アグアド「う・・・いててて・・・・」
蟻地獄の下は、地下洞窟になっていたようだ。
yasuhiro「ふう・・・参りましたね。皆さん、怪我はありませんか?」
志菜「うえっぺっぺ、砂が口の中に・・・」
ルーァ「どうぞ、この水をお使いください。」
フォールイン「怪我は無い様だな。さて・・・ここはどこだ?」
べラム「驚いたね~・・・砂漠の地下にこんな洞窟があるなんて・・・」
地上から所々に光が差しているので、真っ暗ではなかった。
yasuhiro「とりあえず、出口を探しましょうか。」
志菜「"広域索敵"・・・OK、出口の場所がわかったわ。」
べラム「しなっちやるぅ!で、どこなん?」
志菜「この洞窟の中心に地底湖があるみたい。そこに出口があるっぽいよ。」
一行は、志菜の案内で洞窟を進みだす。
やがて、広い空間に出た。
アグアド「お・・・ここか?」
志菜「うん。もうちょっと行った先にあるよ。」
ルーァ「急に暑くなったな。出口が近いからか?」
yasuhiro「おや・・・私の氷魔法が働いているはずですが・・・む!」
べラム「みんな避けて!」
べラムの怒声に咄嗟に反応し、その場を飛びのく。
そこに、巨大な炎が振り下ろされた。
アグアド「な・・・なんだ・・・・こいつ!」
そこにいたのは、全身を炎に包まれた怪物。
その手にはやはり炎に包まれた巨大なハンマーを持っている。
フォールイン「ロンガ砂漠の地下洞窟には・・・"炎の番人"がいると聞く・・・まさかこいつが!?」
yasuhiro「これは・・・イフリートですね。厄介な相手です。」
イフリートは何かを呟く。
するとその回りに、炎に包まれたトカゲが5匹出現した。
yasuhiro「こいつは・・・サラマンダー!厄介な・・・!」
べラム「やるしかないでしょ!"雷神独楽"!」
トカゲの群れに突っ込み、雷を纏った剣を振り回す。
トカゲはバラバラに吹き飛ぶが、倒れはしなかった。
yasuhiro「"氷葬弾雨"!」
そこへ、氷の飛礫を飛ばし、追い討ちをかけていく。
べラム「1人1匹で相手して!あのデカブツは・・・アグアド!よろしく!」
アグアド「俺ですか!?」
ルーァ「この中でいちばん強いのはお前だ。妥当な人選だと思うが。」
アグアド「いやべラムさんかやっさんだろ・・・」
志菜「男ならぐだぐだ言わない!さっさと行きなさい!」
アグアド「くそ・・・わかったよ・・・喰らえ!」
両手に膨大な量のプラズマが集束する。
アグアド「"アグアド式・集束荷電粒子砲・改"!」
プラズマの光線が、イフリートを貫いた。
イフリート「グゥォォォォォオオオオオ!!!」
重症だが致命傷には至らず、イフリートはそのハンマーを振り上げる。
アグアド「おわわわわわ!」
yasuhiro「零下の氷原の妖精、獲物を永久の眠りへ誘え、"絶対氷結"」
早々とサラマンダーを片付けたyasuhiroが、動きの鈍ったイフリートを氷漬けにする。
べラム「我が手に来たれ、審判の剣、かの闇を断罪せよ…"烈波轟雷"!」
そこへ、巨大な落雷の嵐が降り注ぎ、イフリートを粉々に打ち砕いた。
べラム「ふぃぃ・・・何とか倒せたね~・・・」
yasuhiro「いやはや、さすがアグアド君ですね。」
アグアド「いや、最初からあんたらがやった方が・・・」
志菜「あ、あそこ出口じゃない?」
地底湖の中心にそびえる巨大な柱の上部に、光が見える。
そこへ向かって、長い階段が伸びていた。
アグアド「やれやれ・・・やっと出口か・・・」
べラム「どこに出るんだろう・・・もしエルフの村のど真ん中に出ちゃったら・・・」
yasuhiro「警戒して出ましょう。近くにエルフがいるかもしれません。」
外に出る。
アグアド「うお・・・眩しいな」
そこは、小さなオアシスだった。
フォールイン「こんなところに繋がっていたのか・・・」
地図を見ながら、フォールインが言う。
アグアド「"エランス渓谷"、か。エルフの村の近くじゃないか・・・」
ルーァ「しかし・・・ロンガ遺跡の近くでもある。ここからならエルフの村に近づくことなく行けるだろう。」
志菜「今は昼過ぎか・・・3時間くらい彷徨ってたわけね・・・」
yasuhiro「なんにせよ、今日中にロンガ遺跡の魔法具を破壊しておきましょう。30分あれば着くでしょう。」
アグアド「だな・・・とっとと行きますか。」
一行は、ロンガ砂漠遺跡を目指し、歩き始めた。