異界百妖夜行/会話

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フィリス

－－あっ、こら待て！
軍議の最中だぞ－－って勝手に扉を開くんじゃない！

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－－こっちも急ぎの用事なの。
こほん。あなたが王子さまであってる？

アンナ

えぇと、あなたはいったい……？

レンゲ

私はレンゲ。
旅の弓使いだとでも思っておいて。
　
それより、王国の力を貸してほしいの。
あの子が－－ヨユキが
異世界の妖怪を喚び出してしまったみたいで。

バルバストラフ

……異世界の妖怪、とな。
王子、どうやらこの娘、
此度の事情を知っておるようじゃぞ？

レンゲ

知っているも何も、この事件を
起こしたヨユキは、私の昔の友だちだもの。
 　
あの子は妖怪が人間と融和することを
ずっと危険視していたの。
　
妖怪が人間に受け入れられて、
畏れを得られなくなったなら、
弱い妖怪たちは滅んでしまうだろうって。

サイラス

なるほど、それで異世界よりの、
強大な力を持つ妖怪を喚び出したのか。

レンゲ

ヨユキは弱い妖怪たちが
生きていけなくなることを心配しているだけなの。
　
本当は私が止めるべきだけれど、
あれだけの妖怪がついていたら、
ひとりではどうにもならなくて……。
　
お願い、王子さま。
あの子を止めるために、力を貸して……！
　
…………ありがとう。
この恩は絶対に返すからね。

アンナ

それでは王子、
さっそくヨユキさんの足跡を追いましょう！

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江戸城

助太刀が遅くなったこと、まずはお詫びします。
本当はひとりでここへ渡るつもりだったのですが、
さすがに異世となると難しく……。
　
グリムさんが門を開いてくれたことで、
ようやくこちらに来られたのです。
……あまり、叱らないでやってくださいね？

レンゲ

江戸城さん、ありがとう。
おかげでヨユキと話ができたわ。

江戸城

ふふ、百妖夜行を名乗るとは、
なかなか剛毅なご友人ですね。
　
これからもきっと衝突することはあると思いますが、
きっと、この世界で解決策は見つかるはずですよ。
　
けれど問題は、こちらへ押しかけてしまった、
私の仲間たちの方ですね……。

アンナ

以前にも城娘さんとは交流があったので、
皆さん驚くことなく受け入れてはいるのですが……。

レンゲ

仲良くなりすぎて、一緒に演習を
しようなんて話になっているみたいね……。

江戸城

仲間の内で競い合うのは重要なこと。
皆がやる気だというのなら、
この江戸城も力をお貸ししましょう。

アンナ

では、異世界交流ということで、
演習場へ向かいましょうか。

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