クロスデスティニー(X運命)◆UO9SM5XUx.氏 第013話

Last-modified: 2016-02-14 (日) 01:30:42

第十三話 『シャギア・フロストか!』
 
 
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チュン、チュンチュン!

サイレンサー付きの銃から、つぎつぎと銃弾が放たれてくる

「連中、MSまで出してくるとはな! まったく恐れ入ったよ!」
壁に隠れて銃を構えたまま、バルトフェルドが叫ぶ

「でもこのままじゃ・・・・どうするんですか、バルトフェルド隊長!」
同じく銃を構えた、マリューが叫ぶ

「とにかく地下のシェルターに隠れるんだよ! シャギア、ラクスを頼む!」
「任せろ。ラクス、こっちだ」

シャギアも銃を片手に持ったまま、ラクスや子供たちを先導しつつシェルターに向かった

いきなり襲われた。おそらく、コーディネーターと思われる特殊部隊が、
暗闇の中からラクスのいる館を襲ったのだ
どうにかバルトフェルドやマリュー、それにシャギアも応戦したが、数の不利はどうしようもなく、
じりじりと押されている。挙句の果てにMSまで出てきて、かなり危ない状況だった

シャギアはラクスをシェルターまで導くと、まず子供たちをその中へ入れ、次にラクスと共に入っていく
やや遅れ、拳銃を放ちながら後退してくるバルトフェルド、マリューらがシェルターに飛び込んでくると同時に、
シャギアはシェルターの扉を閉めた

「狙われたのは、わたくしなのですね」
一息ついたラクスが、真剣な眼差しで問う。バルトフェルドは渋い顔をした後、うなずいた
「だろうな。俺やマリューには、コーディネイターから狙われる理由がない
  ま、俺も前の大戦で恨みは買ってるだろうが。そんなもので特殊部隊を投入しはしないだろう」

ラクスの父はかつて、プラント議会穏健派の代表的人物であり、議長も務めたシーゲル・クラインである
しかしラクス自身が無断で敵方のキラにザフトの新型機、フリーダムガンダムを与えたことが発覚すると
シーゲル・クラインは失脚し、最後には暗殺されてしまった
その後、ラクスはザフトから指名手配されるも、クライン派の助けを得て、平和の歌姫として反戦を訴え続け、
ザフトでも地球連合でもない第三勢力となり、戦争終結のため、戦局に介入している

終戦後の今もなお、絶大な影響力を持っているといわれているのは、そのせいだった

「原因はともかく、今は敵をどうにかするのが先決だろう」

シャギアが口を開いた

「でも、どうするの? 相手は訓練を受けたコーディネイターで、MSも数機持ち出してきてるのよ?」
マリューの声を聞くと、シャギアはラクスに手を差し伸べた
「ラクス。このシェルターの先にあるものを、私に返してくれ」
「・・・・・・・・シャギア」
「ラクスを死なせるわけにはいかないと、私は何度も言っている」

ラクスは少しだけ目を閉じ、いつも一緒にいるおもちゃのハロの口を開いた
中から鍵が二つ現れる。シャギアは一つそれを手に取った

「もう一つの扉は、俺が開けよう」
残る一つの鍵を、バルトフェルドが手にする。同時に鍵を持った二人は、
シェルターのさらに奥にある巨大な扉、そこにある二つの鍵穴に鍵を差し込んだ

ゴゴゴゴゴゴ・・・・・

ゆっくりと扉が開く。やや小さめの格納庫がそこにはあり、二機のMSが存在している
一機は前大戦で悪鬼のごとく恐れられたMS、フリーダムガンダム
そしてもう一機は、シャギアがこの世界にやってきたとき共にあった、ガンダムヴァサーゴだった

「ところで大丈夫なんだろうな? おまえさん、記憶を失ってるんだろ
  そこまでカッコつけて、やられて帰ってくるなんて、僕ぁごめんだぞ」
バルトフェルドが茶化すように笑いかける

シャギアはにぃっと笑った。自信にあふれた、しかし凶悪な笑みだった

「問題はない。私の愛馬は凶暴です」

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ブリッツが館にレーザーを打ち込む。特に深い意味はなく、
破壊を楽しむような動きだった

「どうしたんですか、早く出てきてくださいよキラ・ヤマトぉ・・・・・・
  あひ、あひひひひ・・・・・僕はあなたと戦えると思っただけで、
  胸がドキドキワクワクしましてね・・・・もうたまんないんですからぁぁぁぁ!!」

ブリッツのコクピットで、全身を包帯で巻いた男、ニコルが叫ぶ

「ラクス・クラインを殺すのが僕の命令ですけどね・・・・・・
  さて、どうしましょうかねぇ・・・・・ラクスだけ殺して、キラを不幸にさせるのも、
  一興、というものですかね? ん・・・・?」

シュン!!

突如地下から、一機のMSが現れた。真紅の機体。まるで、悪魔を思わせるような禍々しいシルエット
その名をガンダムヴァサーゴ
それは飛び上がり、地上に降り立ち、ブリッツと相対した

「ガンダム・・・・? おかしいですね、キラの機体はフリーダムガンダムのはず・・・・」
『そこの機体、聞こえるな?』

突如あらわれたMS、ヴァサーゴからブリッツへ通信が入る

「なんですか? キラじゃない人と遊んでいるほど、僕は暇じゃないんですよ」
『なぜラクスを狙った?」
「ククク・・・・決まってるじゃないですか。邪魔だからですよ!
  ギルバート・デュランダルもラクス・クラインもねぇ!!
  さて、皆さん歓迎のパーティを始めましょうかァァァァ!!」

ニコルが叫ぶと、突如水しぶきがあがり、海面から十機ほどのMSが姿を見せる
うち、九機は『アッシュ』と呼ばれる、緑色のザフト製水中用MS
そしてもう一機は、ユニウスセブン以後行方不明となっていた、アビスガンダムだった

『チッ。万全の用意をして来たか! だが私もラクスを死なせるわけにはいかん!』

ヴァサーゴが両腕のクローを伸ばし、ビームを放つ
ブリッツはそれを横に移動することで回避した

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キラはシェルターに飛び込んだ。もしもの時の場合の、秘密の抜け道は用意してあったのだ
指紋認証だから、仮に発見されても他人には使えない

「ラクス、無事なのか!」
「キラ!」

シェルターに入ると、バルトフェルド、マリューや孤児たちが避難していた
「今、シャギアが出ているが、多勢に無勢だ」
バルトフェルドが言う

「わかりました。ラクス、僕も行くよ。いいね?」
「キラ・・・・・」
シェルターの先には、前大戦で使ったフリーダムガンダムが格納されている
大破していたが、極秘にここで修理されていたらしい

キラはパイロットスーツもつけずに、フリーダムのコクピットに乗り込んだ
見慣れた光景、見慣れた機体。二年のブランクがあるが、そんなものはすぐに忘れた
動力を入れ、各部を調整していく。それはとんでもない速さで、キラの情報処理能力の凄まじさを証明していた

「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」

ゴゥン!

バーニアが火を噴いた。次の瞬間、もう地上にやってきていた

地上ではブリッツや、水陸両用のMS、それにキラが見たこともない水色のガンダムが、ヴァサーゴとやりあっている
ヴァサーゴはなかなかの動きで、すでに水陸両用MSアッシュを、三機撃破していた

「シャギアさん! 大丈夫ですか!」
即座にヴァサーゴへ通信を入れる
『キラか! 気をつけろ、この黒い機体、姿を消す!」
「わかってます! 戦ったことがある相手ですから!」

(なぜブリッツが・・・・・!)
キラは目を閉じ、意識を集中させる
不意に、『種』が頭の中ではじけた。同時に、異様に研ぎ澄まさていく集中力
まるでフリーダムが自分の体と一体になっていくような感覚
恐怖感も高揚感も消え、敵を倒すことだけに集中する

「どうしてラクスを狙ったんだ! 彼女はただ平穏に暮らすことだけを願っていたのにーッ!」

フリーダムにある二門のプラズマ収束ビーム砲を両肩に乗せ、ブリッツへ放つ

ドギョォォン!

しかしブリッツはかなりの余裕をもって回避した

『ひ、ヒヒヒヒヒヒひいひひひいいいいいいいいい!
  やっと出てきましたね、キラ・ヤマトぉ!
  僕はこの瞬間をね、まるで初恋の人とデートをするような少年の気持ちで、
  待ち望んでいたんですよぉ・・・・!!』

狂気をはらんだ声が、フリーダムのコクピットに入ってくる

「誰だ、君は!」
『あなたがね、正義を振りかざして踏み潰してきたアリの一匹ですよ・・・・
  全機、赤いガンダムに当たれ・・・・僕だけがフリーダムの相手をします・・・・
  邪魔したらぶっ殺しちゃいますよぉぉぉぉ!!』

フィン・・・

同時に、ブリッツが姿を消した。ミラージュコロイド。ブリッツの特殊能力だ

「なんの話か知らないけれど・・・・僕はラクスを守らなくちゃいけないんだ!」

視界がクリアになる。森のざわめき、風の動き、すべてが、ブリッツの動きを教えてくれる

「そこッ!」

即座にフリーダムのビームライフルを抜き、放った

バシュン!

なにもない空間からブリッツが姿を見せる。左肩に被弾していた

『ククク・・・・さすが・・・・。さすがに化け物ですねぇ、キラ・ヤマト
  さしづめ無敵のキラ様とでもお呼びしましょうか?』
「ふざけるな・・・・・・僕が、僕が戦いたくて戦ってると思っているのかーッ!」

フリーダムは背中の翼、そして両肩両腰の武器を展開させる

バシュゥゥゥゥゥ!!

最大火力で放たれる、フリーダムの攻撃。フルバースト
凄まじい火力だったが、どうにかブリッツは空に飛ぶことでそれをかわした

『嘘をつかないでくださいよぉ・・・好きでなければ、どうしてあれだけの人を殺せるんですか? 
  あれだけの命を奪って、なぜ平穏の中でのうのうと生きられるんですか?』

ブリッツがビームサーベルを引き抜き、斬りかかってきた
フリーダムはシールドでそれを受け止める

「それでも、戦わなくちゃいけないから、僕は戦ったんだッ!」
『フフフ・・・・まるで正義の味方ですねぇ・・・・
  いいですよ・・・・。フフフ、キラ・ヤマト。じゃあ一つあなたに約束しましょう』
「!?」
『僕はあなたの大切なものを奪って差し上げます。いくつでも、いくらでもね?
  そうすればあなたも、前の戦争で、自分がどれだけのものを人から奪ってきたのか
  きっと思い知るでしょうからね。亡霊からの素敵な約束ですよ?』
「大切な・・・・もの?」
『やれやれ、アッシュ隊は全滅、アビスも防戦一方ですか。役に立たない人たちですねぇ・・・
  じゃ、ここは消えるとしましょうか』

言うと、本当にブリッツは姿を消した。同時にヴァサーゴと戦っていたアビスは、
いきなり海へ飛び込んでみるみるうちに潜水する。どちらも本当にあっという間の出来事だった

『キラ、無事か?』
ヴァサーゴのシャギアから通信が入ってくる
「うん。でも凄いね、シャギアは」
アッシュ隊を短時間で全滅させた。それは、十分に驚嘆すべき戦果だった
『ヴァサーゴに乗ると、不思議に体が動いたのでな。それよりもオーブから我々は出るべきかもしれん』
「そうだね・・・・場所が知られたんだし。誰の命令かは知らないけど、
  ラクスの命を危険にさらすわけにはいかない。でもその前にやっておきたいことがあるんだ」
『カガリ・ユラ・アスハ、か?』

シャギアが言う。キラはこくりとうなづいた

破壊されたMSの残骸が、もうもうと煙をあげていた

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カガリとユウナの結婚式当日になった
オーブからも正式に要請が来て、ミネルバのMSはその警備にあたることになる

「おい、シン。どうすんだよ、本当に出撃しねぇつもりか?」
ガロードが休憩室で不貞寝をしているシンに言う
「出るよ。出りゃあいいんだろ・・・・まったく!」

さすがに明白な命令違反を行えば、営倉行きか、下手すれば軍法会議ものである
シンもそこまで馬鹿ではないらしい

「でも正直、俺も胸糞悪いな」
廊下をシンと一緒に歩きながら、ガロードがつぶやく
「ガロードが?」
「だってよ、DXを『ユニウスの悪魔』として、政治の脅しに使うんだろ
  俺は難しいことよくわかんねぇんだけどよ、利用されてるみたいで気分悪いや」
「まぁな・・・・」
「あのカガリって人、最初はいい人だと思ってたけどさ・・・
  ま、デュランダルのおっさんも一枚かんでるみたいだし、なんとも言えねぇけど」
「ザフトもオーブを敵に回したくないんだろ。やっぱり、敵は少ないほうがいいからな」
「あーあ、なんだよまったく。結婚式って、めでたいもんじゃねぇのかよ
  俺もボイコットしてぇぜ」

言いつつ、二人はMSデッキにたどり着いた。ルナマリアとレイがすでに出撃準備に入っている
「あーら、シンさん。今日はかわいい彼女さんと一緒じゃないの?」
冷やかすような声を、ルナマリアがあげる
「ドクターと一緒に、オーブの医療施設に行ってるよ。ステラはああ見えて病気なんだぞ」
「だからって、軍艦にまでそういう人乗せるのは、どうかしらねー」
「ガロードの『FAITH』権限だからいいだろ。だいたい彼女じゃないって、何回言わせるんだよ、ルナは」
「はいはいはいはいはいはい」
ルナマリアが肩をすくめて、自分のMSである赤いザクの方へ歩いていく

「なにが気に入らないってんだよ、ルナは!」
「先に恋人を作られたのが、気に入らないんじゃないのか。俺にはわからんがな」
レイはそういい残し、同じように白いザクのコクピットへ向かった

「ったく。だから・・・」
「オーブになんて来たくなかったんだ、だろ?」ガロードがにやりと笑って、シンの肩を叩いた「じゃ、
  俺は先にDXで行くぜ?」

ガロードがDXの方へ走っていく。
DXに乗ろうとしたガロードが隣を見ると、オルバがアシュタロンに乗り込むところだった

「・・・オルバ。帰ってきてたのかよ」
「結婚式の警備なんてくだらないけど・・・・・任務だからね。フン、『ユニウスの悪魔』か・・・・」
オルバはそう吐き捨てると、アシュタロンに乗り込んでいった

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「ふぁぁぁ・・・。結婚式って、意外と暇だな」

ガロードはDXのコクピットで大あくびをする

壮大な結婚式だった。オーブの民衆が道路に詰めかけ、
その中を式典用の車やバイクが走っていく

そして主役であるユウナとカガリを乗せた白い車が姿を見せると、
民衆は大歓声をあげるのだった

「しっかしすげぇ人だかりだよな。俺、こんなに人が集まってんの始めて見たぜ」

DXはカガリを乗せた車の、ほぼ真上を飛んでいる
これも民衆の注目を集めているらしく、こちらを指差したりしている人間もちらほら見えた
なにを考えてるのか、DXに向かって手を振っている人間もいた
そして、DXに向けられた一枚のプラカード

『ありがとう。私たちを守ってくれて』

意外だった。みな、DXを悪魔だと思っているものだとガロードは信じていたが、
こういう風に感謝してくれている人もいたのだ。思わず、鼻の奥が、つんとした

「へヘッ、悪くねぇ。悪くねぇや。ん・・・?」

ガロードはDXのカメラを拡大して、カガリの乗っている車を見た

「泣いているのかよ、あのカガリって人・・・・。嬉し泣きって、感じじゃねぇよな・・・・」

確かにカガリは泣いていた。民衆に手を振りながら、綺麗な花嫁衣裳のままで、
微笑みながら泣いていた

(政略結婚か・・・・)

よくある話だが、嫌な話だった。それでも自分の幸せ以外のことを優先しなければいけないのが、
政治家というヤツだろうか?

「ま、いちいち俺が気にすることじゃねぇや・・・」

カガリを乗せた車はそのまま道路を走っていき、やがて神殿のようなものが見えた
と言ってもそこは建物ではなく、なんとなく遺跡のような感じだ
そこが結婚式の最終地点らしい

ガロードはDXのマップを見て、警備地点の最終確認を行った

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アークエンジェル
前大戦で、キラたちの母艦として活躍した、攻撃力と機動力を併せ持った高性能艦である
キラを始めとした人間たちがオーブに亡命した際、同じくアークエンジェルもオーブにかくまわれ、
その姿を海底に隠していた

キラ、ラクス、マリュー、バルトフェルド、そして前大戦で一緒だったアークエンジェルクルー、
それに加え、シャギア・フロストを乗せたアークエンジェルは、海底から発進した
これ以上、オーブにいてはラクスの安全を確保できないと判断したためだ

キラは同時に、アークエンジェルの格納庫にあるフリーダムに乗り込んだ

『本当にいいのね、キラ?』
アークエンジェルの艦長、マリューからフリーダムのコクピットへ通信が入る
「はい。カガリにまであんな馬鹿な真似をさせるわけにはいきませんから」
『それにしても花嫁泥棒なんてね・・・・。ラブストーリーなら、ロマンチックなんだけど・・・・』
「そうですね。僕らがやることが正しいかどうかなんて、わからないですけど・・・・
  こんなのは間違っていると思いますから」
『でも気をつけてね。ザフトの、ミネルバのMSが結婚式の警護についてるらしいわ
  新型のザクやガンダムもいるし、あの『ユニウスの悪魔』も一緒よ』
「・・・・・・・。」

キラは沈黙した。すると、同じく格納庫にいるヴァサーゴからも通信が入る

『キラ、私が敵をひきつける。おまえはカガリを奪取することに専念しろ』
「すいません。シャギアさん、馬鹿なことに巻き込んでしまって・・・」
『仕方あるまい。ラクスが望んだことだ。私もやらねばなるまいよ』

キラは大きく息を吸った
同時に、アークエンジェルが海面から浮上し、カタパルトが開く

「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」
『シャギア・フロスト、ヴァサーゴ、出る!』

二機のMSは勢いよく飛び出し、オーブの結婚式場へと向かって行った

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「ふわーああ・・・・」

ガロードはまたしても、DXのコクピットで大あくびをした
眼下では、ユウナとカガリの結婚式が行われている
神父らしき人物が、なにやら誓いの言葉をぶつぶつと唱えていた

結婚式が行われている遺跡の周囲は、ルナマリアとレイのザク、
それにアシュタロン、インパルスが固めている
少しはなれたところに、オーブのものと思われるMSがいた

結婚式を警備しているオーブ軍人らしき人間が時々不機嫌そうにこちらをにらんでくるが、
別に気にならなかった

ピピピ、ピピピ・・・

「ん・・・・?」

不意に緊急通信が入った。ミネルバのメイリンからだ

『ミネルバより全MSに通達! 警告を無視し、識別不能のMSが結婚式場に向かっています!
  ただちに迎撃体勢を取ってください。警告を無視したため、撃墜も許可されてます!』

「ったく、なんだよいきなり!?」

ガロードの眠気が一気に吹っ飛んだ。同時にザクやインパルスとアシュタロンも動き出す

やがてレーダーに二つの影が映る。かなりのスピードだ。見上げると、二機のMSがこちらに向かってきていた

一機は見たこともないガンダムタイプのMS、そしてもう一機は・・・・・

「ヴァサーゴ!? シャギア・フロストか! この野郎ぉぉぉぉ!!」

DXは一気にバーニアを吹かせ、ハイパービームソードを引き抜いた