企業戦士アクアビットマンDESTINY

Last-modified: 2008-10-07 (火) 21:04:15

【ダーダネルス海峡】

 
 

[SIDE:シン]

 

 シン=アスカは目の前の光景に怒りを感じていた。

 

 シンの目の前でミネルバがタンホイザーを破壊され、着水する。
 シンの視線の先、そこには青い羽を広げた天使のようなMSがいた。
 忘れはしない、二年前のオノゴロ島でのあの悲劇。
 父の、母の、そして妹の仇…フリーダム。

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

 サーベルを引き抜き最大出力で突進、切りかかるインパルス。
 しかし、その攻撃をフリーダムはあっさりとかわし、ビームライフルでインパルスの腕を破壊した。

 

「くぅっそう!」

 

 残された武装でフリーダムに立ち向かうも攻撃は全て回避され、自身はインパルスのスラスターを破壊され、力無く降下してゆく。

 

「クソ! クソォォオオオ!」

 

 自身の不甲斐なさに涙を流し、コクピットの中で叫ぶシン。
 その時であった。
 一筋の光がフリーダムに命中、その左腕を破壊したのだ。

 

「なっ! いったい誰が?」

 

 カメラを操作し、光の発射された方向に向ける、そこにいたのは…。

 

「……なんだあれ」

 

 そこにいたのは見たことも無い機体であった。
 全長はMSよりも一回り小さく、その装甲は薄い水色で塗装されており、一見した限りかなり薄そうに見える。
 胴体部はまるで戦闘機のように尖っており、背中には見たことの無い装置を背負っている。
 そして何より目立ったのはその機体の頭部には丸っこい「耳」があったのだ。

 

「全周波通信? あの新型からか」

 

 シンがその奇妙な機体を呆然と眺めていると、その機体から通信が送られてきた。

 

『デュランダル議長からの依頼を受けた。これよりザフトへの支援に入る』
「おいっまて、あんたは一体何なんだ!?」
『私? 私は…』

 

 シンからの通信に答える謎の機体。
 だが、その通信が終わる前に多数のビーム、ミサイルが謎の機体へと直撃した。
 通常、あれだけの攻撃ではVPS装甲でも只ではすまない…はずだった。

 

『私は…』

 

 そう、それが…

 

『コジマからの使者…』

 

【通常】の機体であれば…

 
 

『アクアビットマンだぁぁぁぁ!』

 
 

 爆煙の中から現れた謎の機体、いや《アクアビットマン》は声も高らかに自身の名を叫んだ。

 
 

[SIDE:キラ]

 

 キラ=ヤマトは焦りを感じていた。

 

「くっ、あの機体は一体?」

 

 自身の機体、フリーダムの左腕を一撃で吹き飛ばした新型機に。
 そして、

 

『キラ君、支援攻撃を行ったわ、一度距離をとって!』
「了解!」

 

 その新型機が…

 

「あの機体、動かない!? なにを考えてるんだ?」

 

 アークエンジェルからの支援攻撃を受けて…

 

「直撃した…くっ誰も死なせたくなかったのに…」

 

 ……まったくの無傷だったことに。

 

「そんな馬鹿な!」

 

 目の前の事実に驚愕する、そんな自分をあざ笑うかのように
《アクアビットマン》と名乗った機体はゆっくりと片腕を突き出し、叫ぶ。

 
 

『我がアクアビットの科学力はァァァ!! 世界一ィィィィ!! できんことはないィィィ!!』

 
 

[SIDE:アクアビットマン]

 

 アクアビットマンはコジマを感じていた。

 

 赤い○○っぽい声の人の依頼を受けてダーダネルスにやって来たら、フリーダムとか言うのが。

 

『戦うのやめて~』

 

 とかボケた事をぬかしやがったのだ。
 ……よしっぜひコジマ漬けにしてあげよう、皆もそう思うだろ。
 とりあえず攻撃してみるアクアビットマン。

 

「そおおおおおれ! アクアビット・ビィィィィィム!」

 

 どうみてもSAMSARAです本当に(ry
 だがアクアビットマンは気にしない。
 なぜならそれがアクアビットマンだからである。

 

「あ、当たった」

 

 威力はあっても弾速が遅いので、てんで当たらないはずの武器だが
 相手は武器を撃つたびに、いちいちポーズを付けていたので命中した。ヒャッホイ☆

 

「まずは自己紹介だな」

 

 アクアビットマンは戦場でも礼儀正しい。
 え? そんな暇あったら戦え?
 どこぞのヒーローも「俺、参上!」って言ってたから良いじゃん。
 とりあえずザフトの皆さんに自己紹介。
 途中でミサイルやらビームやらが命中したがアクアビットマンなので気にしない。

 
 

「私はコジマからの使者、アクアビットマンだぁぁぁぁぁ!!」

 
 

 決まったZE☆

 

 すると敵の通信を傍受。
 どうやら無傷な事に驚いてるらしい。
 ならば、ここで一丁わが社の技術力をPRしなければ!

 
 

「我がアクアビットの科学力はァァァ!! 世界一ィィィィ!! できんことはないィィィ!!」

 
 

 またまた、決まったZE☆

 

『く、戦いを終わらせなければいけないんだ! 邪魔しないで!』

 

 せっかく良い気分だったのに、フリーダムがボカボカ撃ってきやがった。
 ふん、だが無駄だ!

 
 

「プライアルゥゥゥ! アァァァマァァァ!!!」

 
 

 説明しよう!
 アクアビットマンのプライアルアーマーの前には、生半可な攻撃は無効化されるのDA☆

 

『ビームが駄目なら!』

 

 ビームサーベルを引き抜き、切りかかってくるフリーダム。
 だが無駄だ! なぜなら!
 こちとらには一万二千枚の特殊装甲とぉーー!!(紙装甲だけど)
 プライアルアーマーがあるんだからぁ!

 

 グワッキイイイイイイイン!!

 

 ビームサーベルとプライアルアーマーが接触。
 バチバチと音を立てている。

 

『このまま!』

 

 どうやら相手はこのまま押し切る気らしいが、そうはイカの玉三郎!
 LB、RB、Y、B…っと

 

「なんだ? これは」

 

 キタキタキターーー!! みなぎってキターーー!!(コジマ的な意味で)

 
 

「アサルトオォォォ! アァァァマァァァ!」

 
 

 ドカーン! と派手な爆発と共に吹っ飛ぶフリーダム。
 またまた説明しよう!
 アクアビットマンに迂闊に近づく事は、死を意味するのDA☆

 

『くう 機体が!』

 

 が、どうやら仕留め損なったらしい、黒煙を噴きつつ母艦へと帰還してゆくフリーダム。
 このまま追撃しても良いのだが、それよりもまず《勝利の踊り》の方が重要だ。

 
 

 踊りの方が重要だ、踊りの方が重要だ、踊りの方が重要だ。(大事な事なので3回言いました)

 
 

 高度を落としミネルバの甲板へ着艦し、《勝利の踊り》を踊る。

 

 ガション、ガション ♪ステップ、ステップ、アクアビットマ~ン♪ ガション、ガション

 

『おい、あんた!』

 

 勝利の踊りを踊っていると、スピーカが外部音声拾ってきた。
 機体を振り向かせると、歳は15~6の赤目の少年がこちらに向けて何やら話しかけてくる。
 勝利の踊りの邪魔はしないで欲しいが、許してやろう。
 アクアビットマンは紳士なのだ。

 

『あんたは一体…?』
「私はコジマからの使者、アクアビットマンだ、それ以上でも以下でもない」

 

 ガション、ガション(踊っている)

 

『…その機体は?』
「コジマ技術の結晶だ」

 

 ガション、ガション(踊ってい(ry

 

『…なにやってんだ?』
「勝利の踊りだ」

 

 ガション、ガション(踊っ(ry

 

『……』
「……」

 

 ガション、ガション(踊(ry

 

 ふう、勝利の踊りも満足した、良い汗かいたZE☆
 踊りを中断し、メインブースターを起動、ゆっくりと上昇する。

 

『おい、まだ話は…』
「さらばだ! 少年! また会おう」

 

 オーバードブーストを起動、大量のコジマ粒子を撒き散らし、音速に近いスピードで帰還する。

 

 …こうして悪は去った。
 だが、ラクシズはまだあきらめない!
 世界を桃色電波で支配しようと君たちをねらって来る!
 戦えアクアビットマン!
 世界をコジマで汚染しつくすその時まで!!

 

 

【ミネルバ艦内】

 

「アーサー、一体シンは何をしているの?」
「あ、艦長、それがあの機体に接触してからずっとあの調子で…」

 
 

「ステップ、ステップ、アクアビットマ~ン、ステップ、ステップ…」

 

 ガション、ガション(ry

 
 

 今ここに新たなる《アクアビットマン》が一人……

 
 

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