クルクレ地域の東部に広がる、ケナイサバンナ。
この地で、エルフ、ジャイアント両軍が全面衝突した。
むー「せあぁぁぁぁっ!!」
刀を振り回し、エルフの軍勢に突撃していく。
両軍合わせて20万以上の人数が入り乱れる戦場。
次々と、エルフやジャイアント兵が倒れていく。
むと「ここは・・・負けられない!」
次々と矢を放ち、ジャイアント兵を倒していく。
そんな戦場のど真ん中に、エルフでもジャイアントでもない集団がいた。
アグアド「おおおおおおおおおっ!」
圧縮した大気を放ち、前方にいる者たちを強引に吹き飛ばす。
yasuhiro「まさか・・・こんな戦場のど真ん中に出るとは・・・」
フォールイン「とりあえず、1直線、猛スピードで突っ切るしかない!」
アグアド達はコール村を目指し進んでいたが、運悪く戦場のど真ん中にぶち当たってしまった。
アグアド「クソ・・・数が多すぎるぜ!」
ルーァ「これは戦争だ。皆が、自分と違う種族はすべて敵だと思い込んでいるんだ。」
志菜「こんな所はやく抜けないと!このっ!」
襲い掛かってくるジャイアント兵をなぎ倒し、進んでいく。
人間とエルフは体格が似ているためか、襲ってくるのはジャイアント兵だけだった。
カルペン「そこまでだ!これ以上は進ませんぞ!」
ふと、前方にジャイアントの女性が立ち塞がった。
カルペン「私はカルペン!ジャイアント軍司令官だ!ここを通りたくば私を倒していけ!」
yasuhiro「面倒くさそうなのが出てきましたね・・・アグアド君、べラムさん。」
べラム「わかってる。戦ってる暇は無い。」
アグアド「一気に行くぜ・・・!」
走りながら、yasuhiro、べラムはそれぞれ剣を抜いた。
アグアドも大気を手に圧縮させ、プラズマを形成した。
カルペン「正面から来るとはいい度胸だ!来い!」
その周囲に、数人のジャイアント兵士も戦闘態勢に入っていた。
志菜「3人は親玉に集中して!取り巻きは私達がやる!」
フォールイン、ルーァが魔法を放ち、取り巻きのジャイアントを吹き飛ばす。
カルペン「喰らえ!"ジャイアントフルス・・・」
yasuhiro「"氷旋風"!」
べラム「"裂破轟雷神"!」
氷と雷、2つの斬撃が、カルペンの体を貫く。
アグアド「新技だ・・・"エレキサークル"!」
プラズマを纏わせた竜巻が、カルペンの体を飲み込んだ。
カルペン「な・・・・・・・・・・」
何が起こったか理解する間もなく、カルペンは倒れた。
ジャイアント兵「カ・・・カルペン様ぁぁぁぁぁ!!」
むーは驚き、声のしたほうを見る。
あのカルペンが、今まさに倒れようとしていた。
その横を、猛スピードで突っ切って行く集団があった。
その中に、見知った顔を見つける。
むー「し・・・志菜!?それに・・・」
昔戦った魔術師に、集団の先頭にはかつての戦友、影世界で出会った魔物、そして・・・
むー「あ・・・アグアド!おい!」
慌てて追いかけるが、エルフ兵士4人に行く手をさえぎられた。
むー「どけェェェェェェェェェェェ!!!!」
一瞬で4人を倒し、アグアドたちを追いかける。
しかし、その姿は見えなくなっていた。
むー「クソ・・・見失ったか・・・」
カイエ「むー!撤退だ!一旦引くぞ!」
カルペンが重症を負い、ジャイアント軍には動揺が広がっていた。
むーも意識を切り替え、撤退準備に入る。
むー(とりあえず、無事みたいだ・・・よかった・・・)
仲間が無事だったことに安堵し、撤退するジャイアントを追撃するエルフたちを倒していく。
ヘーゲル「全軍止まれ!下手に追撃はしないほうがいい!まずはここを固めろ!」
エルフ軍も戦闘を中止し、負傷者の手当てを開始した。
ルーデル「へ、思い知ったかジャイアントめ!」
むと「何とか退いてくれたようね・・・」
ジャイアント軍は、ヘルバ密林南部の砦まで撤退し、カルペンの治療に当たっていた。
ジャイアント兵「クソ・・・カルペン様がやられるなんて・・・」
カイエ「まだチャンスはあるさ・・・まだ負けたわけじゃない!」
むー(アグアドの奴・・・なんでこんな戦場に・・・いや、どこへ向かってたんだ・・・
追いかけたいが・・・1人でこの大陸を歩くのは・・・自殺行為だしな・・・)
追いかけたくても追いかけれない、むーは自分の無力さを噛み締めた。