ルナマリア爆走記_第4話
「どうやらネズミが紛れ込んでいるようですね・・・」
ミネルバのメインコンピュータから情報を抜き出した形跡があります。ログを残している辺り本職ではなさそうですね。
使用IDは・・・グラディス艦長。ですが実際は・・・
「艦長ならばコソコソする必要はないですし・・・やはり副長ですね。」
あのエロゲ魔人は一体何を考えているのでしょうか?しばらくマークしてみましょう。
データは整備班のヨウラン、ヴィーノを経由してヤタガラスのロココ、ナインに渡りました。
つまり首謀者は・・・
「あのアホ毛女ですか。男がいないので焦っているのでしょうか?ブザマですね」
あの女の好みに合う男は・・・
「ハイネが危険ですね。早急に対策が必要です」
まずはエロゲ魔人の懐柔と向こうの通信士を抱きこむところから始めましょう。忙しくなりそうです。
「こ、これは・・・新発売のエロゲ『女艦長〜禁断の夜間勤務』じゃないですか!」
「ヤタガラス側とのダブル・スパイになるつもりはありませんか?」
あっさり堕ちました。この男、いつか犯罪を犯さないか不安です。
「だ、駄目ですよ!お姉ちゃんを裏切るなんて!」
「ここにアスラン・ザラ幼年期の秘蔵写真があるのですが・・・」
「お姉ちゃんの監視をすればいいんですね!」
所詮姉妹の絆など男女の愛には勝てないのですよ。次はザラ艦長と話をつけましょう。
「ルナマリアが!?またなのか・・・」
「どう対応しますか?」
「あ〜まかせる。死なない程度にしてくれ」
許可が出ました。後は・・・
「貴様・・・何の用だ!?」
相変わらずうるさいおかっぱですね。少しはハイネを見習って欲しいものです。
「貴方たちには囮になってもらいます。ハイネの役に立てる事を光栄に思いなさい」
「囮だと!?しかもハイネの為だと!?ふざけるな!大体何の権利が・・・」
本当にうるさいですね。少し黙ってもらいましょう。
「ぐ、く、う、ぐはっ!」
「グ、グゥレイト!?」
「た、隊長!?」
テンプル、ボディへのショートフック3発から顎へのガゼルパンチで沈黙させました。
「さて、シホでしたね。そのおかっぱの服を脱がせて縛りなさい」
「え?そ、そんな・・・」
「急いでいただけませんか?」
「は、はい・・・(隊長の裸、隊長の裸・・・)」
縛り上げたおかっぱをハイネのベッドに放り込む。本当は嫌ですが、非常事態なので仕方がありません。
「さて、炒飯男?」
「お、おう!」
「貴方は非常階段上部の防衛をしてもらいます。武器はこれで」
「トリモチランチャー?へっ、あんたも甘いな?捕虜に武器を持たせるなんて・・・」
「逆らったら・・・わかっていますね?」
軽く殺気を放って見ました。アプリリウスの雌豹の名は伊達ではないのです。
「サー!ディアッカ・エルスマン、非常階段の防衛任務に着きます!」
「よろしい。さて、シホの役目はありません。共にブリッジで観戦しましょう」
「そ、それは・・・わかりました」
後はハイネがデュランダル議長と面会に行くのを待つばかりですね。
ミネルバにゴキブリとカトンボ100匹、それに哀れな子羊が突入してきました。
さすがメイリンさん。1分の誤差もありません。
「あ、あの・・・隊長はどうなるんですか?」
「見ていればわかります・・・ハイネの部屋に到達したようですね」
扉を打ち破って進入したカトンボ共がベッドの膨らみに気付いたようです。スイッチオンですね。
『『『『『うわー!』』』』』
「た、隊長〜!はぅ!」
トリモチまみれになったおかっぱを見てシホが倒れてしまいました。赤服の割りに神経が細いようです。
ともあれ、おかっぱの働きでカトンボ10匹を始末出来ました。期待以上の成果です。
「さて、偽情報に引っかかってくれるかですが・・・かかりましたね」
ブリッジに向かって移動を始めました。隔壁閉鎖開始です。速度はかなり遅めに設定しましょう。
急いで閉めて怪我人を出すわけにも行きませんし・・・徐々に脱落していますね。これはこれで面白いです。
子羊が頑張っていますね。体と同じくらいの荷物を背負っているのに・・・今度解剖してみましょうか。
「さて、炒飯男、敵の残りは40匹あまりです。半分にしなさい」
「サー!ディアッカ・エルスマン!敵戦力を半減させます!」
殺気の効果が出ているようで、実に従順です。そうですね、半分以上残っていたらお仕置きしましょう。
・・・残り16匹+ゴキブリ、子羊ですか・・・残念ながらお仕置きは無しですね。
『突撃続行!』
そうこなくては面白くありません。とりあえず背後の隔壁を閉鎖しましょう。
『真実の愛を追究する事の何がいけないの!?』
素晴らしい意見ですが、ハイネを対象にするのは禁止です。
『艦長!?まさかメイリンが・・・』
姉妹の絆など写真1枚分の価値もないのです。
『くっ!ここにはあんたの仲間の炒飯男がいるのよ!』
面白い事を・・・ハイネの敵は私の敵。
『まだよ!まだ終わらんよ!キッド!それよこしなさい!』
言いつつ子羊が背負っていたコンテナからライフルのようなものを取り出して、撃ちました。
・・・赤いビームが隔壁を貫通してブリッジの扉を歪ませました。あの人は本当に人間でしょうか?
『どーよ!愛の力は無限なのよ!』
愛の力ではなく執念とか妄想力のように見えます。
まあ、もしもの為に緊急用隔壁がもう一枚あるブリッジ前に誘い込んだのは正解でした。
「任務完了。ハイネに近づく害虫は駆除されました。ククククク・・・」
おっと、思わず表情と声に出してしまいました。誰にも見られて・・・
エロゲ魔人、いたのですか・・・とりあえず意識を奪っておきましょう。後で記憶を消しておかねば・・・
さて、ひさしぶりの強敵でした。私が直々に回収してやらねば失礼ですね。
おや?ブリッジの扉が歪んで開きません・・・仕方ありませんね。鴨川式ボディブローで破壊して進む事にしましょう。
「なあアビー、艦内がトリモチだらけで隔壁が壊れてたりブリッジのドアが吹っ飛んでるんだが、何かあったのか?」
「ハイネの留守中にあらわれたゴキブリとカトンボを駆除するのに苦労しまして・・・」
「ふーん」
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