Matilda

Last-modified: 2023-11-08 (水) 22:42:40

GB-Matilda.png

Tier 4 イギリス 中戦車

公式紹介ページ

スペック

HP540
車体装甲厚(mm)75/70/55
最高速度(km/h)24
重量/最大積載量(t)26.52/27
本体価格(シルバー)140,000

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
初期状態2x AECQF 2-pdr Mk. XMatilda Mk. IIMatilda Mk. IIA540WS No. 11
174AP
APCR
HE
78
121
23
50
50
60
9230
3G
15
28.57
1.70
0.36
3475/75/7534330350
OQF 3-inch Howitzer Mk. I開発時2x AECOQF 3-inch Howitzer Mk. IMatilda Mk. IIMatilda Mk. IIA540WS No. 11
174HE
HEAT
38
100
175
110
3556
7G
15
1.90
0.53
3675/75/7534330350
QF 2-pdr Mk. X-B開発時2x Leyland E164QF 2-pdr Mk. X-BMatilda Mk. IIAMatilda Mk. IIA*580WS No. 19 Mk. I
190AP
APCR
121
145
55
55
9240
4G
25.75
1.90
0.36
3675/75/7534340400

解説

  • 概要
    Tier4イギリス中戦車
    突如として現れた重装甲な戦車。
    Tier3までの装甲の薄さはどこに行ったのかというレベル。
    他国のTier4には重戦車がある国もあるが、それらのなんちゃって重戦車よりも安定した装甲を持っている。
     
  • 火力
    最終砲はQF 2-pdr Mk. X-BかOQF 3-inch Howitzer Mk. Iのどちらを選択することになる。
    ただしOQF 3-inch Howitzer Mk. Iは同格LTのCovenanterも搭載出来るので、本車には専用砲であるQF 2-pdr Mk. X-Bを選択するのを推奨する。
    • QF 2-pdr Mk. X
      初期砲。前身で頼りになった2ポンド砲。
      流石にAP貫通力が低く、金弾に頼る場面が増えてくる。
      しかし次の砲である3インチ砲の癖が強いので、大抵はこれを使い続けることになるだろう。
    • OQF 3-inch Howitzer Mk. I
      史実のCS型に装備された76mm榴弾砲である。
      但し10榴とは異なり、相手に決定的なダメージを与える事は難しい。
      また榴弾砲故に精度が悪く、弾道も山なりで弾速も遅いため扱いは難しい。
      その極端な山なり弾道から、使うときはオートエイムで撃つと装甲の薄い車体上面に当たりやすくなる…らしい。
    • QF 2-pdr Mk. X-B
      初期砲にリトルジョン・アダプターを取り付けたもので、原理的にはドイツのゲルリッヒ砲と一緒。
      史実では大戦末期に一部の車輌に装備されていた。
      一発のダメージは少ないが、貫通力・発射速度・精度に優れた砲である。
      APの貫通力121mmは同格だけでなく、格上をも容易く貫通出来るだろう。
      重装甲のマチルダと手数重視の砲の相性は抜群。
      ただ40mmと小口径のため、距離が離れると貫通力がかなり下がる点には注意が必要。
       
  • 装甲
    傾斜装甲では無いが、一部のTier5重戦車と同等の装甲厚を持っている。
    昼飯の角度などを使えば、格下の攻撃を跳ね返すことは容易に出来るだろう。
    但し弱点も存在するので、過信は禁物。
    また、耐久力自体は中戦車の枠内なので榴弾砲によるダメージの蓄積には注意すること。
     
  • 機動性
    はっきり言って遅い。
    低Tierの場合、機動力の高い戦車が多いため、前線に到着するまでは時間が掛かる。
    戦闘開始時に、どのルートに進攻していくのか、予め考えておく必要がある。
     
    • 総論
      重戦車並みの装甲と低機動を持つ自称中戦車。
      その重装甲からTier4の強戦車として数えられることも多い。
      ただし発射速度こそ早いものの単発火力が低めであり、障害物を駆使したダメージ交換に持ち込まれると劣勢を強いられる。
      また重装甲低機動のマチルダは自走砲に狙われやすく、特にQF 2-pdr Mk. X-Bは手数重視な分足が止まりがちになるので、敵に自走砲がいる際は注意が必要。
      このあたりのTier帯は高機動戦車が多いので、接近を許して旋回戦に持ち込まれるのも厳しい。
      その鈍足ぶりから、不利な状況になっても逃げることもできずに爆散というのもよくある話である。
      明確な強みはあるものの相応の弱点もあり、それをフォローしてくれる味方がいてこそ真価を発揮できる戦車である。

史実

カーデン・ロイド豆戦車などを設計した、イギリスの戦車の代表的な設計技師、ジョン・カーデンによる設計で作られたのが、マチルダI(A11)で、歩兵戦車の第1号として1936年9月から試作車の試験が行われ、1937年に正式採用されました。
開発時間とコスト節約のために、フォード製のエンジンとトランスミッション、サスペンションや制動装置などは既存の車両ものを流用して作られたマチルダIですが、当時としては50~60mmと重装甲でした。防御面は優秀でしたが、小型砲塔には7.7mm機銃1挺のみで換気装置もなく、最高時速も10km/hと鈍重なため、第二次大戦初期での実用レベルとはとても言いがたいものでした。
1937年4月から量産初期ロット60両の発注が行われて、その後、増やされて結局1940年8月までに計139両(試作車を入れると140両)が生産されました。1936年11月にはマチルダIIの試作車が完成しており、生産を交代する事になっていました。
量産当時から繋ぎ扱いではあったのですが、初期西部電撃戦において、フランスのアラス郊外にて英軍第1戦車旅団と独軍第7戦車師団が交戦、これが英軍において第二次大戦初の戦車戦となりました、ダンルク撤退のダイナモ作戦ではドイツ軍に対して、強固な装甲でことごとく対戦車兵器を弾き返したものの、貧弱な武装では柔軟な作戦行動が出来るとは言えないと判断され、生産中止を後押しする結果となっています。 イギリス本国へ引き上げた残存車は訓練用に回されました。

歩兵戦車Mk.II通称マチルダII(A12)は、イギリスが1937年にマチルダIとはまったく別車両として開発、1938年に正式採用された実用2番目の歩兵戦車で、強力な火砲と防御力を持つ、本格的な支援戦車のポジションに据えられていました。
完全な新型戦車の開発に切り替え、60mm厚の装甲に身を包み、日本に輸出されたヴィッカーズC型中戦車と同じ「ジャパニーズタイプ」サスペンションを分厚いスカートで防御し、民間用AECディーゼルエンジンを積んだA12歩兵戦車MkII「マチルダ・シニア(Matilda Senior)」の開発を決定しました。ベースとなったのは1929~32年に巡航戦車試作Mk.I(A9)の保険としてA8中戦車とともに試作されたA7中戦車になります。
1936年11月にモックアップが完成し、審査の結果、エンジンを2つ積むことに決定、他にも3インチ榴弾砲を搭載した近接支援バージョンなど多数が検討されています。
トランスミッションの開発が遅れたため、A12E1軟鋼製試作車2両は1938年4月に完成しましたが、量産命令はその前の1937年12月に出されています。 しかし、生産性は防御性能を追求し過ぎたせいで考慮されておらず、特に分割無しのスカートを作るのが難しく、試作車で6つ開いていた側面の土砂排出孔を量産車で5つに減らした程度の生産性向上しか図られなかったため、第2次大戦開戦時には稼働車両が2両しか完成していないと言う有様でした。
テストは順調に進み、ギアボックス、サスペンション、エアクリーナーに若干の改修を加えることとなっていました。ちなみに、ニックネームはA11歩兵戦車MkIがマチルダIになったのを受けてマチルダIIになり、単にマチルダ歩兵戦車といえば本戦車を指すようになりました。
重装甲に加え、2ポンド砲を搭載した3人乗り砲塔を持ったマチルダIIは、フランスや北アフリカに投入されました。 
ドイツ軍が使っていた3.7cm対戦車砲をほとんど受け付けない撃たれ強さを発揮したものの、反撃手段は2ポンド砲の徹甲弾のみで威力も低く、2ポンド砲には榴弾がなかったため、歩兵や野砲に対しても難があったと言われています。 
元々、歩兵の行軍に合わせられればいいという理由から、重装甲に任せた上での機動力の低さも損耗の原因となりました。
歩兵支援に向かないと言われた2ポンド砲の代わりに、3インチ榴弾砲搭載の火力支援型のCS型が用意され、アメリカからの援助車両のM3中戦車が届くまで、アフリカ戦線の主力戦車として戦い続けました。

フランス戦では、わずか23両しか投入されませんでしたが、その重装甲をもってしてドイツ軍を苦しめていたのは有名な話です、しかし、その前年の39年にドイツがポーランドに侵攻した時には、前述の理由でたった2両しか配備されていませんでした。 生産性を無視した無理な設計など様々な理由から生産が遅れに遅れ、やっと軌道に乗ったのが40年からで、フランス西部戦線・黄作戦には何とか間に合ったと言う実情がありました。

そのフランス戦で、ドイツの第7装甲師団と併走していた第3SS装甲師団トーテンコップ(髑髏師団)は戦闘経験が無く、イギリス軍の戦車を見ただけで逃亡してしまった、という逸話もありますが、本当は、戦闘経験がなかった同師団が英軍装甲部隊の反撃を受けて敗走したことが、後世に前述のような作り話に変えられたとされています。
また、マチルダIIが大量に投入された北アフリカ戦線では、イタリア軍を相手にインド師団を助けつつ、大勝利を収めますが、一説には、イギリス軍に驚いたイタリア軍戦車部隊が1週間かけて進軍してきた道を、1日で同じ距離を大遁走してしまった、という逸話もあります(この逸話も、戦後に作られた物とも言われています)。

フランス戦に続いて、北アフリカでも鉢合わせしたロンメル軍団とは一進一退の攻防を繰り返しました。
このとき、フランスで8.8cm FlaK 18高射砲の水平射撃でやっと撃破できた教訓を生かして、積極的に対戦車戦闘に使用されたため、強大な威力を持って長距離からの攻撃では流石のマチルダIIもひとたまりもありませんでした。
1941年5月、イギリス軍の「ブレヴィテイ作戦」を8.8cm FlaK 18で迎え撃ち、ハルファヤ峠の戦いでは捕虜となったイギリス軍戦車兵が、8.8cm FlaK 18高射砲を憎らしげに見ながら「高射砲で戦車を撃つのは卑怯ですな」と言った際に、ドイツ軍砲兵が「8.8cm砲以外では撃ち抜けない装甲の戦車で攻めてくるのはそれ以上に卑怯だ!」と言った会話をロンメル将軍の副官、シュミット中尉が書きとめた有名なエピソードがあります。
ここまでの重装甲になった理由とは、1934年5月にイギリス兵器廠に赴任したヒュー・エルス少将が、自身の経験と第1次大戦に於けるフランス戦車隊の戦訓に鑑み、現用のあらゆる対戦車火器に耐えられる重装甲を持つ戦車を作る必要があると考え、要求仕様書の1節に「どんな既知の対戦車兵器も寄せ付けない装甲を持つ事」という、凄い要求がされていた事が頑強な防御性能をマチルダに与えていた要因となっていました、結果はドイツ軍によって半ば証明されましたが、お陰で生産性の悪さにも繋がってしまうのでした。
分厚い装甲で北アフリカ戦ではドイツの88mm高射砲を除いて敵対戦車火器には無敵の強さを誇っていましたが、2ポンド砲が威力不足になり、6ポンド砲搭を積むだけの車体の余裕も無く、1942年7月の第1次エルアラメイン戦を最後に前線から引き揚げられました。その後は頑丈な装甲を生かした地雷除去装置などのテストに用いられたので、地雷処理派生型が色々と作られています。
その他、架橋戦車など派生車両も多く作られましたが、1943年までに約3,000両ほど作られました。
マチルダMk.IIですが、初期のロットをマチルダMk.II-Mk.I、防盾を改良したものをマチルダMk.II-Mk.II、エンジンやトランスミッションなどの機関系をマイナーアップデートしてMk.III~Mk.Vになっているという、ややこしい表記をする事があります。
ソ連にも1000両程度がレンドリース法により供与されましたが、簡単に取り外せないスカートの構造が雪や泥濘の多い東部戦線では、よく内部に巻き込んだ上に土砂排出口にも詰まって中々取り出す事が出来ないので、現場からは嫌われて散々な評価を受けることになってしまいました。
ドイツ軍に捕獲された中には、砲塔を取り外してIII号戦車に搭載されていた42口径5cmKwK38を搭載した車両があり、1942年末に2両が改造されたそうです。 その2両は42口径5cmKwK38と前側面を覆う防楯を装着し、防楯上部左右には7.92mm08/15機関銃を搭載していました。 改造後に教育コマンドに配備され、大西洋防壁の一部(兵員輸送を兼ねた警備用車両)として使用されたそうです。

マチルダは、当時イギリスで人気のあったマンガに登場したアヒルのキャラクター名から取られました。
イギリスにレンドリースされた、アメリカ初の中戦車M2の愛称もマチルダでした。

コメント

  • たまにこいつを駆るんだが。サイズが小さけりゃ、ラムアタックで仕留められると思ったのか。同格や一個上の戦車が良く突っ込んで来ては大ダメージを受ける。 -- 2018-04-21 (土) 22:10:27
  • 最下ティアだと、たたの的になるか、全く絡めないドン亀 -- 2019-09-09 (月) 02:03:58
  • 同格はおろかティア5でも手負いで真正面から殴り合いをしたくない戦車筆頭。アホみたいに連射してくる2ポンド砲はターン制だとに持ち込んでも向こうに確実に2発は撃たれる上に迂闊に晒して履帯でも切られようものなら地獄のような履帯ハメが待っている。戦線に間に合えば高貫通、高連射力で相手に大きなプレッシャーを与えられるが間に合わなかったときは悲惨な戦果が待っている。 -- 2019-09-09 (月) 20:45:40
  • ここまで来るのに無課金じゃキツかった…。 (俺が弱いだけか。) -- 2019-12-18 (水) 08:15:57
    • いえ、御心配なく。イギリスティア3までの中戦車はマジで動く的でしかないので自力で勝利に貢献するのが非常に厳しく、まして非プレ垢では戦闘数もかさみかなりの苦行になります。突破おめでとうございます。 -- 2019-12-18 (水) 22:55:04
    • ミディアム2まではまだ火力という優位性はあるけどミディアム3は本当に英国の中でも3本指に入るクソ戦車だからね。このマチルダはこのツリー最初のご褒美だからいままでの鬱憤を晴らしてやってくれ。2ポンド砲BになればDPMでも貫通力でもティア5の戦車ですら正面からの戦闘を嫌がられるレベルになるよ。 -- 2019-12-18 (水) 23:21:45
  • ティア4の戦場だと3人で囲んで全員返り討ちなんて事もあるから笑えない -- 2021-08-15 (日) 19:40:47
    • 金弾くらい使いましょうよ -- 2021-08-17 (火) 07:33:31
      • 言葉足らずで申し訳ない。孤立してるマチルダに群がる味方が返り討ちにされる場面をそこそこ見かけるもので。低ティアだと金弾積まない初心者も多いからそういう意味で笑えないと -- 2021-08-18 (水) 23:25:57