勇者デンジュモクの冒険10

Last-modified: 2017-07-28 (金) 13:51:01



前回までのあらすじ
かつての弟子と再開、謝罪と感謝を伝えることができた勇者デンジュモク。
そしてとうとう、魔王が現れる……
だが……?


シルヴァディ「本当の魔王……シルヴァディだ」


ウツロイド「!? な……なんで!?
私達が聞いていた魔王は『アクジキング』だったハズなのに……!」
シルヴァディ「アクジキング?
アイツはただよく喰うだけの魔族……
特に何も悪事なんてしていないさ。
ただ民に魔王をアクジキングだと思わせておけば動きやすかったからな。 ヤツも欲しがっていた大量の供物を喰えて満足だろうよ」
マッシブーン「みんな! 相手が誰だって関係ないぞ! 戦うんだ!」
カミツルギ「……マッシブーンの言う通りだ! いくよッ……うあああ!」
シルヴァディ「…………」
カミツルギ「……!」
シルヴァディ「かえんほうしゃ」ゴオオオ
カミツルギ「ぐっ……ああっ!!」
ウツロイド「カミツルギ! 今治癒を」
シルヴァディ「白魔法使いは邪魔だな……ラスターカノン」ズッ
ウツロイド「!!」ドガッ
デンジュモク「ウツロイドォ!!」
マッシブーン「デンジュモク、一旦下がるぞ!」


ザッ……
ナマコブシ「とんでもない強さですね……単独で挑んだネクロズマのみならず、こちらも2人やられるなんて……それも一撃で」
デンジュモク「でも明らかにおかしいんだ」
マッシブーン「? 何がだ?」
デンジュモク「俺が昔アイツを見たとき……奴の体の色は黄色だった。
それに雷魔法を使っていた。 だから俺はヤツがでんき属性だと思っていたんだ……
でも、さっき見たときは白。 かえんほうしゃを放ったときは赤。 ラスターカノンを放ったときは銀。 体色が変わっている」
赤ウツロイド「フム……それは放つ魔法の属性によって変えているんじゃないのか?」
マッシブーン「なるほどな……赤はほのお、銀ははがねというわけか。 でもアイツ、攻撃の際に一瞬姿を消して出てきたときに色が変わっているんだよな」
ナマコブシ「魔王の力かもしれませんが、属性変換なんてそう簡単にできるモノじゃないんですよね。 おそらく属性を攻撃魔法に合わせることによって攻撃力を爆発的に上げているんでしょうが……どうやって」
シルヴァディ「そちらが攻めてこないのなら、こちらから行くぞ」


マッシブーン「! 構えろみんな!」
シルヴァディ「…………」シュンッ
デンジュモク「(茶色……?)じめん属性だ! 足元気ィ付けろ!!」
シルヴァディ「じしん」ゴゴ゙ゴ……!
赤ウツロイド「サイコキネシス!」
デンジュモク「うおっ」
ナマコブシ「空中回避……と同時に倒れた皆さんを回収! ナイスです」
シルヴァディ「…………」
デンジュモク「みんな、大丈夫か!?」
ウツロイド「……うー……一応……」
カミツルギ「いたたた……」
マッシブーン「よかった……ネクロズマはどうだ?」
赤ウツロイド「……かろうじて、動ける、という状況だな」
ネクロズマ「……フ……情けないな」
デンジュモク「なぁお前、アイツと戦ったんなら何か気づいたか? 属性変換の秘密に……」
ネクロズマ「……それは……」
シルヴァディ「それは、私が教えてやろう」


デンジュモク「! 何!?」
シルヴァディ「私の目的はこの大陸の支配だ……そのために、神と呼ばれし他大陸のポケモンの力を奪ったのだ。
今も私の背後に……」
ナマコブシ「! よく見れば……魔王の後ろから魔力を送り込んでいる影が見えます!」
ディアルガ「…………」
赤ウツロイド「聞いたことがある……時空の神の片割れディアルガ……
その力の範囲と性質は、時間……!」
デンジュモク「時間……?」
カミツルギ「神を操るなんて!」
シルヴァディ「そう……お前たちごときに勝てる存在ではないのだ。 諦めろ……」ゴゴゴ
ナマコブシ「! 攻撃が来ます!」
赤ウツロイド「……!」
デンジュモク「10まんボルト!」
ウツロイド「デンジュモク!? どこに撃って……!」
ズババババ!
ディアルガ「グ……ガア……!」
シルヴァディ「!」
ネクロズマ「魔王の……動きが止まった……」
デンジュモク「ピンと来たぜ。 属性変換をあの一瞬でどうやってんのか分からなかったが……ディアルガの力で時間を止めていたんだな」
シルヴァディ「…………」
カミツルギ「魔王に攻撃が当たった……!」
ナマコブシ「今なら!」
シルヴァディ「……そう簡単に、勝てるとでも思ったのか……?」


一同「「!?」」
ズズズズズズズズ…………
ウツロイド「な、何!? この禍々しい魔力……!?」
シルヴァディ「“ときのほうこう”……
時間をお前たちの存在がなかった頃まで戻し、そのまま固定する最強の呪いだ……」
デンジュモク「!!」
マッシブーン「俺たちの存在を消す気か……!」
ナマコブシ「この距離……マズイ、避けられない」
カミツルギ「そんな!?」
シルヴァディ「……消えろ。
ときのほうこう


続く