第4話「むとを追って」

Last-modified: 2011-10-27 (木) 11:22:59

バシリスクは、塵となって消えた。

むと「やっぱり魔物・・・?でもなんで・・・
  それに・・・ここって一体何なの?」

むとは周囲を見渡す。

一見して、普通の町。見慣れた町だ。

しかし、人の気配がまるで無い。

おまけに、空は気味の悪い赤黒い色をしていた。

そして、魔物。

木戸町に、魔物がいるわけがない。

しかもこんな街中に。

むと「・・・詳しく調べる必要がありそうね。」


翌日、土曜日。

母「アグアド!起きなさい!大変よ!」

アグアド「ん・・・なんだよ・・・休みなのに大声で・・・」

母「むとちゃんが・・・むとちゃんが行方不明だって!」

アグアド「ッ・・・?何だと!?」

TVを見る。

TV『先日、新たな行方不明者が出ました。行方不明になったのは木戸学園の高等部2年所属、武藤美咲さん(17)。
  昨日の夕方、学校へ忘れ物をとりに行くと親に告げて家を出て、その後の行方が不明となっております。』

アグアド「そ・・・そんな・・・ッ」

TV『これで行方不明者は5人目となりました。警察は300人体勢で捜査に・・・』

いてもたってもいられず、アグアドは外へ。

むとの家へ向かう。

むとの家の前には、パトカーが数台停まっており、人だかりができていた。

志菜「あ・・・アグアド!」

むー「お前もニュース見たのか!」

てりやき「むとがいなくなるなんて・・・信じられないよ」

皆、ショックを受けているようだった。

アグアド「・・・探そう。」

てりやき「そうだね・・・今日は休みだし・・・」

むー「あぁ・・・それにこっちには魔法使いがいるしな!」

志菜「捜査系や追尾系はあまり得意じゃないけど・・・やってみるよ。」

エリンの存在は、一般の人々には公開されていない。

無用な混乱を生まぬように、と、かつてのレリアとエイリフとの間で協定が結ばれたからだ。

よって、まだ世界は魔法を知らなかった。

むー「むとのメリケン(予備)だ!これ使えるか?

志菜は頷くと、メリケンを受け取った。

志菜「いくよ…"痕跡追尾"」

すると、メリケンから光る蝶が現れ、ゆっくりと舞い上がった。

志菜「あれを追っていけば、むとちゃんにたどり着けると思う。」

むー「よし!見失うなよ!」


蝶の動きが止まった。

むー「止まったけど・・・ここにむとがいるのか?」

てりやき「何も無いね・・・ただの路地だよ」

志菜「・・・たぶん、むとちゃんの痕跡が途切れたんだと思う・・・」

アグアド「・・・どういう事だ?まさか・・・死んだ・・・?」

志菜「ううん。死んでたら蝶は現れないはずだから、それはないよ。
   でも・・・何でだろ・・・ここで途切れちゃってる・・・」

むー「他に途切れる条件とかあるのか?」

志菜「・・・別世界。エリンとかの別世界に入り込むとか・・・。」

アグアド「別世界だと・・・?まさかエリンに?」

志菜「それは無いと思う・・・エリンに行くには元レリアの人たちの力が必要だし・・・」

てりやき「くそ・・・どうなってるんだ・・・?」

その後、周辺をくまなく調べたが、むとの痕跡は見つからなかった。

アグアド「・・・もう帰るか。暗くなってきた。」

てりやき「だね・・・俺たちも行方不明になりかねないし・・・」

志菜「むー・・・今日はここまでにして・・・明日探そう?」

むー「・・・ああ。わかったよ・・・」

そして4人は、岐路に着いた。

しかし、1人だけ、戻ってくる影があった。