追憶の歴史 序章

クローディア

――王子の、戦いの記録ですか？

レーヴ

えぇ、未来の王国のためにも、
王子の辿ってきた歴史を
編纂する事業を本格的に始めようかと。

アリサ

王子と一緒に戦う中で、
これまで色々なことを経験しましたよね。

ソーマ

懐かしい思い出もあれば、
辛かったことも、悲しかったことも、
それ以上に嬉しかったことも、いっぱいありました。

レーヴ

ふふふ、皆さんの記録もしっかり書き残しますよ。
そのために、王子をはじめ、
今日非番だった皆さんにも付いてきてもらったんです。

レン

おや、私たちも記録に残るのですか？

レーヴ

当たり前ですよ！
皆さんのことも記録しなくちゃ、
王国史とは言えませんからね！

クロリス

――おや、じゃあこの戦いも
レーヴの記録に残るってことかい？

レーヴ

戦い……？　って、わ、わー！
王子、大変です！　魔物の群れが！

エターナー

護衛に付いてきて正解だったみたいだな。
王子、皆に迎撃の指示を頼むぞ！

アカシ

わぁぁ～っ！！
来ないでー！　あっちいってー！

ソーマ

あれ……あのちっこいの、聖霊さんじゃないですか？
なんだか慌てているみたいですけど……。

アリサ

慌てすぎてこっちに突っ込んできますよ！？

アカシ

あなたたちも聖霊を捕まえる悪いやつ！？
えーいっ！　やっつけちゃうんだからー！

クロリス

……話を聞くには、落ち着かせるしかなさそうだねぇ。
実力行使ってやつさ、王子。

アカシ

はぁ……はぁ……。
えっと、ここは？

レーヴ

アイギス神殿近くの森ですよ。
聖霊さん、そろそろ落ち着きましたか？

アカシ

わっ……た、助けてくれたってこと？
ごめんなさい！　敵だと思って暴れちゃって……！

アリサ

大丈夫ですよ、どちらも怪我がなくて良かったです。
それで、いったい何があったのですか？

アカシ

えっと、そうだ！
悪い盗賊が仲間たちを捕まえようとしてるの！

それで、助けを呼ぼうと思って、
王国の方まで急いで飛んでる最中で――

…………ああっ！　その顔！
もしかして王国の王子さま！？

王子

…………（こくり）

アカシ

お願い、王子さま！
悪い盗賊たちから、仲間を助けてほしいの！

アンナ

王子、どうしますか――と、
尋ねるまでもなさそうですね。
それでは聖霊さん、道案内をお願いします！

盗賊A

――くっくっく、知ってるか？
聖霊にはすげぇ価値があるんだぜ。

盗賊B

こんなちっこいのにかぁ？

盗賊A

おうよ、こいつらは戦士の技量を高めたり、
新たな力を芽生えさせる奇跡を起こせるんだ。

盗賊B

うっひょぉ！
それじゃあこいつらを捕まえれば、
しばらくは食いっぱぐれねぇってことか！！

フローリカ

こ、来ないで！
少しでも触ったらぶっ飛ばすわよ！

セリア

うぅぅぅ……アカシちゃん、
無事に王子さまの所へたどり着けたでしょうか……。

ニナ

きっと大丈夫ですよ！
王子さまは、こういう時には必ず駆けつけて――

王子

…………！！

盗賊B

なっ……お、王国軍だとぉ！？
どうしてこんな所にいやがるんだ！？

フィリス

王国内で悪事を働くやつが居たら、
そいつらを成敗するのも王国軍の役目だからな！
大人しくお縄につけ！

盗賊A

ちっ、こうなったら仕方ねぇ！
野郎ども、王子を捕まえて売っぱらうぞ！

ソーマ

王子をって……そんなことさせませんよ！？

フィリス

王子、敵が来るぞ！
聖霊を守りながらの戦闘だ、慎重な指揮を頼む！

盗賊A

わ、悪かった！　改心するから！
頼むぅ、見逃してくれぇ！

フィリス

はいはい、話は詰め所で聞くからな。
生活に困ってるなら仕事も斡旋するから、
まずは罪を償えよ。

盗賊B

お、おぉぉ……。
お世話になりやす……。

アカシ

――王子さま、みんなを助けてくれてありがとう！
うぅぅ、無事で本当によかったぁ……。

お礼に、私の力を王子さまの仲間にあげるね！

アンナ

聖霊さんの、力ですか？

アカシ

私は物語を通して、みんなに力を与えられるの。
よーし、どこかに手頃な物語はっと……。

あっ、あなたの物語がぴったりかも！

レーヴ

えっ？　これは物語と言うか王国史で――

アカシ

いいのいいの♪
この本に物語を書かれたみんなの
技量を、私が高めてあげるね♪

レーヴ

えぇと……それじゃあ、お願いします……？
と、ともかく！　これで一段落ですね。
王子、アイギス神殿へ戻りましょうか♪

「物語の技聖霊アカシ」を
合成継承することで、
ヒストリーモードで入手可能な
ユニットのスキルを
強化することができます。