第21話「灼熱の使徒」

Last-modified: 2011-10-27 (木) 11:34:57

アグアド「う・・・いててて・・・・」

蟻地獄の下は、地下洞窟になっていたようだ。

yasuhiro「ふう・・・参りましたね。皆さん、怪我はありませんか?」

志菜「うえっぺっぺ、砂が口の中に・・・」

ルーァ「どうぞ、この水をお使いください。」

フォールイン「怪我は無い様だな。さて・・・ここはどこだ?」

べラム「驚いたね~・・・砂漠の地下にこんな洞窟があるなんて・・・」

地上から所々に光が差しているので、真っ暗ではなかった。

yasuhiro「とりあえず、出口を探しましょうか。」

志菜「"広域索敵"・・・OK、出口の場所がわかったわ。」

べラム「しなっちやるぅ!で、どこなん?」

志菜「この洞窟の中心に地底湖があるみたい。そこに出口があるっぽいよ。」

一行は、志菜の案内で洞窟を進みだす。

やがて、広い空間に出た。

アグアド「お・・・ここか?」

志菜「うん。もうちょっと行った先にあるよ。」

ルーァ「急に暑くなったな。出口が近いからか?」

yasuhiro「おや・・・私の氷魔法が働いているはずですが・・・む!」

べラム「みんな避けて!」

べラムの怒声に咄嗟に反応し、その場を飛びのく。

そこに、巨大な炎が振り下ろされた。

アグアド「な・・・なんだ・・・・こいつ!」

そこにいたのは、全身を炎に包まれた怪物。

その手にはやはり炎に包まれた巨大なハンマーを持っている。

フォールイン「ロンガ砂漠の地下洞窟には・・・"炎の番人"がいると聞く・・・まさかこいつが!?」

yasuhiro「これは・・・イフリートですね。厄介な相手です。」

イフリートは何かを呟く。

するとその回りに、炎に包まれたトカゲが5匹出現した。

yasuhiro「こいつは・・・サラマンダー!厄介な・・・!」

べラム「やるしかないでしょ!"雷神独楽"!」

トカゲの群れに突っ込み、雷を纏った剣を振り回す。

トカゲはバラバラに吹き飛ぶが、倒れはしなかった。

yasuhiro「"氷葬弾雨"!」

そこへ、氷の飛礫を飛ばし、追い討ちをかけていく。

べラム「1人1匹で相手して!あのデカブツは・・・アグアド!よろしく!」

アグアド「俺ですか!?」

ルーァ「この中でいちばん強いのはお前だ。妥当な人選だと思うが。」

アグアド「いやべラムさんかやっさんだろ・・・」

志菜「男ならぐだぐだ言わない!さっさと行きなさい!」

アグアド「くそ・・・わかったよ・・・喰らえ!」

両手に膨大な量のプラズマが集束する。

アグアド「"アグアド式・集束荷電粒子砲・改"!」

プラズマの光線が、イフリートを貫いた。

イフリート「グゥォォォォォオオオオオ!!!」

重症だが致命傷には至らず、イフリートはそのハンマーを振り上げる。

アグアド「おわわわわわ!」

yasuhiro「零下の氷原の妖精、獲物を永久の眠りへ誘え、"絶対氷結"」

早々とサラマンダーを片付けたyasuhiroが、動きの鈍ったイフリートを氷漬けにする。

べラム「我が手に来たれ、審判の剣、かの闇を断罪せよ…"烈波轟雷"!」

そこへ、巨大な落雷の嵐が降り注ぎ、イフリートを粉々に打ち砕いた。

べラム「ふぃぃ・・・何とか倒せたね~・・・」

yasuhiro「いやはや、さすがアグアド君ですね。」

アグアド「いや、最初からあんたらがやった方が・・・」

志菜「あ、あそこ出口じゃない?」

地底湖の中心にそびえる巨大な柱の上部に、光が見える。

そこへ向かって、長い階段が伸びていた。

アグアド「やれやれ・・・やっと出口か・・・」

べラム「どこに出るんだろう・・・もしエルフの村のど真ん中に出ちゃったら・・・」

yasuhiro「警戒して出ましょう。近くにエルフがいるかもしれません。」

外に出る。

アグアド「うお・・・眩しいな」

そこは、小さなオアシスだった。

フォールイン「こんなところに繋がっていたのか・・・」

地図を見ながら、フォールインが言う。

アグアド「"エランス渓谷"、か。エルフの村の近くじゃないか・・・」

ルーァ「しかし・・・ロンガ遺跡の近くでもある。ここからならエルフの村に近づくことなく行けるだろう。」

志菜「今は昼過ぎか・・・3時間くらい彷徨ってたわけね・・・」

yasuhiro「なんにせよ、今日中にロンガ遺跡の魔法具を破壊しておきましょう。30分あれば着くでしょう。」

アグアド「だな・・・とっとと行きますか。」

一行は、ロンガ砂漠遺跡を目指し、歩き始めた。