背教の剣と信仰の騎士団

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一般兵

－－王子！
ああ、良かった、王国軍本隊は無事だったのですね！

ケイティ

無事とは……？
この関所で、何かが起きているというのですか？

ヘクター

……神聖騎士団の侵攻です。
それも武力ではない、巧妙な手口によるものです。

ラセル

現在、この関所の戦力は半数以上が、
神聖騎士団による教化－－
いや、精神支配の影響下にあるのだ。
　
神聖騎士団は布教を装って、
近隣の村や関所の兵に対し、
我々に気付かれること無く精神支配を進めていたらしい。

ウィルフレッド

誰が精神支配を受けているかも分からない状況で、
もはやこの関所は、正常に機能しているとはいえません。
　
かろうじて少数の者たちで、
魔物と神聖騎士団に対する警戒は続けていますが……。

アンナ

あなたたちだけでも、無事で本当に良かったです。
まさかこんな状況になっていたなんて……。

ユリアン

関所が全員精神支配されていたら、
事態に気付くこともできなかったわけだしな。
本当にお手柄だぜ。

アンナ

王子、これ以上神聖騎士団の
好きにさせることはできません。
まずはこの関所を解放しましょう！

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忍者

－－おお、これが魔神ビフロンスの濃縮された残片！

鬼刃衆

然り。より凶暴化したビフロンスから得た、
極めて強力な「霊体化」の力を持つ物だ！

忍者

……しかし、これをどうするので？
我らはもう残片を飲み込まないと、
鬼刃姫様と固い約束を……。

鬼刃衆

あいや待たれい。
我らの中でも魔神の残片に耐性を持つ者が、
ごく一部だが存在しているだろう。

忍者

セツナとタチバナにござるな。
－－はっ、まさか。

鬼刃衆

あのふたりに出来て、我らに出来ぬはずもなし！
これより先、より激化していく天界との戦い、
そこで鬼刃姫様のお力となるためにも！！

忍者

亜神と戦うとなれば、魔神の力を！
実に道理にかなってござる！

鬼刃衆

うむうむ。
ではさっそく－－ごくりごくり。

忍者

ごくりごくり。

鬼刃姫

－－あれ？
あんな所でなにしてるんだろ？
おーい、そこで何して－－

鬼刃衆

……むっ？
何故か身体が軽いような……。

忍者

確かに、身体がふわふわしてござる。
それに何だか透けているような？
まるでアンデッド、幽霊にござ－－グゥッ！？

鬼刃衆

これが！　霊体化！
これで物理攻撃に耐性ができ－－
－－ぬぉっ、か、身体が勝手に……！？　グォォッ！？

鬼刃姫

あの様子……はっ！
もしかして……また魔神の残片を飲み込んだの！？
　
あぁもう、急いで王子たちを呼んでこなくちゃ！

ビフロンスの残片を飲み込んだ
鬼刃衆と忍者がいる間は、
全てのアンデッドの攻撃と防御が
アップします。
　
この効果は、ビフロンスの残片を
飲み込んだ鬼刃衆と忍者の
数に応じて重複します。

鬼刃姫

－－はぁ。
鬼刃衆のみんなは情報収集で活躍してるんだから、
無理して戦おうとしなくていいんだよ？

鬼刃衆

くぅっ……しかし、しかし……！

鬼刃姫

あてだって、苦手なことはあるしね。
みんなが出来ることをして、
みんなで頑張ればいいんだよ。

鬼刃衆

鬼刃姫様……！
うぅ、申し訳ありませんでしたぁ……！！

鬼刃姫

それはそれとして、あの残片どこで手に入れたの？

鬼刃衆

あぁ、あれはセツナとタチバナが、
先日ある戦場で拾ってきたとのことで……。

タチバナ

ぎくっ。

セツナ

ぎくっ。

鬼刃姫

セーツーナー！　タチバナ！！
あてに隠れてそういうことしたら「めっ」だよ！

セツナ

えへへ、バレちゃった♪

タチバナ

まぁ最初からバレるのは分かってたしねぇ♪

鬼刃姫

ふたりとも！　ついでに鬼刃衆も！
歯を食いしばれー！！

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アレクシア

－－失礼します。
神聖騎士－－いえ、騎士アレクシア、入ります。
　
……こうして命を救われたことに、
感謝を述べに来ました。
本当なら処刑されていても文句は言えないというのに。
　
これからは、どんなことでも申し付けください。
私はその日々の中で、
己の信仰について自問し続けようと思います。

コルム

アレクシア、貴女は考えすぎです。
まさか王子殿下が、王城襲撃の咎で
あなたを罪人同然に扱うとでも思いましたか？

アレクシア

えっと……違うのですか……？
私は王子殿下からすれば異教徒ですし……。

コルム

異教徒というのなら、私もフィナンもそうですし……。
それにほら、そこで王子殿下の
執務を手伝っている銀腕のお方は－－

トラム

－－えっ？　えぇと……こほん。
亜神のトラムよ。よろしくね、アレクシア。

アレクシア

あ、あしん……亜神トラムさま？
どうしてトラムさまがここに！？

トラム

助けを求める者を見捨てられない、
そんなお人好しの王子に助けられたから、かしら。
　
コルムから聞いたわ。
あなたの「殺して」は「助けて」って聞こえたと。

コルム

……アレクシア、自分を見つめ直す旅は、
ひとりより、私たちと一緒の方が良いと思いませんか？

アレクシア

……自分の信じた神を最後まで信じきれなかった、
仲間を裏切った、
そんな騎士を、必要としてくれるのですか？

コルム

－－ふふっ、ほら、王子殿下だって
あんなに嬉しそうに頷いているのですから、
この国の誰も、あなたを否定しませんよ。

アレクシア

……はいっ。
よろしくお願いします、皆さん！

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