Tier 10 フランス 重戦車
スペック(v1.10.0)
車体
耐久値 | 2,100 |
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車体装甲厚(mm) | 170/30/30 |
最高速度(前/後)(km/h) | 65/20 |
初期重量(t) | 62.21 |
実用出力重量比(hp/t) | 19.29 |
本体価格(Cr) | 6,100,000 |
修理費(Cr) | |
超信地旋回 | 不可 |
ロール | 支援型重戦車 |
武装
名称 | 連射間隔(s) | 弾倉交換時間(s) | 弾種 | 平均貫通力(mm) | 平均攻撃力 | 弾倉合計攻撃力 | 精度(m) | 照準時間(s) | 弾速(m/s) | 弾倉/総弾数 | 弾薬費(Cr) | 重量(kg) | 俯仰角 |
120 mm SA46 | 2.5 | 30 | AP APCR HE | 257 325 65 | 400 400 515 | 1,600 | 0.35 | 2.5 | 1,067 1,334 1,067 | 4/56 | 1,060 4,800 900 | 3,580 | -10°/+12° |
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砲塔
名称 | 装甲厚(mm) | 旋回速度(°/s) | 視界範囲(m) | 重量(kg) |
AMX 50 B | 100/50/30 | 36 | 400 | 17,500 |
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エンジン
名称 | 馬力(hp) | 引火確率(%) | 重量(kg) |
Maybach HL 295 F | 1,200 | 15 | 750 |
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履帯
名称 | 積載量(t) | 旋回速度(°/s) | 重量(kg) |
AMX 50 B | 68 | 36 | 11,000 |
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無線機
名称 | 通信範囲(m) | 重量(kg) |
SCR 619 | 750 | 80 |
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乗員
1 | Commander(Loader) | 2 | Gunner(Loader) | 3 | Driver | 4 | Radio Operator(Loader) |
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拡張パーツ
Class1 | × | Class1 | Class1 | Class1 | Class1 | ||||||
× | × | Class1 | Class1 | Heavy |
隠蔽性
非発砲 | 発砲時 | |
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静止時 | 3.82% | 0.53% |
移動時 | 1.94% | 0.27% |
派生車両
派生元 | AMX 50 120(HT/212,100) |
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派生先 | なし |
開発ツリー
120 mm SA 46 (初期/339,000) | |
AMX 50 B (初期/66,000) | |
SCR 619 (初期/54,000) | |
Maybach HL 295 F (初期/123,000) | |
AMX 50 B (初期/82,500) |
車両に関する変更履歴
v0.7.1 | 新規実装 |
v0.9.6 | HDモデル化 |
v0.9.17 | 俯仰角を-8°/+12°から-10°/+12°に変更*1 |
解説
- 火力
俯仰角は-10°/+12°へ微強化され、俯角は非常に優秀である。
逆に仰角は不足気味であり、撃ち上げに不安が残る。- 120 mm SA46
AMX 50 Bの史実砲である、1セット4発の120mm自動装填砲。
AMX 50 120からの引継ぎ砲という事もあって単発火力・貫通力は据え置きだが、弾倉交換時間が一回り短縮され、照準時間・連射間隔・照準拡散が強化されている。
ただし、前身から順当に向上したとはいえ弾倉交換時間やDPMは低めであり、Tier10ローダー重戦車勢の中では最も装填中の隙が大きい車輌となっている。その代わりとして、精度・照準時間・照準拡散の総合力で優れており、俯角・貫通をバランス良く兼ね備えたローダー砲として位置付けられているのが特徴と言える。
金弾がAPCRかつ貫通力325mmは他には無い長所で、高い貫通力と扱いやすさを両立している。
- 120 mm SA46
- 装甲
性能の殆どを火力と機動性に振っているため、全体的に防御面はかなり貧相である。
車体は小型化した一方、砲塔はAMX 50 120よりも若干大型化したため、全体的な大きさはさほど変わっていない。
Object 260と並んでTier10重戦車では2,100とHPが最下位から三番。本車の搭載砲での貫通可能範囲を示した図(画像参照元http://tanks.gg/wot/)
(緑は貫通容易、赤は貫通困難、紫は跳弾)- 砲塔
正面は100mmで据え置き、傾斜がかかっているが150mm程度で防御の役には立たない。ただし砲基部は非常に傾斜が鋭く細長いのでここに当たれば非貫通とする事もできる。
側背面は弱体化して30mm~50mmとなっており、重戦車や駆逐戦車の大口径砲は掠っただけで貫通する。
また天板は10mmしかなく、自走砲のHEが貫通する恐れがある。 - 車体
車体前面上部は100~230mmの傾斜装甲で概ね230mm~280mmほどの防御力があり、ここだけはある程度の砲弾を防ぐことができる。
車体下部は先端部が230mm、最下部は80mmだが傾斜が70°近い為、特に弱点と言うわけでは無い。
履帯の上に張り出した箇所は僅か50mmしかなく、HEでもなければほぼ貫通される。
側背面に至っては30mmと軽戦車の様な薄さで、重戦車はもちろん中戦車や軽戦車にも3倍ルールで容赦なく貫通される。
- 砲塔
- 機動性
重量はやや増加したものの、1,200馬力の高出力エンジンを搭載した事で、元々高かった機動性に磨きがかかっている。
履帯性能こそ中戦車には劣るが、優れた出力重量比と重戦車最速の65km/hを併せ持ち、迅速にローダー砲を要所へ運ぶ事ができる。
- 総論
総合的に見て、かなり歪な性能の戦車である。
装甲の薄さもさる事ながら、1セット4発という足枷の存在が大きい。
フルHPからでは4発全てを貫通させても、軽戦車や自走砲以外の多くの同格戦車を仕留める事は出来ない為、単体での戦闘能力がかなり低い。
必ず味方と協同して戦い、相手に隙を与えない様にしたい。
尚、速度性能が良く重量がそこそこある上、車体先端の重装甲が衝角の役割を果たすので体当たりの威力が高い。
側背面の装甲が薄い為多用しない方が良いが、リロード中の悪足掻き、HPがわずかに残った相手にとどめを刺す等、覚えておいて損は無い。
史実
AMX 50 B(アーエムイクス・サンカント・ベー)とは、AMX 50 Surbaissé(アーエムイクス・サンカント・シューベッセ)と呼ばれたAMX 50重戦車の最終試作車輌である。
第二次世界大戦にて早々にドイツに敗北したフランスは、元々は戦車大国であったにも関わらず、戦車技術が断絶してしまっていた。
その為、フランスはかつての栄光を取り戻すべく、戦争終結前には既に自国戦車の再開発を進めており、その計画はARL 44として形になった。しかし、ARL 44は暫定の戦力として少数生産したものの、ドイツ重戦車の技術と古めかしい戦前戦車の技術を掛け合わせた中途半端な戦車であった。ベルリンの戦勝パレードにおいてソ連のIS-3の勇姿を見せられたフランス軍上層部にとって、冷戦の脅威が迫りつつある中、適切な戦力とは言えなかったのである。
↑ 1951年7月14日のパレードでのARL 44
1945年7月、軍部は国産の新型重戦車の必要性を表明し、その仕様を策定した。その後、FCM、Lorraine、Somua、Renault、AMXなどの各軍需企業に対して新型戦車の立案を要求したが、Renault FTを開発した老舗企業のReault(ルノー)社は相次ぐ政府による軍需産業の国営化の流れを嫌い、この入札には参加しなかった。
一方、国営のAMX社(イシー・レ・ムリノー工廠)からは早くも1945年にProjet 141 / NOM. 141 = Char AMX M4という新型戦車案が提出された。このChar AMX M4はTiger IIをベースにした30トン級という要件を守るべく、主砲は90 mm DCA 45を搭載したが、砲塔正面110mm/側面50~60mm、車体正面120mm/側面30mmとかなり薄く設計されていた。その為、軍部を満足させられず、1946~1949年にかけて設計改良を要求された。
1949年3月、FAMH社より自動装填装置の搭載と重量の軽減を両立できる揺動式砲塔(仏:Tourelle oscillante 英:Oscillating turret)が開発された。AMX社はChar AMX M4の車体をベースにこの新型砲塔の搭載を計画し、最初の試作車は90 mm DCA 45を搭載したが、軍部の要求によって強力な100 mm SA 47へ換装した。
エンジンには850馬力のMaybach HL 295(もしくは1000馬力のSaurerディーゼルエンジン)を使用する予定であり、これはドイツ占領下時代に多数の技術者たちがドイツ戦車の製造に携わっていた為、彼らにとって馴染み深い存在だったからである。
1951年7月14日、Char AMX 50と名付けられた2輌の試作車が軍事パレードに参加し、世界に初公開された。この斬新な砲塔を備えた新型重戦車は、特にアメリカ軍とスウェーデン軍に注目され、アメリカではT69・T54E1・T57 Heavy Tank、スウェーデンではKRV(EMIL)計画に多大な影響を与えた。
また、Jagdpanzer IVやJagdpantherから影響を受け、新型戦車の車体をベースにした駆逐戦車の開発も同時に進められていた。これはより強力な120 mm SA 46を搭載してAMX 50 Fochの名称で少数生産されたが、のちにAMX 50本体が120 mm SA 46を搭載するようになった事で不採用となった。
↑ 1951年7月14日のパレードでのAMX 50
↑ 1951年7月14日のパレードでのAMX 50 Foch
しかしながら、アメリカで期待の眼差しをもって実施された揺動砲塔の試験結果は散々なものであった。少しの損傷や異物の詰まりで砲塔の可動機能が失われたり、主砲の大口径化に伴って自動装填装置が不具合を起こしやすくなったり、砲塔のNBC防御性能が皆無だったりする等、主力戦車としての安定性・信頼性に著しく欠いていると指摘されたのだ。同時期に量産が開始された揺動砲塔のChar AMX 13は、軽戦車ゆえに被弾による機能不全や主砲の大口径化とはほぼ無縁であった為、不具合よりも火力とコンパクトさの両立が売りとなって輸出で成功を収めたのである。
一方、AMX 50の主砲をそのまま120 mm SA 46へ換装した型も試験されたが、やはり動作の不安定さが問題視された。そこで新提案されたのが従来型の延長であるAMX 65 tのTCA砲塔、AMX M4 51/54のTCB砲塔であり、ゲーム内では別車輌となっているが、これらは本来AMX 50の揺動砲塔(50 100版がTOA砲塔、50 120版がTOB砲塔と呼ばれた)の欠陥に対する改善策として砲塔メーカーから提出された設計案なのである。
それでもAMX社ではこれらの欠陥に目を瞑り、車体に楔形装甲を取り入れたAMX 50 Surblindé(アーエムイクス・サンカント・シューブランディ)と呼ばれる70トンに迫る装甲強化型の開発を行ったが、当然ながら装甲強化に伴う重量の増大は砲塔の不具合をより一層悪化させてしまった。
これに対して1956~1958年にかけて開発された低姿勢型の試作車輌AMX 50 Surbaissé(アーエムイクス・サンカント・シューベッセ)は、重量の軽減で少しでも砲塔の不調を改善しようと試みた戦車だった。しかし、1200馬力を予定していた新型エンジンのMaybach HL 295の改良型は過熱と信頼性の問題があり、低姿勢化の弊害としてエンジンの小型化が達成できず、それまで使用していた850馬力のエンジンから換装する事は無かった。当初は最高速度65km/h・出力重量比20hp/tを想定していたAMX 50だが、最終的には45~51km/h・13~15hp/tと全く目標を達成できなかった。
↑ AMX 50 Surblindé (AMX 50 120)
しかもここまで妥協したにも関わらず、1955年頃にObus GいわゆるG弾と呼ばれるHEATが開発され、これはゲーム内のChar AMX 30とは異なり、AMX 50よりも口径の小さい105 mm 戦車砲でありながら驚異の貫通力400mm超を誇っていた。
もはや単純に厚みを増やしただけの重装甲が砲弾の進化について行けない事は明白であり、欧州標準戦車計画へ主力の座を託し、1959年1月を最後にAMX 50の開発・試験は終了した。
しかしながら、それから数十年経過したのち、自動装填装置付き120 mm 戦車砲・重量56トン・優れたモジュラー装甲・最高速度72km/h・エンジン出力1500馬力を誇るAMX 56 Leclercが開発・量産され、AMX 50の目指した目標はここに達成されたのであった。
現在、低姿勢型の試作車が1輌のみソミュール博物館に現存し、ひっそりと余生を送っている。
↑ ソミュール戦車博物館のAMX 50 Surbaissé。お隣にはARL 44の姿も。
↑ AMX 56 Leclerc
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