外交考察:AIの宣戦考察

Last-modified: 2017-08-11 (金) 07:42:36

この記事をご覧になっている皆様はCiv4でシングルゲームをプレイしている時、内政や戦争は勿論重要ですが
それと同じくらい「AI文明との外交」も重要な課題になっていると思います
一体誰と付き合うか、誰をハブくか、誰を仮想敵とすべきか…
こういった外交の概念をダイナミックに表現していることは、Civ4の魅力の一つだと思います。


しかし、そうしたプレイ中において「AI文明の戦争準備(手一杯)」には頭を抱えるプレイヤーの方も多いのではないでしょうか
「折角調子良く内政できてたのに、戦争屋に戦争されて全部台無しだよ!」
そういった事案で泣きを見るハメになった方は多い、というより恐らくCiv4プレイヤーなら誰もが通る道だと思います
そういった中で、もしも「AI文明の手一杯対象を何となくでも察することが出来れば」と思った方はいるのではないでしょうか?


もし、この手一杯が第三国に対するものだと確信できれば構わずヌクれるのに
もし、この手一杯が自国に対するものなら事前に返せる程度の軍備を敷くのに


もしも対象を察することが出来れば、こういった柔軟な対応をプレイ中に可能とすることが出来ると思います
このページでは、そういった外交を可能とするための判断材料となるであろう
「AI文明が戦争準備状態、及び戦争へと移行する際のプロセス」を紹介しようと思います
また、このwikiはCiv4MOD「東方叙事詩」専用のwikiなので当然、東方叙事詩プレイヤー向けのものとなっていますが
東方叙事詩とバニラCiv4BtSでは具体的なAIの思考は(スペル関連以外は)差は無いため
プレイ環境がバニラであってもこのページに記載されている事象に関しては互換性はあると思います


このページは本家Civ4ペリク鯖wiki「Fanatics'抄訳/AIの宣戦メカニズム」のページに書いてある情報を元に
更に一部、筆者なりの経験則による注釈を加えたものとなります
よって、この記事の内容は正確なものである保証はないことは留意して頂きたく思います








注意!
このページは性質上、Civilization4における解析データの紹介がメインとなるため
そういった情報が嫌な方はブラウザバックを押すことをお勧めします


長い。三行で





1.基本的にAIは、用心している以下の相手になると宣戦率が跳ね上がる
2.ある程度の難易度になってくると、(特に序盤は)軍事力で宣戦を諦めさせるのは非現実的となる
3.通称10Gせびりは、気付いたらすぐにやれ。手遅れになると解除不能になる



はじめに

まずはじめに、こちらのCiv4用ツールの紹介をさせていただきます


鈴庭置き場 様 https://sites.google.com/site/suzuniwa/
Civ4置き場 内にある 「Civ4AutoChart120.zip」


autochart.png


上記画像のような感じで、Civ4における「具体的な指導者データ」を閲覧出来るソフトです
非常に多機能であり、バニラは勿論MODにも対応した素晴らしいツールとなっています
当ページは、このCiv4AutoChartを使用した時の【戦争:タブ内のデータが
ゲーム中でどのように使われているかの解説がメインとなります

モデルケース紹介、及びデータの見方の解説

まず当ページにおいてモデルケースとなってくださる指導者の紹介です


remilia_button.gif「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」


こちらにおわすのが最近すっかりギャグ要員として定着しているレミリアお嬢様でございます
ちなみに使用データは統合MOD版のものを使用しており
統合MOD版の場合はフランほどキレやすいわけではないものの、決して温厚ではない部類…
要は、普通の戦争屋という感じの指導者になっています


当ページでは以後、データの説明において「レミリアの場合は」という仮定を前提に解説していきます
レミリアお嬢様がおキレあそばされるまでの具体的な工程をじっくり見ていきましょう


remilia.png


上記画像はCiv4AutoChartでレミリアのデータを表示した際の【戦争】タブ内で表示される数字と
実際の内部データからどの値を読み込んでいるかを示しています
以下、具体的にこの値をどうゲーム中で使用しているのかについて説明します





AIの戦争とは ~ 戦略的要因宣戦

AIの宣戦布告は、大きく分けて2種類あります
1つは、恐喝の拒否や他国からの参戦要求、ランダムイベントなどが原因である【外交的要因による宣戦】
もう1つは、自発的に戦争の準備をし、そして実際に行動に移す【戦略的要因による宣戦】
の、2種類です
【外交的要因による宣戦】も宣戦布告には違いないため、これも重要なのですがこちらはひとまず置いといて
今回詳細に解説するのはもう片方の【戦略的要因による宣戦】となります




【戦略的要因による宣戦】は更に3種類に大別することができます


・全面戦争
・限定戦争
・便乗宣戦


「この3種類による具体的な違い、ってなによ?」と、思われるかもしれません
が、実はこの3種類は手一杯フラグが立つまでの判定の違いくらいしか目に見えた違いは無く
実際に戦争状態に陥った後は殆ど大差はありません*1
そしてAI文明は戦争中または戦争準備中ではなく、かつ財政危機に陥っていなければ毎ターン、開戦判定を行います
まず最初に全面戦争判定、その判定の結果が否であれば限定戦争判定、全面・限定共に否であれば最後に便乗宣戦判定
そしてこの3種類いずれもが否であれば手一杯フラグは立たず、次のターン開始時に同じ判定を繰り返します


以下ではこの「3種類の判定」について、具体的にどのような判定を行っているかについて解説します



戦意値決定



まず最初に決定する値*2
0から99までの値がランダムで生成される。1ターンに1回だけ判定が行われる数値であり、以下の3種類の宣戦判定全てに用いられます
今すぐには使わないものの、この値は後に重要な要素となることを覚えておいてください


remilia_button.gif「今回のテストケースでは、戦意値を仮に70であるものとするわ」

戦意値の補正について



先ほど決定された0~99までの「戦意値」ですが、実は後に判定に用いる数値や特定のオプション次第で数値に補正が加わります
実際にレミリアお嬢様の戦意値:70であると仮定した上で、どのような補正が加わっていくか見てみましょう

判定要素変動値実際の数値
素の戦意値70
「攻撃的なAI」オプションがオンになっている場合、戦意値に+10を足す+10仮にオンになっている場合は
以下の判定全てに+10を足した値とする
全面戦争iMaxWarRandの値が100以下の場合、戦意値に+10を足す
レミリアの場合は当該値100のため該当しない
70
限定戦争限定戦争判定の場合、戦意値から-10を引く-1060
iLimitedWarRandの値が100以下の場合、戦意値に+10を足す
レミリアの場合は当該値80のため該当する
+1070
便乗参戦便乗参戦判定の場合、戦意値から-20を引く-2050
iDogPileWarRandの値が100以下の場合、戦意値に+10を足す
レミリアの場合は当該値50のため該当する
+1060


全面戦争

参照データ
remilia_button.gif「もう頭にきたわ!カリスマを取り戻してやる!戦争だ!」


1.まずAIは上記にもあるとおり、毎ターン最初にこの判定を行います
iMaxWarRandの値を最大、0を最小とするダイスを1つ振り、0が出た場合は全面戦争の考慮(決定ではない)に入ります
レミリアお嬢様の場合はiMaxWarRandの値が100なので、1/100の確率で全面戦争の考慮に入る*3と考えても良いでしょう


2.1の判定に成功すると、次は宣戦布告の対象を誰にするかの判定に移ります
この判定は4つのプロセスに分かれており、どこかの段階で判定が通った対象文明が出た場合は以降の段階は省かれます

態度判定 まず最初に全文明に対し、戦意値決定の項で決定された数字とNoWarAttitudeProbの値を比較する
     戦意値の値が大きければ以下のA~Cの判定に移り、NoWarAttitudeProbの値が大きければ以後の判定からは省かれる
     
     今回のレミリアの場合は
     
     戦意値:70
     親しみを感じている:100
     不満は無い:90
     用心している:50
     いらだっている:10
     怒っている:0
     
     となっているため、【親しみ】【不満は無い】の相手は判定から除かれ
     【用心】【いらだち】【怒っている】の相手は判定の対象となる
     
     簡単に考えたい場合、NoWarAttitudeProbの値=「この確率で宣戦回避できる値」と考えてもいい
     
     
判定A   まずは「隣接する文明」のみに対して判定を行う
     この「隣接しているか、否か」に関してはiMaxWarMinAdjacentLandPercentの値を参照する
     iMaxWarMinAdjacentLandPercentの値が大きいほど隣接判定には寛容であり
     小さいほど少しでも国境線を接していると対象を隣接国とみなす
     ちなみに0の場合は陸路で到達可能でありさえすれば隣接扱いとする
     
     レミリアの場合はiMaxWarMinAdjacentLandPercentの値は1であり、この判定は通しやすい部類に入る
     
     この判定AではiMaxWarNearbyPowerRatioの値を用いる
     (3/2*自国軍事力*iMaxWarNearbyPowerRatio)/100の値を対象国軍事力と比較し
     判定値の方が大きい場合は宣戦の対象とする
     よく「モンテスマは自国軍事力の1.3倍強力な相手にも噛み付く」と言われているが
     それはこのiMaxWarNearbyPowerRatioの値が、モンテスマの場合は130となっているため
     (ただし事前に3/2の値を自国軍事力に掛けているらしいため、厳密に言うともっと上だと思われる)
     レミリアの場合はiMaxWarNearbyPowerRatioの値は100となっているため、自国軍事力と同等くらいならば対象とする
     
     
判定B   判定Aに失敗した場合、次に陸路で到達可能な文明全てを対象として再度判定を行う
     もしもモデルケースであるレミリアが孤島に配置されている場合は、他国全てが対象になる
     
     判定Bでも判定Aと同じくiMaxWarNearbyPowerRatioを用いる
     たとえ国境を接していない相手でも判定BではiMaxWarNearbyPowerRatioの値を用いる
     具体的な計算法に関しては判定Aと同じ
     
     
判定C   判定A、判定Bにも失敗した場合は、他文明全てを対象として判定を行う
     
     この判定Cの場合はiMaxWarDistantPowerRatioの値を用いる
     具体的な計算法に関してはiMaxWarDistantPowerRatioの値を用いる以外は判定Aと同じ
     
     レミリアの場合は、iMaxWarDistantPowerRatioの値は50となっているため
     自国軍事力の半分以下の弱小国ならばこの判定を通す、という計算になる



3.もしも上記プロセス2の判定で【複数の文明がプロセス2判定を突破した場合】は
以下の計算を用いて対象文明を1つに絞ります

(AIの宣戦メカニズムページより丸々転載)
・対象国に隣接する領土のタイル数×4を計算する。
・両国の首都同士の距離(タイル数)を計算する。別の大陸なら1.5を掛ける。(訳注:書き間違いの可能性あり。首都が離れているほど宣戦されやすい?)
・上の2つを加算し、対象国への態度が「友好」なら1、「満足」なら2、「警戒」なら4、「苛立」なら8、「激怒」なら16を掛ける。 ・上記3計算で最も高い値を得た文明が対象となる

ここで用いられる計算は、複数あるものの
要は【文化圏を接していて、かつ関係が悪い国が最も対象になりやすい】という認識で構いません
(首都同士の距離が判定に用いられている?ようですが、結局影響度が大きいのは文化圏と態度のため)


4.上記3プロセスの工程を持ち、AI文明は全ての計算を通過した文明を対象に全面戦争の準備*4に入ります
所謂「手一杯、拳マーク」状態はここから開始となります
ここから先は経験則に基づいた推測交じりですが、この準備期間はある一定のターン数に限り
外的要因(それこそ、10Gせびりによる和平期間の強制締結など)で手一杯状態の解除が可能です
ただし、この準備期間がある一定のターン数を超えてしまうと最早そういった外的要因での手一杯状態の解除が効かなくなります
なので、AI文明が手一杯になり、自国が対象の可能性があり、かつ10Gせびり和平を結べそうな状況下であれば
10Gせびりはなるべく早く行う必要があります


余談ですが、よく全面戦争だと手一杯解除不可能といった話を聞きますが
それは恐らく「10Gせびりによる手一杯解除可能期間が過ぎてしまった状態と混同した故のデマ」だと考えています。
実際には早いうちに10Gせびりを行っておくことで、全面戦争だろうが限定戦争だろうが手一杯の解除は可能です
根拠はシャカのデータにあり、シャカの場合は「全面戦争率は高いが、限定戦争率は内政屋と比べても低い方」と
他の戦争狂と比べるとやや特殊なルーチンになっていて、シャカが手一杯になる時はほぼ十中八九全面戦争ですが
経験からシャカの手一杯解除は何度か行った記憶がある=全面戦争で手一杯解除が出来ないならそれはおかしい、という理由です


5.「全面戦争の準備」が終了したら、いよいよ「全面戦争」の開始となります。
レミリアお嬢様が元気になられた姿をご確認しましょう

限定戦争

参照データ
remilia_button.gif「全面戦争判定に失敗?まだよ!この判定が残ってるわ!」


1.上記「全面戦争」が発動しない場合、次にこの「限定戦争」の判定に入ります
まずは限定戦争考慮判定ですが、判定そのものの手順は全面戦争のものとほぼ変わりありません
ただし全面戦争考慮判定ではiMaxWarRandの値を使用しましたが、限定戦争考慮判定ではiLimitedWarRandの値を用います
レミリアお嬢様の場合はiLimitedWarRandの値が80なので、全面戦争判定失敗後、1/80の確率で限定戦争の考慮に入るという形になります
限定戦争判定は全面戦争判定と比べて甘い指導者が多く
基本的には、AIの宣戦といえば大抵はこの限定戦争と思っても良いでしょう*5
特に「内政屋」とされるAIの戦争はまずこれだと思っても差し支え無いと思います


2.戦意値の補正についての項でも述べましたが、限定戦争の場合は
戦意値による態度判定の際に戦意値を-10した上で計算します
要するに、限定戦争の場合は基本的に、全面戦争よりも友好国を狙いにくいという判定になります*6*7
判定そのものの手順は戦意値が-10される以外は全面戦争・態度判定のものと同じです


3.全面戦争とは違い、隣接国のみにiLimitedWarPowerRatioによる値を用いて判定を行う
(1*自国軍事力*iLimitedWarPowerRatio)/100の値を対象国軍事力と比較し、判定値の方が大きければ宣戦の対象とします
レミリアお嬢様の場合はiLimitedWarPowerRatioの値はiMaxWarNearbyPowerRatioの値と同じく100となっているため
全面戦争時と同じく、自国軍事力と同等くらいならば限定戦争の対象とします
ただし全面戦争時と違い、自国軍事力をそのまま判定に掛ける模様です


また、この際における【隣接国】の扱いは、あくまで文化圏を接している国のみが対象*8です
少なくとも限定戦争時における隣接国判定において全面戦争時の隣接判定である、iMaxWarMinAdjacentLandPercentの値は参照しない*9ものとなっています


4.上記判定を通った文明が複数存在する場合は、全面戦争時項目3にある
複数対象の場合に対象文明を絞る計算と同じものを用いて、対象文明を1つに絞ります
判定手順は全面戦争のものと全く同じです


5.上記、限定戦争判定計算を全て通過した文明を対象に限定戦争の準備に入ります
基本的なことは「全面戦争の準備~開始」とほぼ同じで、こちらも早い段階で10Gせびりなどの対策を行っておけば
手一杯状態の解除は可能となります
ただし言い換えると、こちらの場合でも10Gせびりのタイミングを逃すと手一杯状態の解除は不可能となります*10


また、準備段階も「全面」と「限定」では内部的に区別されているらしいですが
具体的にどこがどう違うかは不明です
「限定戦争の場合はAIは事前に都市の軍備を見る」などの都市伝説もありますが
戦力の判定は恐らくiLimitedWarPowerRatioのみであり、都市の軍備の確認などは無いと筆者は考えています*11


6.準備が終わったら無事に(?)「限定戦争」の開始となります
レミリアお嬢様もここぞとばかりに暴れておられるでしょう。フランちゃんよりは大人しいですが。


宣戦後も内部的には「全面戦争」と「限定戦争」では区別されているものの
やはり具体的な差はゲーム中には感じられない、というのが正直なところです

便乗参戦

参照データ
remilia_button.gif「あなたたちだけズルいじゃない!私も混ぜなさいよ!」


1.全面戦争、及び限定戦争双方が発動しなかった場合は、最後にこの便乗参戦判定に移ります
まず最初に例の如く便乗参戦の考慮判定。基本的な考え方は全面・限定時とほぼ大差はありません
唯一違う点といえば、ここではiDogpileWarRandの値を用いることくらいです。
レミリアお嬢様の場合は50なので、全面・限定戦争双方の判定に失敗後、1/50の確率で便乗宣戦の考慮に入るという形になります


2.便乗参戦考慮判定が成功すると、次は戦意値判定です
便乗参戦の場合も限定宣戦の場合と同じく、戦意値に補正が加わります
その値は-20と限定戦争以上の数値となっており、友好的な関係の文明は限定戦争以上に対象にしにくいという特性があります
それ以外の判定の手順そのものは全面・限定時とほぼ同じです*12


3.「便乗参戦」の名の通り、ターゲットの対象は現在、戦争中の文明のみを対象とします
現在戦争中でありさえすれば、あとは陸路で到達可能でありさえすれば対象文明とみなすようです
現在戦争中の国で、かつ陸路で到達可能な文明が存在する場合は
対象国の戦力*1.5<対象国の敵+自国の戦力 の判定に成功した場合、対象国とみなします
ここで留意すべきは便乗参戦の戦力判定計算は指導者による差は無いという点です
即ち戦争屋だろうが内政屋だろうが、便乗参戦の戦力判定までプロセスが進んだ場合は上記の計算で宣戦対象を決める模様です*13


4.上記判定を通った文明が複数存在する場合は、全面戦争時項目3にある
複数対象の場合に対象文明を絞る計算と同じものを用いて、対象文明を1つに絞ります
判定手順は全面・限定戦争のものと全く同じです


5.上記便乗参戦判定を全て通った文明がある場合、晴れて「便乗参戦」のフラグが立ちます
ただしこのプロセスにおいては全面・限定時とは違い、内部的には「便乗参戦の準備」というものが存在せず
いきなり「便乗参戦モード」となっている模様です
しかしここから先は私自身の経験則なので確証はありませんが、便乗参戦はあくまで外交的な要因(宣戦依頼など)ではなく
自発的に行動し、動くケースだと考えています
具体的には、宣戦布告後の次のターンに第三国から宣戦される場合が「宣戦依頼」として
他国戦争中に手一杯になったものの、その後宣戦前に戦争中の文明が和平を結んだ場合に手一杯状態が解除される場合が「便乗参戦」と考えています
なので、宣戦依頼と便乗参戦はあくまで別物だと私は考えています
この「便乗参戦モード」の場合は準備から宣戦に至るまで同じモードで処理しているのかもしれませんが
この辺りは調査不足故に確証を取れませんでした。以後何か判明し次第追記する形を取ります

その他、説明不能な要因(通行の邪魔だから宣戦)

remilia_button.gif「…え?そんなものあるの…?」


はい。といっても、これは私自身の経験則以外のソースが無い不思議な事案なのですが
手一杯状態のAIと相互を結んでいないと自国に宣戦、相互を結ぶと他国に宣戦*14
と、いう事案を見たことがあります。といっても一度か二度くらいしかありませんが。
なので、もしかしたらAI文明は宣戦直前にターゲットとなる文明を変更している可能性があります
具体的には先のように「通せんぼしていて邪魔だから」など、戦術的な理由で宣戦布告に移る可能性があります


特に慣れているプレイヤーの方は「そんなバカな。何かの勘違いだろう」と思うかもしれません。
が、非常にレアなケースだからこそ記憶し、かつリロードを用いて検証したので、この現象自体はあるものと考えています
ただ、一体全体具体的に何がどうなって宣戦布告にまで至るルーチンがあるのか、と言われると私自身よくわかりません。
この辺ももし、詳細が分かり次第追記する形を取ります




(7/27追記)
2chCiv4本スレにてこの件に関連する興味深い検証データが投下されていました


Civilization4(Civ4) Vol.282
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/game/1404921553/933-934
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/game/1404921553/937
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/game/1404921553/943


投下された検証データを纏めると、以下の通りになります


1.AIの戦争準備が完了し、宣戦布告直前のユニットスタック移動中のタイミングで
相互通商条約を結んでいないためにAIが目標としている都市に
ユニットスタックを陸地経由で送ることが出来ない、という事態が発生した場合に
元の宣戦対象をキャンセルし、通行の邪魔になっている文明に宣戦することがある


2.上記&の「通行の邪魔だから宣戦」の場合、元の宣戦対象キャンセルから宣戦布告までの間に
被宣戦対象になる文明への外交感情値は一切考慮しない仕様となっている
つまり、通行の邪魔だから宣戦を行う場合、親しみだろうが何だろうが宣戦布告してくる




このケースは「AIを半島で封鎖していて、かつ相互を結んでいない」など、Civ4プレイ時においては
状況自体がそこそこレアなものであるため、あまり見かけることは無いかもしれません
が、もしもこのケースが実際に起きた場合、どんなAIだろうが、「親しみ」の相手に宣戦することがあるということは
頭の片隅に入れておいてもいいかもしれません。

総まとめ、及び細かい豆知識など

・AIは、手一杯または財政危機ではない限り常にカモを求めて戦争を考えている


・まずは戦争するかどうかを先に考える。相手を選ぶのはその後だ


・全てのケースにおいて、基本的に隣国で、かつ関係が悪い国が選ばれやすい


・「戦争準備状態」は早い段階で10Gせびりを行うと、解除可能


・逆に、10Gせびりのタイミングが遅れると解除不可能


・AIの恐喝拒否では「限定戦争の準備」または「即、限定戦争」のフラグが立つ


・「不幸な花嫁」イベントによる戦争は「限定戦争」のフラグが立つ


・外交により宣戦を依頼されると、「便乗参戦」フラグが立つ*15


・戦意値は補正がかかっても99以上になることは無いため、NoWarAttitudeProbが100の場合は自発的宣戦からは絶対に対象にならない*16


・判定後、戦争状態になった後も全面、限定、便乗といずれも内部的には違うらしいが、差は実感しにくい


・AIの宣戦から逃れたいなら、外交関係を良くするのが一番。軍事力で諦めさせるのは大変だ


・AIはあくまで「自国の戦力」「対象の戦力」のみで軍事力可否による判定を行う


・「攻撃志向のAI」オプションがONの場合、AIは自国軍事力に更に4/3の値を掛ける*17


・上記と合わせ、更に攻撃的AIオンの場合は各種WarRand系判定をより通しやすくする補正が加わる*18


・この他に攻撃的AIだと元々AIはユニットを通常より作り貯める補正が加わる。結果、より高い確率で「手一杯」に至るようになっている*19


・一応、データ上は「最終戦争モード」なるものがある。見た限りだと誰かが勝利目前になると各種WarRand系の数字を4で割って計算するらしいが…*20





何かツッコミ・疑問点等があればどうぞ

  • 最初にも書きましたが、このページに書かれている情報は全てが正しいものである保証はありません。なので、参考程度に留めて頂けると幸いです -- 書いた人? 2014-05-10 (土) 11:04:16
  • 攻撃的AIは戦意+10しか影響しないのかしらんかった -- 2014-05-11 (日) 21:10:43
  • 攻撃的AIの場合は戦意+10の他にも、AIがよりユニットを生産しやすくなる、ユニットの維持費に国家リソースを注ぐようになる、自国軍事力計算に更に4/3の値を掛ける、WarRand系の判定でより高い確率で通すようにする、などの補正が加わって結果的に「より高い確率で、AIが手一杯になる仕組み」が出来上がっているようですね。豆知識のところに追記という形で記載しておきます -- 書いた人? 2014-05-11 (日) 22:27:33
  • A国がB国を攻めようとしてた時に相互切ったら、A国に自国が突然宣戦されたことはありましたね。具体的には、自国を通らないと、陸路ではどうやってもB国に行けない地形で、A国のスタックが自国の領土を半分ぐらい通過した辺りで相互切ったら、次のターンに宣戦されました。似たような状況をWBで作れば検証できるかもしれませんね。 -- 2014-06-02 (月) 17:19:29
  • 推察交じりなので確たる証拠は無いのですが、AIは「準備」の段階から「行動」の段階に移って、そこから実際に宣戦布告するという流れで戦争状態に移行するようなのですが、恐らく「行動」の段階で何かしら邪魔なものがあった場合は邪魔な方に宣戦布告するのかもしれません。私の方でも似たような状況下があれば積極的に検証してみたいと思います -- 書いた人? 2014-06-03 (火) 20:17:18
  • 「通行の邪魔だから宣戦」ケースにおいて、最近になって投下された検証データについて追記しました -- 書いた人? 2014-07-27 (日) 18:42:04

*1 内部データ的には一応、全面・限定・便乗いずれも違うらしいが、実プレイ中は目立った差は感じられない
*2 確証は無いが恐らくは最初に決めている。1ターンに1回だけ判定が行われ、3種の宣戦判定に全て使われるならそう判断していいだろう
*3 最小値は0とのことなので、厳密に言うと1/101と思われる
*4 準備期間も厳密には全面、限定で違うらしい。どう違うかは分からないが
*5 勿論例外もある。iMaxWarRandの値が50の所謂「戦争狂」辺りなど
*6 例外アリ。というかレミリアがまさにその例外の一人
*7 何故ならiLimitedWarRandの値が100以下の場合は戦意値を+10して計算するため、レミリアの場合は先ほどの-10と相殺して±0.詳細は戦意値の補正についての項にて
*8 恐らくは。一番自信が無い箇所
*9 これは確信がある
*10 ソース経験則のため確証無し
*11 恐らくそこまで頭良くない。というかいちいち都市の軍備まで見て判定してたら負荷高くなりそうな気がする
*12 ただしやはり同じようにiDogpileWarRandの値が100以下の場合は戦意値を+10して計算するため、レミリアの場合は先ほどの-20と相殺して-10、戦意60となる
*13 ただし、平時の軍事力が内政屋より多いであろう戦争屋の方が結果的に計算式を通しやすい
*14 ちなみに宣戦ターン自体は同じターンに起こっている
*15 恐らく、受けるかどうか等の判定も便乗参戦時と同等の計算式で判定していると思われる。ただしこの辺は不明瞭な点多し
*16 依頼された場合は別。エカテとかエカテとかエカテとか
*17 更に、どうやら攻撃的AIオンでかつ制覇勝利間近だと更に高い補正を加える?らしい。ソース見た限りでは。
*18 少なくともDLLのソースを見る限りはそうなっている
*19 攻撃的AIだと低~中難易度でも軍事力による抑止は出来ないもの、と考えていいかも
*20 結局宇宙船打ち上げようが何しようが最後まで戦争起きないのも珍しくはないし、仕事しているかどうかは怪しいものだ