第41話「終戦」

Last-modified: 2011-09-02 (金) 13:11:16

アグアド「うう・・・ん・・・」

むー「お、お目覚めか。」

志菜「おはよ。っていっても、夜だけどね。」

アグアド「え・・・むー!?むとも・・・あれ?ここは?」

むと「メイズ平原ってところ。ここは広いし、祭り会場にはいいかもね。」

見ると、辺り一面お祭り騒ぎだった。

てりやき「戦いが終わったのを記念して、皆がここに集まって祭り開いてるんだ。」

両手に食べ物を持ち、口をもぐもぐさせながらてりやきが言う。

アグアド「そうか・・・終わったんだな・・・ついに・・・」

フェナリア「はい。本当に・・・ありがとうございました。」

人間Verのフェナリアが、ゆっくりと頭を下げた。

アグアド「何言ってるんだ。仲間だし、当たり前だろ。」

志菜「そうそう。フェナだって私達を助けてくれたんだから。」

アグアド「よっしゃぁぁ!食べるぜぇぇぇ!!!」

言うが早いか、アグアドは会場の中へ走り去った。

ジャイアント男「お、にーちゃん!いや、勇者様のお目覚めだぜ!」

アグアド「え・・・え?」

エルフ女「あなたのおかげってゴールドドラゴン様から聞いたわ!ありがとう!」

先住民男「よシ、勇者殿を胴上げダ!」

全員「わーーーーっしょい!わーーーーーーっしょい!」

アグアド「ゆ・・・勇者・・・エヘヘヘ☆」

志菜「照れるなっつーの!」

アグアド「いでぇぇ!石投げるなよ!」

むー「ったく・・・本当にガキだな・・・アイツは。」

むと「おもしろいからいいじゃない。」

フェナリア「さ、ボクたちも行こう!ボクの家族も来てるしね!」

見ると、上空から5頭のゴールドドラゴンが舞い降りていた。

その後、祭りは夜通し続いた。

大陸に、やっと平和が戻った証拠だった。

その立役者となった5人の地球人の名前は、歴史に残り、後世に語り継がれる事となった。

そして、翌朝。

人間、エルフ、ジャイアントの3部族に見送られ、5人はケルラ港に戻ってきた。

それぞれの首長から、たくさんのお土産、褒美を貰い、お礼を言われた。

フェナリア「では・・・お気をつけて。また、来てくださいね。」

むと「ええ。また来るわ。」

むー「コンヌース料理も案外いけるからな・・・いやピシス料理も中々・・・」

てりやき「次来た時はぜひ稽古つけてください!ジャイアントの方々!」

5人の後ろに、青い渦が現れる。

その中から、1人の女性が出てきた。

志菜「あ・・・雪蝶さん!」

雪蝶「挨拶は済んだようだな。では、元の世界へ送ろう。」

アグアド「あの・・・やっさんやべラムさん達は・・・会えませんか?」

雪蝶「すでに魂は消滅した。残念だが、もう会えない。」

アグアド「そう・・・ですか。」

雪蝶「落ち込むな。奴等は全員、最高の時間だった、と言っていた。今頃、どこかで生まれ変わっているはずだ。」

アグアド「そうですか・・・ありがとうございます。」

フェナリア「みんな!またね!」

エルフ「ありがとよー!」

ジャイアント「また来いー!」

大勢の人々に見送られ、アグアド達は渦の中へ消えた。