雪男「ブオオオオオオオオオ!!!」
金棒のように棘の突き出た腕を振り回し、アグアドに叩きつける。
アグアド「ハ、当たるか!」
そこへ鏡の魔女が、氷の飛礫を飛ばす。
それを志菜が、剣で叩き落した。
アグアド「助かった!」
志菜「連携攻撃か・・・」
ルーァ「だが数はこちらが多い!連携できないように分離させるんだ!」
しかし氷の足場で思うように動けず、敵の分断は中々うまくいかない。
対して相手は、氷の上をものともせずに走り、攻撃を繰り出してきた。
yasuhiro「く・・・せめてこの氷さえなければ・・・」
アグアド「溶かせないのか?」
yasuhiro「・・・時間があれば可能ですが、相手はそれを許してくれないでしょう。
これほどの厚さの氷を溶かすには・・・最低1時間は掛かりそうです。」
アグアド「クソ・・・うっとおしいな・・・それなら!」
真空刃を天井に飛ばし、つららを切り落とす。
その真下にいたウェンディゴの頭上に、大量のつららが降り注いだ。
フォールイン「喰らえ・・・"樹木集束"!」
ウェンディゴがよろめいた隙に、フォールインが追撃を加える。
無数の太く尖った枝が、ウェンディゴ目掛けて襲い掛かった。
魔女「この!」
魔女の氷飛礫はyasuhiroかべラムが対処していく。
ウェンディゴは唸ると、床に倒れ伏した。
魔女「この・・・よくも!」
巨大な氷の杭を出現させ、それを放つ。
志菜「っく!」
辛うじてそれを回避し、魔女目掛けて飛ぶ。
志菜「"反隼"!」
そのまま空中で、魔女の体を切り裂いた。
魔女「ぐぁぁっ・・・おのれ・・・」
すると、魔女は周辺の鏡の1つに吸い込まれるようにして消えた。
ルーァ「な・・・どこだ!」
アグアド「か・・・鏡の中だ・・・ん?これは・・・」
鏡の中にいる魔女の、体に出来た傷が塞がっていく。
yasuhiro「鏡に逃げることで治癒しているんですね・・・ならば!」
鏡を切りつけるが、傷を与えることは出来なかった。
べラム「・・・魔法の力で、守られてるみたいだね・・・」
アグアド「・・・なら俺に任せてくれ。」
そう言って、鏡の1つに手をかける。
アグアド「・・・・・・・・・・・・・・」
そのまま、集中する。
魔女「ふう・・・よくもやってくれたな・・・」
魔女が鏡からでると、すべての傷は塞がっていた。
志菜「うそ・・・アグアド!早く!」
そしてアグアドは、力を解放する。
周辺にあったすべての鏡に、ひびが入った。
志菜「"光精召喚"12柱!」
すぐさま志菜が光の矢を飛ばし、すべての鏡を粉々に打ち砕いた。
魔女「わ・・・私の鏡がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
べラム「嘘・・・何をしたの?」
アグアド「"魔法無効化"ってやつです。発動まで時間掛かるから、あまり使えませんが。」
yasuhiro「ほう・・・そんな力があったとは。それならばこの大陸にかかる魔法も消せるのでは?」
アグアド「こういうでっかいのは無理だ。それに志菜の光の矢だって、飛んでくる矢に合わせて
発動しなきゃならないから、ああいう固定でかかってる魔法にしか使えないんだ。」
べラム「うーむ・・・便利そうで不便だねぇ。」
魔女「貴様ら・・・ゴチャゴチャと・・・許さんぞぉぉぉぉぉぉ!!」
本性を現し、殺意剥き出しで襲い掛かってくる魔女。
アグアド「悪ィな・・・俺達にもやらなきゃいけない事があるんでね・・・」
拳に風を纏わせ、魔女の頭を思いっきり地面に殴りつけた。
魔女「がぁ・・・・・・!」
幾重にも氷が砕ける音がして、魔女は、本来の床にまでめり込んだ。
そして、そのまま、塵となって消えていった。