累計アカウント数2700万を突破し、過去に吉Pとスクエニ社長の松田氏が冗談交じりに「次は3000万人だね!」などと話し合っていたことが現実味を帯びてきたFF14。
パソコンゲーマーだけでなく昨今ではハード売り上げ台数的に落ち目だとされているPS5にも展開しながらもそちらからの売り上げも下がるどころか上がっているというわけで、他のゲームと比較しても突出したオンラインゲームになりつつあります。
いまよく一緒に遊ぶフレンドさんたちはだいたいが漆黒や紅蓮の頃からスタートしたプレイヤーさんばかりですが、新生開始同時にプレイしているはずの自分とほとんど同じ足並み、むしろ知識量や理解力ははるかに後続勢さんのほうが高いこともあるなどして問題なく一緒に楽しく遊べています。
オンラインゲームの先行組プレイヤーと後続組プレイヤーが同じ土俵で同じ知識と装備、資金で同じプレイスタイルでコンテンツを楽しむ……
これ、FF14では当たり前も当たり前のことなのですが、よくあるタイプの廃オンラインゲーム系だとまず絶対にありえないという現象なんですよね。
過去の記事などでも話していることですが、先行プレイヤーはすべてにおいて後続プレイヤーの上を行っているのが当たり前。それはゲームシステムとして、先に遊んでいる人をとにかく優遇していつまでもオンラインゲームに残ってもらおうとするゲーム開発側の思惑のせいでもあります。
初期の頃から長く遊んでいる人こそ各種課金なども多く支払っていることが多いし、FF14のようなサブスクタイプのオンラインゲームなら余計に多くのリアルマネーを長期間投資しているプレイヤーばかりです。ゲーム会社としてはいつまでも手元に残しておきたい、言い方は悪いですが金づるなんですよね。
逆に最近始めたばかりのビギナーさん、あるいはプレイ時間のすくないライト・カジュアル勢に対してはそこまでの恩恵を与えるような仕組みではないことが多い。
理由もやはりリアルマネーに関わっていて、そこまで課金額が多くはないユーザーに美味しい思いをさせない、だったら長くプレイしている重課金ユーザーにこそ還元していきたいということで、お金をそちらに回してしまうという状況です。
理屈は分かりやすいとはいえ、実際にやられてしまうとライト・カジュアル勢からすればほとんど楽しくもないし、できる範囲での最大限の努力をしてもあっさりと先行プレイヤーに追い越されまくるので、まったく面白くない、つまらないという感想だけでさっさと辞めてしまうでしょう。
そして、残るのは廃課金、重課金、あるいは同額になるほどの年単位レベルでの超長期間サブスク支払いをしているプレイヤーばかり…。
必然的にそうしたプレイヤーは数自体が少ないため、大人数でワイワイが楽しいという大規模オンラインゲームとしては面白くありません。数少ない身内フレとだけ遊ぶのもそれはそれで楽しいですが、やはりとっかえひっかえ、知らない人とたくさん遊んだりワイワイしたりするというのもオンラインゲームの魅力のひとつなんですよね。
これをあっさりと覆してしまったFF14は、ライト勢、カジュアル勢に親身になったコンテンツ作りをコンセプトに、もちろんハード勢も満足になれるような工夫を施しつつ次々にパッチをリリースして楽しませてくれています。なんといっても2シーズン分のメインクエストが無料トライアルプレイで楽しめるというだけでもかなり大きい。
こうした仕様の原型はWoW*1であるとはいえより国産らしくFFらしく、とくにストーリー部分ではそれ単体でオフラインゲーム、もしくは小説やアニメなどにしてもいいくらい感情を揺さぶるシーンやムービーの連続で作られておりもちろんまだまだ継続中。
もちろん、私をはじめとした先行プレイヤーからすれば過去にはリアル数ヶ月かかったようなコンテンツなどをいまの新規さんが数日、あるいは数時間であっさりクリアしていると聞けばちょっとだけモヤッとしてしまうこともありますが、それでもコンテンツにかならず付属しているストーリーというもの自体はとても良いものが多いのですべての新規さんに堪能してほしいという思いのほうが強いです。バハムートとか。バハムートとか。
実装当時と同じ感覚で遊びたいというのであれば下限などもあるのですし、そういう痒い所に手が届く仕組みも嬉しいですよね。
吉田直樹という人物のメディア露出の多さ、あるいはその数々の発言の強さ、熱意、本気さや入れ込み具合などもユーザーからすると安心がありますね。やると決めたことはかならず達成し続け、不具合や謝罪があればまず真っ先に頭を下げてこれからは精一杯努力しますという姿勢を見せ、事実その通りに軽微なバグ・不具合すらも見逃さず即対応するという方針が評価されています。
PLLという形で定期的に今後のパッチ内容やいま現在取り組んでいることをお知らせしてくれる、という、サービス開始当時の頃のオンラインゲーム界隈では考えられなかった、ゲーム開発者(というよりも開発責任者)本人がしっかりと顔を出して配信画面で話をする、説明をする、報告をする、という形式もFF14においては当たり前になっている文化です。
吉田が言ってるのだから間違いない、FF14の開発チームなのだから信頼しても大丈夫、という期待と信頼があってこそここまで安定したと言えますし、いま現在もますますプレイヤー人数が増え続けるほどの大人気オンラインゲームになったという背景だと思います。
据え置き型オンラインゲームというだけで足踏みしやすい層も順調に取り込んでいるようで、これからの発展が楽しみですね。
元記事:『FF14』がMMOというジャンルで覇権を取れた理由ってなに?:FF14速報