各部あらすじ

Last-modified: 2021-08-10 (火) 07:41:28

入学編

文庫1-2巻、アニメ版1-7話が該当。
人として重大な欠陥のあるww兄妹が魔法科高校に入学し、チートで暴れながらテロリストを楽しく撃退し、そのついでに学園の差別問題もなんか解決してしまうという内容。
編集がなろう特有の冗長な文章を全くと言っていいほど推敲しなかったため、意味不明な改行まみれで、デビュー作でいきなり二分冊、しかも目が滑ってとても読みづらいという、ラノベ史においてもあってはならない伝説を作った。なにせ、初登校を終えて帰ってくるまでで一冊費やしているのである。
アニメ版においてもその雰囲気を忠実再現した結果、冒頭も冒頭で全然話が進まないこの部分になんと7話(クールのほぼ半分)も使ってしまい、各話のサブタイトルが「入学編1」「入学編2」という手抜き仕様も相まって「長い」「いつまで新入生気分でいる気だ」と多くの人間を呆れさせた。web版には各章のサブタイトルあったのにね。
だがこの時点では「モブ崎ww」と笑ってイジられる程度で、視聴者が左遷の深すぎる闇を見せつけられるのはまだだいぶ先の話であった。

九校戦編

文庫3-4巻、アニメ版8-18話が該当。
いわゆる大会編であるところのお笑い運動会が開幕。キモウトが選手、wwさんはエンジニアとして多くのヘッポコ競技に挑戦する。
まだキャラの掘り下げも何も終わっていない段階で「勝とうが負けようがどうでも良い学校の、勝とうが負けようがどうでも良いキャラクターが、勝とうが負けようがどうでも良い大会に挑む様子」を延々と見せつけられられるという苦行のような構成になっていることから、長さ的にはそれほどでもないにもかかわらず特に冗長に見える部分である。
ほぼバスに乗るだけで一冊使うという相変わらずの贅沢なページの使い方であり、芝さんの点呼シーン(なかでき)を挟んで、バスがバンクスピンジャンプ魔法によるテロに遭遇し、芝さんが撃退するまでで上巻が終了する。
下巻では満を持して運動会が開幕し、芝一味はチートとラフプレーの合わせ技で、スポーツマンシップの欠片もなくひたすら相手校を蹂躙していく。
女性陣は当初、ムッツリスケベの芝さんにCADを見せることに難色を示していたが、芝さんのフォローを受けられなかったモブ崎と地雷女が酷い目に遭うとその態度は一変、全員が芝さんに股を開く羽目に陥る。
だがキモウトのCADに仕掛けられた古式のウイルスから、大会を裏で操っていた今回の殺られ役無脳竜の存在が浮上し、多くの愚劣卑劣な妨害が仕掛けられる。wwさんに泳がされたことで妨害のほとんどが成功して選手がボロボロになる一高だったが、満を持してwwさんが選手として出場。他の学校に希望を持たせたうえでそれを目の前で摘み取る悪鬼の所業を行う。

芝兄妹の活躍で、一校は最終日を待つことなくスコア上での総合優勝が決定したため、会長は他校生徒もいてまだ競技も残っている状況でまさかの大祝勝会を開催。学校行事に興味が無い筈の芝さんはこういう時に限って一通り楽しんだ後、思い出したかのように無能竜を皆殺しにするのだった。

作品史上最も頭と動機が弱い敵・無能竜と、全く親睦を深めようとしない魔法科高校の生徒たちの末期ぶりを楽しめる。

夏休み編

文庫5巻。アニメでは未登場。
ラノベレーベルではよくある、キャラの日常を描いた短編集。
よくある感じの当たり障りのない内容かと思いきや、

  • 「夏の休日」戦時中に小笠原の別荘、評論家を例に出した逆ギレ、気持ち悪さしかない芝のバカンス
  • 「優等生の課外授業」森崎の最後の花火
  • 「メモリーズ・オブ・ザ・サマー」キモウトファッションショー
  • 「会長選挙と女王様」指名制選挙、キモウトの魔法暴走未遂事件
  • 「友情と信頼とロリコン疑惑」クリプリのどーでもいい過去と、佐渡島をソ連軍に抑えられていたという重大な事実が発覚する
  • 「アメリア・イン・ワンダーランド」ショタ十三束(ふもっふ)とエイミィにフラグが立つが、その舞台が「ワンダーランド」という田舎のパチンコ屋みたいな遊園地

ド安定の左遷クオリティである。

横浜騒乱編

文庫6-7巻、アニメ版19-26話(最終回)が該当。
お笑い運動会で起こった悲劇が原因で、wwさんは論文コントへの出場をお願いされる。wwさんが一週間で書いた論文とピストン核融合炉を奪うためにまたテロリスト(大亜細亜連合)がやってきて、戦争ごっこやって本編では初のマテバが披露される。

ゾンビ兵士、直立戦車、偽装揚陸艦、時速30ノット、デーモンライト、ベノムスーツなどなどネタ的な意味では一番盛りだくさんな章である。
逆に言うとさすおに的な盛り上がりではピークであり、ここから話は盛り下がっていく一方だったりする。
左遷がインタビューで語ったところによると、劣等生という作品における「導入部のクライマックス」とのこと。
つまりこの文庫7冊分の2クールアニメは導入部だけで終わってしまったということである。

追憶編

文庫8巻。
wwさんの人生初マテバを、にわか政治・軍事評論家のキモウト視点でダラダラと描く。
沖縄防衛戦、レフト・ブラッド、お貸ししろ!、アーマースーツ、初代バリア女の犬死にはこの巻。
さすおに以外の要素を全て削ぎ落して一冊にまとめた傑作()で、劣等生の問題の本質はこの一冊に十全に描かれているといえる。逆に言うとこれ以降はここに書いてあることのループに過ぎないため読む必要はない。

アニメ第二期のタイトルが「来訪者編」であるため、カットされる可能性が示唆されている。信者曰く、この部分をカットすると芝さんがUSNAに目を付けられた理由が分からなくなるらしい。
理由なんて横浜でのやらかしだけで十分な気もするが。

来訪者編

文庫9-11巻。web版のストックここで終了。
web版の「魔人()暗闘編」を組み込んで再編集したためいつもより長めで、初の三分冊。いつもの事とか言わない
wwさんをマテバの犯人であると突き止め、日本にやってきたポンコツことアンジェリーナに対するwwさんの陰湿なイジメが3冊分長々と描かれる。
ポンコツは人気が出たかどうかはともかく、萌えヲタを釣る役割としてはキモウトよりも訴求力があると判断されたらしく、その後の展開でもかなり目立っている。

ダブルセブン編

文庫12巻。ここからは書下ろしによるwwさん二年生編だが、冗長ななろう文体は修正されず。
しかもこの辺から編集の都合による露骨な引き伸ばしも見受けられるようになり、信者にすら呆れられるレベルで話が薄くなっている。
何故かここだけ漢字表記ではなくなっている。
ダブルセブンは七草家(ざーさん)と新キャラの七宝家のこと。
ここで劣等生設定の致命的な綻び(の始まり)である芝科が誕生。同時に薄っぺらい第二世代キャラがぞろぞろ登場するも、テロリストが出てこないためいまいち見所に欠ける内容となっている。

スティープルチェース編/迷走編

文庫13巻。
まさかのお笑い運動会パート2。
当初左遷のアイデアでは、迷路を走破する競技のスティープル(ryにちなんで迷走編と付けられる予定で、一部の読者からは本当にそう呼ばれている。
無駄を省いてお笑い運動会を一冊に収めてみせたのかというと別にそんなことはない。『裏』で芝さんがうだうだやってる頃に『表』では脇役どもが何をしていたのか、という申し訳程度のキャラ掘り下げ用連作短編が雑誌連載されており、後に「SS」と銘打って一冊お届けされる。

茶番の選挙戦の果てに、ざーさん会長の血塗られた玉座を受け継いだあーちゃん。
彼女は早速自分の権力を示すため、再びやってきた九校戦で他校のモブを完膚なきまでに叩き潰す計画を立て、一人ほくそ笑んでいた。
(※忘れがちですが九校戦は親善試合です)

だが大会直前。彼女を待っていたのは、6競技のうち半数の3競技を刷新するという超絶悲報だった。
灼熱のハロウィンを見て焦った似本政府が、高校で遊んでいる魔法師を戦力に仕立て上げるべく、競技を選手同士の潰し合い・殺し合い上等の過酷なものへと変貌させたのである。
(このことにより、実は一年目に行われた全ての競技は、たかが生徒会選挙で魔法戦争を引き起こす蛮族高校生が暴力沙汰を起こすことを防止すべく「相手に直接接触しなくても競技が成立する」ようにルール設定されており、芝さんが前年度にやった目潰しや散弾ぶっぱ、チートアイテム持ち込み、凶器攻撃などはそれの配慮を踏みにじるものであったことが発覚した)

芝さんの見立てによると、目潰しを仕掛ける余地が無くなった分むしろ安全な「ロアー・アンド・ガンナー」と、直接体をぶつけ合うとはいえ防具がある「シールド・ダウン」はまだいいとして、最後の「スティープルチェース・クロスカントリー」は現役軍人でもクリアが厳しく、下手をすれば大勢の選手が魔法力喪失を起こす可能性が高いという。
その上スティープル(ryの障害として、芝さんが倒したパラサイトを利用したパラサイドールを投入する計画が進められていた…。

一方、芝さんを書記長に据えてウッキウキのキモウトは、九校戦にかこつけて芝さん専用のキャンピングカーを衝動買いし、その請求書を散々失礼な態度をとっている芝パパに回すという新たな面倒事を引き起こしたが、バス女が金を出したことで事無きを得た。

かくして、九校戦の新競技に向けての調整・パラサイト云々の調査・様子のおかしいキモウトの監視という三足の草鞋を履かされた芝さんのブラック労働の日々が始まるのであった。上二つは灼熱のハロウィンが原因なので身から出た錆だが。

古都内乱編

文庫14巻-15巻。
論文コント編パート2。まさか本当にこのままループさせる気なのか。
論文コントへの出場を義務付けられていたはずのwwさんが恒星炉を口実に堂々とサボり、京都に逃げたロンゲを追ってぶらり虐殺の旅に出る。
途中ざーさんに絡まれたり、男版キモウトが民間人を巻き添えにするのを見物したり、たまたま近くにいたクリプリを呼びつけたりしながら、完成した新必殺技「バリオン・ランス」を使…うでもなくロンゲを抹殺した。

四葉継承編

文庫16巻。
wwさん家の新年会と、一族内の邪魔者との茶番バトルを描く。

指定暴力団四葉一家のお正月。芝兄妹は、キモウトに縁談を持って来た伯母上によって実家に強制送還される。
キモウトの四葉一家継承を邪魔しようとする雑魚を片付けた芝さんは実家に出頭し、散々勿体付けてきた新必殺技「バリオン・ランス」を座興代わりに披露して会場を沸かせた(物理)。

キモウトは当初、いつもの調子で暴れて縁談を滅茶苦茶にしてやろうと思っていたが、次第に「縁談を受け入れればお兄様の地位も安泰になる」と良からぬことを考え始める。そうして脳内キモウト会議で出した結論は、まだ見ぬ婚約者と形だけの夫婦になり、育児を使用人に丸投げしてお兄様と不倫という大変おぞましいものだった。自分が散々軽蔑していた父親と同じ道を辿ろうとしていることや、そもそもこのままいくと何の覚悟もないまま暴力団の跡継ぎになってしまうことなどは何も考えていないのであった。

一方、伯母上と二人きりになった芝さんは、これまでの話を根底からひっくり返すようなとんでもない話を聞かされる。
芝さんの正体は四葉一家(厳密には伯母上個人)の地球を滅ぼしたいという祈りから生まれ、幼いころから殺人の訓練を施された「超越者」であり、精神が壊れているのは脳改造が原因ではなく訓練でメンタルをやられたからで、キモウトは一応実の兄妹だが、芝さん専用の孕み袋となるべく、近親相姦とかが問題にならないくらいに改造されたミュータント同然の存在だったのである。

伯母上は真実を明かしたうえで、芝さんが実家へのファッション反抗を止めて四葉の道具になるなら、戸籍を改竄してキモウトと結婚させてあげる(要約)と告げる。
兄妹から人間性と自由を奪い取った張本人、芝さんにとっては敵どころか復讐対象で、しかも現在進行形で地球を滅ぼそうとする悪党に誘惑された芝さんは、何を思ったのかそれを承諾。ジュブナイルの主人公が後ろ暗い権力に飲み込まれた瞬間だった。

芝さんが意気揚々と乗っかった十師族が泥船だったことを知るのはまだ大分先の話である。

師族会議編

文庫17-19巻。
wwさんとその取り巻きのファッション苦悩をあっさり処理した後、箱根旅行中の十師族当主どもに視点が移る。
いつものザル警備ゆえキョンシー爆弾50体を配達されてしまい、国防の要()が一般人を見殺しにして悠々と敗走する有様が描かれる。
上巻では、「師族会議」の模様とゾンビテロのドタバタ劇、今さら初登場のモブくさい十師族当主にページを割いたため、比較的さすおにの少ない巻となっている。
中巻ではゾンビテロで醜態を晒した十師族が大衆のバッシングにさらされ、その隙をついて海外組(かのぷー)が襲来してくるという鬱展開モドキが描かれる。
下巻では、ようやく自分たちの立場に危機感を覚えた十師族が重い腰を上げ、ゾンビテロの主犯・ヘイグの抹殺に芝さんが動き出す。別に伝説にはならない。伝説は映画の話。
だがキモウトに気を取られ、いまいち乗り気でないままヘイグ捜索をした結果、スターズ№2であるところのかのぷーに獲物をかっさらわれ、芝さん初の任務失敗で「次巻に続く」となってしまった。その上後半の100ページほどが一条将輝の転校日記という謎の駄文で締められているため、信者からすればなんともモヤっとした形で読了することとなった。
通常、「主人公の任務失敗」と言ったら物語のヤマになるのだが、この失敗は完全にうっかりミスと舐めプの産物であるため、アンチはおろか芝さんの無双()を見たがってた信者からも大バッシングを受けることとなった。横浜編以降「前置きみたいな話」を延々と見せられ続けた信者のイライラは頂点に達しており、「もうそろそろ大亜にマテバ打ち込んでほしい」という謎の八つ当たりまで起こっている。なんでや!
なおタイトルの「師族会議」は上巻で終わっており、それ以降は直接的には会議と関係ない話となっている。また下巻にだけクリプリ日記が挟まるという謎の構成になっていることから、編集部が強引に三分冊で引っ張ろうとした結果このように奇妙な話になってしまったとも考えられる。

というか普通に考えたら十師族の権威自体が終了なのだが、以降の巻で明確に魔法師の地位が失墜した様子はない。

南海騒擾編

文庫20巻。
騒擾は「そうじょう」と読み、「集団で騒ぎを起こし、社会の秩序を乱す」「事件などを起こして社会の秩序を乱す」ことを意味する。
騒乱とか内乱とか動乱とか似たような言葉ばかり使ってたら、いよいよネタが尽きてきたようである。
少なくともまたもやテロ起こす気満々なのは伝わってくる。

ネカマ&地雷女、杉田&ポニテ女、小動物会長&ハットリくんなど、四葉バレとかの影でずっと放置プレイされていた脇役三年生の集団が、何の脈絡もなく沖縄へ卒業旅行に行くことになった。戦時中に「国防の要」になる人たちが国境近くでバカンスってどれだけお花畑なのか。
同じころ、芝兄妹も沖縄に向かっていた。というのも案の定沖縄ではテロ計画(後述)が進行中であり、それを阻止しようとする独立魔装大隊のミッションに参加することになっちゃったのである。
「災禍疹島」とかいう資源採掘用の人工島に集まったwwさん達を待ち受けていたのは因縁のある意外な人物で、彼らと共闘しての冷静で冷酷なテロ防止活動と、半ば忘れられていたサブカプ共の馬鹿ンスを同時進行で描く。
だが最終的には、左遷自身も「芝さんの存在が強すぎた(要約)」と言い、結局寄り道だ何だと言いつつ「いつもの魔法科」になってしまったことをぶっちゃけている。やっぱネタ切れか。

その「いつもの魔法科」の内容は以下の通り。

  • 日本の勢力伸長が気に入らないイギリスがオーストラリア軍と講和反対派の脱走した中国軍を組ませて日本にテロを仕掛ける
  • その動きを掴んだ日本軍と中国軍がテロ対策に乗り出し四葉から司波も協力するように命令
  • 現地入りした司波が敵の監視を見抜き逆に視認、情報的にロックオンしたので常時居場所追跡可能に
  • そんなことに気付ける訳もない敵に対して奇襲敢行、敵主力(潜水艦)壊滅
  • 残存戦力が突撃してくるも、やはり情報的に補足してるので余裕で対応
  • ついでにその場に居合わせた卒業生組も中国軍脱走組と戦闘して勝利
  • 日中連合軍完全勝利で中国軍脱走組全滅、オーストラリア軍は日本の捕虜に
  • 実はオーストラリア軍の方は失敗前提で送り込まれた四葉に対する諜報役(仕掛け人はアメリカとイギリス)だった
  • それを見抜いた四葉スポンサーが四葉に警告してそれも失敗して終了

「因縁のある意外な人物」とは横浜編の大亜軍人、実は生きていた虎さんや解凍されたヒゲさんたちであった。意外すぎである。敵は皆殺しだ派の劣等信者が作者に背面から撃たれてるが大丈夫か?
芝さんなりに前回のファッション失態をどうにかしようと思ったのか、今回は「情報次元での捕捉」を初めとした己のチートスペックを出し惜しみなしでフル活用。このテロ事件は異例の早期解決となった。
結果、話は何も盛り上がらず終了。
設定上の厨スペックを活かせずファッションピンチになると嘲笑され、かと言って厨スペック全開で事件を早期解決すると話がつまらなくて馬鹿にされる、そんな芝さんは結局何をやらせても駄目なのだということが再確認された。

動乱の序章編

文庫21-22巻予定。
ファイナルシーズン予定の三年生編が本格的に開幕し、完全に権力の虜となった芝兄妹による大粛清が幕を開ける。

南米で「シンクロライナー・フュージョン」という某TCGアニメみたいなネーミングの戦略級魔法により一万二千人以上の死者が出て、魔法師に対する国民感情は相変わらず悪化の一途を辿り、ソビエトロシアでは軍をも巻き込んだ激しい反魔法師暴動が発生した。だが上層部は何故かこれを「魔法師にお株を奪われそうになって焦っている一般兵士の暴走」と解釈し、これを何とかすべく兵士のモチベーション維持と国内のガス抜きのために適当なところで戦争を起こそうという超理論でもって、似本への出兵を決定した。

ちなみにシンクロ(ryは核爆発を引き起こす魔法である。熱核兵器駄目なんじゃなかったのか。
そんな中、ホ文字が唐突に「自分たちを敵視する風潮に若手魔法師としてどう対処すべきか」を話し合う場を持ちたいと言い出し、芝兄妹に招待状を渡すのだった。

敵視する風潮もなにも、敵視されるような行動しかとってこなかったことを反省する気とかはないのだろうか。(呆れ)

さて、「十師族のOTONAどもは偉そうな割に実のある話をしないから、俺たちが何かイメージアップ作戦を考えよう」と、珍しく真っ当な感じで会議は始まった。
ヤクザやギャングが人気取りの為の意見交換してるような異様な光景だが、劣等星ではまだマシな方なのである。

だが出る意見は「プロパg広報部門を作り、容姿と実力を兼ね備えた魔法師の活躍をテレビで発信する」という、皮肉にも当主連中と同じ思考回路のマスコミ対策で、その果てに出た結論は「キモウトを魔法師業界のマスコットにする」という頭の煮えたものだった。
責任を取らないことにかけては頭の回る芝さんは、正論っぽい何かのゴリ押しによって会議を台無しにする。こうして、KYが一人いるだけで反感まみれになる有力家系()の皆様と、司波達也の不毛な議論は何の成果も得られずに幕を下ろし、ただでさえコミュ障ぼっちの芝さんはますますぼっちになってしまう。
ピンときませんが、「有力家系とシバサンの対立」「シバサンの孤立」は左遷の中では話を引っ張れるほどのピンチらしいので、そこらへんを忘れないように読みましょう。
とにかく、そんなぼっち男のケツを懲りることを知らない似本政府とアメリカ政府がねっとり狙っている…というのを仄めかして上巻は終了。
芝さんが正面切って対処できない戦略級魔法や、ニュージェネレーションもどきも登場するが、正直どうでもいい。

ここまでついてきた信者すらも次第に左遷の体たらくに呆れ始めたらしく、「序章どころか序章の序章くらいまでしか進んでない」「序章くらい1冊で書け」「読むのしんどくなってきた」「売れて引き伸ばしてつまらなくなる作品の筆頭になりそうで怖い」となかなか辛辣な評価を下されている。

下巻(22巻)では、芝さんはキモウトアイドル化計画にブチ切れて会議をぶっ壊したことを報告するが、なんとオバサンは芝さんに同調し、キモウトを神輿にする目論見は絶対に潰すべきだと力説する。そんなしょうもないことのために他家との溝を作ってもいいのかという意見については、影の薄い分家の後輩キャラが「魔法師の社会で孤立したとしても力でねじふせればいい、そうすれば社会から孤立することも無い」と意味不明な理論で退け、オバサンは「キモウトアイドル化計画は総力を挙げて阻止、歯向かう奴はいくらでも殺してOK」という衝撃的な命令を下す。

なんとなく溝ができたホ文字と、そのお供でポッと出の新キャラである十山家の人間に注意するよう忠告される芝さん。

一高では新入生サブカプの片割れが何者かに誘拐される事案が発生。そこで糸を引いていたのは案の定、さっきの話に出てきた「十山」こと遠山つかさちゃんだった。
今になって突如ヒートアップした一般人の魔法師に対する疑心と、何故かそこから発生する魔法師同士の内輪揉めに芝さんは懲りずに首を突っ込むのだった。

このつかさちゃんは前編においてアホ軍人の風間くんと組んで芝の忠誠心を試すような行為をしたことで、左遷の狙い通りに最大級のヘイトを溜め込み、まだ何もしていない頃から「何様なんだ」「無能通り越して害悪」「分解されて消えろ」とすさまじい暴言を浴びている。信者がちょろすぎて将来が心配である。

USNAをも巻き込んだ茶番の誘拐劇の果てに、つかさちゃんは八つ当たりモードの芝さんに惨殺されそうになるも、土壇場で現れたホ文字に庇われて難を逃れる。
楽しみにしていたつかさちゃん解体ショーを邪魔され信者共々ホ文字を逆恨みする芝さんと、そんな芝さんにガッカリしたホ文字との溝は決定的になり、芝さんの社会的な立場はほとんど自業自得で悪化していくのだった。

若手会議の内容

七草長男「反魔法師運動ヤバい……こっちから積極的に対策していきたい」

十文字「十師族会議で提議すんの?」

七草長男「いや、当主連中は足引っ張り合いすぎて何も決まらん。まずは有力家系の若手集めて意見交換会から始めたい」

十文字「おk。若手集めて開催するわ」

盛り上がる会議

若手「もっと魔法師を大衆にアピールして人気取りしていく必要があるんじゃね? 広報部門とか作って実際に活躍してる場面とかテレビで流したい」

若手「なら容姿に優れてた方が良いんじゃね? プラス実力も必要じゃね? 七草さんの妹とかどう?」

七草長男「いやいや、まあ妹はそれなりだと思いますがもっと容姿にも実力にも優れた方がいますよ。どうですかね四葉さん」

司波「十文字、これ意見交換会つったよな? ならこの会議で何が決まろうと俺らに従う義務はないわ」

会議(お前空気読めよ……)

司波「あとアピール大いに結構だけどさ、警察や消防や軍で働いてる魔法師いくらでもいるのにその功績横から掻っ攫うようなマネすんのはどうなのよ?」

こういう流れ。これで司波が日本の有力魔法師若手から反感買って孤立して終了

孤立編

文庫23巻。

話は、国防軍情報部の極秘会議から始まる。
つかさちゃんとホ文字の捨て身の作戦によって、芝さんという人物が反社会的勢力をバックに持ち、ほぼ独断で灼熱のハロウィンを実行した大量虐殺犯で、とても軍人にはしておけない狂暴で短慮な人格の持ち主であるという、風間くん達がナイナイしようとしていた不都合な真実が白日の下に晒されることとなった。
だが情報部は、それら諸々を考慮しても「あの破壊力を捨てるのが惜しい」という短絡的な結論を下し、再教育やら篭絡やらという言葉を並べ立てて、お兄様を排除することを諦めてしまう。こうして、2冊も引っ張ったつかさちゃんの苦労はあっさり水の泡になった。
その秘密会議の様子は風間くんサイドにも筒抜けで、彼らは「そもそもお兄様を排除なんてできるわけない。お兄様を怒らせたら似本が火の海になる(意訳)」と不謹慎なことを言い、挙句大魔王だのラスボスだのと軽口を叩いてヘラヘラ笑っていたのだった。

一方、大魔王芝さんは取り巻きと一緒にテレビニュースを見ていた。
やられ役の大亜連合は、新しい戦略級魔法師の存在を世間に公表。それは芝さんが軍港と一緒に吹っ飛ばした戦略級魔法師の孫娘らしいのである。
劇場版との繋がりを意識して、取ってつけたような義憤を燃やすエリカスを尻目に、マテバの報復で霹靂塔が飛んでくるかもしれないとか微塵も考えることなく14歳女子の身元を執拗に疑う芝さんであった。
それはさておき、ギニアのゲリラが似本のデータベースから能動空中機雷(第1回お笑い運動会で使ったショットガン魔法)を学び、グロく殺しまくるといういつもの方向性で使いこなした結果、件の魔法の開発者である芝さんへ非難が集中。あれよあれよと追い込まれていく。

同じころ、USNAや新ソ連などでは10名の優秀な魔法師を集めて惑星移民の研究を行う「ディオーネ―計画」が提唱され、その最終メンバーとして芝さんが選出される。芝さんは校長室に呼び出され、「出席も免除するし、高校の卒業資格と魔法大学での特別待遇を約束するから、さっさと荷物まとめてUSNAに行っちまえ(意訳)」と言われたが、絶対に責任を取りたくない芝さんはこれを固辞、いつもの被害妄想で大暴れした挙句、リーナに捕まってUSNAの戦艦エンタープライズ号()に連行される。

だがその被害妄想は大当たりで、ディオーネー計画の真の目的は芝さんを宇宙の果てに放逐することだった。芝さんは浅ましく助けを求めるが、これまでの行いが祟って風間くんにも会社にも学校にも、果ては実家にも見捨てられ、珍道中の果てに伊豆の別荘へと軟禁される。

引きこもった芝さんと話し合うべく、ざーさんやホ文字などの懐かしいメンバーが伊豆に集結するが、情報部が部隊を送り込んでのダイナミック説得に踏み切ったことでなし崩し的に戦闘が勃発。そこにダメ押しで、芝さんに最期までついていくという覚悟をいつの間にか固めた取り巻き連中と、エリカスが連れてきた大勢の警官隊が雪崩れ込んできて事態が混乱を極める中、芝さんとホ文字はやむなく真っ向勝負をする羽目に陥る。

結果、アンチスレでの予測を一切超えないままホ文字はボロ負けし、ホ文字は芝さん達の友情(信者主観)に嫉妬しながらあえなく退場となった。

信者にとっては久々に大好評で、尼レビューでも
・ただ惰性で読んでいるシリーズだったが今巻は素晴らしかった
・久しぶりに面白い
・21、22が面白くない?佐島先生は序章と書かれておりましたので当然でしょうね。23から本編突入ではないかとわたしは思いました。
・22巻よりは盛り上がりがあったと思います。

と、なかなか好意的な感想が寄せられた。これまでが酷すぎて感覚がマヒしているともいう…。

一方、十文字関連が取ってつけたように済まされたというのもまた共通認識のようである。

エスケープ編

宇宙に追放されそうな芝さんはオバさんに泣きつき、ディオーネー計画へのカウンターとして考えた「エスケイプス計画」のことを話す。それはいつぞやのピストン核融合炉を使い、エネルギーと資源を自給できる魔法師の自治区を作ると言うものだったが、それは

  • 魔法師だけでは衣食住を賄うことができないと言う理由で、似本からの分離独立はせずに国内で寄生する腹積もりである
  • ピストン核融合炉を動かすための要員として各国の魔法師を徴用することを前提とする
  • 当然(?)、芝さんは「世界の抑止力」になるという名目でそこから逃れる契約

という、いわば芝さんが宇宙行きからエスケイプスするためだけの身勝手なプランだった。
だが、フリズスキャルヴ関連のやらかしで芝さんに負い目があったオバさんはこれを承諾し、四葉が抱えている政界の妖怪ジジイに話を通すことにした。
それ以降の展開は以下の通り(ラノベ板「ネタバレ総合スレpart45」119レス目より抜粋)

  • 達也、エスケイプスの発表を真夜にお伺いを立てるが、真夜は青葉に許可を得るよう伝える。
  • 八雲の立ち合いの下、ついに達也と青葉が初対面。青葉は達也が世界への抑止力になることを条件にエスケイプスを後援→雫父に全面的に協力を要請
  • 青葉、達也を「予想以上に壊れてる」と評。八雲に達也を倒せるか?と聞くと八雲は、現時点で相討ち覚悟なら勝率7割
  • 達也、牛山と記者会見に出席。シルバーがコンビであったことやエスケイプスを説明し、最後にシルバーの解散を宣言(達也がエスケイプスに注力する建前で)
  • 達也、来日したクラーク親子と会談するも、シルバーを解散したこととエスケイプス開発専念を理由に固辞
  • レイモンドと北山邸で遭遇、人類は魔法で宇宙へ進出するという夢を語るレイモンドに、「勝手にやってろ、俺を巻き込むな」とぶったぎる達也
  • 周公瑾はパラサイトのような存在。川から流れてきたパラサイトをあえて自身に取り込み、周が得てきた膨大な知識を奪い取る光宣
  • スターズでも達也=戦略級魔法師と特定されており、軍でもエスケイプスを容認できない派がエスケイプスへのテロまたは達也暗殺を計画、 要員にはリーナに不満を持つ隊員二人が選ばれる。リーナは達也に好意を抱ていると疑われてる
  • 協会会長の十三束母(翡翠)が胃潰瘍で倒れる。十三束、達也がワガママ言ってるせいでみんな迷惑してる。自分が達也に米国に行くよう説得するから居場所を教えて欲しい、と深雪に伝えるが、殺意を抱く深雪
  • 達也の居場所を賭けて決闘することになり、護衛の水波が相手に。十三束が水波の体操服姿にペースを乱されたこともあり、水波が勝利
  • エスケイプスにインド・ペルシア連邦の戦略級魔法を開発したチャンドラセカール博士、トルコの戦略級魔法師アリ・シャーヒーンの賛同で風向きが変わり始める
  • クラークに独断でベゾブラゾフは達也の暗殺に動き出す。雨の日にクローンを使って達也が滞在する伊豆の別荘にトゥマーン・ボンバを放ち、最大限の防壁を 張った水波が倒れる。達也、ベゾブラゾフが仲介としていたクローン体を倒すが、ベゾブラゾフは間一髪逃げ出しており、次回へ続く。

インベージョン編

パラサイトの蔓延が留まるところを知らず、気付けば国の半分位を乗っ取られてしまったUSNA。それまでも魔法師とかいう寄生虫に乗っ取られてたとか言わない。
劣等星では数少ない、(相対的に)有能な軍人であるかのぷーは、またもや逃亡した隊長様に代わり事態の収束に当たっていたが、パラサイトの傀儡となった政府高官に部下を人質にとられてしまう。かのぷーは部下の安全と引き換えに、似本に渡って芝さんに喧嘩を売る羽目に陥る。こうして、新しい芝さんの生贄が決定した。

その逃げた隊長様はというと、四葉家のアジトに匿われていた。彼女は置いてもらう代わりに、司波達也とかいうマッドサイエンティストのボケ老人の介護を押し付けられた。感情が無い感情が無いとブツブツ言いながら「突起物」を執拗に弄ってきたり、首輪を着けることを強要したりする色ボケ男に辟易するリーナだったが、よく考えたら普段受けてる扱いとそう違いは無いので、ぐっと我慢した。

その芝さんはというと、以前喰らったトゥマーン・ボンバを基にした新しい戦略級魔法開発に取り組んでいた。曰く、戦略級魔法師とかいうのはしがらみが多くて面倒だから、他人にこの技を与えて新しい戦略級魔法師に仕立て上げるつもりらしい。
普通に考えれば、そんなことをすれば「戦略級魔法の開発者」というしがらみが増える上、そもそも芝さんが開発してバス女に使わせた魔法が原因で地球外追放という最大級の面倒があったことや、ここまで状況がこじれたのはお兄様自身のせいであることなどもう忘れている様子である。

とにかく、芝さんに第四の必殺技ができるわけじゃないと知ったリーナはホッと胸をなで下ろすのだった。地の文=サンには、「似本の戦略級魔法師が一人増えることに気付いていない」と煽られたが、芝さんを除く戦略級魔法師()は取るに足らないことは、リーナですら知っている常識なのでこれは正しい反応である。

閑話休題(それはさておき)、似本にパラサイトを蔓延させているキモウト2号はついカッとなって、戦闘シーンすらなく黒目じじいを惨殺してしまう。GJ。
唐突にフラグを立てたメイドを拉致するために病院へ向かうが、そこをざーさん一族に取り囲まれる。

信者ですら何やってるか分からないグダグダバトルの末、張り切った様子のホ文字が乱入してきてキモウト2号を轢殺する。芝さんと戦う前にボロボロになりながら逃げていくラスボス候補()であった。

急転編

芝さんはなんやかんや理屈をつけ、人間兵器として事態収拾にあたる役目を断れないクリプリに押し付ける。
こうして、(公称)14人目の戦略級が誕生する。
上手いことババを押し付けた芝さんは、キモウト2号を追跡する準備をして1巻終了。追跡編に続く。
尚、本編は追跡編の上下、奪還編、卒業編、未来編で完結すると発表された。しかし……

サクリファイス編/卒業編

キモウト2号をちゃんとしたラスボスに仕立て上げるのはもう無理だと編集からストップがかかり、あと7~8冊は引き延ばせる予定だったものを1冊に圧縮することになった。
ストーキングされていたメイドロボは、結局キモウト2号と共にパラサイト化することを受け入れ、共に冷凍睡眠する道を選ぶ。

かくして、学校制度なんてブチ壊しになるような災厄をばら撒き続けた芝兄妹は、ちょっとしたハプニングを挟みながら何の滞りも無く高校を卒業
久々登場したクリプリとキャラ崩壊レベルの殴り合いをし、物語は大学生編と称して仕切り直しとなった。

メイジアン・カンパニー(続・魔法科高校の劣等生)

高校卒業後の芝さんを描く続編。大学生編の筈が、ほとんど大学のシーンはない。芝さんと違って単位を取る必要がある筈のキモウトも、何かあれば結構サボっている。四葉家次期当主が留年なんてことになればマズい気はするが、魔法大学側も忖度とかするのかもしれない。

大学に出てこない芝さんは、戦場に出せるレベルに達しない魔法資質保有者(メイジアン)の人権を守るため、キモウトと共に(一社)メイジアン・カンパニーを起業。
メイジアンの職業訓練と就職斡旋を行う傍ら、怪しいプロ市民団体との戦いに身を投じるのであった。
中途半端な才能を持ったせいで人生を滅茶苦茶にされた父親の姿を見て育った芝さんが、その罪滅ぼしをしたいと考えるのは自然である。
断じてピストン融合炉の生体部品を量産したいわけではない、と思う。

七草家の意向を受けて探りに来たざーさん会長、ロリババアに忠誠を誓うアメリカ帰りの男など、産業スパイを従業員に雇い入れている。芝さんの度量はかなり大きいといえる。
後ろ暗い理由があるゆえに酷い扱いをされても文句を言いにくい彼らの立場を利用している……なんてことは、決して無い筈だ。泳がせた敵を捕まえる為の囮に使い、二人を割と危険な目に遭わせていたが、芝さんに限ってそんなことは無いだろう。毒ガス吸って死にかけてても「再成」を使えばいいし

番外編

魔法科高校の優等生(1-2話)

街でデートを楽しんでいた芝兄妹。だが叔母上から「国防軍絡みの任務」で呼び出しを食らい、お兄様は何故かキモウトを放置して魔法協会ビルへ向かう。仕方なく芝さんを待つキモウトだったが、そこに「任務」の標的であるテロリストが現れる。またかとか言わない。
このテロリストは国防軍の元曹長(以下「脱走兵」)で、WW3末期頃に強化改造された実験体でありながら最終的に火魔法しか開花せず「燃やすことしかできない」ために見捨てられた。
キモウトは火災現場全域に領域干渉を行い、脱走兵をあっさり無力化する。だが賢い脱走兵はこんなこともあろうかと普通の拳銃を持ってきていた。
一転して大ピンチかと思われたが、キモウトの領域干渉は全ての燃焼反応を封じるというメチャクチャなものだったため、銃もとっくに無力化されていたのである。
ならせめてキモウトを道連れに死んでやろうとヤバレカバレにナイフを握る脱走兵=サンだったが、そこに飛び込んできたお兄様に脱走兵はワンパンKOされた。芝さんは魔法不正使用の証拠をサッーと隠滅し、事件は「謎の美少女魔法師によるお手柄」という風に処理されるのであった。終わり。
この話は他と違い左遷の脚本に沿って書かれているが、

  • こんな薄い話に2話も使う
  • キモウトの魔法行使がマホトーン撃っただけだったので、戦闘シーンがほぼ戦闘シーンになってない
  • 火魔法といういかにも兵士として役立ちそうな魔法技能を何故か「役立たず」と判定
  • 叔母上が芝さんを呼びつけた理由は「今日その近所で脱走兵がテロ起こしそうだから証拠を残さずに討て」と紙の資料(ハッキング対策用)で命令するため。しかしカメラ映像などの証拠隠滅は結局やるハメになっている。むしろ電話で命令していればテロの事前阻止も可能だったはず。脚本の都合により、キモウトが一人でいるという状況を創り出すための不自然な動きをさせられている。
  • 脱走兵は後にブランシュの一味であることが分かったが、念のため拳銃を持たせておくなど魔法師の運用が明らかに原作より巧い
  • 重要施設たる魔法協会関東支部のすぐそばだが、不審者丸出しの脱走兵に誰も気付けない
  • 放火テロが始まっても、何らかの防火システムやセキュリティが作動する様子もなく、警察や軍や魔法協会職員が駆けつける様子も無い。お兄様が来るまで放置。
  • キモウトへ殺意向けた脱走兵に激おこプンプン丸なはずの芝さんだが、脱走兵をナイナイしてないのに満足げ
  • 「戦争用奴隷として生み出されて一方的に捨てられた男が脱走し、腐りきった劣等似本に対して復讐テロを画策する」というそれだけで1シリーズは書けそうな重い設定の人物を、劣等似本の権力に守られたバカ兄妹が踏み躙っていくという胸糞ストーリーを冒頭に持ってくる、しかもそのことがキモウトを悩ませるかと言えばそんなことは無く、むしろ刹那で忘れ去っている
  • キモウト主役のスピンオフと銘打っておいて明らかにお兄様が主人公になってる

と、たった2話なのにツッコミどころで溢れかえらんばかりのシロモノになっている。

ドリームゲーム

全8巻。色々ときな臭い噂のある劣等生の円盤に付属した短編小説。
剣と魔法のファンタジーの世界に飛ばされたwwさんがキモウト姫を助けに行くコメディ連作。
あらかじめwwさんの見た夢オチであることが明らかにされているため、本編には絡みようがない。
ラノベアニメの特典にはありがちといえばそれまでだが、このことを何故か夢のメカニズムに関する説明をした上でいつもの左遷節で断りを入れるため、好き勝手楽しんでるwwさんを尻目に読んでる側は色々と醒めていく仕様となっている。

IF

劇場版特典小説。
キモウトとざーさんがアイドルデビューすると言う誰得ネタ作品。気の進まない若手会議に行く途中の芝さんの妄想を描いたものである。
顔と声だけはそれなりの二人はトントン拍子に成功し、いつしか「人々に愛される平和的な魔法師の象徴」としてちょろい非魔法師を取り込んでいった。
だが、キモウトが「ダジャレ魔法で周囲を凍り付かせている精神干渉系魔法でファンを洗脳している」という的確な心無い噂を流されたことを発端に、ライブ会場は人間主義者と厄介系ヲタによる暴動の現場と化してしまう。こうして、キモウトアイドル化計画はあっさり台無しになるのであった。

非魔法師と融和出来る可能性を真っ向から否定するこれが書かれたのは、後にキモウトアイドル化計画をムキになって止めようとする芝さんの正当化と、「今後芝さん達は非魔法師=一般人に歩み寄る気は無い」という意思表示のためなのかもしれない。

司波達也暗殺計画

佐島公式サイトに連載されるスピンオフ()連作短編。
他には既存情報のみしか置かれていない宣伝サイトからお届けされる、さすおに力の変わらないただ一つの目玉コーナーである。
ダークな芝さんの一面を特集していきたいらしいが、ソレいつも通りにド汚くて冷血漢なだけだろ。

劣等生以外何を書いてもスベっている左遷がお送りする、実質何の代わり映えも無い「魔法科高校の劣等生・中学生編」である。

その1『ある愚か者の消失』
全部のツッコミどころにツッコミきれればスレ住民にツッコミスキルを自慢できること請け合い。
芝さんが日課のさすおに活動でノしたザコ黒服がたまたまヤクザ配下で、その親玉は魔法遺伝子を女の子ごと密輸出してた上に「芝さんは実際やべーやつだが家ごと爆砕すれば死ぬやろ」とナメていたので処刑されましたさすおに!
以上。四葉分家のやたら女装させられる小僧と、その昔なんか芝さん暗殺しようとしたらトラウマ叩き込まれた末に女装マンの鉄砲玉としてリサイクルされてるリアルニンジャ系自己バフ異能者とか一応居たけど脇役です。

その2『邪眼の女教祖』
ここで舞台はいきなり高校時代に飛ぶ。
芝さんの恒星炉(ピストン核融合炉)に何故か脅威を感じた太陽光発電業界が芝さんを消しに来るという、なんともレトロな陰謀劇である。

お馴染みの人間主義団体が登場するが、左遷の言いたいことは「扇動者に騙されるバカが魔法師叩きに走るんですぅ~」というなめくさった自己弁護である。

その3『リッパーvs石化の魔女』
またもや芝さんが狙われる。
亜貿社の面々は上の命令で嫌々ながらも、暗殺を目論む人間の排除に動く。すると、その相手らを別の目的で付け狙う魔法師「リッパー」の存在が浮上する。仕事が面倒になったのか、結果的にターゲットが死ねばいいというメチャクチャな理由で「殺すのは早い者勝ち」と言う協定を結ぶ。
ラストはなんだかんだでリッパーが仲間になる。

キグナスの乙女たち(新・魔法科高校の劣等生)

芝さんが高校を卒業したことでタイトルに矛盾が発生したのを補うためか、芝さん卒業後の魔法科高校を描いていくらしい。
左遷オフィシャルサイトで前日譚が掲載されているが、刊行は1年以上も先の予定。

コラボ作品

よせばいいのにやっちゃった先輩とのクロスオーバー。
現在、

  • 『魔法科高校の劣等生×ソードアート・オンライン ―ドリームゲーム くろすおーばー―』(著:左遷)
  • 『ソードアート・オンライン×魔法科高校の劣等生 バーサスII』(著:川原)

が存在する。

コラボ相手である川原礫は同じネット出身ということもあり編集部的にはセットで売り出したい感じが見えるのだが、二人の仲はあまりよろしくないようで、川原が劣等生1巻のあとがきを書いた際、「電撃大賞を通さず直接書籍化されたからこそweb小説の持ち味が残った」(≒正規ルートで編集部に持ち込んでたらきっと没にされてただろう)とやや皮肉とも取れるコメントを寄せた。
一方左遷も、先輩を立てておいた方がいいであろうコラボ企画にて、芝さんの口から
「(VR技術の異様な広まりについて)暴力への抵抗を無くすための何らかの陰謀がある」とSAOを直接ディスるというありえないぐらい失礼な行為で返した。というか殺人に抵抗ゼロのサイコパスが何を言っているのか。

劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

(アンチスレから抜粋)

冒頭数分でお兄様、額にキスされてマテバで火星近くの小惑星を瞬殺。マジで瞬殺、壊すシーンすら無し
リーナ(金髪日笠)かわいい
ここあちゃんは海神シリーズ?とかで全部で九人いてなんかすごい実験で隕石落とすための実験調整体とか
ここあちゃんに頼られる千葉エリカ。実質ここあ×千葉エリカ

ここあちゃんにマジで怯えられるお兄様。あまりにも怯えられて皆から笑われる上にキモウトを通して会話する羽目に
風呂シーンあり。かなりでかい。わりとくっきり。乳首なし。アフレコ時はあった(中村談)
お兄様、クソダサダース・ベイダースーツをノリノリで「秘密兵器だ」とレオとエリカに披露
お兄様、研究所を一人で全滅に。さすおに。
アメリカの特殊部隊とレオ・エリカの戦い。十文字先輩が超絶無双で特殊部隊撤退
ざーさん会長、飛行機に乗ったまま接近する戦闘機を海上から氷の弾丸を撃って牽制「次は落とすぞ」あとキモウト無双とか

リーナ「直接基地を爆破する」お兄様「爆破されると面倒だから先に基地を分解して消し去る」マジキチ合戦

最後はお兄様がミノムシになってリーナに宇宙に飛ばされて人工衛星(劣化ウラン弾60トン搭載)をなんたらベータバーストで消滅
小笠原の空にオーロラが。ここでキモウト懇親の 「さすがです、お兄様!!!」
お兄様キモウトの変な花のオーラの魔法に包まれて地球に降下。後半出番がめっきりなかったここあちゃん、お兄様に微笑んで終わり

懲りもせずに優雅なバカンスを楽しむ芝一派は、メテオ魔法をその身に秘めた実験体のココアを保護する。
いつもより少しだけきれいな芝さんは、いつもと違って魔法協会の上の方や軍の人達に根回しをして(実際には軽くお話ししただけだが、芝さんにとっては大きな一歩)、ココアを守るため行動を開始する。

やがて今回の事件は、マテバに代わる戦略兵器としてメテオ魔法を売り込もうとする勢力の陰謀であると発覚し、芝さんは諸悪の根源である研究所を消滅させようと試みる。だがそこに、少しだけ賢くなった芝さんの割を喰わされたUSNAが、「戦略級魔法の開発など許さん、関係者皆殺し」という短絡的な発想でスターズを送り込み、勘違いによる殺し合いが勃発する。

トチ狂った敵さんは、本来わたつみシリーズ12体の力を合わせて発動するメテオ魔法を、その時点で手元に居た8体(1体逃げた)で、しかも連続使用させるという無茶を行う。その結果魔法は失敗し、劣化ウランを満載した人工衛星を劣等星に引き寄せてしまう。そこにフード付きクソダサスーツを着たお兄様が高速垂直リフト射出され…。

魔法科高校の劣等生 ソングブック

映画版公開に合わせて急遽発売されたCD。
これまでシリアスでクールな物語を演出してきて、影も形も無かった担当声優によるキャラソンをいきなり12曲もぶち込み、ついでに主題歌4曲も収録した闇鍋作品である。

キャストの無駄遣いに定評がある劣等生だけあり、アイマス声優(キモウト、会長、ジョージ)、一世を風靡したガールズバンドのドラム(オッパイメガネ)、声優ユニットの一員(ポニテ女)など、素材だけならいいメンバーが揃っており、楽曲も良く言えば無難なものに仕上がっているため、劣等生を抜きにすればそれなりに聴けるものとなっている。それこそポンコツリーナがいれば完璧だったのに。ちなみにレオとミキヒコの歌は無い。クリプリとジョージの歌は入ってるが。

ジャケットは仲良し五人組がアイドル衣装を着てキャッキャウフフしているこれまた無難な絵で、本編での彼らの関係性がどれだけ腐っているかを考えなければそこそこ見れるものとなっている。いないと思われた芝さんはジャケットを開けると出て来る。