第31話「第4の番人」

Last-modified: 2011-10-27 (木) 11:38:38

雪男「ブオオオオオオオオオ!!!」

金棒のように棘の突き出た腕を振り回し、アグアドに叩きつける。

アグアド「ハ、当たるか!」

そこへ鏡の魔女が、氷の飛礫を飛ばす。

それを志菜が、剣で叩き落した。

アグアド「助かった!」

志菜「連携攻撃か・・・」

ルーァ「だが数はこちらが多い!連携できないように分離させるんだ!」

しかし氷の足場で思うように動けず、敵の分断は中々うまくいかない。

対して相手は、氷の上をものともせずに走り、攻撃を繰り出してきた。

yasuhiro「く・・・せめてこの氷さえなければ・・・」

アグアド「溶かせないのか?」

yasuhiro「・・・時間があれば可能ですが、相手はそれを許してくれないでしょう。
     これほどの厚さの氷を溶かすには・・・最低1時間は掛かりそうです。」

アグアド「クソ・・・うっとおしいな・・・それなら!」

真空刃を天井に飛ばし、つららを切り落とす。

その真下にいたウェンディゴの頭上に、大量のつららが降り注いだ。

フォールイン「喰らえ・・・"樹木集束"!」

ウェンディゴがよろめいた隙に、フォールインが追撃を加える。

無数の太く尖った枝が、ウェンディゴ目掛けて襲い掛かった。

魔女「この!」

魔女の氷飛礫はyasuhiroかべラムが対処していく。

ウェンディゴは唸ると、床に倒れ伏した。

魔女「この・・・よくも!」

巨大な氷の杭を出現させ、それを放つ。

志菜「っく!」

辛うじてそれを回避し、魔女目掛けて飛ぶ。

志菜「"反隼"!」

そのまま空中で、魔女の体を切り裂いた。

魔女「ぐぁぁっ・・・おのれ・・・」

すると、魔女は周辺の鏡の1つに吸い込まれるようにして消えた。

ルーァ「な・・・どこだ!」

アグアド「か・・・鏡の中だ・・・ん?これは・・・」

鏡の中にいる魔女の、体に出来た傷が塞がっていく。

yasuhiro「鏡に逃げることで治癒しているんですね・・・ならば!」

鏡を切りつけるが、傷を与えることは出来なかった。

べラム「・・・魔法の力で、守られてるみたいだね・・・」

アグアド「・・・なら俺に任せてくれ。」

そう言って、鏡の1つに手をかける。

アグアド「・・・・・・・・・・・・・・」

そのまま、集中する。

魔女「ふう・・・よくもやってくれたな・・・」

魔女が鏡からでると、すべての傷は塞がっていた。

志菜「うそ・・・アグアド!早く!」

そしてアグアドは、力を解放する。

周辺にあったすべての鏡に、ひびが入った。

志菜「"光精召喚"12柱!」

すぐさま志菜が光の矢を飛ばし、すべての鏡を粉々に打ち砕いた。

魔女「わ・・・私の鏡がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

べラム「嘘・・・何をしたの?」

アグアド「"魔法無効化"ってやつです。発動まで時間掛かるから、あまり使えませんが。」

yasuhiro「ほう・・・そんな力があったとは。それならばこの大陸にかかる魔法も消せるのでは?」

アグアド「こういうでっかいのは無理だ。それに志菜の光の矢だって、飛んでくる矢に合わせて
     発動しなきゃならないから、ああいう固定でかかってる魔法にしか使えないんだ。」

べラム「うーむ・・・便利そうで不便だねぇ。」

魔女「貴様ら・・・ゴチャゴチャと・・・許さんぞぉぉぉぉぉぉ!!」

本性を現し、殺意剥き出しで襲い掛かってくる魔女。

アグアド「悪ィな・・・俺達にもやらなきゃいけない事があるんでね・・・」

拳に風を纏わせ、魔女の頭を思いっきり地面に殴りつけた。

魔女「がぁ・・・・・・!」

幾重にも氷が砕ける音がして、魔女は、本来の床にまでめり込んだ。

そして、そのまま、塵となって消えていった。