Tier 5 ソビエト連邦 中戦車
スペック
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
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出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 旋回速度 | 視認範囲 | |||||
初期状態 | V-2 | 76 mm F-34 | T-34 mod. 1941 | T-34 mod. 1940 | 590 | 9R | |
480 | 37 | 45/45/45 | 325 | ||||
17.18 | 40 | 320 | |||||
57 mm ZiS-4開発時 | V-2 | 57 mm ZiS-4 | T-34 mod. 1941 | T-34 mod. 1940 | 590 | 9RM | |
480 | 37 | 52/52/45 | 525 | ||||
17.12 | 40 | 320 | |||||
76 mm S-54開発時 | V-2-34 | 76 mm S-54 | T-34 mod. 1943 | T-34 mod. 1942 | 635 | 9RM | |
500 | 40 | 52/52/45 | 525 | ||||
17.01 | 49 | 350 |
主砲性能 | |||||||||||
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名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 発射速度 | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
76 mm F-34 | AP APCR HE | 56 7G 56 | 86 102 38 | 110 110 156 | 15.00 | 1,650 | 2.50 | 0.46 | 77 | +17 -6 | |
57 mm ZiS-4 | AP APCR HE | 56 7G 28 | 112 189 29 | 85 85 95 | 20.00 | 1,700 | 2.30 | 0.34 | 77 | +20 -8 | |
23.08 | 1,962 | ||||||||||
76 mm S-54 | AP APCR HE | 80 6G 48 | 125 156 39 | 115 110 165 | 13.33 | 1,533 | 2.30 | 0.41 | 70 | +26 -8 |
※先頭のセルの色は対応するパッケージの色となります。
解説
- 概要
Tier5ソ連中戦車。
T-34ショックを生み出した第二次大戦中屈指の名車で、ゲーム中にも多くの派生型が存在する。 - 火力
以前の初期砲の76 mm L-11は削除されて、76 mm F-34が初期砲となった。- 76 mm F-34
1941年頃からのT-34に搭載されていた史実砲。L-11に代わる初期砲。
初期砲になると共にDPMは大きく改善されたものの、低貫通は据え置き。
AP86mmという貫通力はTier5中戦車としては低い部類で、Chi-Nuの初期砲と大差ない。
その他にも俯仰角が狭く照準時間も長いなど、欠点が目立つ性能。
以前のL-11も残念な性能だったが、これもL-11よりはマシというレベルの性能でしかない。
幸い、次の砲は早いうちに開発できるのでフリー経験値を投入して早めに交換しても良いだろう。 - 57 mm ZiS-4
T-34駆逐戦車に搭載された砲で、T-28でもお世話になった最終砲候補その1。
AP112mmというそこそこの貫通力を持つ砲弾を、優れた装填速度を活かして速射出来るため高いDPMを活かしやすい。
精度もソ連戦車としては高めで、弾速にも優れているため遠距離戦や偏差射撃もしやすい。
189mmという高貫通力の課金弾(APCR)を使えば上位Tierの戦車にも対抗可能。
1発の威力が低いのが難点だが、高レベルでバランスのとれた優秀な砲である。 - 76 mm S-54
Tiger Iに対抗する為に計画されていた砲で、最終砲候補その2。
AP125mmというM4の76mm砲並の貫通力と攻撃力が強み。
ただそれ以外の性能、装填速度や精度では大きく劣るため総合的には57mmに軍配が上がる。
一撃離脱での運用ならありと言えなくもないが、お世辞にも高いと言えない砲精度が辛い。
- 76 mm F-34
- 装甲
正面装甲は数値上は45㎜と薄いが、60°というきつい傾斜がかかっているため実厚は90㎜ほど。格下軽戦車の砲撃程度なら弾いてくれるが、同格以上には基本的に貫通される。 - 機動性
カタログスペック上の最高速度は56km/hだが、実際は平地でも40km/h台後半ほど。同格中戦車であるM4やPz.IV Hよりは僅かに速い程度である。 - その他
改良砲塔になるまでが辛い。
視界が320mと短めで自分の視界頼りだと一方的に撃たれて終わるため、他の戦車の視界を意識して移動しよう。
最終的には350mになり他のTier5戦車と変わらない性能になるので、そこまでの辛抱である。 - 総評
Tier5中戦車の中では、防御と機動性のバランスは高いレベル。特に、後退速度が前進速度とほぼ変わらないので、自走砲の砲撃も易々と避けることが出来る。
ソ連戦車共通の悩みどころである視界の狭さと命中率の悪さを補えれば、良戦車として化ける可能性がある。
炎上はしにくいものの、燃料系がやられやすいので注意が必要である。
最大の難点は乗り出しの辛さ。
57mm砲までは口径の割に貫通力の低い76mm砲で戦わなければならない上、視認範囲がかなり狭い。
あまりに辛いなら、フリー経験値の投入も考慮すべきだろう。
ちなみに、T-34から開発できる車両は駆逐戦車ルートで開発できるSU-85を抜いても3両と多く、すべてを開発しようと思うと経験値が91,695も必要になるため、根気が必要。
史実
1941年、ソ連に侵攻したドイツ軍はT-34/76に遭遇し、それまでの戦車設計を一変させる、いわゆるT34ショックを受けることになったのは有名な話です。
傾斜した前面装甲は避弾経始と呼ばれ、砲弾を逸らせる効果と装甲厚を補う効果を持っている上に、ドイツ軍の3.7cm対戦車砲を23発受けても行動不能にならないほどの頑丈さすらあったとの記録もありました。
76.2mmL11搭載砲塔は、車長が砲手を兼任していて、おまけに外を見ようにも大型のハッチを開けなければならず、視界的な不利と、無線機も足りずに全車装備と行かないために手旗信号を使用せよという有様で、戦闘中の連携は錬度が足りないことも相俟って、皆無に等しかったそうです。
砲弾も、砲塔内の手近なのを撃ちつくした後は、床を剥がないと取り出せず、車内も狭いために装填の間に孤立してしまうこともあったりしたこともあり、結局小隊長の後をついていく車両が多く、カタログスペックでは優っているはずでしたが、運用の稚拙さを突かれて、練度の高いドイツ軍3号戦車等に連携で圧倒されてしまいました。
もともと、小さい主砲用に設計されていた砲塔に、巨大な76mm砲を搭載したために砲塔内は狭く、ハッチなどの不評の改善や火力強化のために、砲塔を一回り大型化したのが、76.2mmF.34砲搭載型で、砲塔後半部サイズの大型ゆえに手榴弾や狙撃に狙われやすく、外を見るにも命がけだった、大型1枚のハッチを小型の2枚として、鋳物で製造されるために生産性の向上も図られました。 それでも、前は見難かったそうですが・・・。 肉薄されたときに、ハッチを開けられないようにするため、内側から鍵が掛けられるようになっていて、搭乗員は専用の鍵を持っていたそうで、ワインの栓抜きに似た形状だったそうです、開けるのもヒンジ金具を足で踏んで開ける、特殊な機構になっていました。
鋳造式に切り替えた事で、数パーツの構成で完成するメリットのほかに、換気扇の位置を変更、主砲を砲塔前部から交換が簡易になるなどがありましたが、引き換えに砲塔の大型化により被発見率が低下し、防御力の低下にも繋がりました。
この型から、無線も全車に標準装備されるようになり、操縦席の覗き窓にもまつ毛といわれる装甲が追加されましたが、防弾ガラスに気泡が入るなどの製造精度の悪さもあり、やはり視界はよくなかったそうです。
生産性を挙げたものの、兵士の錬度が低いのは相変わらずだったために、何かで故障したりすると放棄されてしまったそうで、主力となる戦車が不足していたドイツ軍は、T-34をちゃっかり鹵獲して、部隊編成していて、戦力の充てにしていました。 特徴的な2枚のハッチから、開いた姿を指して「ミッキーマウス砲塔」とドイツで言われていたとドイツ兵の回顧録にもあるそうです。
パッケージT-34 ISTパッケージは、T-34/57として実在していて、装甲貫徹力に優れた70口径57mm砲ZIS-4またはその砲尾部簡易型ZIS-4Mを搭載したタイプでした。
タンク・イストリビーチェリ(駆逐戦車)とも呼ばれましたが、ZIS-4の製造が難しいため、1941年に少数のみが作られてモスクワ防衛戦に投入された他、1943年に再び量産されてクルスク戦などに投入されたそうです。
工場から出た戦車と、兵士の寿命は一週間とも揶揄され、40数両出撃したT34が、朝になったら15両しか残っていなかったといわれていますが、回収・修理されてまた戦線投入されていました、搭乗員だけ載せ変えてまた出撃とするスタイルのため、専門の修理工場があり内部を搭乗員の遺体ごと洗浄すると言う機構を備えていたそうです。
T-34の合理的な設計は、その後のロシア戦車にまで受け継がれていて、第2次大戦の傑作戦車の1つといえるでしょう。
余談として、T-34を分捕ったドイツ軍が重宝していたのに対して、ソ連兵は分捕ったパンターを高く評価して、我先に乗りたがったそうです。 パンターはペリスコープの視界の良さや、照準精度の高さで、常にT-34の先手を取っていて、室内の作りもよく、装填もソ連戦車と比べれば雲泥の差で、高級車に乗るくらいあこがれるような存在だったそうです。 ただ、複雑すぎる構造には、整備員も閉口したとか・・・。
T-34は後にアメリカ・イギリスでも徹底的に調べられました、その結果、鋳造や溶接は「そこらの町工場でも出来る」と評価する程の粗雑そのものでしたが、エンジンや要所の精度を求められる造りだけは、徹底して手を掛けていた事が判明しています。
すべてオーバークオリティで仕上げたドイツに対して、生産性を求めたソ連の、物量作戦に見合った必要最低限だけのクオリティを追求していた結果だったといえるでしょう。 1台分で6tもあるティーガーの履帯に対して、T-34の履帯は華奢で板切れのようだとも、調べ上げた米軍が漏らしたとか・・・。
特に10榴族が跋扈するこのティア帯で高回転型の砲はこのT-34か中華T-34、クルセイダー位しか居ないから差別化は出来る。 -- 2023-02-08 (水) 22:46:04