第27話「サバンナの戦火」

Last-modified: 2011-08-28 (日) 22:55:21

クルクレ地域の東部に広がる、ケナイサバンナ。

この地で、エルフ、ジャイアント両軍が全面衝突した。

むー「せあぁぁぁぁっ!!」

刀を振り回し、エルフの軍勢に突撃していく。

両軍合わせて20万以上の人数が入り乱れる戦場。

次々と、エルフやジャイアント兵が倒れていく。

むと「ここは・・・負けられない!」

次々と矢を放ち、ジャイアント兵を倒していく。

そんな戦場のど真ん中に、エルフでもジャイアントでもない集団がいた。

アグアド「おおおおおおおおおっ!」

圧縮した大気を放ち、前方にいる者たちを強引に吹き飛ばす。

yasuhiro「まさか・・・こんな戦場のど真ん中に出るとは・・・」

フォールイン「とりあえず、1直線、猛スピードで突っ切るしかない!」

アグアド達はコール村を目指し進んでいたが、運悪く戦場のど真ん中にぶち当たってしまった。

アグアド「クソ・・・数が多すぎるぜ!」

ルーァ「これは戦争だ。皆が、自分と違う種族はすべて敵だと思い込んでいるんだ。」

志菜「こんな所はやく抜けないと!このっ!」

襲い掛かってくるジャイアント兵をなぎ倒し、進んでいく。

人間とエルフは体格が似ているためか、襲ってくるのはジャイアント兵だけだった。

カルペン「そこまでだ!これ以上は進ませんぞ!」

ふと、前方にジャイアントの女性が立ち塞がった。

カルペン「私はカルペン!ジャイアント軍司令官だ!ここを通りたくば私を倒していけ!」

yasuhiro「面倒くさそうなのが出てきましたね・・・アグアド君、べラムさん。」

べラム「わかってる。戦ってる暇は無い。」

アグアド「一気に行くぜ・・・!」

走りながら、yasuhiro、べラムはそれぞれ剣を抜いた。

アグアドも大気を手に圧縮させ、プラズマを形成した。

カルペン「正面から来るとはいい度胸だ!来い!」

その周囲に、数人のジャイアント兵士も戦闘態勢に入っていた。

志菜「3人は親玉に集中して!取り巻きは私達がやる!」

フォールイン、ルーァが魔法を放ち、取り巻きのジャイアントを吹き飛ばす。

カルペン「喰らえ!"ジャイアントフルス・・・」

yasuhiro「"氷旋風"!」

べラム「"裂破轟雷神"!」

氷と雷、2つの斬撃が、カルペンの体を貫く。

アグアド「新技だ・・・"エレキサークル"!」

プラズマを纏わせた竜巻が、カルペンの体を飲み込んだ。

カルペン「な・・・・・・・・・・」

何が起こったか理解する間もなく、カルペンは倒れた。

ジャイアント兵「カ・・・カルペン様ぁぁぁぁぁ!!」

むーは驚き、声のしたほうを見る。

あのカルペンが、今まさに倒れようとしていた。

その横を、猛スピードで突っ切って行く集団があった。

その中に、見知った顔を見つける。

むー「し・・・志菜!?それに・・・」

昔戦った魔術師に、集団の先頭にはかつての戦友、影世界で出会った魔物、そして・・・

むー「あ・・・アグアド!おい!」

慌てて追いかけるが、エルフ兵士4人に行く手をさえぎられた。

むー「どけェェェェェェェェェェェ!!!!」

一瞬で4人を倒し、アグアドたちを追いかける。

しかし、その姿は見えなくなっていた。

むー「クソ・・・見失ったか・・・」

カイエ「むー!撤退だ!一旦引くぞ!」

カルペンが重症を負い、ジャイアント軍には動揺が広がっていた。

むーも意識を切り替え、撤退準備に入る。

むー(とりあえず、無事みたいだ・・・よかった・・・)

仲間が無事だったことに安堵し、撤退するジャイアントを追撃するエルフたちを倒していく。

ヘーゲル「全軍止まれ!下手に追撃はしないほうがいい!まずはここを固めろ!」

エルフ軍も戦闘を中止し、負傷者の手当てを開始した。

ルーデル「へ、思い知ったかジャイアントめ!」

むと「何とか退いてくれたようね・・・」

ジャイアント軍は、ヘルバ密林南部の砦まで撤退し、カルペンの治療に当たっていた。

ジャイアント兵「クソ・・・カルペン様がやられるなんて・・・」

カイエ「まだチャンスはあるさ・・・まだ負けたわけじゃない!」

むー(アグアドの奴・・・なんでこんな戦場に・・・いや、どこへ向かってたんだ・・・
   追いかけたいが・・・1人でこの大陸を歩くのは・・・自殺行為だしな・・・)

追いかけたくても追いかけれない、むーは自分の無力さを噛み締めた。