第8話「エリン」

Last-modified: 2011-10-25 (火) 10:28:54

深い暗闇の中。
―おい、とっとと起きろ
―あんたは?
―関係ねぇだろ。
―そうだけど・・・
―いつまで寝てるつもりだ。これ以上悲しませるんじゃねぇよ。
―え・・・誰を?
―ったく・・・しょうがねぇヤツだな。
そして、闇に光が満ちていく。


志「あ!アグ!気が付いた!?」

ア「ここは・・・?」

目を開けると、心配そうに覗き込む志菜の顔。その後ろに、
白い天井が見えた。

てり「気が付いたか?ここは基地の医務室だよ。」

むと「1時間くらい気を失ってたけど、大丈夫そうね。」

時計を見ると、時刻は午後11時過ぎだった。

むー「聞いたぜ、エリンの魔術師を倒したらしいな。」

ア「・・・エリン?魔術師?」

ミ「ああ、そういえば貴様らには説明してなかったな。」

教えてやろう。我々の敵を。
そして、ミシェナは話し始めた。

この"地球"とは別に、"エリン"と呼ばれるもう1つの世界がある。
そこの住人は魔法を使い、魔物を使う。
"パワースポット"と呼ばれる場所があり、そこが地球とエリンを
繋ぐ場所となっている。
魔物は、エリンの魔力が最も高まる夜に現れる。狙いは未だ不明。

ミ「今の段階で分かっているのは、これぐらいだ。落ち着いたら中央司令室へ来てくれ。」

そう言って、ミシェナ、むー、むと、てりやきは部屋を出て行った。
部屋には、アグアドと志菜だけが残される。

志「良かった・・・目を覚ましてくれて・・・」

志菜の目は、すこし充血していた。

ア「・・・悪い、心配かけたな。」

そう言って、志菜の頭をそっと撫でる。

志「・・・ねぇ、アグ。あなたの力って・・・」

ア「あぁ・・・これは、"魔法"みたいだな・・・」

開いたその手を、握り締める。

ア「だけど・・・オレは地球人だ。絶対に、皆を、お前を守る。」

志「アグ・・・」

ア「さ、行こうぜ。」

上着を着て、中央司令室へ向かう。

ア(そういえば・・・あの魔術師、何か言ってたな。)

アインツェの言葉を思い出す。

ア(なんだっけ・・・何かもう1つくらい知らない単語を言ってたような・・・)

悩んだが結局思い出すことは出来ず、アグアドは司令室へ入っていった。