発音終了後の最初のKeyonの時に
	設定されるようになっています。
	それまではSSG効果音のノイズ周波数の変化の影響を受けてしまうので、
	なるべくなら SSGノイズは SSG効果音によって消される、I パートのみで
	使用していた方が無難です。

[例1] w31
[結果] ノイズ周波数を最低音の31に設定します。

[関連] P コマンド (->§6-5)

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§6-7 リズムパターン選択・演奏

	R

[書式] R 数値


[範囲] 0~255


[音源] R選択


	リズム定義パート(R)によって、指定した数値の番号に定義されている
	リズムパターンを鳴らします。

[例] R0R0R0R1
[結果] R0のパターンを3回演奏し、R1のパターンを1回演奏します。

[関連] リズムパート(K/R)の使用方法 (->§1-2)

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§7 [[[[ MMLコマンド・デチューン部 ]]]]

===============================================================================

	このセクションでは、音程を微妙に変化させるデチューンコマンド関連の
	解説をまとめています。

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§7-1 デチューン設定

	D DD

[書式1] D 数値
[書式2] DD 数値


[範囲] -32768~+32767


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	デチューン(周波数をずらす値)を設定します。
	D  コマンドは、デチューン値を絶対指定し、
	DD コマンドは、現在のデチューン値から相対的に変化させます。
	デチューン値のデフォルトは 0 です。
	SSG音源の場合は、#Detune または DX コマンドによって、同じ値でも
	かかり具合が変わってきます。
	#Detune Normal または DX0 の状態では、FM音源LSIに出力する値を
	そのまま、例えば+1なら+1、ずらします。
	#Detune Extend または DX1 の状態では、どのオクターブでも、同じ値ならば
	同じ程度ずれるように補正されます。ただし、0でない場合(例えばD1)は、
	最低必ず1はずれるようになっています。
	PCM音源、FM音源の場合は、そのままFM音源LSIに与える音程値に加減算
	されます。
	DM コマンド(→§7-6)が指定されている場合は、マスターデチューン値と
	ここで指定されるデチューン値が加算されて設定されます。

[例]
G D0 v13 o5g1
H D1 v13 o5g1
[結果] GパートとHパートで、微妙に周波数が違う音が重なって発音されます。

[注意] DD コマンドを実行する事によって、デチューン値が+32767を越える、もしくは

	-32768を下回る場合のチェックはしていません。

[関連] DX コマンド (->§7-3)

	#Detune コマンド (->§2-16)
	DM コマンド (->§7-6)

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§7-2 FM音源3chパートのスロット毎デチューン指定

	sd sdd

[書式1] sd スロット番号 , 数値
[書式2] sdd スロット番号 , 数値


[範囲] スロット番号 1~15

	数値		-32768~+32767

[音源] FM(3ch)


	FM音源3chパートのみ指定が可能で、スロット毎のデチューン値を設定します。
	sd  コマンドは、デチューン値を絶対指定し、
	sdd コマンドは、現在のデチューン値から相対的に変化させます。
	スロット番号でスロットを指定し、数値でデチューン値を指定します。
	スロット番号は、slot1 が 1 ,slot2 が 2 ,slot3 が 4 ,slot4 が 8 とし、
	合計した値を指定します。
	D コマンドと同時に使用する事も可能で、その場合は、指定パートの
	使用している全スロットに D コマンドのデチューン値を加減算した後、
	このコマンドで指定したスロットの音にデチューンが掛かります。
	デフォルトでは全てのスロットが0になっています。

[注意] すべてのFM音源3chパートで、共通の値を使用します。

	例えば PMD.COMで、CパートでSlot1,2、 DパートでSlot3,4を演奏中に、
	Cパートで sd8,+10 とすると、Dパートで演奏している音色のSlot4に
	+10のデチューンが掛かります。
	このような現象を避ける為に、演奏スロット以外にはsdは指定しないように
	して下さい。また、変更後に途中で演奏スロットを変更する場合は、
	演奏しなくなるスロットのデチューン値を0に戻すようにする必要があります。

[例] sd6,-4
[結果] スロット2と3に、-4のデチューンを掛けます。

[関連] s コマンド (->§6-2)

	D DD コマンド (->§7-1)

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§7-3 SSG音源音程補正指定

	DX

[書式] DX 数値


[範囲] 0~1


[音源] SSG


	SSG音源の音程の補正をするかしないかを選択します。
	数値が0の場合、DETUNE/LFO使用時、1ずれると、音源に送る音程値も必ず
	1ずれるようになります。(同じDETUNE値でも高音域になるとずれが大きくなる)
	数値が1の場合は、高音域にいけばいくほどずれが小さくなるようにし、
	同じDETUNE/LFO値ならどの音程でも同程度ずれるように補正します。
	#Detuneと同じ機能ですが、これで指定するとパート毎に変更が可能です。
	デフォルトは0です。

[例] DX1
[結果] その後のデチューン値を音程毎に補正する。

[関連] #Detune コマンド (->§2-16)

	D DD コマンド (->§7-1)
	M MA MB コマンド (->§9-1)

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§7-4 ベンド幅設定

	B

[書式] B 数値


[範囲] 0~255


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	MIDIライクなベンド幅を設定します。#Bendrangeと同様です。
	半音単位で、0~255までの設定が可能です。
	0以外の値を書くと、I コマンド が有効になります。
	この値は、パートを跨って持ち越されます。
	例えば、Cパートで B12 とだけ設定した場合は、ABパートではベンド幅は
	設定されませんが、Cパート以降 (CDEFGHIJ+#FM3Extendのパート)では
	全て設定されている事になります。
	ただし、#Bendrangeで設定した場合は全てのパートで有効です。

[注意] ベンド幅の設定をした時点で、I コマンド(->§7-5)の項で示す注意点が有効に

	なる上、MMLが非常に見づらくなるので、MIDIデータからのコンバートの際
	以外では使わない方が無難でしょう。

[例] B12
[結果] I 8192 で 丁度 1オクターブずれるようにベンドレンジを設定します。

[関連] #Bendrange コマンド (->§2-15)

	I コマンド (->§7-5)

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§7-5 ピッチ設定

	I

[書式] I 数値


[範囲] -32768~+32767


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	MIDIライクなPITCH値を設定します。
	±8192でベンド幅分周波数をずらします。
	#Bendrange、または B コマンドでベンド幅を設定しない限りは
	無効になります。

[注意1] 正確にピッチ設定されるのはFM音源だけです。

	SSG/ADPCMパートではそれなりに上下されますが、使わない方が無難です。

[注意2] ベンド幅が設定されて、このコマンドが有効になると、PITCH/DETUNEの値は、

	指定後、次に音程コマンドが来た時点で初めて設定されます。

[例1]
A B2I0[cdeI8192fga]2
[結果]
A B2[I0cdeI8192fga]2

	と同じになります。
	また、"D"コマンドも同様に影響を受けます。

[例2]
A B0D10[cdeD0]2 とした場合は、そのままの形で
[結果]
A D10 cdeD0 cdeD0 と演奏されますが、

[例3]
A B2D10[cdeD0]2 とした場合は、
[結果]
A D10cdeD0 D10cdeD0 と演奏されますので、充分注意して下さい。

[例4]
A B12o4l8 I0cI1000cI2000cI3000cI4000cI5000cI6000cI7000cI8192c
[結果] オクターブ4のcから、オクターブ5のcまで、徐々に音程を上げていきます。

[関連] #Bendrange コマンド (->§2-15)

	B コマンド (->§7-4)
	D DD コマンド (->§7-1)

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§7-6 マスターデチューン設定

	DM

[書式] DM 数値


[範囲] -32768~+32767


[音源] FM / SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	パート毎でマスターデチューン値を設定します。
	このコマンドが認識されると、即時デチューン設定がされ、さらに
	これより後の D コマンドによるデチューン値に、指定した数値が
	増減されるように設定されます。

[関連] D DD コマンド (->§7-1)

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§8 [[[[ MMLコマンド・エンベロープ部 ]]]]

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	このセクションでは、SSG/PCMの音を変化させる、ソフトウエアエンベロープ
	関連のコマンドについて解説します。

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§8-1 SSG/PCM ソフトウエアエンベロープ指定

	E

[書式1] E 数値1 , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式2] E 数値1 , 数値2 , 数値3 , 数値4 , 数値5 [, 数値6]


[音源] SSG / PCM(AD,86,PPZ)


[範囲] [書式1] 数値1 0~255

		数値2	-15~+15
		数値3	0~255
		数値4	0~255
	[書式2]	数値1	0~31
		数値2	0~31
		数値3	0~31
		数値4	0~15
		数値5	0~15
		数値6	0~15

	ソフトウエアエンベロープを設定します。(OPN/OPNAのSSG/ADPCMパート専用)
	2種類のエンベロープを選択出来ます。ただし同時には使用できません。
	指定数値が4つの場合は書式1、5または6個の場合は書式2と
	扱われます。
	#Envelopespeed Normal または EX0 の場合は、速度はテンポに依存します。
	#Envelopespeed Extend または EX1 の場合は、速度は一定となります。

§8-1-1 ソフトウエアエンベロープ指定/書式1の場合


	PMD独自の簡易エンベロープ指定方法です。
	数値1 = Attack Length (AL)
	数値2 = Decay Depth   (DD)
	数値3 = Sustain Rate  (SR)
	数値4 = Release Rate  (RR)
	#Envelopespeed Normal または EX0 の場合は、1クロック = 1内部クロック
	#Envelopespeed Extend または EX1 の場合は、1クロック = 約 56 Hz
	とし、以下のように変化していきます。

1. Keyon後、設定されている音量で、ALクロック分待ち、その後

	DDを音量に加減算します。

2. SRクロック毎に、音量を -1 していきます。

3. Keyoffされたら、RRクロック毎に、音量を -1 していきます。

	SR= 0 の時は、2.の際、音量減衰はしません。
	RR= 0 の時は、3.の際、音量は一気に0になります。

[例] C96 EX0 E1,-2,2,1 v13 l16 gr
[結果] 音量は、以下のように変化していきます。

	13 11 11 9 9 7 7 6 5 4 3 2
	↑keyon        ↑keyoff

§8-1-2 ソフトウエアエンベロープ指定/書式2の場合


	FM音源とほぼ同様の指定方法です。
	数値1 = Attack  Rate  (AR)
	数値2 = Decay   Rate  (DR)
	数値3 = Sustain Rate  (SR)
	数値4 = Release Rate  (RR)
	数値5 = Sustain Level (SL)
	数値6 = Attack  Level (省略時0)
	Attack Levelは、アタックの開始されるレベルを指定します。
	同様といっても、速度的に同一という訳ではないので注意してください。
	特に#Envelopespeed Normal または EX0の場合は、速度はテンポに依存します。
	パラメータの意味はFM音源のマニュアルなどを参照して下さい。

[例] E31,18,4,15,2
[結果] ピアノタイプのエンベロープを設定します。


[関連] #Envelopespeed コマンド (->§2-18)

	EX コマンド (->§8-2)

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§8-2 ソフトウエアエンベロープ速度設定

	EX

[書式] EX 数値


[範囲] 0~1


[音源] SSG / PCM(AD,86,PPZ)


	数値が1の場合 E コマンドによるエンベロープをテンポに依存しない
	一定速度にする拡張仕様に変更します。
	0の場合はテンポに依存します。(テンポが遅くなればエンベロープも遅くなります)
	#EnvelopeSpeedと同じ機能ですが、こちらで指定するとパート毎に変更が
	可能です。
	デフォルトは0です。

[例] EX1
[結果] 指定パートのエンベロープをそこからテンポに依存しないようにします。

[関連] #Envelopespeed コマンド (->§2-18)

	E コマンド (->§8-1)

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§9 [[[[ MMLコマンド・LFO部 ]]]]

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	このセクションでは、LFO(低周波発振器)関連のコマンドの解説を
	まとめています。
	LFOとは、FM/SSG/PCMの音程/音量及び、FM音源のTL値を時間的に変化
	させることにより、主に音程の場合はビブラート、音量の場合はトレモロ、
	TL値の場合はワウワウといった効果を出す為に使われます。
	また、様々な波形が用意されているので、特にランダム波などは、効果音的な
	音に加工するのに便利です。

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§9-1 ソフトウエアLFO指定

	M MA MB

[書式1] M 数値1
[書式2] M l音長[.]
[書式3] M 数値1 , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式4] M l音長[.] , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式5] MA 数値1
[書式6] MA l音長[.]
[書式7] MA 数値1 , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式8] MA l音長[.] , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式9] MB 数値1
[書式10]MB l音長[.]
[書式11]MB 数値1 , 数値2 , 数値3 , 数値4
[書式12]MB l音長[.] , 数値2 , 数値3 , 数値4


[範囲] [数値1] 0~255

	[数値2]	0~255
	[数値3]	-128~+127
	[数値4]	0~255
	[音長]	1~255のうち、全音符長の約数となる値

[音源] FM / SSG / PCM(AD,PPZ)


	ソフトウエアLFOを指定します。
	PMDは、ソフトウエアLFOは2つあり、それぞれ独立して使用することが
	出来ます。
	M または MA で、1つめのLFO(以下LFO1)を、
		 MB で、2つめのLFO(以下LFO2)を指定します。
	指定される数値は以下の通りです。
	数値1 = delay
	数値2 = speed
	数値3 = depthA
	数値4 = depthB
	delay のみ単独で指定すると、現在のdelay値のみ変更します。
	delayは、lを付加した場合は音長、付加しない場合は内部クロックの
	値で設定します。
	LFO速度は、
	#LFOSpeed Normal または MX0 の場合、テンポに依存されます。
	#LFOSpeed Extend または MX1 の場合、一定速度となります。
	LFO波形は、MWコマンドで指定したものによります。
	波形によって、各数値の意味は微妙に異なってきます。
	#LFOSpeed Normal または MX0 の場合は、1クロック = 1内部クロック
	#LFOSpeed Extend または MX1 の場合は、1クロック = 約 56 Hz
	とし、以下説明のように変化していきます。
	以下の解説で表記される、MX MW * の各コマンドはそれぞれ指定したLFOを
	変化させるコマンド(MBなら MXB MWB *B) と受け取って下さい。

§9-1-1 ソフトウエアLFO指定/MW0の場合 (三角波1)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) speed クロック毎に、音程/音量の変化量に depthA を加算する。
3) 2)をdepthB 回繰り返す。255が設定されている場合は無限回とする。
4) depthAを正負反転し、初めて反転した時はdepthBを2倍する。
5) 2)に戻る。

9-1-1.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed × depthB (パラメータ2 × パラメータ4)
B~D (深さ) : depthA × depthB (パラメータ3 × パラメータ4)


§9-1-2 ソフトウエアLFO指定/MW1の場合 (ノコギリ波)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) speed クロック毎に、音程/音量の変化量に depthA を加算する。
3) 2)をdepthB 回繰り返す。255が設定されている場合は無限回とする。
4) 音程/音量の変化量を正負反転し、初めて反転した時はdepthBを2倍する。
5) 2)に戻る。

9-1-2.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed × depthB (パラメータ2 × パラメータ4)
B~D (深さ) : depthA × depthB (パラメータ3 × パラメータ4)


§9-1-3 ソフトウエアLFO指定/MW2の場合 (矩形波)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) 音程/音量の変化量を depthA×depthB とする。
3) speed クロック分待つ。255ならそのまま変化しない。
4) 音程/音量の変化量を正負反転する。
5) 3)に戻る。

9-1-3.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed (パラメータ2)
B~D (深さ) : depthA × depthB (パラメータ3 × パラメータ4)


§9-1-4 ソフトウエアLFO指定/MW3の場合 (ランダム波)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) 音程/音量の変化量を 0~±(depthA×depthB) 中のランダムな値とする。
3) speed クロック分待つ。255ならそのまま変化しない。
4) 2)に戻る。

9-1-4.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed (パラメータ2)
B~D (深さ) : 0~±( depthA × depthB )

		 ( 0~±(パラメータ3 × パラメータ4) )

§9-1-5 ソフトウエアLFO指定/MW4の場合 (三角波2)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) speed クロック毎に、音程/音量の変化量に depthA を加算する。
3) 2)をdepthB 回繰り返す。255が設定されている場合は無限回とする。
4) depthAを正負反転する。MW0と違い、depthBはここで変化させない。
5) 2)に戻る。

9-1-5.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed × depthB (パラメータ2 × パラメータ4)
B~D (深さ) : depthA × depthB (パラメータ3 × パラメータ4)

[補足] MW0の三角波1では、-(depthA×depthB) ~ +(depthA×depthB) の範囲の

	三角波になりますが、MW4では、0 ~ +(depthA×depthB) の範囲となります。
	この三角波2は、主に音量LFO(トレモロ/ワウワウ)に使用するのに
	有効です。
	音程LFOでは、ギターのアームの動作のシミュレート等に適します。

§9-1-6 ソフトウエアLFO指定/MW5の場合 (三角波3)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) speed クロック毎に、音程/音量の変化量に depthA×|depthA| を加算する。
3) 2)をdepthB 回繰り返す。255が設定されている場合は無限回とする。
4) depthAを正負反転し、初めて反転した時はdepthBを2倍する。
5) 2)に戻る。

9-1-6.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed × depthB (パラメータ2 × パラメータ4)
B~D (深さ) : depthA × |depthA| × depthB

		 (パラメータ3 × |パラメータ3| × パラメータ4)

[補足] より深い三角波です。

[注意] LFO変化量の取りうる幅は、-32768~+32767までです。

	処理を軽減するため、この範囲を越えた場合のcheckはしていませんので
	注意して下さい。

[例] M0,1,32,64 MW5 *1

	上の例の場合、1clock毎に 32×32 = 1024 ずつ変化しますが、
	32768/1024 = 32clock で +32768に達するため、それ以上の長さの音符を
	鳴らすと、音が裏返ってしまいます。

§9-1-7 ソフトウエアLFO指定/MW6の場合 (ワンショット)


1) Keyon後、delay クロック分待つ。
2) speed クロック毎に、音程/音量の変化量に depthA を加算する。
3) 2)をdepthB 回繰り返す。255が設定されている場合は無限回とする。
4) くり返しが終わった状態を維持し続ける。

9-1-7.png

A~B (長さ) : delay (パラメータ1)
B~C (長さ) : speed × depthB (パラメータ2 × パラメータ4)
B~D (深さ) : depthA × depthB (パラメータ3 × パラメータ4)

[補足] 音量LFOに使用し、一時的に持続音色を減衰音にしたいといった場合に

	使うと便利です。
	また、使い方によっては、トランペットの発音後のフェードイン効果等にも
	利用できます。

[注意1] このコマンドは、値を指定するだけで、実際にはLFOは掛かりません。

	* コマンドにより、LFOをONにして初めて掛かり始めます。
	ただし、既にLFOがONになっている場合は、この限りではありません。

[注意2] このコマンドを処理すると、タイで繋げている途中や、keyon非同期の

	LFOスイッチが設定されていても、その場でそれまでのLFOは初期化され、
	次の音符はdelay値の影響を受けます。

[例] MW0 M24,1,8,2 *1
[結果] delay 24、speed 1、depth 8×2 の三角波LFOを1つ目のLFOに

	設定します。

[関連] #LFOSpeed コマンド (->§2-17)

	MX MXA MXB コマンド (->§9-5)
	MW MWA MWB コマンド (->§9-2)
	* *A *B コマンド (->§9-3)

===============================================================================

§9-2 ソフトウエアLFO波形指定

	MW MWA MWB

[書式1] MW 数値
[書式2] MWA 数値
[書式3] MWB 数値


[範囲] 0~5


[音源] FM / SSG / PCM(AD,PPZ)


	LFOの波形を設定します。
	MWA/MWB はそれぞれLFO1/LFO2の設定となります。
	MW は MWA と同等です。
	指定される数値は以下の通りです。実際の掛かり方については、
	M MA MB コマンドの解説を参照して下さい。
	0	三角波1	(default)
	1	ノコギリ波
	2	矩形波
	3	ランダム波
	4	三角波2
	5	三角波3
	6	ワンショット

[例] MW2
[結果] そこからのソフトウエアLFO1を矩形波とします。

[関連] M MA MB コマンド (->§9-1)

===============================================================================

§9-3 ソフトウエアLFOスイッチ

	* *A *B

[書式1] * 数値1[,数値2]
[書式2] *A 数値1[,[B] 数値2]
[書式3] *B 数値1[,A 数値2]


[範囲] 0~7


[音源] FM / SSG / PCM(AD,PPZ)


	ソフトウエアLFOのオン/オフ及びkeyon同期を制御します。
	デフォルトでは、数値1がLFO1、数値2(省略可)がLFO2への制御値に
	なりますが、* または , の後に A または B の記号を記せば、対象を変更
	することが出来ます。
	指定する数値の意味は以下の通りです。
	数値=0		 LFO を off (デフォルト)
	数値=1	音程     LFO を on、keyon同期 する
	数値=2	音量     LFO を on、keyon同期 する
	数値=3	音程&音量LFO を on、keyon同期 する
	数値=4		 LFO を off
	数値=5	音程     LFO を on、keyon同期 しない
	数値=6	音量     LFO を on、keyon同期 しない
	数値=7	音程&音量LFO を on、keyon同期 しない

[例1] *1
[結果] LFO1の対象を音程、keyon同期で ON とします。

	LFO2には影響はありません。

[例2] *0,2
[結果] LFO1をOFFにし、LFO2の対象を音量、keyon同期で ON とします。

[例3] *B5
[結果] LFO2の対象を音程、keyon非同期で ON とします。

	LFO1には影響はありません。

[注意1] FM音源に音量LFOを掛ける場合、実際にTLに掛かるLFO変動値は

	正負反転されます。よって、LFOが+の場合は音量が上がる(TL値が下がる)
	ようになります。対象SLOTを変更して、ワウワウ効果にしても同様なので
	注意して下さい。

[注意2] PCM(86)パートは、音程LFOは掛かりません。

[注意3] リズム(K/R)パートでは、PDRの動作モード制御コマンドとなります。

[注意4] 音程LFOも音量LFOも、同じLFOパラメータ(M MA MBコマンドで設定したもの)

	を使用します。同時に、違うパラメータで使用したい場合は、
	LFO1/LFO2で分けて使用して下さい。

[注意5] *B1,B2 といった重複指定をした場合、前の B1 の部分は無視され、*B2 と

	同じ意味になります。

[関連] M MA MB コマンド (->§9-1)

	* コマンド (PDR動作モード制御、->§15-2)

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§9-4 ソフトウエアLFOスロット指定

	MM MMA MMB

[書式1] MM スロット番号
[書式2] MMA スロット番号
[書式3] MMB スロット番号


[範囲] 0~15


[音源] FM


	FM音源パートにのみ有効で、ソフトウエアLFOの効果を反映させる
	スロット番号を設定します。
	FM3chパートの場合は音程・音量とも、
	それ以外のFMチャネルでは音量LFOのみが指定対象となります。
	MMA はLFO1、MMB はLFO2の設定になります。
	MM は MMA と同等です。
	指定する数値は、slot1を 1、slot2を 2、slot3を 4、slot4を 8として、
	合計値で設定します。
	例えばslot2,4にLFOを効かせたい場合は MM10 と指定します。
	0を指定すると、
	音量LFOの効果は、音色のキャリア位置のスロットに反映
	音程LFOの効果は、総てのスロットに反映
	となります。 (デフォルト)

[例] MM3
[結果] LFO1の効果を slot1 と slot2 へ反映させます。

[注意] 0 以外を指定した場合、音色が変更されてもこの値は元のままです。

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