T-43

Tier7 ソ連 中戦車 (読み方 テー・ソーラク・トゥリー)

↑ T-43 mod. 1942 + 85 mm S-53
初期状態だとTier6に対しても貫通することが困難なため、この砲で出撃するのはご法度｡

↑ T-43 mod. 1943 + 85 mm D5T-85BM
最終状態。
完全に余談だが、史実砲であるはずの76 mm F-34は本ゲームでは搭載できない。

スペック(v1.20.0)

車体

武装

砲塔

エンジン

履帯

無線機

乗員

拡張パーツ

	Class2		Class2		×		Class2		Class2		Class2
	×		×		Class2		Class2		Medium

隠蔽性

派生車両

開発ツリー

車両に関する変更履歴

解説

• 概要
  Tier7のソ連中戦車。
  大戦中期、T-34の装甲強化を目的として新規開発された試作中戦車である。
   

• 火力
  武装面ではT-34-85から貫通力、単発火力とも進歩がない由々しき事態であるが、俯角が1度増えたことで多少ハルダウンがやりやすくなった。また、DPMも若干向上している*1。
  しかし、砲拡散にも一切の進歩がなく、特に移動時の砲拡散はTier7中戦車最下位である。スタビが搭載できないので、至近距離でも飛び出し撃ちや走り撃ちが当たらないことも多い。また、85mm砲では通常弾の貫通力不足も相まって同格や格上はおろか、格下戦車にも課金弾を使用しなければならないレベルである。その上課金弾も決して貫通力が高いとは言えず、重装甲相手に真正面から挑むのは無謀。
  なお、初期砲塔では85mm D5T-85BMを搭載できない為に122mm U-11を使い砲塔の換装を急ぐ必要があるが、初期履帯では砲塔の換装はできないため、改良型装甲材を装備するか改良履帯の開発が必要となっている。
   
  一方122mm U-11を使い続けるという選択肢もないわけではない。
  元々Tier5重戦車が使っていた主砲なので流石にこのTier帯ではやや厳しいと言わざるを得ないが、なるべく実装甲厚が薄い側面や天板を狙うなどして少しでも多くのダメージを稼いでいけば、85mm砲以上の活躍ができなくもない。貫通力140mmのHEATを貫通できる相手に用いることで、思わぬダメージソースとなってくれることもあるため、格下相手等には是非使っていこう。
  ただし、精度・照準時間は相変わらず劣悪なので近距離戦が主体となり、やや癖は強い。
   
  どちらの砲を使うにせよ、Tier上昇に合わせてより強力な戦車と対峙する機会が増える為、T-34-85の時よりも火力を発揮するためには工夫を凝らす必要がある。
   

• 装甲
  T-34-85から小型化された車体と、全体的に向上した車体装甲が特徴。
  元々良好な避弾経始を持つだけに、耐久値の上昇とあわせて防御面の安定度が多少増している。車体正面上部は75mmの55度傾斜の実質115mm程度あり、格下には昼飯が有効に働く。また、車体側面の75mmはこのTierの中戦車としては優秀であり、中戦車でありながら豚飯による跳弾が十分期待できるのは同格他車にない大きな強みである。
  しかし、砲塔正面は傾斜がついている面積が少なく簡単に貫通されてしまうのに加え、敵の砲も強力になっているため過信は禁物である。砲塔だけ見せる位置取りなど被弾面積を減らす工夫が大事。
  また車体正面左側に燃料タンク、車体下部に弾薬庫が存在するため被弾には極力注意しなければならない。
   

• 機動性
  最高速度は51km/hと十分なものの、T-34-85より若干加速が悪い上に履帯性能もそこそこで、機動性は中戦車としては普通の範疇である。
  ちなみに、中間エンジンのV-2-44はT-44の初期エンジンであり、T-44を開発すると自動的に研究済みとなるので、本車をフリー経験値で飛ばす場合は経験値を節約することができる。
   
• その他
  本車以降このルートは全車両の搭乗員は4人構成となるが、本車やT-44などは装填手が無選手を兼任するものの、最終的には2つのルートともに車長が無選手を兼任する構成となるため、無線手スキルの習得には注意が必要。
   
• 総論
  前身のT-34-85や開発先のT-44と比べるとパッとしない性能ゆえスキップされてしまうことも多い不遇な車両である。
  そこそこの装甲と機動力で中戦車らしい中戦車とも言えるが、やはり火力面で不安が残る。
  格上を相手にする場合、重戦車や駆逐戦車に加え、中戦車相手にも課金弾でも満足に貫通できない車両が存在するため、そういった車両と正面から撃ち合うのはできるだけ避けよう。
  課金弾や拡張パーツで性能を底上げした上で、貫通できる相手を見極めながら味方と連携することが重要となる。
   

史実

1942年になって、既に放棄されていたT-34M計画において考えられていた六角形の砲塔を生産に移す事になった。この新型砲塔は砲塔内の窮屈さを解消すると共に、車長が全方向を見渡せるように、車長席にキューポラも付けられる事になった。ゴムの供給量が限られていたため、転輪は鋼鉄製であった。また、改良された5段変速の変速機とエンジン、そして新型クラッチが採用された。

1942年には、長砲身の優れた貫徹力を持つ75 mm 砲を装備したドイツ軍戦車が戦場に登場した。モロゾフ技師の設計チームは、T-34を発展させたT-43戦車の開発を計画した。これは、装甲を更に強化する一方で、トーションバーサスペンションや三人式の砲塔といった最新の特徴を取り入れる狙いを設計に持たせていた。T-43はT-34ばかりでなくKV-1重戦車の代替にもなりうるような万能戦車として計画されたため、KV-1重戦車を開発していたチェリャビンスクの重戦車設計チームによるKV-13計画と真正面から競争する事になった(Zaloga et al. 1997:5)。

1943年になると、ソビエト軍は新型のドイツ軍戦車ティーガー戦車やパンター戦車と戦わねばならなくなった。クルスクの戦いにおける経験により、T-34の76.2 mm 砲ではもはや十分に戦えないという報告が前線から届いていた。また、既にあった85 mm 高射砲は新型ドイツ軍戦車にも有効であるという事も分かったので、この砲を戦車に搭載する事になった(Russian Battlefield 1998b)。しかし、より厚くしたT-43試作車の装甲でさえもティーガーの88mm砲に対しては十分ではなく、また機動性の面でみても、より重い85 mm 砲を搭載する前の状態であったにもかかわらずT-34の機動性よりも劣っていた。T-43の部品は70%以上がT-34と共通であったが、T-43の生産も並行して行うと、生産の速度はかなり低下する事が予想された(Zaloga et al. 1997:5)。

結局T-43計画は中止される事になり、ソビエトの司令部はT-34の新型を製造するように工場を再改装するという難しい決断をした。

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