リリカルクロスSEEDW_機動六課の年越し

Last-modified: 2009-10-02 (金) 22:45:09

「さて、もう今年もあとわずか。今日は年越しまで盛り上がっていくで~!」
「「「「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉっ!!」」」」」」」」」」
12月31日19時、六課メンバーが食堂に集まり、忘年会と新年会を同時にやるということとなった。
集まっているのは地元に帰らないなのはたち隊長陣、フォワード陣、ロングアーチッスタッフ、他隊員たちだ。
全員この日のために仕事を早く終わらせてこの会の準備に1日も費やしたのだ。盛り上がるわけである。
「す、すごいね」
キラは舞台の上で司会を進行しているはやてと無理矢理に舞台に上げられたリインフォースを見ながら苦笑いをしていた。
隣にいるフェイトたちも同じように苦笑いをしているが楽しそうだ。
「はやて、こういうイベント好きだもんね」
「うん、中学の時の文化祭も凄かったよね~」
「・・・・・思い出させないで」
懐かしそうに笑っているなのはとフェイトに対してキラは何を思い出したのか顔が真っ青だった。
「一般参加者だったはずのキラがいつの間にかはやてと漫才してるんだもん、驚いちゃったよ」
「しかも、慌てるキラ君が皆面白くて会場が笑いの渦に・・・・」
「・・・・・恥ずかしくて死にたかったよ」
そんなキラを見ながらなのはとフェイトは笑っていた。

 

「それじゃあ、キャロやエリオも今日は夜更かしOKされたんだよね?」
スバルはティアナと共にはやてを見ながら笑っている2人に飲み物を渡しながら言った。
「はい、フェイトさんも許してくれました」
「だが、あまり無理はするな」
いつの間にかレイがティアナの後ろに現れていた。それにティアナはびっくりしながらも溜め息をついてしまう。
「もうちょっと普通に登場できないの?いつも気配消して歩いてるわけ?」
「驚かせるつもりだったんだが・・・・・」
「「「「・・・・・・・」」」」
レイの言葉に4人は呆然としてしまう、レイがこんな行動取ることの方が珍しい。年末だから少しは冗談でもやろうと思ったのだろうか?
「そ、それにしてもフェイトさんも過保護よね~」
(((流した、どう対処していいのか分からないから流した!)))
ティアナは元の話題に戻すことにした。
「そ、そういうティアだって隠れてヴィヴィオ可愛がってるくせに~」
「なっ!?いつ見てたのよ!」
ティアナは顔を真っ赤にさせてスバルに食って掛かる。
「キラさんが言ってたよ、ティアナがヴィヴィオ可愛がってくれてるって」
「あのひとは~~~~!」
そんなティアナとスバルを見ながらエリオとキャロは面白そうに笑っていた。レイも口の端を持ち上げていた。

 

「しかし、今回はこんな大人数で年越しとはな」
「いつもは家に帰ってやっていたけどこんなのも悪くないじゃない」
「そうだな、主はやても楽しそうだ」
シグナムとシャマルははやてを優しそうに見ながら話していた。
「なぁ、ザフィーラ」
「なんだ、ヴィータ」
「何でお前その姿のまんまなんだ?今日くらいあっちになってもいいんじゃねーの?」
ヴィータはいつも通り床に置いた皿の料理を食べているザフィーラを見ながら言った。
しかし、ザフィーラは首を横に振って答える。
「止められている」
「誰に?」
「主だ」
「・・・・・・・・何で?」
「知らん、だが主の命は絶対だ。それに後で舞台裏に来るように言われた」
ヴィータははやての考えが分からないのかとりあえず頷くことにした。
「まぁ、何か知んね~けど頑張れよ」
そう言ってザフィーラの頭に手を乗せていた。
「・・・・・何のことだ?」
アスランが近くを通りかかっていて?マークを出していた。
「あぁ、ザフィーラが・・・・」
「がっ!?」
ヴィータが訳を話そうとするとアスランの後頭部にマイクが直撃する。その場に倒れこむアスラン。
『あ~、ごめんな~アスラン。手が滑ってしもうた~』
舞台の上からこちらまで距離はあるはずなのに何故マイクがそっちまで飛んできたのかなどシグナムたちはツッコむことはしなかった。
ヴィータ自身は何が起こったのか、分かっていない様子だが・・・・・。
ただどうやらザフィーラのことについては秘密にしておかないといけないようだ。
「何やってるんですか、この人は」
倒れているアスランをシンは呆れた目で見ている。
「あぁ、アスランにザフィーラが・・・・・」
「っ!?殺気!」
シンはすぐに背後から飛んできたマイクを避ける。しかし・・・・・・・。
「あがっ!?」
マイクが避けた方向にマイクスタンドまで飛んできていたのだった。そのままシンもアスランの上に撃沈していた。

 

「ふぅ、ヴィータももうちょっと考えてくれたらええんやけどな~。さぁ、リインフォース、出番やで!」
「主はやて・・・・私はこういうことは・・・・」
「何を言ってるん、リインフォース。妹を見てみぃ、ちゃんとやってるで」
そう言って指差す先にはリインフォースⅡがマイクを持ちながら叫んでいる。
「皆さ~ん、今日は無礼講です~!めいいっぱい楽しみましょ~です~!」
「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」」」
「ほら、あんな感じやリインフォースも!」
「無理です、私にはあのようなこと・・・・・」
「リインフォース・・・・・私のお願い・・・・聞いてくれないんやな・・・・ぐすっ」
途端に目を潤ませるはやてにリインフォースは慌ててしまう。
「わ、分かりました。やります、やりますから泣かないでください」
「ほんまか!やっぱりリインフォースはええ子やな~」
そう言って泣きそうな顔はすぐに笑顔に変わっていた。リインフォースは溜め息をついてしまう。
主にはどうしても勝てないだろうと。
そうしてリインⅡからマイクをもらうと恥ずかしさに耐えながらやけくそ気味に叫んだ。
「み~んな~、きょうはお姉さんたちと楽しもうね~」
どこぞのヒーローショーのお姉さんのような口調で喋りだし、全員が固まってしまう。はやてですら固まった。
しかし、それも一瞬で会場のボルテージは一気に上がっていった。
「「「「「「「「「「「「「うおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」」」」」

 

「・・・・・・・」
「キラ?」
「・・・・・・・」
「キラくん?」
「あ・・・いや、なんでもないよ?うん、なんでも」
そんなキラをなのはとフェイトはジト目で見ていたが、すぐに笑顔に変わる。
あのリインフォースはさすがになのはもフェイトも驚いてしまった。しかも、普段と違い可愛かったのだ。
舞台前の男性隊員たちもかなり盛り上がっている。リインフォースコールまで起こっていた。
「まさか、リインフォースさんがあんなことするとは思わなかったね~。どうしてだろう?」
「う~ん・・・・・」
そうやってなのはとフェイトは首を捻るが答えが出てこない。しかし、キラがボソリと呟いた。
「はやてに何か言われたのかも」
「「・・・・・・・・」」
キラの言葉に2人は苦笑いをするしかなかった。

 

『さぁ!盛り上がってきたところで隠し芸大会です~~!!』
「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉっ!」」」」」」」
『皆には色々事前準備をしてもらっているですが、準備OKですか~?』
リインフォースたちはノリノリで隠し芸大会の司会も務めるようだ。
「あれ?」
「どうしたの、キラ?」
「いや、隠し芸とか聞いてないんだけど・・・・・」
キラは色々な会場設計や裏方の仕事をやっていて隠し芸について聞いていなかったのかもしれない。
しかし、隊長格であるキラが聞いていないのも不思議な話である。
『準備できてない人たちはこっちで準備しているので大丈夫やで~』
「あ、良かったね。キラくん、準備してるってさ」
「・・・・・・・・・」
キラははやての言葉を聞くと黙り込んでしまう。
「何か作為的なものを感じる」
「いくらはやてでもそんなことしないよ・・・・・・多分」
「そ、そうだよ。キラくんの考えすぎだよ・・・・・多分」
青い顔をするキラになのはもフェイトも苦笑いをするしかなかった。

 

『それじゃあ、エントリーナンバー1番のおともだち、はやてちゃんとザフィーラ君をお姉さんと一緒に呼ぼうね~。せ~の・・・・』
「「「「「「「はやてちゃ~ん、ザフィーラく~ん」」」」」」」
暴走気味のリインフォースはもうヒーローショーのお姉さんで決定だろう。楽しそうにやっている。
全員に呼ばれながらはやてとザフィーラが出てくる。
はやては何故かマジシャンの格好、ザフィーラは頭にパーティー帽子を被っていた。
『一番手は私がやるで~、一発マジックや』
そう言うと巨大な箱を前に出すとそこにザフィーラが入っていった。そして、蓋を閉じるはやて。
『いくで~、ワン、ツー、スリー!!』
はやてはただ箱を叩いただけだった。魔法を使っている様子は見られない。中のほうも転送などの類は感じられない。
そうして箱が開いてそこから出てきたのは・・・・・・。
「「「「「「「「「「「「誰?」」」」」」」」」」」」
会場にいるほとんどの隊員がそう呟いていた。
箱のザフィーラが消えて、体格のいい男に変わったことよりその人物が誰なのかという疑問の方が大きかったようだ。
しかも、犬耳に犬尻尾。怪しさ倍増だった。
『う~ん、反応いまいちやな~。だったら・・・・・ザフィーラ、元に戻ってえぇよ』
はやてはそう言うと先ほどの犬耳男が白い光に包まれたと思うと狼の姿に変わっていた。
全員が良く知るザフィーラの姿に変わったのだ。
「「「「「「「「「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」」」」」
会場のほとんどが驚きの声を上げて驚いていた。その様子を見ながらはやては満足そうに頷いた。
『うんうん、この反応が見たかったんや~』
そう言ってはやては一礼するとザフィーラを舞台裏に帰して自分は司会へと戻っていった。
会場は未だに先ほどのことで驚いていて、2番手のヴァイスの一発ネタなど見向きもしていなかった。

 

「驚いたな、あれがヴィータが言いたかったことだったのか。夢じゃないよな」
そう言って頬を抓るアスラン。
「いて!いててててて!ちょっと、なにするんだ!アンタは!」
シンは自分の頬を抓るアスランの手を振り払いながら、睨む。
「い、いや、すまない。動揺してしまったようだ」
「だからって人の頬をって・・・・いて!いてててて!って、レイお前もかよ!」
「すまん、動揺した」
しかし、顔はいつもの冷静顔でシンの頬を抓っていた。
「嘘つけ~~~!何で俺ばっかりなんだよ~~~!」
シンは自分の相棒にこんな一面があったことに驚きながらも自分ばかり頬を抓られることに理不尽さを感じ叫んでいた。

 

『次は~、おっ!これは期待大やね、フェイト隊長による歌や~』
「え?」
ヴィヴィオと楽しそうに会話していたフェイトはビックリしたように声を上げる。
どうやらフェイトはその話は聞いていなかったようだ。フェイトははやてには自分は何もやらないと伝えていたらしい。
しかし、フェイトの歌唱力を知っているメンバーにとってはまた聞きたいものである。
「フェイト、ヴィヴィオは僕が見てるから行ってきなよ」
「え、でも・・・私・・・・」
こんなにいるメンバーの中で歌うのが恥ずかしいようである。気心が知れた仲間たちだからこそだろう。
はやてはこの盛り上がりの流れで一気にフェイトを歌わせようとする作戦なのだろう。
渋るフェイトを見ながらキラはヴィヴィオとなのはに話しかけた。
「ねぇ、ヴィヴィオになのは。フェイトママのお歌聴きたいよね?」
「フェイトママお歌、歌うの?」
なのはもキラの狙いが分かったのか、面白いように乗ってきた。
「私も聴きたいな、フェイトちゃん。ヴィヴィオ、フェイトママはお歌上手なんだよ~」
「ちょ、ちょっと!キラ、なのはまで」
慌ててキラとなのはを止めようとするがもう遅かった。
「ヴィヴィオもフェイトママのお歌聴きたい!」
「うっ!」
フェイトはヴィヴィオの笑顔を見るともう嫌とは言えなくなった。恨みがましくキラとなのはを見るがニコニコ笑っているだけだった。

 

フェイトの歌が大好評のうちに終わり、次はシャマルの番となっていた。
舞台の上には何故かアスランが立たされている。アスラン自身も自分がここに立っているわけが良く分からないらしい。
「それでは~、シャマル先生の3分クッキング~」

 

ダッ!
(アスランは逃げ出した!)
「クラールヴィント」
(シャマルはバインドを使った、アスランを捕らえた!)
「うおおぉぉぉっ!」
(アスランはもがくが、バインドはきつく、さらにはやてによって椅子に座らされた)
(逃げ場がないと悟ったアスランは沈黙した)

 

「そういうわけでお雑煮の完成~」
「早いだろ、それは!」
アスランが座っているところにお雑煮を持ってくるシャマル。それをフルフルと首を振るアスラン。
「はい、アスラン君。あ~ん」
「「「「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉっ!」」」」」」」」」」
あ~んに盛り上がる会場。そして、気分が盛り下がるアスラン。
「こんな状況・・・・・食べるしかないじゃないか~~~!!」
アスランはそうして叫ぶと目を瞑って口を開いた。一口くらいの餅が口に入ってくる。
「ん?これは意外と・・・・・・」
だし汁もしっかりしているし、問題はないようで安心したアスランは喉に引っ掛けないように餅を噛んで食べようとしたが・・・・。
「ぐはっ!!」
そのまま白目を剥いて倒れこんでしまった。
「きゃ~っ、アスラン君!?誰か、誰か救護班を~~!」
「いや、それシャマルやろ。というか餅に何を入れたんや」
はやては慌てるシャマルに楽しそうにツッコミを入れていた。
「アスラン、アンタって人は・・・・・無茶しやがって」
「無茶というより無理矢理だったがな」
そう言ってアスランのことを可哀相と思いながらも自分たちじゃなくて良かったと思うシンとレイだった。

 

『さぁ、今回の隠し玉や~!』
はやてもリインフォースたちもノリノリで司会が続いていた。
「あれ?フェイトちゃん、キラくんは?」
なのはは飲み物を取りに行った間にキラがいなくなっていることに気が付いた。
そこに救護室から帰ってきたアスランが通りかかった。
「キラならエリオと一緒にリインフォースに連れられて舞台裏に行ったぞ」
アスランの顔はまだ少し青く完全に回復はしていないようだ。
どうやらキラとエリオの隠し芸の隠し玉のようだ。
「そっか、ありがとね。アスラン、向こうの椅子で休んでいるといいよ?」
「そうさせてもらう」
そう言うとアスランはゆっくりと椅子のあるところへと向かっていった。
『登場してもらいましょう!トキラ・マヤちゃんにアリエル・モンディオちゃん!』
「ぶふぅっ!!」
ジュースを飲んでいたフェイトは吹き出してしまう。なのはもむせている。そんな2人をヴィヴィオは不思議そうに見ていた。
舞台を見るとキラとエリオがいた。ただ・・・・・女装していた。綺麗なドレスを着せられて・・・・・。
「コホコホッ、キ、キラ・・・・エリオまで・・・・・」
ただそれに気付いているのはフェイト、なのは、騎士たちくらいだった。
他の隊員たちはいきなり知らない人が来たことに驚いていたが、綺麗な女性と可愛い女の子が来たことで盛り上がっていた。
舞台の上にいるキラとエリオは泣きたい気持ちを堪えて苦笑いをしながら手を振っていた。

 

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
アスランとシンはただただ舞台の上にいる先ほど紹介されたマヤとアリエルを見ていた。
「アスランさ~ん、シン~?」
それに気付いたのかスバルが2人の目の前で手を振るが反応がない。ティアナも不思議そうにアスランとシンを見る。
ティアナは隣で冷静そうにマヤとアリエルを見ているレイに念話で話しかけていた。
(ねぇ、アスランさんとシンどうしちゃったのよ)
(さぁな、しかしうまく化けたものだな)
(何がよ?)
(あのマヤとアリエルという人物だ、あれはキラ隊長とエリオだ)
「はぁっ!?」
念話をしていたことも忘れてティアナは驚きの声を上げる。ティアナの声にスバルは驚いたがアスランとシンは未だそのまま。
「ちょ、ちょっとレイ!嘘でしょ?あれが?あれがあの2人なの?」
「分からないのか?」
「分かるわけないでしょうが!」
ティアナのツッコミにレイは不思議そうに首を傾げているが、ここに分からない人がもう2人。
「マヤか、綺麗な名前だ。どこの所属なんだ」
「アリエルって言うのか、お兄ちゃんとか呼んでくれないかな」
「もうわけ分かんない!っていうか、目を覚ませ!このズラにシスコーン!!」
ティアナのクロスファイアがだらしない顔のアスランとシンを襲った。

 

そして、会場は何故か訓練場に移動していた。
『さてと、もうあと数分で新年や。そこで!新年の祝砲を我らがエース、高町なのは隊長にやってもらいたいと思いまーす!』
「「「「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉっ!!」」」」」」」」」」
さすがにはやてが人選に力を入れた六課のメンバー、盛り上がりの勢いは留まるところを知らない。
そんな中、なのはもバリアジャケットを着込みやる気満々の顔だった。
「あのさ、フェイト」
「ん?どうしたの、キラ」
眠っているヴィヴィオをおんぶしながらキラは自分たちが食べていた皿やコップを見ながら言った。
「これ、度がかなり強いお酒なんだけど・・・・ここってなのはが座ってた場所だよね?」
「・・・・・・・・え?」
キラの言葉にフェイトもテーブルを見る。確かにここでなのはやフェイトたちは食べていた。
それにそのお酒のビンを見ればなのはが飲んでいたことも少し記憶があった。
キラもフェイトも舞台上のなのはを見れば、顔が赤く楽しそうに笑っている。
『それじゃあ、みんな!おねえさんとカウントダウンいくよ~!』
リインフォースの掛け声と共に後ろに巨大モニターが現れ、数字が表示される。
「キ、キラ!」
「うん、フェイトちゃんはヴィヴィオをよろしく」
そう言ってフェイトにヴィヴィオを預けるとキラは舞台に向かって走り出していく。
『15秒前!』
「アスラン!シン!レイ!」
キラは舞台に向かいながら近くにいる3人を呼んだ。
「何ですか、もうカウントダウン始まってるんですから邪魔しないでくださいよ」
シンはキラを半目で睨むが、キラはそれどころではないといった顔だ。
『・・・・・13!・・・・12!』
「完結に言うよ、今のなのはは酔っ払ってる」
キラの言葉にその場にいたアスランもシンもレイでさえは凍りついた。
「ちょ、ちょっと待てよ!誰だよ、酒なんて持ち込んだの!それにアンタもいたんだろうが!」
「落ち着け、シン!今はそんなことを言っている場合ではない」
「酔っ払ったなのはは必ず何かをやらかす。キラ、この場合・・・・・」
キラ、アスラン、シン、レイは過去のことを思い出していた。なのはは酔っ払うと必ずといっていいほどキラたちが怪我をしている。
なのはの砲撃が直撃したり、なのはの砲撃が直撃したり、なのはの砲撃が直撃したり、なのはの・・・・・・・。
「この場合、なのはの祝砲がスターライトブレイカーになるね」
『・・・・・10!・・・・9!』
「ともかく止めないと!」
キラの言葉に全員デバイスを取り出すと舞台に向かって駆け出す。
「「「「セットアップ!」」」」
4つの光がなのはに向かって飛んでいく。蒼、紅、緋、グレーの4つが綺麗に尾を引いていく。
『・・・・・7!あ、間違えた5!』
「「「「ちょっと待てーーーーーっ!!」」」」
キラたちの言葉もカウントダウンの言葉にかき消されてしまう。
「とりあえず皆に被害が出ないように防御魔法を4層作るよ!」
キラの指示で会場にいる隊員たちを空の上から4人で協力して防御魔法を作り上げる。これなら防げるかもしれない。
『・・・・・2・・・・1!!』
「全力全壊!スターライト!・・・・・あ」
一歩踏み出したなのはは酒の所為なのか、狙っているのか。
バランスを崩した。レイジングハートの矛先が防御魔法を作っていた無防備なキラたちに向けられる。
『0!』
「ブレイカーーーーー!!」
「「「「字が違うだろーーーー!!」」」」
そんな4人のツッコミも虚しく響き渡り、レイジングハートは集束された魔力を解放していた。
一筋の巨大なピンクの魔力の光が空を切っていった。
『あけましておめでとう~~~~~!!』
そんな全員の嬉しそうな声を最後に、キラたちの意識は途切れた。

 

「にゃはは~、皆ごめんね~」
病室ではキラたちを見舞いに来たなのはたちが苦笑いを浮かべていた。4人とも魔力ダメージが強く寝正月となっていた。
苦笑いのキラ、呆れているアスラン、機嫌の悪いシン、いつも通りのレイ。
4者4様の反応に困ったように苦笑いしか浮かべられないなのは。
「とりあえずさ・・・・」
「「「「?」」」」
キラたちはなのはたちの方を向くとなのはたちはニッコリ笑うと・・・・・。
「「「「「「「「「「あけましておめでとう!!」」」」」」」」」」
その言葉にキラたちは面食らった顔をしたが、全員笑顔に変わって答えた。
「「「「おめでとう、これからもよろしく」」」」
その瞬間、アラートが鳴り出した。
『みなさん、新年早々ですがお願いできますか?』
その言葉に全員が頷いた。キラたちもベッドから起き上がる、なのはたちが働くのに寝ていられないのだ。
「それじゃ、いくでみんな!機動六課、出動!!」
「「「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」」」
日の出の太陽に向かって全員が飛び出していった。

 

今年も良い一年であるようにと日の出に願いをかけながら。