1929年 中華民国 軽巡洋艦 逸仙
中国ツリーの中ティア軽巡洋艦。
ゲームでも史実でも巡洋艦に区分けされているが、艦体は小柄で喫水も浅く、実際のところ砲艦と言った方が近い。
当然、速度は遅く装甲も貧弱、武装もデフォルト状態では駆逐艦にすら劣るレベルである。
武装変更すれば、一応中国ツリー伝統(?)の長射程を誇る8インチ砲を搭載できる。が、低ティア帯では通用した高性能も中ティア帯では……
隠蔽性+4%の効果のある迷彩。588G。
色の変化は艦上構造物だけに適用されるので見た目が怪しいが、それ以上に色が悪目立ちする。
数値上の隠蔽性が上がったところで、このド派手な迷彩を装備していると視界さえ通れば一瞬で居所がバレてしまう。はっきり言って通常状態の方が見えにくいだろう。
HP+4%の効果のある迷彩。こちらも588G。
相変わらず艦上構造物にしか変化がないが、まだカラーバランス的にはこちらの方が目立ちにくい。
体力増強効果は雀の涙なので貴重なゴールドを使う価値があるかどうかは微妙なところだが、どうしても迷彩を装備したいならこちらをお勧めする。
基本性能
※括弧がある欄は【改修後の数値(初期値)】
年代 | 1929 | 国家 | 中国 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
艦種 | 軽巡洋艦 | 対潜 | × | ||||
耐久値 | 20420 | 戦闘成績(BR) | 105 | ||||
無装甲排水量(t) | 751 | 無装甲速力(kt/h) | 30.4(29.0) | ||||
基準排水量(t) | 1650 | 最大速力(kt/h) | 26.3(25.0) | ||||
最大排水量(t) | 2550 | 最大舵角 | 74.8(68.0) | ||||
可視距離(km) | 6.5 | 絶対視認距離(km) | - | ||||
アンロック費 | 205000S | 購入費用 | 2050S | ||||
360G |
装甲防御
※単位はインチ(in)表示
※史実/技術ツリースペック準拠の場合。購入時は無装甲状態
防御区画 | 前部 | 中部 | 後部 | 装甲重量(t/0.1in) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
甲板部 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 12 | ||
舷側部 | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 12 |
搭載武装
主砲 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
50口径 15.2cm 速射砲 | 600 | 15.1 | 5.5 | 7 | 38 (28+1/20) | 70 | 100/100 | |||
45口径 20.3cm Mk.3 単装砲 | 800 | 32.28 | 10 | 6 | 125 (65+6/50) | 60 | 250/250 | |||
50口径 15cm クルップ砲 | 550 | 11 | 15 | 7 | 37 (21+1/26) | 50 | 208/208 | |||
50口径 三年式一四糎 単装砲 | 550 | 13.5 | 6.2 | 9 | 37 (21+2/26) | 70 | 208/208 | |||
40口径 15.2cm 速射砲 | 600 | 12.15 | 4.3 | 7 | 73 (23+5/50) | 55 | 250/250 | |||
40口径 10.2cm 速射砲 | 400 | 12.15 | 2.9 | 10 | 51 (1+5/20) | 55 | 100/100 | |||
副砲 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 貫通力 | 基本弾数(HE/AP) | ||
40口径 7.6cm 単装高角砲 | 300 | 10.8 | 3.5 | 15 | 31 (15+1/50) | 60 | 400/400 | |||
45口径 12cm アームストロング Mk.Y カノン砲 | 500 | 7.2 | 6 | 10 | 35 (15+1/50) | 50 | 500/500 | |||
40口径 15.2cm 速射砲 | 600 | 12.15 | 4.3 | 7 | 73 (23+5/50) | 55 | 250/250 | |||
40口径 10.2cm 速射砲 | 400 | 12.15 | 2.9 | 10 | 51 (1+5/20) | 55 | 100/100 | |||
魚雷 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 旋回 速度(°/s) | 重量(t) | 雷速(knt) | 基本弾数 | ||
18インチ 水中魚雷 | 2000 | 5.5 | 50 | 10 | 8 (5+1/1) | 27.5 | 3 |
部品改修
改修段階 | 火力 | 索敵 | 速度 | 装甲 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 主砲装填装置(主砲装填時間-6%) | 特殊塗装(隠蔽性+5%) | 副舵輪(横滑り防止+8%) | 消火器(自艦火災継続時間-10%) | ||
Ⅱ | 主砲装填装置(主砲装填時間-7%) | 精密探信儀(強制発見距離+5%) | 新型艦首(旋回抵抗-10%) | 排水ポンプ(自艦浸水継続時間-12%) | ||
Ⅲ | 射撃管制装置(主砲射程距離+9%) | 精密探信儀(強制発見距離+7%) | 変速機(加速性能+10%) | 高品質装甲(徹甲弾被弾ダメージ-10%) | ||
Ⅳ | 新式炸裂榴弾(榴弾ダメージ+10%) | × | 舵輪(最大舵角+10%) | 傾斜装甲(装甲HP+9%) | ||
Ⅴ | × | × | ボイラー(巡航速度+5%) | × |
立ち回り方
本艦の性能でまともに戦っては、駆逐艦相手ですら返り討ちにされてしまう。とにかく細かく動き回り島影などに隠れながら、嫌がらせ的な砲撃を行おう。
そして、敵艦と1vs1の状況だけは絶対に作ってはいけない。相手が同じ逸仙でない限り、サシの戦いになった時点でほぼ負け確である。
主砲
軽巡洋艦の主砲として、性能自体は比較的良好なものが揃っている。
だが悲しいかな主砲スロットはたったの2つであり、装備可能な砲はことごとく単装砲である。
こんなんでどうしろと言うのか。
一応候補を挙げるなら、50口径15.2cm速射砲か三年式一四糎単装砲が取り回しやすいツートップであるが、どちらも射程が短い。
20.3cm砲は性能は良いものの嵩張る。ただし低伸弾道なので命中精度は折紙付きであり、射程も長いため敵艦に接近する危険を冒さずに済むという利点はある。
副砲
こちらも単装砲ばかり四門が搭載可能。
副砲ゆえに精度は低く、しかもこの少ない門数では放火用としても全く期待出来ない。少しでも重量を減らして機動性に回すために全部降ろしてしまった方が良いだろう。
魚雷
水中魚雷を片舷一門ずつ装備している。射程は5.5km。速力は27.5knt。しかも水中魚雷なので射角は極めて狭い。
……かくも低性能の魚雷に何か期待する方が難しいが、遺憾ながらこの魚雷が本艦の最大火力である。重量も軽いので持っておいて損にはならないだろう。
かつては第三副砲と共用で一箇所だけそれなりに高性能な魚雷を装備可能なスロットがあり、格上に対する貴重な打撃力だったのだが……、
い つ ぞ や の ア ッ プ デ ー ト で 削 除 さ れ た
……。
つまりナーフである。
ただでさえ悲惨な境遇の逸仙をこれ以上ナーフして何がしたいんだ! やめたげてよぉ!
魚雷 | 名称 | 火力 | 射程 距離 (km) | 装填 速度(s) | 重量(t) | 雷速(knt) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
八九式 五三糎 連装魚雷 | 3450 | 6 | 60 | 60 | 43 | |||
八年式 六一糎 連装魚雷 | 3450 | 15 | 60 | 70 | 32 | |||
18インチ CN 連装魚雷 | 3000 | 5.5 | 38 | 25 | 35 |
一応、削除されたアプデ前までに逸仙を購入してこれらの魚雷を装備していた場合、まだ魚雷を実戦で使うことが出来る。今後どうなるかは不明。
対空
そんなものはありません。
装甲
安定の紙装甲である。さすがに駆逐艦よりは厚いが、ほとんど気休め程度。撃ち合いになった場合は門数の差で駆逐艦にすら撃ち負ける可能性が高い。
部品開発で装甲耐久を上げられるので最低限のみ残し、あとは削って機動力に回してしまった方が良いだろう。
機動性
さすがに中国艦だけあり旋回性能は極めて優秀。
小柄な艦体も相まって、中距離以遠なら砲撃回避も出来なくはない。
ただし速度に関してはデフォルト装備でボイラーを搭載しても26ノットと軽巡洋艦としてはかなりの鈍足。装甲を削り弾薬を削り……と努力しても30ノットが関の山である。
本艦の脆弱な攻防能力では敵艦に接近を許したらジ・エンドなので、とにかく離れられるだけは離れよう。
その他
死体蹴りも良いところだが、本艦は残念ながら可視距離も狭い。しかも何故か隠蔽はあまりよろしくない模様。
同じ中国ツリーの低ティア巡洋艦である海圻や應瑞と仮に戦うことになったとしても、あっさり返り討ちにされて終わりかねないあたり悲惨である。
総評
不遇・オブ・ザ・不遇。逸仙を一言で表すならこうなる。
視界悪い、砲力低い、魚雷能力低い、装甲薄い、速度遅い、隠蔽いまいち……。トドメにモデリングと迷彩までバグったままであるVer.2.00.025のアップデートでモデリングは修正された。おそらく中ティアではコルベルクと並ぶかそれ以上に悲惨な境遇に甘んじている一隻だろう。
機動性の項で触れたように転舵性能は非常に優秀であり、戦闘成績も低いがそれまでである。
初心者にはおすすめ出来ない。ベテランにもおすすめ出来ない。
本艦はどんなに悲惨な結果が待っていようとも愛を持って乗りたいという立派な志を持った艦長か、もしくはドMの艦長にのみ薦められる艦艇である。
歴史背景
逸仙(いつせん、繁体字: 逸仙)は、中華民国海軍が日中戦争前に建造した砲艦。中華民国海軍では軽巡洋艦に類別されていた。艦名は孫文の字(あざな)である。英語圏等で見られる“Yat Sen”というのは広東語読みである。
1931年に上海江南造船廠にて完成した。1935年には台湾統治40周年を記念して開催された博覧会に招待された福建省主席陳儀を乗せ基隆港へ寄港している。
1937年に支那事変が勃発、南京の江陰要塞防衛の任に就く。9月24日に寧海、平海の両艦が空襲で撃沈されると、替わって本艦が旗艦となる。しかしながら9月25日午前、敵機16機が本艦を攻撃し2機を撃墜したものの、14名の戦死者を出し沈没した。1938年日本軍が浮揚、5月12日に呉に回航、修理。この際兵装を日本軍式に改めると共に、船尾楼甲板の増設、音探、電探を装備している。1939年7月29日雑役船阿多田として兵学校練習船として再就役した。敗戦後中華民国に返還されるにあたり軍艦への復旧がなされたが、この際に廃艦となる八雲のドイツ製の調度品をのせて1946年7月30日に復旧工事を完了。8月25日上海にて中華民国へ返還され、旧艦名に復した。
1949年4月23日に南京で発生した第二艦隊叛乱事件では白旗を掲げ投降したかに見せかけ、後に攻囲を突破し脱出した。台湾に到着後近海の警備に幾度となく参加。艦番は「78」であった。1958年6月1日に除籍、1959年5月19日にスクラップとして売却された。
コメント
- 当時ではかなり希少な中国(中華民国)が自ら建造した軍艦。 -- 2023-06-12 (月) 01:13:25