邪仙郷の罠/会話

Last-modified: 2022-06-01 (水) 22:44:26
ネタバレ注意
1:虎を駆る少女
1:開始時

アンナ

王子、報告によれば、
このあたりで魔物の出現が確認されたとのことです。
周囲を調査してみましょう。

ケイティ

虎に似た魔物が出現したとのことですが……。

兵士

――報告!
前方に魔物の姿を確認しました!

アンナ

さっそく魔物が現れたようですね。
王子、戦いの準備をお願いします!
1:戦闘中

妖虎

グルルル……。
メイリンよ、やつらが王子軍だ。
おぬしの力を存分に奮うがいい。

メイリン

あれが父様を苦しめてる悪い奴か……。
王子を倒せば、父様がアイツらから
悪口言われなくて済むようになるんだよね?

妖虎

ああ、そうだ。
其方の父君の名誉のためにも、
ここで王子たちを倒すのだ!

メイリン

よーしっ! 任せておいて!
虎姫メイリン、がんばるよっ!!
みんなも父様の為に力を貸してよね?

妖虎

応とも、虎姫!
共に戦場を駆け抜けようぞ!
1:終了時

メイリン

や、やられた~ッ!?
あの、王子ってやつすっごく強いよぉ……。

妖虎

……まさかこれほどまでの
力を持っているとは。
どうやら目算を誤まっていたようだ……。
ここは一度退くぞ、虎姫!

アンナ

待ってください!
あなたは人間のようですが、
なぜ妖虎と共に私達を襲うのですか?

メイリン

……王子がメイリンの父様を
イジメルのがいけないんだ!

アンナ

父様をいじめる……?
王子と貴方の父親とどんな関係が……?

メイリン

うるさい、うるさい、うるさーいっ!
絶対に王子を倒してみせるからな!
首を洗ってまっていろー!

ケイティ

行ってしまいましたね……。
まるで、王子を仇のように言っていましたが、
何か誤解をしているのでしょうか……?

アンナ

事情はわかりませんが、まだ討伐すべき魔物は
他の地にもいます。彼女を警戒しつつ
予定通り遠征を続けましょう、王子。
2:再戦の虎姫
2:開始時

アンナ

この区域で出現報告のあった魔物も
何とか討伐できたようですね。
それでは王子、帰還しましょう。

メイリン

――こらー待てぇッ、王子!!

アンナ

あ、あれは!?
妖虎と一緒にいた女の子……!

メイリン

さっきよりもいっぱい妖虎たちを
連れてきたんだから、もう負けないぞぉ!!
父様の為にも絶対にここで
メイリンが勝つんだから!
さあ王子ッ、覚悟しろぉッ!!

アンナ

王子、妖虎たちが一斉に襲いかかってきます!
戦いの準備をお願いします!
2:終了時

メイリン

そ、そんなぁ……。
いっぱい妖虎たちを連れてきたのに、
また負けちゃったよぉ……。

妖虎仙

――何をしておる、メイリン。

メイリン

父様ッ!?
どうしてこんなところに……!

妖虎仙

それはこちらの台詞じゃ。
急にいなくなったかと思えば、
このような愚かなことをしていたとはな……。

メイリン

ごめんなさい、父様……。
でも王子を倒さないと、またアイツらに悪口を
言われてイヤな思いするでしょ? だから……。

妖虎仙

わしがいつそのようなことをお前に頼んだ?
……勝手なことをするようなら喰い殺すぞ?

妖虎

よ、妖虎仙様ッ!? 虎姫様は貴方様のことを
思って行動したのですぞ? 少しは御慈悲を
向けていただけないでしょうか……?

妖虎仙

……よかろう。
だが、次は無いぞ……。
メイリンよ、早う立て。退くぞ。

ユリアン

……おい、あの女の子を
このまま行かせていいのか?
もしかしたら操られてるのかもしれないぞ……?

アンナ

そうですね……。
王子、彼女たちを追いかけましょう!
3:渓谷に伏せられた罠
3:開始時

アンナ

申し訳ありません、王子。
妖虎仙を追いかけていましたが、
どうやら道に迷ってしまったようです。

ケイティ

これ以上無闇に進んでも意味が
ありませんね……どうしたらいいのでしょうか。

???

何やらお困りのようですなぁ……。
妖虎仙がどうのと口にしていたようじゃが、もしや
先程ここを通った妖虎仙を追っておるのかな?

アンナ

あなたはいったい……。
いえ、それよりも妖虎仙を見かけたのですか?

???

ああ、しかとこの目でな。
……なるほど、どうやら本当に
妖虎仙を追う者たちというわけか。
ならば、あちらの方角へ向かうといい。
あの道の先に妖虎仙に滅ぼされた街がある。
そこが妖虎仙の領地となっているのじゃ……。
向かうのであれば、気をつけて進まれよ。

アンナ

妖虎仙の領地……。
王子、急いでその街へ向かいましょう!

兵士

伝令!
斥候部隊が敵影を確認しました!
どうやら、妖虎のようです!

妖虎

――グルルル……。
街へは向かわせん。
これ以上、妖虎仙様の邪魔はさせぬぞ!

アンナ

どうやら私達の追撃を退ける為の
後陣のようですね。
王子、戦いの準備をお願い致します!
3:終了時

アンナ

王子、お見事です。
無事に敵を退けることができたようですね!

???

ほぉ、おぬしらは随分と強いのじゃなぁ……。
これなら妖虎仙から街を救えるかもしれんのぉ。

ケイティ

お爺さん、これより私達は街に向かいます。
帰途に不安があれば、
護衛をつけますが、どうしますか?

???

老い先の短い身ゆえ、
そのような足労をかける意はどこにもありはせん。
さ、気にせず正道を歩まれよ。

アンナ

わかりました……。
それでは、私達はこれで。
くれぐれも魔物には気をつけてくださいね。

???

………………ふむ、行ったようじゃな。
さて、一先ずの膳立ては済んだようじゃな。
これで戦う意思に火がついたじゃろうて……。
……どうなるか楽しみじゃ。
4:死者の都
4:開始時

アンナ

どうやらここが先程の
お爺さんが言っていた街のようですね。
それにしても、なんて酷い有り様でしょう。
魔物がこんなに沢山……。
あ、あそこに人がいるようです、王子!

マオ

はぁ……はぁ……倒しても倒してもキリがない……。
まさかこれ程の数のキョンシーが
いるなんて……ッ!

アンナ

私達も加勢します!

マオ

貴方たちは……!?
いえ、そんなことよりも気をつけてください!
キョンシーは一筋縄ではいかない魔物です!

ケイティ

キョンシー?
見たことのない魔物ですね……。
それに人間の様にも見えるのですが……。

マオ

……キョンシーとは、死んだ人間を
妖術によって使役しているものです……。
死者の魂を弄する禁忌の外法なのです!

ケイティ

「アンデッド」という事ですね……。
死者を弄ぶとは……なんて、ひどいことを……。
助けることは、できないのですか?

マオ

方法は一つしかありません……。
それはキョンシーを無力化し、
術から解放することです!
私ひとりではこれ以上戦えそうにありません……。
どうか貴方の力をお貸し下さい!
4:終了時

アンナ

全てのキョンシーを鎮圧できたようですね!
王子、お疲れ様でした。

マオ

これで彼らの魂も、
術者の妖術の拘束から解放されることでしょう。
本当に、よかった……。

ケイティ

ですが、妖術によって操られていたということは
当然、術者がいるということですよね?
いったい誰がこんなひどいことを……。

マオ

相当な妖術の使い手でなくては
キョンシーを使役することはできません。
この街を滅ぼして己の領地とした
妖虎仙の仕業とみて間違いないと思います。

ケイティ

ということは、まだ多くの人々が
妖虎仙の妖術によって苦しめられている
可能性がありそうですね……。

アンナ

王子、これ以上
妖虎仙を放っておいては危険です……。
急ぎ街の奥へと進みましょう!
5:魔神ウェパルの残片
5:開始時

鬼刃衆

皆の者、よく聞くのだ!
ついに我らは誰にも負けない
強大な力を手に入れる日を迎えたのだ!

忍者

強大な力……!?
ということは手にされているソレは、もしや!?

鬼刃衆

如何にも!
これこそは、魔神ウェパルの身体の一部……、
われらに偉大なる力を授けてくれるものだ!

忍者

おおおっ!

鬼刃衆

これを煎じて飲めば、
魔神ウェパルの力が手にはいるのだ!

忍者

おおおっ!?
で……やはり、拙者らも飲むのですか?

鬼刃衆

分かっているではないか!
話が早くて助かる……それでは共に
大いなる力を手に入れようではないか!

忍者

本当はイヤですが……ゴクリ、ゴクリ……。

鬼刃衆

何か言ったか?
まあいい、それではこちらも……ゴクリ、ゴクリ……。
……うぉぉぉおおおッ!!!
これだ、これこそが魔神ウェパルの力だ……。
貴様も感じるか、この凶悪な力をぉぉおッ!

忍者

……んふぉぉぉおおおっ! 感じますッ!
あらゆるものを蝕もうとする恐ろしい力が!
5:終了時

鬼刃衆

む、無念……。
つ、次こそは……必ずぅ……うぅぅ……。
6:妖怪総大将の大冒険
6:開始時

ぬらりひょん

ヒョッヒョッ。善哉善哉。
この地にこれほど多くの妖怪がいたとはのぉ。
おかげで新たな仲間を配下にできたわい。
他国の妖怪どもが活気付いてるようじゃが、
これならば十全な備えとなろう……ヒョッヒョッ。
妖怪の総大将たるわしのメンツもこれで保てよう。
……む?
向こうから何者かがやってくるようじゃのぉ。
……なるほど人間か。これは丁度良い機会じゃ。



アンナ

王子、このあたりで
妖怪が出没しているとの噂ですが、
どうにも見当たりませんね……。

ぬらりひょん

――何をきょろきょろしておる人間ども。
わしを探しておるのかな?

イロハ

お、お前は……妖怪総大将ぬらりひょん!?
なぜこんなところに……!

ぬらりひょん

ヒョッヒョッ……貴様らも運がないのぉ。
わしの新たな仲間たちの
腕試しによって命を失うのじゃからなぁ!

アンナ

王子、妖怪たちが向かってきました……!
急ぎ戦いの準備をお願い致します。
6:終了時

ぬらりひょん

し、信じられん……。
新たに仲間にした妖怪たちが
全員やられてしまうとは……!?
おんのれぇ……っ。貴様らぁ!
わしの苦労を水の泡にしよって……。
いつか必ず目にものをみせてやるわぃ!

カズハ

……どうやら、
ぬらりひょんは退いてくれたようですね。

イロハ

妖怪総大将を相手に
この程度で済んで良かった……。
王子、お怪我はありませんか?

カズハ

ふふ、安心してくださいイロハさん。
王子はこの通り無傷ですよ。
……ですが、ぬらりひょんの動きが気になりますね。

イロハ

はい……。
手下になりそうな妖怪を探していたようですし、
より強大な力を手に入れようと画策するはずです。

カズハ

……何か対策が必要かも知れませんね。
王子をお護りする為にも、引き続き
妖怪たちの動向を警戒するとしましょう。
7:死者の楼閣
7:開始時

妖虎仙

我が領地にキョンシーを放っただと……?
一体どういうつもりだ?
応えよ、屍解仙!

屍解仙

カッカッカ……何を憤っておる妖虎仙。
ぬしから王子を倒そうという気概が感じられぬ故、
わしがキョンシーを貸してやったのじゃ。
むしろ感謝してもらいたいくらいじゃのう。
これで、ぬしのような邪仙郷の異端児も
少しは功徳を積めるというものじゃろう?

妖虎仙

黙れ屍解仙!
それ以上わしを侮辱するのならここで
貴様の息の根を止めてやっても良いのだぞ?

屍解仙

相も変わらず威勢だけは一人前じゃのぅ。
……その気迫で今すぐにでも王子たちに
向かって行けば良いだけじゃというのに……。

妖虎仙

わしは……機を待っているだけじゃ。
王子達を打倒する為の機は、
熟すまでにもう少しの時を要する……。

屍解仙

そうは言うがな……ぬしも王子たちがすぐそこまで
来ているのを感じ取っておるのじゃろう?
機が熟す前にぬしが死んでは元も子もないぞ。

メイリン

心配しないで、父様!
時間ならメイリンが稼ぐからね!
ううん。いっそのこと王子を倒してきてあげるよ!

妖虎仙

余計な気を回すな、メイリン!
……くそ、あの愚か者めが……。
もう行ってしまいよったか……!

屍解仙

カッカッカッ!
ぬしの子の方がよっぽど勇ましいのぉ。
いいじゃろう。わしのキョンシーも向かわせてやる。



兵士

報告!
前方にキョンシーを確認! 警戒してください!

アンナ

……どうやらメイリンさんも一緒のようですね。
王子、妖虎仙の居場所までもう少しです!
何としてもこの戦いに勝ちましょう!
7:終了時

メイリン

――うッ、くぅぅッ……!
また、やられちゃうなんて……くやしいよぉー!
でもいっぱい時間は稼げたみたいだし、
これなら父様も褒めてくれるはず……。
急ぎ父様のもとへ戻るぞーッ!

アンナ

……色々と話を聞きたかったのですが、
また逃げられてしまいましたね。

ケイティ

メイリンさんが口にしていた、
『時間を稼げた』とは
どういうことなのでしょう?

アンナ

それは私にも分かりませんが……。
しかし、今は急ぎメイリンさんを追うしか
方法がないですね。
8:妖虎仙の秘術
8:開始時

メイリン

父様、メイリンいっぱい頑張ったよ!
王子を倒す為の準備の時間は
ちゃんと稼げたよね?

妖虎仙

ふむ……良くやってくれたのう。
最後の最後でわしに報いたな、メイリン。
……機、いよいよ熟せり……。
我が妖術の奥義……使うは今ぞッ!
はぁぁぁアアアッッッ――!

屍解仙

ほぉ……考えたのぅ妖虎仙。
まさか世上の妖気を集約させ己が気とするとはな。
諸刃の秘術を使うという事は奴も必死という訳か。
(カッカッカ……それで良い、邪仙郷の異端、
妖虎仙。貴様には随分と手を焼かされたからのぅ。
邪仙郷の為にも貴様はここで死ぬべきなのじゃ)
(それに、もし妖虎仙が王子を倒したとて、
我が助力の果と報じ、己が功とすればいいだけ。
無論、共倒れとなれば言うことはないのじゃが……)

メイリン

屍解仙……なんで笑ってるのさ!?
父様にとってこれは大事な戦いなんだよ!

屍解仙

これは礼を失したのぅ……。
なぁに、妖虎仙の力の強大さに感嘆したのじゃよ。
……と、見よ虎姫。どうやら王子が来たようじゃぞ?

アンナ

王子、ご覧下さい!
妖虎仙の姿があります!
どうやらここが本拠地のようですね……。

妖虎仙

待っておったぞ、王子。
今日こそ貴様の命を貰い受けるとしよう。

メイリン

父様! わたしも一緒に戦うからね!
メイリンのほんとのほんとの本気を
今こそ見せてあげるんだからーッ!!

アンナ

どちらからも、凄まじい気迫を感じます……。
王子、ここで全ての決着をつけましょう。
戦いのご準備をお願い致します!
8:終了時

妖虎仙

――ぐァッ……はぁ、はぁ……。
こ、これでも勝てぬとは……王子め……。
その覇気……真の英雄であったか……。

アンナ

妖虎仙が膝をついた……!?
王子、トドメをさすのは今しかありません!

メイリン

……ま、待ってよ!
父様にはもう戦う力なんて無いんだ……。
お願いだから命までは取らないで!

マオ

勝手なことを……! キョンシーを街に放ち、
人々の安寧を踏みにじった妖虎仙を、
私たちが許すと思っているのですか!?

メイリン

それは違うよ!
キョンシーを操っているのは父様じゃない!
街を襲ってボロボロにしたのは屍解仙だよ!

屍解仙

――カッカッカ……妖虎仙よ。
しつけを誤ったのぅ。
虎姫めが全てをばらしてしまいよったか。
それにしても、まさか、
ぬしの最高の秘術でも敗れるとはのぅ。
さて、この機を待っておったぞ……死ねぃッ――!!

妖虎仙

……ぐ、うぅ……し、屍解仙め……。
これが貴様の……邪仙郷の奴らのねらい、か……。
め、メイリン……にげろ……おまえ、だけ、は……。

メイリン

父様……? 父様ぁぁ――ッ!!

屍解仙

カッカッカ……!
これで目の上のたんこぶだった妖虎仙も消えたし、
邪仙郷の連中に良き報告でもしにいくかのぅ。

メイリン

ま、待て屍解仙……!? 逃げるなー!
くそ……どこに消えたのよ……どこに……。
絶対に……絶対に父様の仇をとってやる!

ケイティ

…………ま、まさか、
私達が街に来る前に出会っていた
あのお爺さんが邪仙郷の一人だったなんて……。

マオ

街にキョンシーを放ち、あまつさえ、
仲間である妖虎仙まで殺すなんて……、
信じられません……。

アンナ

妖虎仙が殺された今、メイリンさんを
このまま放っておくことはできませんね……。
彼女が落ち着くまで、私達で保護しましょう。

メイリン

…………父様。
8:終了後

メイリン

……うん。もう大丈夫。
ちゃんと落ち着いたし、自己紹介できるよ。
王子、わたしの名前はメイリンだよ!
王子……敵だったメイリンを
助けてくれてありがとね!
わたしは小さい頃に父様……じゃなくて、
妖虎仙に拾われて、
それから妖虎たちと一緒に生活してたんだ。
父様は、邪仙郷っていう仙人の一勢力に
属していたの。
父様を殺した屍解仙もその一人だったんだけど、
言うことをぜんぜん聞かない父様に
ずぅっと文句を言ってたんだ。
父様が屍解仙に悪口を言われたのが許せなくって、
つい、自分で王子を倒そうって思っちゃったんだ。
ごめん……。
屍解仙は、一度死ぬ事で肉体の老化を止めた後、
「アンデッド」として蘇る事で、無理やり
不老不死となった仙人だって、父様が言ってた。
元々仙人になれる素質も力量もない奴だって、
父様はよく言ってたんだ……。
そんな父様を屍解仙もよく思ってなかったんだと思う。
父様と戦っても勝ち目がないからって、
まさか、王子と戦わせるなんて……、
ほんとに卑怯だよ……。
大丈夫、メイリンは敵討ちなんて考えてないよ。
父様は最後に、わたしだけでも逃げろって
言ってくれたんだ……。
いつも素っ気なかったけど、
ちゃんとメイリンの事を想ってくれてたんだって分かったし、
父様との思い出だけでメイリンは生きていけるよ!
王子、本当にありがとう。
父様はいなくなっちゃったけど、
王子のお陰で、こうやってまた元気になれたし!
……あ、それで、
メイリンからのお願いなんだけど……。
これからも、ここにいたいなと思って……。
メイリンは父様とずっと生きてきたから、
少し変な所があるかもしれないけど、
父様仕込みの槍術で少しは皆の役に立てると思う。
それに父様を殺せと命令したのは邪仙郷の奴らだし。
次は王子を狙ってくると思う。
そのときはメイリンも協力したいし。
……え! いいの!?
わーい!! ありがとう! 王子!
メイリン、精一杯頑張るね!
9:狙われた虎姫
9:開始時

屍解仙

カッカッカッ。
まさか、王子の元に身を寄せているとはのぅ、虎姫。

メイリン

屍解仙……!
なんでこんな所に……!

屍解仙

どっかで野垂れ死んでおるかと、
心配しておったが、元気そうで何よりじゃ!
さて、今日はお前を迎えにきたのじゃ、虎姫。
仙人の才能のないお前でも役に立てる事が
あるのじゃ……。 さぁこっちへ来い!

メイリン

い、痛い!!
手を放して!
もうメイリンは邪仙郷の人達と関わりたくないの!

アンナ

――メイリンさん!?

屍解仙

ふむ。
邪魔が入ってしもうたか……。
まぁよい、まとめて相手にしてやろう。

アンナ

王子、戦闘のご準備を!
屍解仙からメイリンさんを取り戻しましょう!
9:終了時

屍解仙

……ちィッ!? なかなかどうしてやりよるわい。
虎姫め、新しいキョンシーの製作にうってつけの
素材だったのじゃが……。
ここは一旦退くしかあるまい……さらばじゃ。

ユリアン

おい、また逃げるのか、屍解仙!?
最後まで戦えってんだ!
……くそ、見失っちまったか。

アンナ

今は屍解仙を退けられただけでも良しとしましょう。
それよりもメイリンさんが無事で何よりです。

メイリン

……あ、ありがとう。
メイリンなんかの為に……駆けつけてくれて。
本当に、ありがとう……。

アンナ

いえいえ! メイリンさんは大事な仲間ですから。
さぁ、皆さんそれでは帰還しましょう。
この度の戦い、本当にお疲れ様でした。

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