MT

Last-modified: 2021-07-26 (月) 20:53:16

マニュアル・トランスミッション(Manual Transmission)の略。湾岸マキシではMTに設定して走ることを指す。
各コースのスタート時に「○速に入れてください(○は車種やモードにより異なるが基本的に2速固定)」が必ず表示される。

 

変速とクラッチ操作を手動で操作する車のことで、3ペダル(アクセル・ブレーキ・クラッチ)が基本となる。法律上はクラッチペダルの有無でトランスミッションを判断するので、たとえ手動で変速が可能でもクラッチペダルがなければATとして扱われる*1

マニュアルのメリットは「製造コストが安く、かつ動力の伝達効率に優れる」こと。また部品構造をシンプルにでき強度も向上させられるため、ハイパワーエンジンとのマッチングもいい。デメリットは操作に熟練度が必要なことと、当たり前だがAT限定免許では運転できないこと。教習所で仮免許を取得する際の費用もAT限定とMT免許とでは金額に開きがある(AT限定免許のほうが指導内容が少ない分お金がかかりにくい)。
日本では1990年代以降にATやCVTが普及しだしたこともあって数を減らし、現在では三菱自動車がOEM車を除いてMT車の生産を取りやめている。しかしながら「MTでなくてはならない」というスポーツカーやスポーティモデル、商用車ではMTに対する支持は根強くあり、大型トラックやバスにおいてはコスト面や耐久性に優れるMTが主流であったりする。

アメリカでもAT車の普及は進んでいるものの、「走れるクルマ」に関してはMTの設定を用意するケースも少なくない。そしてヨーロッパでは相変わらずのMT車天国であり、日本では用意されないMT仕様を売り込む日本車の存在も多い。これはヨーロッパ人にとってATは馴染みが薄い上にコストがかさむネガティブなイメージを持っているケースが大勢を占めており、耐久性についても疑問符を抱いている・・・ということがプジョー社が独自に行った世論調査で明らかになっている。

 

現在では5速ないし6速がメインのMT車だが、高速巡航時の燃費性能や加速力を向上させるために多段化が進んでいる。
まず2011年にフルモデルチェンジを受けた991型のポルシェ911にて7速が採用された。次いでシボレーもC7型コルベットで続き、アストンマーチン・V12ヴァンテージにまで至る。湾岸マキシに登場する7速車をMTに選択すると1速が消え6速の所が7速になりずれる。このシフトパターンをドッグレッグパターンと呼ばれる。トラック等の大型車では8、9速、トレーラーヘッドに至っては18速なんてのも存在する。

ちなみに10速を超えるような超多段式MTは、実際のミッションは4速とか5速しかない。ミッションの外部に「副変速機」と呼ばれる小さなミッションを持っていて、そちらを切り替える事で対応させている。
上の18速ミッションは副変速機を2組持ち、1つ目の副変速機が1速と2速の間となる0.5速分の変速を行い、もう一つの変速機が1速~4速と5速~8速の切り替えを行う
「1速Low→1速High→2速Low→(中略)→4速High→5速(1速+副変速機On)Low→(中略)→8速High」の16速が常用のシフトチェンジに使われる。
これが4×2×2の16速で、残りの2速は積載量が多い時、かつ坂道発進など極端なトルクが必要な時のみ使われる「スーパーローギア」のLow、Highが入って18速である。
かつてはこれを人力で切り替えたため、シフトレバーが3本あったり、1本でも訳のわからないチェンジパターンになったりと職人技が必要だったが、現在では主変速機のみ人力、副変速機はエアや油圧で切り替え、シフトレバーは主変速機の横にスイッチ式で切り替えとなっていて、人的負担は少なくなっている。


*1 トヨタのシーケンシャルMTやスズキのAGSなど。