M10 Wolverine

Last-modified: 2018-09-28 (金) 10:16:33

usa.m10_wolverine.png

Tier 5 アメリカ 駆逐戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP340
車体装甲厚(mm)51/38/38
最高速度(km/h)38
重量/最大積載量(t)27.74/23.49
本体価格(シルバー)415,000
修理費(シルバー)

戦車パッケージ

パッケージ名
(必要経験値/購入シルバー)
Hellcat
(25,500/950,000)
Jackson
(21,850/884,200)
Wolverine
(14,430/415,000)
M10(105)
(4,950/61,300)
M10
(8,560/73,830)
M10 Late
(11,860/95,800)

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
M10 WolverineWright Continental R-975EC276 mm AT Gun M7 L/50M10T41M10T72340395
350AP
APCR
HE
101
157
38
110
110
175
5456
7G
56
14.29
1.70
0.43
2857/25/2517370
M10(105)Wright Continental R-975C1105 mm AT SPH M4 L/23M10T42M10T42340395
400HE
HEAT
53
101.59
410
350
30166
10G
7.59
1.70
0.52
3057/25/2517370
M10GMC 604676 mm AT Gun M1A1M10T42M10T72340615
420AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
5496
7G
68
16.22
1.70
0.40
3057/25/2517370
M10 LateGMC 604676 mm AT Gun M1A2M10T42M10T72M1360615
420AP
APCR
HE
128
177
38
115
115
185
5496
7G
68
18.75
1.70
0.37
3057/25/2516370

解説

アメリカ駆逐戦車の全周囲砲塔第1号、他国戦車が固定砲塔なのに対し、中戦車張りの性能と機動力で敵を翻弄できる。
安定した性能の76mm砲と、強力な火力を浴びせる105m砲があり、軽量化したシャーマンのような感覚で使えるが、防御力が高いとはいえないのでなるべく被弾は避けたい。

史実

 それまでのM3中戦車をベースに、対戦車砲を搭載しただけの駆逐戦車に満足のいかなかった米陸軍戦車駆逐委員会に対し、新しくT35E1として試作車両を1942年4月に仕上げました。
試作車はM4A2の車体に傾斜を多用した避弾経始を図ったものに、3インチ砲を搭載したオープントップの全周囲旋回砲塔を搭載することで高い評価を受けました。
 T35E1は、防御力よりも機動力を委員会から要求された結果、装甲厚が減らされ軽量化による速度向上を果たしました。 
装甲が薄くなった替わりに、外装式の追加補助装甲を取り付ける取り付け具が砲塔側部や、車体のあちこちに設けられました。
1942年6月に、M10駆逐戦車として正式化されました。 1943年の生産終了までに4,993両が生産され、10月にはM4A3をベースとするM10A1が1,413両作られました。 
うち、イギリス軍には1,648両が供与され、カナダやオーストラリア軍へも配備されたとされています。 
M10系列は、大きな改修が施されなかったものの、砲塔容積により、前期/後期に分けられ、さらに、砲塔後部のカウンターウェイトが3種類、生産時期により変更されました。 
後期モデルになると、砲塔と車体側面の追加装甲取り付け器具を省いたまま、ヨーロッパ戦線へ送り出されたものもあったそうです。

また、イギリス軍において、ウルヴァリンの名称で呼ばれ使用されましたが、主砲をファイアフライにも使用された強力な17ポンド砲へ交換、作業はマズルブレーキと砲塔部の小改造で済むため、後期型M10は大戦後期殆どが17ポンド砲に交換されて、アキリーズと呼ばれるようになりました。 アキリーズはギリシャ神話に登場する俊足の英雄「アキレウス(アキレス)」から付けられたそうです。
ただし、供与された内の何両がアキリーズに改造されたのかは、詳細不明となっています。

ウルヴァリンは、イタチ科のスグリを指します。 時に、自分より大きな鹿や羊を木の上から奇襲をかけて、強力な顎で脊椎などの急所を噛み砕いて仕留める為、この事が駆逐戦車に合致する事から、この名がついたのではないかと思われます。

避弾経始を採用した車体から、V号戦車パンターに似ていた為に1944年末のバルジの戦いにおいて、当時のドイツ国防軍SS特殊部隊を率いるオットー・スコルツェニーによって、ミューズ川にかかる橋を爆破される前に奪取する作戦「グライフ作戦」が立てられます、これは、ドイツ軍特殊コマンド部隊がアメリカ軍に化けて橋へ前進して爆破するという奇策でした。
作戦のためにパンターを徹底的に改造、砲塔周辺を鉄板で囲いM10そっくりに仕上げ、キューポラ撤去に伴いハッチに変更、スカートやシュルツェンの取り外しや、尾部と前部を大改修し、フックや砲固定のトラベルロックを追加、側面に予備履帯を付ける、マズルブレーキを外すなど、塗装を含めて遠目には判らないほどのオーバークオリティな偽装を施した事は有名で、ゲーム中でもドイツ軍課金戦車M10/パンターとして登場しています。 後にアメリカ側で調査された際には、情報士官も認めるほどの出来栄えだったと言われています。

本来、鹵獲した米軍車両を使う予定が、数が揃わずに苦肉の策として、オットー・スコルツェニー中佐によれば、およそ12両が配備されたそうですが、進軍に手間取り作戦には間に合わなかったそうです。 ちなみにこの偽M10はその後、普通にパンターとして使用されています。
他にもIII号突撃砲をオリーブドラブに塗り米軍の星マークをつけたものや、1号戦車をベースとしたハリボテシャーマンも用意されていたらしいのですが、どう見てもこれらは疑問符しか湧かないような物でした、その他、M4シャーマンやジープなどの鹵獲した実物も掻き集めていたそうです。
なお、SS特殊部隊員はグライダーからパラシュートで降下、アメリカ軍の中に紛れ込む作戦でしたが、捕虜などから調達した軍服が階級や部隊などまちまちで、冬なのに夏服があったりとか・・・、おまけに、なぜかソ連兵の軍服まで混じっていたりして、なかなかちゃんとした数が揃わなかったそうです。 隊員は英語ペラペラな元船員の兵士が招集されましたが、時間的な制約から特殊部隊の訓練は受けておらず、コマンド部隊としては素人同然でした。
実戦でのスコツェルニーの作戦は失敗といっていい結果でしたが、アメリカ軍に化けたのではなく普通のドイツ軍服SS隊員に遭遇したり、アメリカ軍に噂が飛び交った結果、「偽米兵がパラシュートで降下してきた」、「アイゼンハワーをさらいに来た」、「すでにドイツ軍に包囲されている」などとと噂が尾ひれを生やして大パニックに陥ったそうです、しまいには疑心暗鬼の塊になり大変だったそうで、米兵を見かけたら「ミッキーマウスのガールフレンドは?」とか「イリノイの州都は?」など、アメリカ人なら分かる質問をする事が決められ、しばらくの間、憲兵が問いかける事が続いたそうで、結果的には成功だったともいえるそうです。 この作戦による噂の効果を知ったジョージ・パットンもさすがに驚いていました。
ちなみに、アイゼンハワーの噂は捕虜になったコマンドが尋問中に咄嗟についた、「パリに滞在中のアイゼンハワーの誘拐・殺害」という出任せが流布したと言われています、後々までアメリカ軍は案外デマの流布に弱かったりします。
余談ではありますが、スコルツェニー親衛隊中佐はこの作戦は失敗だったと語り、またアメリカ軍の軍服を着たドイツ兵はコマンドの有無を問わずスパイとして銃殺されたそうです。

ある部隊の将校の乗ったジープが通りかかった野戦憲兵に呼び止められ、「イリノイ州の州都はどこか? アメリカ人ならわかるはずだ!」と問うと、「スプリングフィールド」と答えたところ、憲兵に拘留されてしまいました。
実は、この憲兵を含めて、「シカゴ」と誤認している事が多かったそうで、「スプリングフィールド」が正しいと知らなかったために、誤って軟禁してしまいました。 その将校はなんと、オマル・ブラッドレー野戦司令官だったのでした。

コメント

  • T25/2あたりに先に乗っているとつい中戦車のように使いたくなる。が、前線で同格以上の重戦車と近距離戦になったりすると厳しい展開に。上手い人は別。HPは本車とT67が340→360なのに対してM4は400→460、M7は400→440。 -- 2017-05-18 (木) 17:27:10
  • いつの間に500馬力のエンジンパケ追加されたんだろうなこいつ -- 2018-09-27 (木) 14:19:29
    • おそらく2年前 -- 2018-09-28 (金) 10:16:33