【ダーダネルス海峡】
[SIDE:シン]
シン=アスカは目の前の光景に怒りを感じていた。
シンの目の前でミネルバがタンホイザーを破壊され、着水する。
シンの視線の先、そこには青い羽を広げた天使のようなMSがいた。
忘れはしない、二年前のオノゴロ島でのあの悲劇。
父の、母の、そして妹の仇…フリーダム。
「うおおおおおおおおお!!!」
サーベルを引き抜き最大出力で突進、切りかかるインパルス。
しかし、その攻撃をフリーダムはあっさりとかわし、ビームライフルでインパルスの腕を破壊した。
「くぅっそう!」
残された武装でフリーダムに立ち向かうも攻撃は全て回避され、自身はインパルスのスラスターを破壊され、力無く降下してゆく。
「クソ! クソォォオオオ!」
自身の不甲斐なさに涙を流し、コクピットの中で叫ぶシン。
その時であった。
一筋の光がフリーダムに命中、その左腕を破壊したのだ。
「なっ! いったい誰が?」
カメラを操作し、光の発射された方向に向ける、そこにいたのは…。
「……なんだあれ」
そこにいたのは見たことも無い機体であった。
全長はMSよりも一回り小さく、その装甲は薄い水色で塗装されており、一見した限りかなり薄そうに見える。
胴体部はまるで戦闘機のように尖っており、背中には見たことの無い装置を背負っている。
そして何より目立ったのはその機体の頭部には丸っこい「耳」があったのだ。
「全周波通信? あの新型からか」
シンがその奇妙な機体を呆然と眺めていると、その機体から通信が送られてきた。
『デュランダル議長からの依頼を受けた。これよりザフトへの支援に入る』
「おいっまて、あんたは一体何なんだ!?」
『私? 私は…』
シンからの通信に答える謎の機体。
だが、その通信が終わる前に多数のビーム、ミサイルが謎の機体へと直撃した。
通常、あれだけの攻撃ではVPS装甲でも只ではすまない…はずだった。
『私は…』
そう、それが…
『コジマからの使者…』
【通常】の機体であれば…
『アクアビットマンだぁぁぁぁ!』
爆煙の中から現れた謎の機体、いや《アクアビットマン》は声も高らかに自身の名を叫んだ。
[SIDE:キラ]
キラ=ヤマトは焦りを感じていた。
「くっ、あの機体は一体?」
自身の機体、フリーダムの左腕を一撃で吹き飛ばした新型機に。
そして、
『キラ君、支援攻撃を行ったわ、一度距離をとって!』
「了解!」
その新型機が…
「あの機体、動かない!? なにを考えてるんだ?」
アークエンジェルからの支援攻撃を受けて…
「直撃した…くっ誰も死なせたくなかったのに…」
……まったくの無傷だったことに。
「そんな馬鹿な!」
目の前の事実に驚愕する、そんな自分をあざ笑うかのように
《アクアビットマン》と名乗った機体はゆっくりと片腕を突き出し、叫ぶ。
『我がアクアビットの科学力はァァァ!! 世界一ィィィィ!! できんことはないィィィ!!』
[SIDE:アクアビットマン]
アクアビットマンはコジマを感じていた。
赤い○○っぽい声の人の依頼を受けてダーダネルスにやって来たら、フリーダムとか言うのが。
『戦うのやめて~』
とかボケた事をぬかしやがったのだ。
……よしっぜひコジマ漬けにしてあげよう、皆もそう思うだろ。
とりあえず攻撃してみるアクアビットマン。
「そおおおおおれ! アクアビット・ビィィィィィム!」
どうみてもSAMSARAです本当に(ry
だがアクアビットマンは気にしない。
なぜならそれがアクアビットマンだからである。
「あ、当たった」
威力はあっても弾速が遅いので、てんで当たらないはずの武器だが
相手は武器を撃つたびに、いちいちポーズを付けていたので命中した。ヒャッホイ☆
「まずは自己紹介だな」
アクアビットマンは戦場でも礼儀正しい。
え? そんな暇あったら戦え?
どこぞのヒーローも「俺、参上!」って言ってたから良いじゃん。
とりあえずザフトの皆さんに自己紹介。
途中でミサイルやらビームやらが命中したがアクアビットマンなので気にしない。
「私はコジマからの使者、アクアビットマンだぁぁぁぁぁ!!」
決まったZE☆
すると敵の通信を傍受。
どうやら無傷な事に驚いてるらしい。
ならば、ここで一丁わが社の技術力をPRしなければ!
「我がアクアビットの科学力はァァァ!! 世界一ィィィィ!! できんことはないィィィ!!」
またまた、決まったZE☆
『く、戦いを終わらせなければいけないんだ! 邪魔しないで!』
せっかく良い気分だったのに、フリーダムがボカボカ撃ってきやがった。
ふん、だが無駄だ!
「プライアルゥゥゥ! アァァァマァァァ!!!」
説明しよう!
アクアビットマンのプライアルアーマーの前には、生半可な攻撃は無効化されるのDA☆
『ビームが駄目なら!』
ビームサーベルを引き抜き、切りかかってくるフリーダム。
だが無駄だ! なぜなら!
こちとらには一万二千枚の特殊装甲とぉーー!!(紙装甲だけど)
プライアルアーマーがあるんだからぁ!
グワッキイイイイイイイン!!
ビームサーベルとプライアルアーマーが接触。
バチバチと音を立てている。
『このまま!』
どうやら相手はこのまま押し切る気らしいが、そうはイカの玉三郎!
LB、RB、Y、B…っと
「なんだ? これは」
キタキタキターーー!! みなぎってキターーー!!(コジマ的な意味で)
「アサルトオォォォ! アァァァマァァァ!」
ドカーン! と派手な爆発と共に吹っ飛ぶフリーダム。
またまた説明しよう!
アクアビットマンに迂闊に近づく事は、死を意味するのDA☆
『くう 機体が!』
が、どうやら仕留め損なったらしい、黒煙を噴きつつ母艦へと帰還してゆくフリーダム。
このまま追撃しても良いのだが、それよりもまず《勝利の踊り》の方が重要だ。
踊りの方が重要だ、踊りの方が重要だ、踊りの方が重要だ。(大事な事なので3回言いました)
高度を落としミネルバの甲板へ着艦し、《勝利の踊り》を踊る。
ガション、ガション ♪ステップ、ステップ、アクアビットマ~ン♪ ガション、ガション
『おい、あんた!』
勝利の踊りを踊っていると、スピーカが外部音声拾ってきた。
機体を振り向かせると、歳は15~6の赤目の少年がこちらに向けて何やら話しかけてくる。
勝利の踊りの邪魔はしないで欲しいが、許してやろう。
アクアビットマンは紳士なのだ。
『あんたは一体…?』
「私はコジマからの使者、アクアビットマンだ、それ以上でも以下でもない」
ガション、ガション(踊っている)
『…その機体は?』
「コジマ技術の結晶だ」
ガション、ガション(踊ってい(ry
『…なにやってんだ?』
「勝利の踊りだ」
ガション、ガション(踊っ(ry
『……』
「……」
ガション、ガション(踊(ry
ふう、勝利の踊りも満足した、良い汗かいたZE☆
踊りを中断し、メインブースターを起動、ゆっくりと上昇する。
『おい、まだ話は…』
「さらばだ! 少年! また会おう」
オーバードブーストを起動、大量のコジマ粒子を撒き散らし、音速に近いスピードで帰還する。
…こうして悪は去った。
だが、ラクシズはまだあきらめない!
世界を桃色電波で支配しようと君たちをねらって来る!
戦えアクアビットマン!
世界をコジマで汚染しつくすその時まで!!
【ミネルバ艦内】
「アーサー、一体シンは何をしているの?」
「あ、艦長、それがあの機体に接触してからずっとあの調子で…」
「ステップ、ステップ、アクアビットマ~ン、ステップ、ステップ…」
ガション、ガション(ry
今ここに新たなる《アクアビットマン》が一人……