人間_SPN

Last-modified: 2026-05-28 (木) 16:01:44

準レギュラーやその他の人間キャラクターまとめ。


ウィンチェスター家

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ジョン・ウィンチェスター

サムとディーンの父親でありシリーズ全体を動かす根源的な人物。ウィンチェスター家の家長。家族には愛情を持っていたがその原動力は復讐や義務と結びついていたため、とくに息子二人の人生に複雑な影を落とした。

もとは一般人として生まれ育ち、軍人となり伍長の階級となる。メアリーと結婚し息子二人(サムとディーン)をもうけるがメアリーが死亡したことで復讐心に燃えるハンターに変貌。「お前たちの安全を守るのが俺の仕事だ」などの台詞に代表されるように大変な義務感を持っており、だからこそ家庭を顧みずディーンにサムの世話を任せて自身は何週間も家を空けるということを繰り返した。

教育方針は軍隊仕込みできわめて厳格*1。ディーンが盗みを働いた時には息子の言い分を聞かずに更生施設に送るほどで、サムの見張りや世話の一切もディーンが任されていた。後にディーンは「父さんは狩りを教えたが、生きることは教えなかった」と評しており、ネグレクトとまではいかずとも過酷な子供時代であったのは各種回想エピソードから伺える。

それでもディーンはジョンの言うことを聞き、あこがれの対象と見て育つ。ジョンからの期待に応えることを絶対とし、ジョンの死後も未完の仕事を継承するために奮闘するようになる。
一方でサムはジョンを「自由を奪う存在」と見て反抗的に接する。ジョン自身はサムの才能にこそディーン以上の期待をかけていたがサム自身がそれを嫌って大学に独り立ちしたために激しい対立関係となってしまう。

ジョンが兄弟に深く関わる回想エピソード

エピソード内容
1-18ジョンにサムの見張りを任されていたディーンが数分間目を離した隙にサムが魔物に襲われる。
この出来事がディーンに一生消えない罪悪感を植え付けた。
3-81991年のクリスマス。ジョンは約束の時間になっても戻らず、幼いサムはディーンから父の仕事の真実を聞くことになる。
家族の団欒よりも狩りを優先するジョンの生き方が描かれる。
5-13若き日のジョンが、未来から来た息子たちを守るためにミカエルの器になることに同意。
彼の血筋がカインとアベルまで遡ることがミカエルの口から明かされた。
12-22ディーンがメアリーの精神世界で「ジョンがいなかったから、俺は子供でいられなかった。サムの親にならなきゃいけなかったんだ」と叫び、ジョンの不在がどれほど過酷であったかを吐露。


メアリー・ウィンチェスター

サムとディーンの母親であり兄弟の運命を決定づけた極めて重要な人物。その存在はジョンと共に兄弟の行動原理や葛藤の核心にあり続けた。

ハンターの家系であるキャンベル家で生まれ育ち、父サミュエル・キャンベルによりハンターとして育てられるも暴力的な日常から逃れ、幸せな家庭を築くことを切望していた。メアリーがジョンと結婚する前にアザゼルに接触され、「10年後の再訪」を許してしまったことから物語の根幹が動き出す。

10年後、ジョンと結婚し4歳のディーンと生後六ヶ月のサムのいる家に契約通りアザゼルが現れてサムに悪魔の血の呪いを与えると同時にメアリーを天井にはりつけて炎を起こし家ごと火災に落とす。
このことがきっかけでディーンにとっては「守れなかった母」の、サムにとっては「知らないはずの母」と「身に受けた悪魔の血」というトラウマの源が形成される。

シーズン11終盤にてアマラとチャックからの贈り物としてディーンの目の前にメアリーは当時の姿のまま復活することになる。自分が死んでいた間に息子たちがハンターになっていたことや変わり果てた現代社会に対して激しい戸惑いと罪悪感を抱き、悩みながらも自身もハンターとなる道を決意。時には息子たちと対立しながらも自身の生き方を模索しようとする。

ディーンにとってはメアリーとは理想のなかにしかいない存在であり、復活後は本来のメアリーが期待通りの「母親」ではないことに苦しむシーンもある。シーズン12では幼少期に母親がいなかったことで自分の負わされた過酷な責任について感情を爆発させる光景が描かれた。


ヘンリー・ウィンチェスター

ヘンリーはサムとディーンにとっては父方(ジョン)の祖父にあたる人物。ジョンの父。賢人(メン・オブ・レターズ)の一員であり、サムとディーンが賢人の血筋であることを象徴する重要な人物。

賢人たちは自分たちのことを魔物を狩るハンターではなく知識と学問によって監視及び記録する秘密結社として定めている。この組織の正式な一員であるヘンリーもまた魔法、象徴学*2、儀式などについて深い造詣を持ち高潔な職務であると自負して賢人の責務をまっとうしていた。

1958年、地獄の騎士アバドンにより賢人の支部が全滅させられる事件が起きる。この時居合わせたヘンリーは血の魔術をもちいて未来(サムとディーンのいる時間軸)にタイムスリップする。孫のサムとディーンとここで知り合う。息子ジョンの末路を知り後悔しつつもサムとディーンに賢人の血筋が生きていることを誇りに思い、兄弟を追い詰めるアバドンに祖父としてウィンチェスター家の一員として一矢報う。

ヘンリーからの遺産

遺産内容
バンカーメン・オブ・レターズのバンカー。
ヘンリーの持っていた鍵により兄弟は膨大な知識の宝庫である拠点バンカーを手に入れる
賢人の血筋サムはヘンリーの「知的な探求心」を、ディーンは「家族を守る責任感」を強く受け継いでいることが強調された
対アバドン戦法ヘンリーがアバドンの脳に銃弾を撃ち込んで動きを止めるという機転が後の勝利へのヒントとなった


アダム・ミリガン*3

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サムとディーンの腹違いの弟。メアリーの復讐の旅をしている傍らでジョンが関係を持った看護師の女性、ケイト・ミリガンとの間にできた息子である。

初登場は4-19、医師を志望して勉学に励む普通の青年としてサムとディーンに連絡を取る*4。ジョンとの関係は希薄であり、誕生日や野球の試合のときにふらりと現れる旅暮らしの父親としてなんとなく見知っていた程度。
もちろんアダムはサムとディーンという二人の兄のことは知らず、基本的に母ケイトのみを家族とし母子家庭状態で暮らしていたがサムとディーンの訪問と同時期にグールに襲われることになり、この時点でケイトともども死亡する結果になる。

再登場するのはシーズン5。ミカエルの器の承諾(Yes)をしないディーンの代替品として天使たちに強制的に蘇生させられ、「器になれば母親を蘇生させる」という嘘に騙されミカエルを宿した器としてサムとディーンの前に立ちはだかった。
その後もディーンは「サムかアダムどちらを救うか」という死の騎士との取引でサムを選んだためアダムはひとり、ミカエルの檻で実質数百年も放置プレイさせられる。

ファイナルシーズンにてまさかの再々登場を果たし、ミカエルを宿しつつもうまく共存しているというかつてない信頼関係を結び合った器と大天使として描かれることになる。当初こそディーンに対しては恨みと怒りを抱いてはいたが神(チャック)を倒さなければ世界は消えてなくなるという事態を前に協力体制を取ることを承諾する。

ケビン・トラン同様にアダムはこのドラマにおいて全方面に救いのない悲劇寄りのキャラクターとして描写されている。初登場と共に死亡し、その時点で唯一の肉親であるはずのディーンにサムと天秤にかけられた末に見捨てられ、檻に何年も閉じ込められたまま放置され忘れ去られつつあった。
大天使ミカエルと共存しているというそれまでのドラマでの価値観を拭い去ってくれたという意味では重要なキャラクターとは言えるかもしれない。

キャンベル家

サミュエル・キャンベル

メアリーの父親。サムとディーンには母方の祖父となる人物。ウィンチェスター家はヘンリーから始まる賢人や知識の守護者であるならキャンベル家はハンターの家系であり、サミュエル・キャンベルはその象徴ともいえる人物。

非常に有能なハンターでありつつ部外者は信用しないオールドスクールなハンター。シーズン4にて1973年にディーンがタイムスリップした際に若き日のジョンとメアリーに出会うが、この時にサミュエル・キャンベルも登場。アザゼルを追うディーンを孫と理解・了承し共にハンターとして戦うがアザゼルの反撃により妻のディアナと共に命を落とす。

その後にシーズン6にて復活することになる。
煉獄の場所を突き止めようとしたクラウリーにより地上で新たな生活を始めることになり、その目的は「娘のメアリーを生き返らせる」という歪んだ愛によるもの。グウェン、クリスチャンなどのキャンベル一族の人間を集めて共にハンター稼業をする組織を率いていた。同シーズンにて魂を失ったサムもここに身を寄せており、魂がないことで戦闘マシーンのようになっていたサムの能力をサミュエルは高く評価していた。

メアリーを生き返らせる過程でクラウリーにサムとディーンを引き渡すことになり、結果的に最悪の裏切りを成した。「娘を救うためなら地獄の王とも取引する」というハンターにあるまじき思想はついに兄弟と分かり合うことはなかった。
とはいえハンターとして見れば非常に優秀であったのは間違いなく、キャンベル家の紋章をはじめとした大量の資料類はバンカーに移り住むまでは兄弟の大切な知識源として役に立つようになる。


ハンターたち

ガース

正式名称「ガース・フィッツジェラルド4世」。ハンターのなかでは明るく前向きな性格。兄弟にとっては味方であると共に親戚のような間柄。
サムとディーンと出会うのはシーズン7からとなるが、ファイナルシーズンでも活躍するほど目覚ましい存在感を持つ。ハンターでも怪物でも素敵な人生が送れるということを体現した人物。

元は歯科医として生計を立てており、とある事件を経てハンターになる。ひょろりとした外見でハンターには不向きに見えなくもないが有能な人物。なにより前向きで頑張る姿勢に周囲が放っておけない気持ちにさせられる。
「ガース流」として自称もしているのはハグやポジティブマインド。明るく楽しく諦めない心でトラブルや事件解決に全力でぶち当たる。靴下で作ったパペット「ミスター・フィズルズ」を使って子供(や時には大人)の口を割らせるなど、独自の交渉術で相対した者を笑わせる名人。

シーズン7ではボビーのあとを継いで携帯電話を大量に持ち歩いての連絡役(ハブ)を務めたりサムとディーンにも協力を惜しみない健気な姿を見せる。
シーズン9にてワーウルフに変貌した姿で再登場。人間を襲わないワーウルフの群れに出会い、そこで暮らすことを自ら選んだ結果。その後は群れのなかのベスというワーウルフの女性と結婚して双子の息子と娘を得る。息子の名前は「サミー」と「キャス」、娘は「ガティ」。


エレン・ハーベル

ハンターたちの集う酒場、ネブラスカ州のハーベルズ・ロードハウスで女店主をしている熟練ハンター。ビルという夫が居たがジョンと共に狩りをしているなかで死亡しており、これが原因でエレン自身もジョンやウィンチェスター家族とは絶縁状態になっていた。

ジョンの死後にボビーの仲介もありサムとディーンを迎え入れ、ボビーと共に親のように接するようになる。
ハンター稼業は危険なものだと断定しており、娘のジョーがハンターになりたがるのを断固として反対している。娘を愛するが故の切実な母親の願い。


ジョー・ハーベル

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正式名称ジョアンナ・ベス・ハーベル。勇敢で芯の強い性格にしてハンター志望の女性。エレンと共にロードハウスの手伝いをしているがその裏ではハンターになるための知識を蓄えようとしていた。

ディーンとは初対面から相性が良さそうなシーンが描かれており、意味深に見つめ合う二人にサムが慌てて退散するような描写が多かった。
勇敢で向こう見ずな性格が災いして窮地に陥ったりもするが意志ひとつで立ち向かう覚悟もある強い女性。


ゴードン・ウォーカー

シーズン2から3にかけて登場。主に吸血鬼を狩るのを専門としたベテランハンター。
かつて妹が吸血鬼になったことをきっかけにハンターの道を進むようになるがこの時に妹を手にかけており、有能ながら冷酷非情な性格の人物として描かれる。エレンからも認められるほどの腕前があるが怪物全般への禍々しいほどの憎悪が根源にあるため、危険人物扱いもされていた。

シーズンが進むとそのターゲットは吸血鬼よりもサムへと移るようになり、悪魔の血を保有し悪魔由来の超能力を持つサムを殺すことが生き甲斐のようになっていく。シーズン3にて自身も吸血鬼に変容する悲劇を辿りつつも最後までサムを殺そうと追い詰めた。
ハンターが陥るであろう暗い部分を容赦なく写し取った人物であり、サムが自身の呪われた身を嘆くようになる一因となった人物。


ルーファス・ターナー

ユダヤ教の敬虔な信者にして熟年のハンター。頑固で皮肉屋だがボビーと同じく確かな腕を持つハンターである。リサーチや頭脳戦よりも実戦向きなタイプ。
ボビーの妻が悪魔と化した時にボビーを助け、ボビーをハンターの世界に引き入れた人物。ボビーとはパートナーになりハンター稼業を続けていたがオマハでの狩りがきっかけで絶縁状態になる。

ディーンと出会うのはシーズン3。ハンターは引退して隠遁生活をしていたがブルーラベルのジョニーウォーカーを手土産にしたディーンにベラの居場所を教えた。それからも引退を取り下げてシーズン5などで登場しているがシーズン6にて寄生虫型の怪物に襲われたボビーにより殺される。
以降もボビーの回想エピソードで頻繁に登場し、ボビーの精神的な支えとなる描写が多い。


クレア・ノバック

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カスティエルの器であるジミー・ノバックの実の娘。
シーズン4の初登場時はまだ少女であり、ジミーがカスティエルに肉体をささげたことで家庭が崩壊。ジミーの肉体が消え失せたことで行方不明者として長らく捜索をしていたが当然見つかるはずもなく、クレアは親戚の家や里親を転々とする孤独な少女時代を過ごすことになる。

シーズン10にて再登場したときは荒れた生活の不良少女として描かれる。カスティエルはジミーへの罪悪感も手伝ってクレアの人生を立て直そうと奮戦するようになり、この時の事件でクレアの母でありジミーの妻のアメリアが死亡。
本当の意味で独り身になったクレアはその後はジョディのもとに身を寄せるようになり、ウィンチェスター兄弟だけでなくカスティエルから学び取ったハンターの技術と強い意志を武器にハンターとして活動するようになる。

クレアにとってカスティエルは「父と家族を奪った憎むべき存在」であると共に「父の姿をした唯一の繋がり」である。複雑な気持ちはあるが、別れ際にカスティエルから受け取った「愛してる」の言葉が彼女の生きる糧となった。
その後にスピンオフ作品として構想されたジョディやドナなどの女性ハンターのストーリー『ウェイワード・シスターズ(Wayward Sisters)』にて中心人物になることが期待されていたものの同作品が見送られた結果、果たされぬ映像として消えた。とはいえスーパーナチュラルのシーズン14、15にも名前などが登場しており、ドラマに影響を与えたキャラクターと言える。


預言者たち

チャック・シューリー(カーバー・エドランド)

シーズン4にて登場。ペンネーム「カーバー・エドランド」を名乗り、売れない小説「スーパーナチュラル」を書き続けた小説家。サムとディーンの人生をあまりにも正確に綴ったその内容はまさしく神の預言であり、預言者として認定されたのちは大天使ラファエルに保護された。
しかしシーズン5のラストにて物語を書き終えたかのような演出で忽然と姿を消す。

アルコール依存症気味で極度の不安症でありうだつの上がらない雰囲気のある男だが、スーパーナチュラルという作品の生みの親のような位置づけがメタ的なジョークを超えて存在感を与える人物として描かれる。彼の本来の姿が露呈するのはシーズン11以降、真の目的が分かるのはシーズン14となる。詳しくは?の項目参照。


ケビン・トラン

シーズン7から登場しストーリーの中盤で重要な位置を占めた人物。ベトナム系アメリカ人。
預言者になる前は成績優秀なハイスクール生徒でアジア系人初の大統領になることを目標にしていたがシーズン7のリバイアサン戦において発見された「神の石板」と共に預言者として覚醒(前任の預言者チャックが消えた直後)。
天使たちの保護下に置かれるがクラウリーに誘拐され拷問を受けることになり、常に危険と隣り合わせの日々を送る羽目になる。

彼の預言者としての能力はヘブライ語よりも昔の古代言語の解読であり、預言者にしかその解読は不可能とされる。リバイアサンを倒すための『神の牙』の作り方や地獄の門を永久に封じる方法などの解析が主体。クラウリーなどに狙われるのはこのためであり、天界から天使を追放する方法の解析もするがこちらはメタトロンに利用されてしまうことになる。

勤勉で心正しい人物だがまだ年齢が若いということや立場的にあらゆる敵に狙われ続けたことで疑心暗鬼でヒステリックな面がある。そんな彼を支えたのは母リンダ・トラン。快活で強き母リンダにより過剰なまでに保護されたが、シーズン9ではその母もいなくなりサムとディーンによりバンカーに引き取られるようになる。
しばらくはバンカーで比較的平穏に過ごしていたがガドリエルの策略によりサムに殺され、神の気まぐれにより天界にいる母や彼女のもとではなく地獄へ放り込まれた。
ケビンはウィンチェスター兄弟との戦いで文字通りすべて(輝かしい将来や家族、自身の命や死後の安寧)を失ったドラマのストーリーでももっとも悲劇的な人物。兄弟の背負う罪悪の象徴として最後まで機能した。

ケビンの変遷

時期状態
覚醒前ハイスクールの学生。APコース*5優等生
S7預言者として覚醒。リバイアサンとの戦い
預言者の意味が分からないまま石板を託され混乱する。
S8兄弟の依頼で悪魔の石板解読開始。クラウリーなどに狙われる。
彼女や母が悪魔に殺され、孤独と絶望に落とされる。
S9バンカーに住むようになる。ガドリエルにより殺される。
死後地獄に投獄され魂として放浪していた。
S15悪霊として復活。神により地獄に呑まかけれた町で兄弟やカスティエルたちを救う。
その後は天界に向かう。


ケビンがここまで不幸だった理由

ケビンはストーリー中で信じられないほど不幸な目に遭う。未来を描いた若者ポジションからあっさりと悲劇に転落し、ほとんど抵抗できないまま死んだ。それも単に死ぬだけではなく天界にも送ってもらえなかったので母親などとも死後の世界では再会できず地獄をさまようことになった。
なぜ彼がここまで不幸だったのかを考察する。

彼はディーンが長年にわたって「サムに与えたい」と考えていた輝かしい未来の象徴としてある。
ハイスクールのAP学生というのは生半可な秀才ではない頭脳。将来大統領になりたかったと語るのも実現できるほど突出した天才だった。これはまさに兄弟から見れば「普通の生活」の勝者であり、サムがかつて目指していた大学生活にも重なる人生にいた。
そんな彼が預言者として選ばれ、母親を失い、自身の人生を徹底的に破壊される過程を描くことで、ドラマは「一度超自然的な世界(ハンターの世界)に足を踏み入れれば、二度と元の場所には戻れない」という冷酷な現実を視聴者に突きつけた。
兄弟がその後に出くわした葛藤においてケビンの喪失は『彼らが守れなかった最大の負債』として機能するようになる。

この不幸の連続については神チャックも関与している。
チャックはドラマチックで避けられない運命に苦悩する人生を送る人間や物語を好む性質がある。特に「無垢な者が苦しみ主人公が絶望する」というプロットを多用したがる。ケビンがどれほど誠実で努力家であっても、チャックにとっては「ウィンチェスター兄弟の物語を盛り上げるための魅力的な犠牲者」に過ぎなかった。

預言者とはそもそも天界にも地獄にも組せない、孤独で危険な存在。天界や地獄の門を閉ざせるほどの力を持つ人間を両陣営が見過ごすはずもなく、ケビンが預言者になった瞬間から天使たちからも悪魔たちからも「自分たちが利用するための道具」となるのは避けられない運命となってしまった。


覚えておきたいのは、少なくともシーズン15で悪霊として再登場したケビンは絶望に落ちてはいなかった。むしろチャックに反抗するウィンチェスター兄弟たちに協力する姿で描かれている。これは彼が度重なる不幸とその苦難を耐え抜き、「神の脚本」を超えた人間性の強さを証明することになったと言える。


ドナテロ・レッドフィールド

シーズン11から登場する神の預言者。ケビンの死後に石板解読ができる重要な人物としてシーズン終盤まで活躍した。小太りの老人であり、大学の化学教授。無神論者。
彼は非常に特殊な性質を持つ預言者であり、最大の特徴として魂を持っていないソウルレス状態のままであるということ。登場して間もないうちにアマラに魂を吸い取られており、以降に魂が戻された描写はない。彼は高い知性と合理的な思考で魂がない状態での自制を成功させた稀有な人物といえる。

シーズン6でのサムがそうであるように魂を失った人間は冷酷になりやすく、その理由として感情の喪失が挙げられる。ドナテロはこの喪失で善悪の判断ができなくなったときは「ウィンチェスター兄弟ならどうするか」というモラルコンパスを定めて道徳的な指針とした。
しかしこの魂の喪失はシーズン13では悪魔の石板の解読途中に悪影響を及ぼすこととなり、精神は汚染され兄弟を裏切ろうとした。カスティエルにより記憶が消されて持ち直したあとはシーズン終盤にてジャックのアドバイザーになったり神の計画の断片を兄弟にリークしたりとサポート的な役割を果たす。


その他一般人など

ベラ・タルボット

シーズン3で登場したブロンド女性。本名アビゲイル・ブレンドン。
ハンターではなくオカルト関連のアーティファクト(アイテムや古文書など)を集めてオカルトマニアに売るなどで金儲けのために利用するという裏商人もしくは詐欺師のような位置で登場し、知性と美貌でウィンチェスター兄弟を翻弄する。
ルパン三世でいえば不二子ちゃんポジション。

ウサギの足やドリーム・ルート、コルトなどオカルトが関わるグッズがメインのエピソードで半ばレギュラー並みに登場するが、3-15にてその実態が明かされることになる。
少女時代に父親から性的虐待を受けていたベラは十字路の契約を14歳の時点で決行し、10年の命となる。オカルトアイテムを血眼で収集していたのもこの契約を反故にする方法を命がけで探した結果とも言えるかもしれない。

シーズン3自体がディーンの余命一年の奮闘を克明に描いたシーズンではあったが、ディーンよりも一足先に余命の10年を迎えたベラは悲惨な最期を兄弟の目の前で遂げて「十字路の契約がいかにむごたらしいものか」を視聴者に知らしめる役として消えることとなる。女性キャラの中ではファン人気もかなり高い部類。


パメラ・バーンズ

シーズン4から登場したボビーの古い友人のサイキック女性。
カスティエルが物語に介入するきっかけを作った人物でもあり、天使と交信する降霊術者の役回りを担う。
ディーンのハッタリや口説き文句はまるで効果がない年上であり、セクシーで大胆不敵な黒髪美女。サムのお尻をことさらに気に入っており、挨拶がてらの尻タッチなどは毎度の光景として描かれる。

4-1にて初登場と同時にカスティエルの本体を見てしまったために目を焼かれて失明することになるが、4-15にて再登場。死神を追う兄弟の依頼で肉体と霊魂を引きはがすという幽体離脱の手助けをするが、忍び込んだ悪魔に盲目の不意を突かれて殺されてしまう。この際にサムに超能力は使うなという遺言を残した。

その後もパメラは登場しており、5-16では天界で平和なパーソナルヘヴン暮らしをしている様子が見れるほか、シーズン14では精神世界に引きこもったディーンと共にバー経営している姿も出てくる。


リサ・ブレイドン

シーズン3から登場したディーンの元彼女。
ディーンとのなれそめはシーズン3時点の8~9年前にさかのぼり、まだハンターとして本格稼働していなかった頃のディーンが二週間ほど共に過ごした元ダンサーの女性である。ディーンの持つ孤独や本質をサムと同等なほど理解し、母性や包容力も併せ持つ人物。

3-2でシングルマザーとして登場したリサはディーンそっくりな息子ベンを大切に守る強い女性としてディーンとも気さくに接する。彼女と別れた後もディーンは何かにおいて気を向けるなどしており、サムとは違った家族の絆をリサに見出していく。

その後もシーズン5、6とで登場し、とくにシーズン6前半では地獄に向かったサムの最後の言葉に従ってリサとベンと共に家族として普通の生活を送るディーンが描かれる。
しかしシーズン6の後半ではサムの登場に伴いディーンを取り巻くハンターとしての宿命に巻き込まれることとなりディーンからの離反も決意した矢先に悪魔に命を奪われかけてしまうなどを繰り返し、ディーンの要請でカスティエルによりディーンに関する記憶をすべて消されることとなる。

ベン・ブレイドン

リサ・ブレイドンの息子であり、リサと共にディーンがサム以外で唯一無二の本当の家族として息子として愛した少年。

初登場はリサと同様に3-2であり、この時点でまだ小学生の年齢ながらクラシック・ロックを愛していたり革ジャンを愛用していたりクラスの女子に良いところを見せようとしていたりとディーンをミニチュア化したようなまさに息子と言っても過言ではない存在として描かれる。
公式設定としては「血の繋がりは無いが魂や生き様はディーンの息子」というところに落ち着いているらしい。

シーズン6前半にてディーンが一年間の父親代わりとなり共に過ごした経験と記憶を胸にしまい込み、以降も母親(リサ)が悪魔に襲われるなどした際に冷静にディーンに連絡するなどで父同然に信頼する姿を見せる。
しかしその後にリサともどもカスティエルにより記憶を消されるのは同様。

ベッキー・ローゼン

シーズン5から登場した「スーパーナチュラル」の熱狂的なファン。
ドラマでは預言者チャックがスーパーナチュラルというタイトルでサムとディーンの人生を小説として出版しているという作中設定があるが、この小説の熱烈なオタク女子として描かれる。ギャグ路線担当キャラ。

いわゆるスラッシュ(ボーイズラブ)をこよなく愛するディープな女性であり、サムとディーンの兄弟を越えた愛(ウィンセスト)が主な戦場。自作小説はもちろんファンサイトの管理人でもある。
チャックのことは原作者として一定の尊敬をしつつもプライベートでやり取りするほど仲の良さも見せつけており、5-9のスーパーナチュラル・ファンコンベンションのエピソードにて交際する仲になるなどしたが彼女の狙いはとどまらず、7-8ではサムを呪いにかけて結婚式を挙げてしまうなど暴走もした。

なんとファイナルシーズンで再登場を果たし、そこそこ幸せな生活を送りつつも作品と兄弟を心から愛するファン第一人者として数々の二次創作やグッズ類を執筆、販売する一皮むけたハイ・オタクとして成長した姿を見せた。
その時点で神として世界を席巻しつつあったチャックの描いたシナリオを「サムとディーンへの愛がないオチ」と評して真っ向から批判。家族諸共消されるという末路を辿ることになる。


ジョディ・ミルズ

シーズン5で初登場したサウスダコタ州スー・フォールズに住む保安官の女性。
勇敢で男勝り、ボビーとは旧来の友人。ウィンチェスター兄弟にとっては頼れる母親のような存在でもあり、もしもの時の駆け込み寺や相談役としてシーズン後半まで大いに頼っていた。

5-15でゾンビがスー・フォールズに現れた際には数年前に死別した息子がゾンビとして蘇ったことを困惑しながらも喜ぶが、ゾンビの息子が父親(ジョディの夫)を殺したことで絶望に落ちることに。この時に彼女を救ったボビーや兄弟を見てハンターにはならないまでも闇に潜む怪物と立ち向かう意思を強めていく。

クレアやアレックスなど理由があって行き場を失った少女たちを一手に担い母親として育成・教育すると共に保安官相棒でもあるドナと共に常にウィンチェスター兄弟の後方支援を引き受け、叱咤激励しながら戦い続けた。ハンターではないが、能力や知識はハンター同然のものがある。

ドナ・ハンスカム

シーズン9で初登場したミネソタ州の保安官女性。
圧倒的ポジティブ思考とユーモアたっぷりなぽっちゃり女子でいつも笑顔を絶やさない。お菓子やジャンクフードが大好物で、これが原因でどうしても体重が落とせずに恋人にもからかわれて悩むというのが9-13でのエピソードとなる。

その後も10-8で再登場し、正式にジョディの相棒として就任。ここで本物のヴァンパイアと遭遇したことがきっかけとなりハンターとしても戦う女性になっていく。そもそも射撃が得意なうえにスパ通いのおかげで身体能力も高く、重火器やカスタム車、武器改造*6も趣味としていたためにハンターになるにはベストな環境にいた模様。

クレアやアレックスを含めたウェイワード・シスターズでは母親役のジョディの相棒、もうひとりの母親またはいとこの叔母のようなポジションに。
一方で男運にはとことん恵まれず、体型をからかっていた元旦那のダグと別れたあとに同じ名前のダグという保安官仲間と恋仲になるも、二番目のダグは怪物の潜むハンターの世界を受け入れられずドナのもとを去ってしまう。

サラ・ブレイク

1-19で骨董品屋のオーナーの娘として登場し、ジェシカを失ったばかりで気落ちしていたサムの心を解きほぐしてわずかな時間ながら思いを遂げ合った女性。
悪霊を前にしてもパニックにならず毅然と戦う強さを見せながらサムには押しつけがましくないスマートな優しさで接する気品と精神性の高い人物として描かれる。

その後のシーズン8で再登場を果たすが、サムとディーンが遂行していた地獄の門を閉じるための試練を食い止めようとするクラウリーに利用されてしまう。後悔に拉がれるサムの腕の中で息を引き取ることになった。



*1 メアリーとの結婚前、青年時代は気のいい若者だった
*2 シンボリズム。目に見えない抽象的な概念(平和、愛、神性など)を、具体的な形や図像、色、物語(シンボル)を通して解釈・研究する学問分野
*3 厳密にはウィンチェスター家の人間ではないが、その血筋は引いているためにこちらに分類
*4 本人はジョンに連絡したつもりだった
*5 AP(Advanced Placement)コース。米国の高校で提供される「大学1年生レベル」の教育プログラム
*6 ディーンが鉄板一枚からマラクの箱を作ったのもドナの別荘倉庫でのことだった