色

単にトルコ語の色名を総覧したいのであればVikipedi 'Renkler listesi'でも見ればよい（このページも実用的にはかなり怪しいが）ので、本ページでは、語形を中心に体系的にしるし、派生方法や慣用表現などを加える。調べたことをちょっとずつ書き加えているだけ。

＊本ページは、管理者がかつて更新していたブログの記事の内容を引き継いだものです。

色をあらわす基本語彙

• 試行錯誤中

色名語彙の特殊性について

　色名語彙は名詞的にも形容詞的にもよく用いられる。複合語の語形が少し特殊で、たとえば「乳白色」という複合語はsüt beyazıという形でもsüt beyazという形でも見られる。複合語研究の中でちょっとした例外として知られている。

　　Bu süt beyaz çanta kiminki? - この乳白色のカバン、誰の？
　　Bu süt beyazı çanta kiminki? - a.a.

派生

• 強調形の派生
  • 第一音節を不完全に繰り返すことにより強調形容詞が派生される。音節末子音の完全な予測は不可能で、記憶するほかない。
    　　ak(白い) - apak(真っ白な)
    　　mavi(青い) - masmavi(真っ青な)
    　　sarı(黄色い) - sapsarı(まっ黄色な)
    　　mor(紫の) - mosmor(真紫の)
    　　turuncu(オレンジ色の) - tupturuncu(超オレンジ色の)

• 色名だけでなく、様々な基本的な形容詞が同様に強調形容詞を派生する。
  　　ince(細い) - ipince(超細い)
  　　güzel(美しい) - güpgüzel(超美しい)

• 形容詞接辞-(I)msI/-(I)mtIrAk「～っぽい、～のような」
  • これらの接辞をつけることで中間的・二次的な色をあらわすことができるようになる。英語の-ish、ロシア語の-ватыйに対応する。
    　　sarı(黄色い) - sarımtırak(黄色っぽい)
    　　yeşil(緑の) - yeşilimtırak(緑っぽい)
    　　mavimsi yeşil(青っぽい緑、青緑)
    　　
  • この接尾辞も色名以外の形容詞にもつく。-(I)msIは割と多くの例があるが、-(I)mtIrAkはかなり少数で、味覚の形容詞などに見られる。名詞から形容詞を派生する-sIも同じ機能をもつ。
    　　meyve(フルーツ) - meyvamsı(フルーティーな)
    　　acı(苦い/辛い) - acımtırak(ちょっと苦い/辛い)
    　　ekşi(酸っぱい) - ekşimtırak(ちょっと酸っぱい)
    　　kadın(女性) - kadınsı(女性っぽい)

• なお、色名を単に並列すると2色からなるデザイン（特によく見られるのは、サッカーチームのカラーに言及するもの）を指すことが多い。
  　　sarı-lacivert(黄紺…フェネルバフチェのチームカラー)
  　　siyah-beyaz(白黒…ベシクタシュのチームカラー)

• 動詞派生
  「〔色〕になる」という自動詞を派生する方法は大雑把に言って2種類に分けられる。

• 接辞-arによる派生
  　この接辞による派生は数が少なく（＝生産性が低く）、基本的にak, karaなど固有語のみから派生する。kızıl、yeşilは派生接辞-ılを除いた語根kız, yeşが用いられる。また、固有語ではないはずのmorからも派生する。
  　　ak(白い) - ağarmak(白くなる、明るくなる)
  　　kızıl(赤い) - kızarmak(赤くなる、焼ける)
  　　mor(紫の) - morarmak(紫になる、腫れる)

• 接辞-la/-lan/-laşによる派生
  　接辞は生産性が非常に高く、様々な色名から動詞を派生することができる。ただどの形式を用いるかは色にもよるし、場合にもよる。
  　　beyaz(白い) - beyazlanmak/beyazlaşmak(白くなる)

• 以上により派生できない色名はbenzemek, olmak, gibiなどを用いて分析的に表現すればよい。

共起表現