アグアド「うう・・・ん・・・」
むー「お、お目覚めか。」
志菜「おはよ。っていっても、夜だけどね。」
アグアド「え・・・むー!?むとも・・・あれ?ここは?」
むと「メイズ平原ってところ。ここは広いし、祭り会場にはいいかもね。」
見ると、辺り一面お祭り騒ぎだった。
てりやき「戦いが終わったのを記念して、皆がここに集まって祭り開いてるんだ。」
両手に食べ物を持ち、口をもぐもぐさせながらてりやきが言う。
アグアド「そうか・・・終わったんだな・・・ついに・・・」
フェナリア「はい。本当に・・・ありがとうございました。」
人間Verのフェナリアが、ゆっくりと頭を下げた。
アグアド「何言ってるんだ。仲間だし、当たり前だろ。」
志菜「そうそう。フェナだって私達を助けてくれたんだから。」
アグアド「よっしゃぁぁ!食べるぜぇぇぇ!!!」
言うが早いか、アグアドは会場の中へ走り去った。
ジャイアント男「お、にーちゃん!いや、勇者様のお目覚めだぜ!」
アグアド「え・・・え?」
エルフ女「あなたのおかげってゴールドドラゴン様から聞いたわ!ありがとう!」
先住民男「よシ、勇者殿を胴上げダ!」
全員「わーーーーっしょい!わーーーーーーっしょい!」
アグアド「ゆ・・・勇者・・・エヘヘヘ☆」
志菜「照れるなっつーの!」
アグアド「いでぇぇ!石投げるなよ!」
むー「ったく・・・本当にガキだな・・・アイツは。」
むと「おもしろいからいいじゃない。」
フェナリア「さ、ボクたちも行こう!ボクの家族も来てるしね!」
見ると、上空から5頭のゴールドドラゴンが舞い降りていた。
その後、祭りは夜通し続いた。
大陸に、やっと平和が戻った証拠だった。
その立役者となった5人の地球人の名前は、歴史に残り、後世に語り継がれる事となった。
そして、翌朝。
人間、エルフ、ジャイアントの3部族に見送られ、5人はケルラ港に戻ってきた。
それぞれの首長から、たくさんのお土産、褒美を貰い、お礼を言われた。
フェナリア「では・・・お気をつけて。また、来てくださいね。」
むと「ええ。また来るわ。」
むー「コンヌース料理も案外いけるからな・・・いやピシス料理も中々・・・」
てりやき「次来た時はぜひ稽古つけてください!ジャイアントの方々!」
5人の後ろに、青い渦が現れる。
その中から、1人の女性が出てきた。
志菜「あ・・・雪蝶さん!」
雪蝶「挨拶は済んだようだな。では、元の世界へ送ろう。」
アグアド「あの・・・やっさんやべラムさん達は・・・会えませんか?」
雪蝶「すでに魂は消滅した。残念だが、もう会えない。」
アグアド「そう・・・ですか。」
雪蝶「落ち込むな。奴等は全員、最高の時間だった、と言っていた。今頃、どこかで生まれ変わっているはずだ。」
アグアド「そうですか・・・ありがとうございます。」
フェナリア「みんな!またね!」
エルフ「ありがとよー!」
ジャイアント「また来いー!」
大勢の人々に見送られ、アグアド達は渦の中へ消えた。