SMARTの検査項目一覧

Last-modified: 2015-06-06 (土) 22:45:32

SMARTの検査項目一覧

http://ja.wikipedia.org/wiki/Self-Monitoring,_Analysis_and_Reporting_Technology



不良セクタに関して注意すべきSMART項目は、05とC5とC6の3つだけ。
これら3項目の生の値(Raw Data)は、ゼロがデフォ。
05の現在値(Current)がしきい値(Threshold)を下回れば、代替予備領域減少が顕著であり危険な状態。
代替イベントの回数を表すC4は、異常のあるセクタの数とは直接関係ないため、あまり重要ではない。
総じてSMARTの数値は、変化量と推移に着目すること。
CrystalDiskInfoの留意点として、05・C5・C6については生値1以上で注意(黄色)判定する。


ゼロフィル実行で該当セクタを0埋めできれば、C5・C6の生の値は0にできることもある。
(ただし、その分代替処理が進んで逆に05が増えることも。)
SMART情報の悪化・イベントビューアエラーは、これで改善できることが多い。
「接続ケーブルと接続ポートを変更」「ゼロフィル」で対処できない深刻なエラーは、RMA対応となる。


・05 「Reallocated Sectors Count」 代替処置(データを特別に予約した予備エリアに移動する)を済まされた不良セクタ(読込み不能の領域)の数。
・C4 「Reallocation Event Count」  不良セクタから代替セクタへのチェック回数。
・C5 「Current Pending Sector Count」 異常検知したが代替処理を保留中のセクタ数。後で読み書きに成功したセクタがあれば、カウントは減少する。
・C6 「Off-Line Scan Uncorrectable Sector Count」  オフラインスキャン時に訂正できなかった回復不可能セクタ数。
・C7 「CRC Error Count」 接続ケーブル不良・コネクタ異常。

SMARTでC4がカウントされる件でのWDサイドの説明

WD Data Lifeguard Diagnosticsでエラーが出ない限り、不良とは認められないとのこと。

WD Data Lifeguard DiagnosticsでSMART情報を見たときの「Warranty」に表示されるの数字の意味

Warrantyの欄に0、もしくは1のいずれかが記載されていますが、これらは故障状態を表すのではなく
その項目がWarranty(保証)の対象になるか否かを示しています。
Warranty=1の場合、その項目に異常が出たらメーカー保証の対象になります。
Warranty=0の場合、その項目に異常が出てもメーカー保証の対象になりません。
(これらは機械的・事務的な表示ですので、実際にRMAを受ける際の条件とは異なります。)
05のRe-allocated Sector CountのWarranty=1を代替セクタの数=1と勘違いしないように!

SMARTのC5とC6について補足

英語版WikipediaのC5とC6の解説を載せておく。
C6については解説内容が日本語版と異なっているが、英語版のような解説が現在は主流になっている。

 

C5 Current Pending Sector Count
Count of "unstable" sectors (waiting to be remapped, because of unrecoverable read errors).
If an unstable sector is subsequently read successfully, this value is decreased and the sector is not remapped.
Read errors on a sector will not remap the sector immediately (since the correct value cannot be read and so the value to remap is not known, and also it might become readable later); instead, the drive firmware remembers that the sector needs to be remapped, and will remap it the next time it's written.
However some drives will not immediately remap such sectors when written; instead the drive will first attempt to write to the problem sector and if the write operation is successful then the sector will be marked good (in this case, the "Reallocation Event Count" (0xC4) will not be increased).
This is a serious shortcoming, for if such a drive contains marginal sectors that consistently fail only after some time has passed following a successful write operation, then the drive will never remap these problem sectors.

 

日本語訳
C5 代替処理保留中のセクタ数
(リードエラーのせいで再配置を待っている)「不安定」なセクタの数。
もし不安定なセクタが後に成功裡に読めた場合、この数値は減少しセクタは再配置されない。
あるセクタで生じたリードエラーは即座には再配置されない。
(なぜなら当該セクタの情報はリードエラーで読み取れず、再配置すべき情報が不明であるところ、その数値は後で読み取れる可能性もあるからである)
即座に再配置するのではなく、HDDのファームウェアは再配置すべきセクタ番号を記録し、そして次に当該セクタに書き込みが行われるときに再配置が行われる。
しかし、そのようなセクタへの書き込みが行われても即座に再配置を行わないHDDもある。
そのようなHDDは、即座に再配置するのではなく、最初にその問題のあるセクタに対して書き込みを試み、そしてもし書き込み作業が正常に成功したなら、当該セクタは良好なものとして扱う。
(この場合、C4の代替処理作業回数は増加しない)
これは深刻な欠点である。
なぜなら、もしそのようなHDDにおいて、書き込み作業は成功裡に行われるもののすぐ読み取り不良に陥るようなセクタが存在していた場合、そのHDDは決して問題があるセクタを代替することがないからである。

 

C6 Uncorrectable Sector Count or Offline Uncorrectable or Off-Line Scan Uncorrectable Sector Count
The total count of uncorrectable errors when reading/writing a sector.
A rise in the value of this attribute indicates defects of the disk surface and/or problems in the mechanical subsystem.

 

日本語訳
C6 訂正不可能なセクタ数
読み書きを行った時に発生した訂正不可能なエラーの回数。
この数値の上昇は、ディスク表面の欠陥、HDDの機械的サブシステムにおける問題、いずれか一方または双方が存在することを示唆する。

 
 

またHGSTの製品解説によると代替処理が実行されるのはこのような場合だという。
WDにあてはまるかは不明なので参考程度に。
ケース1
データの書き込みで訂正不能なエラーが発生した場合。
この場合、書き込みキャッシュ上のデータを利用して代替処理が行われる。
代替処理に失敗した場合にのみOSにエラーを返すことになる。
ケース2
読み込みで訂正不能なエラーが発生した場合。
この場合、次にそのセクタに書き込みが行われる時に代替処理が行われる。
英語版WikipediaのC5の解説は主にこのケースを念頭に置いていると思われる。
ケース3
一度は読み取りに失敗したが、その後にエラー訂正でデータが回復された場合。
回復されたデータを使って代替処理が行われる。
正式な規格化はされていないというオフラインスキャンの拡張機能としての代替処理もこれに該当すると思われる。

WDの隠しSMART属性

一部属性は隠し属性になっている
Hidden SMART attributes in WD HDDs
Extracting SMART data from WD MODs 20 - 26
ExamDisk ver2.00
  ※WDCのドライブを選択しているときにShiftキーを押しながら更新ボタンをクリックすると隠し属性を含むS.M.A.R.T.情報を取得