勇敢_第02話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:35:31

目的の列車、数キロ先上空

 

スターズ副隊長、鉄槌の騎士ヴィータは問題の列車に猛スピードで向かっていた。
航空型のガジェットII型をなのはに任せ、ストームレイダーが追っているであろう車両に向かったヴィータ、
だが途中、ロングアーチから送られてきた戦闘映像を見た時は、ただ驚くしかなかった。
「あいつ・・・・・帰ってきたんだ!!!」
ヴィータは自分でも知らずに大声を出して叫んでいた。

 

カナードは早くで三ヶ月、遅くても半年で戻ってくると約束し、元いた世界へ帰っていった。
だが彼は、半年経っても、一年経っても、五年経っても、帰ってこなかった。
一年が経ったある日、帰ってこないのなら此方から迎えに行くという提案が出されたが
その試みは、その年に起こった特殊な次元震により不可能となった。
この時に起こった次元震は、次元震にしては珍しく各次元世界には全くの被害が無かった。だが、
一部の次元世界の場所がバラバラになるという事態を引き起こし、その一部の次元世界にはカナードの世界も含まれていた。
当初は前回同様、カナードがいる世界を探してくれるように頼んだが、エイミィなどの個人レベルではどうすることも出来なかった。
ならばと、本局の専門分野に捜査を依頼したが、全く取り合ってもらえなかった。
時空管理局も、この事態の対処に必死であった。先ず何よりミットチルダと交流がある次元世界や
管理局の管轄世界などを探し出すのに手一杯だったため、
ミットチルダと交流もなく、管理局の管轄外世界であるカナードがいる世界を探し出す余裕など無かったのである。
そのことを聞いたヴィータは、頭では事態の深刻さに理解はしていたが、納得できずに担当者に詰め寄ってしまう。
カナードが帰って来ない事に、ヴィータは苛立ちよりも不安の方が大きかった。
カナードの世界は戦争中であり、彼もまた軍関係者であることを聞いていたからだ。
そのため、もし戦争に巻き込まれていたら・・・・・・そんな不安がヴィータを支配していた。
局員に詰め寄るのをやめないヴィータに
「いい加減にしろ!ヴィータ!!申し訳ありません、失礼します」
シグナムが止めに入り、掴みかかっていた職員に謝罪した後、その部署を後にした。
帰り道の途中、シグナムの態度に納得がいかなかったヴィータは
「おめーは・・・・・カナードのことが心配じゃねぇのか!!」
シグナムに対して言い放った。その時、
                     パシッ!!

 

リインフォースがヴィータのほおを平手で打った。

 

唖然としながらもリインフォースを睨むヴィータ、だが
「リイン・・・・・フォース・・・・おまえ・・・」
リインフォースの悲しそうな顔に、ヴィータの怒りは一瞬のうちに沈静化していった。
そんなヴィータを見据え、リインフォースは話し出した。
「ヴィータ、お前の気持ちはわかる。私も、シグナムも、主たちも、カナードのことが心配だ。
だが・・・・今の現状では・・・仕方が無い」
リインフォースの言葉に冷静なったヴィータは、先ほど怒鳴ったシグナムを見ると、
シグナムはただ俯き、拳を強く握り締めているだけであった。
「あ・・・・あたし・・・・」
シグナムの気持ちも考えずに、怒鳴った自分に自己嫌悪するヴィータ、その時
「ヴィータ」
後ろからはやてがヴィータを抱きしめた。
「ヴィータの気持ちもよう分かる。私達みんな、心配で仕方ないんや。せやけど」
はやてはヴィータを正面に向かせ
「それでも信じて、カナードの帰りを待とうな、みんなで」
ヴィータを見据え、笑顔で答えた。
はやての言葉に涙があふれるヴィータ。
「(そうだよ・・・一番辛いのは、はやてじゃんかよ・・・・アタシは何をやってるんだよ・・・あたしは・・なに・・・を・・・)」
耐え切れず、ヴィータははやてに抱きつき、ひたすら泣いた。

 

その後、ヴィータはシグナムに謝ったが
「気にするな」
と言い、笑って許してくれた。
それからは色んな事があった、リインフォースⅡの誕生、なのはの負傷、クロノの結婚。
はやても闇の書事件からしばらく経ったら歩けるようになり、今では皆をまとめる隊長になっている。
カナードの世界に関しても、あの次元震が起きてから四年がたったある日、ようやく捜索してもらえるようになった。
だが、不思議と見つけることが出来ず、今に至る。
幸いミットチルダとなのはの世界の座標は変わっていないので、こちらに来ることは出来るだろうと信じ待ち続けた。
そして、十年経ったこの日、カナードは帰ってきた。

 

「待たせやがって・・・・心配させやがって・・・・・・」
今のヴィータの心は、帰ってきたという嬉しさと、待たせた、心配させたという怒りの感情が渦巻いていた。
「とにかく・・・・・文句言った後、ぶん殴る!!」
そう決意し、車両に向った。

 
 

車両

 

ガジェットドローンIIを吹き飛ばし、周囲を警戒していたカナードは、ローター音に気がつき空を見上げた。
「・・・ヘリか?」
ヘリ『ストームレイダー』が車両に近づき、そこからバリアジャケットを装着したスバル達が降り立った。
ヘリから降り立ったスバル達を見るカナード
「(四・・五人か、あのメカの仲間にしては無防備すぎる。それに・・・)」
その中の、自分を見据えるリンフォースⅡを見ながら
「(なんだ・・・あのリインフォースのミニチュアは・・・・・それより)」
何気に失礼なことを思いながらも、
「何者だ、貴様らは?あのメカの仲間か?」
ザスタバ・スティグマトを向け、スバル達に問いただした。
カナードの行動にたじろぐスバル達、その時
「待ってください!こちらは、時空管理局・古代遺物管理部機動六課の者です」
リンフォースⅡが慌てながら答えた。
「時空管理局?やっときたか」
カナードはザスタバ・スティグマトを下ろし、バリアジャケットを解除
「物なら車両の中だ、いま車両を止めるから待ってろ」
そう言い、車両の中に入っていった。
「リイン曹長・・・」
ティアナがリインフォースⅡに指示を仰ぐ
「とにかく目的は達成です。ロングアーチとヴァイス陸曹に連絡を、周辺の警戒もお願いします」
ティアナ達に指示を出しながらも、リインフォースⅡはカナードが入っていった車両を見据えていた。

 

その後、止まった車両の近くにストームレイダーは着地し、レリックと思われるロストロギアの収容は
ガジェットの襲撃もなく、滞りなく終った。
その一部始終を見ているカナードにリインフォースⅡが近づいてきた。
「ご協力、ありがとうございます。貴方のおかげで無事に回収することが出来ました」
カナードにお礼を言う。
「気にするな、それより、乗客の方は?」
「安心してください。皆さん無事に保護いたしました」
その報告に安心するカナード
「そうか、ところで頼みがあるのだが・・・・ん?」
カナードがストームレイダーで地上本部まで送ってもらおうと言おうとしたその時
ストームレイダーの隣にヴィータが降り立った。
「ヴィータ副隊ちょ・・・・う・・・」
スバルが声を掛けようとしたが、いつもと違う雰囲気にたじろいでしまう。
「ヴィータ・・・ちゃ・・ん・・・?」
リインフォースⅡもスバルと同じくたじろぎ、自然と道を開ける。

 

ヴィータは俯きながらカナードの前まで行き、
「久しぶりだな、ヴィータ。丁度良かった」
カナードの言葉を無視し、そして
「こ・・・・・の・・・・・・馬鹿・・・野朗!!!!!!!!」
カナードのお腹目掛け、思いっきり拳を放った。だが、思ったように力が入らず
その拳はカナードのお腹を軽く叩く程度であった。
突然のヴィータの行動と大声に驚くカナード達。
だがヴィータはそんな皆を無視し、
「馬鹿野朗!!帰ってくるのが・・遅いんだよ!!!どんだけあたしらが心配したと思ってるんだよ!!
どんだけ・・・あたしらが・・・しんぱ・・・うぁああああああ!!!」
耐え切れず、ヴィータはカナードに抱きつき、大声で泣いた。
カナードは、突然大泣きしたヴィータに戸惑うも、微笑み、頭を撫でながら
「すまなかった、心配をかけたな」
優しく語りかけた。
「だが、期限は守ったぞ。四ヶ月ぶりだが」
そのカナードの言葉に反応するヴィータ
「馬鹿野朗!!!何が四ヶ月だ!!十年経ってんだぞ!!」
ヴィータの言葉に
「なん・・・・・だと・・・・?」
カナードは目を見開き、呟いた。

 

「信じられんな・・・・・」
六課に向うストームレイダーの中で、カナードは呟いた。
カナード自身は四ヶ月しか時を過ごしていないのに、こちらの世界では十年が経過しているのだ、無理は無い。
「アタシだって信じられねーよ」
ヴィータも混乱していた。
「俺が十年も年取ったように見えるか?コーディネーターでも普通に歳はとるぞ」
カナードの問いに
「いや・・全く・・・・あっ、もしかし(変身魔法なんて器用なものは使えんぞ)うっ・・・」
ヴィータの考えを即座に否定する。
「じゃあ、どこぞの戦闘民族みたいに若い期間が長続きするとか」
「何だそれは?」
よく分からないが、とにかく否定するカナード。
「ヴィータ、次元世界によって、時間の流れというのは違うのか?」
カナードがふと思ったことをヴィータに尋ねる
「いや・・・・聞いたことねぇな」
ヴィータは思いあたる節がないので否定する。
「そうか・・・・しかし信じられん・・・・」
カナードはとりあえず悪い夢ではないかと思い、頬をつねってみた
「いひゃい」
ちなみにヴィータの頬を
「何すんだテメェー!!」
ヴィータはつねられた頬をさすりながら食って掛かるが
「やはり現実か・・・・・」
ヴィータを無視し、カナードは一人納得していた。

 

そんな様子を新人フォワード組はさりげなく見ていた。
「彼、ヴィータ副隊長の知り合いかな?」
スバルが興味丸出しでティアナに尋ねる。
「分からないわ、だけどヴィータ副隊長はあんな行動するんだから、親しい関係なのは間違いないんじゃないの?」
ティアナは素直な感想をスバルに言った。
ティアナは勿論、フォワード組やリインフォースⅡでさえ、先ほどのヴィータの行動には驚いていた。
フォワード組から見たヴィータのイメージは、『見た目ではキャロと同じ、もしくはそれ以下の年齢の女の子にしか見えないが、
空戦AAA+ランクの魔道師で戦闘教官でもあり、スターズ分隊の副隊長を務めるすごい人』である。
そんなヴィータがいきなり抱きついて大泣きである。事情を知らないフォワード組は驚いて当然である。
「もしかして・・・・ヴィータ副隊長の恋人?」
スバルが真顔で呟いた。
「それは・・・・どうかと・・・」
スバルの呟きをエリオが苦笑いをしながら否定をした。
「リイン曹長はご存知ですか?」
キャロがリインフォースⅡに尋ねる。
「彼は十年前にはやてちゃんと一緒に暮らしていた人です。名前は『カナード・パルス』さん、確か一時的に自分の世界に戻ったと聞きましたが」
リインフォースⅡは、はやてや姉から聞いた話を思い出しながら答えた。その時
「おっ、なのはさんが戻ってきたぞ」
ヴァイスは皆に聞こえるように言い、ストームレイダーのメインハッチを開ける。
「おっ、丁度『証拠』が来たぞ。びびるなよ~」
ニヤニヤしながらカナードに言い放つヴィータ
すると、メインハッチからバリアジャケットを着たなのはが入ってきた。
「「「「お疲れ様です!!!!」」」」
フォワード組の言葉に微笑で答え、バリアジャケットを解除する。
そんななのはの姿を見たカナードは
「高町の・・・・・姉か?」
真顔でなのはに問いただした。
そんなカナードの質問に小さく笑うなのは
「違うよ、カナードさん。私は高町なのはだよ、十年ぶりだね。」
なのはは、カナードを見据えながら答えた、そして
「本当に無事でよかった・・・・・・おかえりなさい」
微笑みながら迎えた。
今のなのはの姿を見て、カナードは本当に十年が経過していることを、痛感した。

 
 

機動六課隊舎

 

「そうなんだ・・・・じゃあカナードさんにとっては四ヶ月しか経ってなかったってこと?」
「そうだ。正直驚きの連続だ。それと『さん』はいらん、呼び捨てで構わん」
機動六課本部に着いてから、フォワード組とヴィータと別れ、カナードはなのはと二人で部隊長オフィスに向っていた。
「わかったよ、カナード。ふふっ、変だね、本当ならカナードの方が年上なのに」
微笑みながらカナードに言うなのは
「全くだ、まさか身長まで抜かされるとは・・・・・」
妙なことを気にするカナードであった。
色々と話し手いるうちに、二人は部隊長オフィスの前まで来ていた。
なのははブザーを鳴らす、すると
「はい、どうぞ」
室内から女性の声が聞こえた。
「失礼します」
挨拶をしながら室内へ入っていくなのはとカナード。そして
「はやて・・・なのか?」
カナードは目に映った女性の姿を見て驚く。そこには一人の女性として成長した八神はやてがデスクに座っていた。
なのははそんなカナードの反応を見て微笑み、
「八神部隊長、今回の事件に協力してくださった民間人を連れてきました」
なのはは、はやてを微笑みながら見据え、
「詳しい経緯は彼から聞いてください。私は持ち場に戻ります。失礼します!」
そして敬礼をし、部隊長オフィスから出て行った。
なのはは出ていく時に
「(はやてちゃんと、いっぱいお話してね)」
小声でカナードにそう言い、出てい言った。
なのはが出て行った二人きりになったその時

 

         ガバッ

 

はやてはカナードに近づき、抱きついた。
「なっ、はやて、何を!?」
突然のはやての行動に慌てるカナード、だがはやてはただ黙っているだけであった。
はやてがカナードに抱きついて一分が経とうとした時
「・・・・・よかった・・・・・・」
はやては声を震わせて話し始めた。
「ほんまに・・よかった・・・無事で・・・・・せやけど・・・時間・・・かかりすぎや・・・・・・」
「・・・・・・・・」
はやての話を黙って聞くカナード
「本当に・・・どれだけ・・・・心配したか・・・・わかっとるか・・・・せやけど、今は」
はやてはカナードを見据え
「おかえり、カナード」
目に涙を浮かべながらも、笑顔で迎えた。
「ああ・・・・遅くなったな、ただいま」
カナードも笑顔で答えた。

 

ふと、カナードははやての耳に注目する
「はやて・・・おまえ、それは・・・」
はやての耳には、カナードが誕生日に送ったあのイヤリングがしてあった。
「気に入ってるんやよ、カナードがくれたプレゼントやから」

 

その後、落ち着いたはやてと一緒に部隊長オフィスのテーブルに座り、色々なことを話した。
カナードはこの十年間に起こったことなど、色々なことを聞いた。
「せやけど、カナードにとっては四ヶ月しか経っていないんか~」
「ああ・・・最初は信じられなかったが、お前となのはの姿を見たら認めざるを得ないな・・・」
出されたコーヒーを飲みながら答えるカナード、だが急に申し訳ない顔になり
「だが・・・・すまなかったな・・・結果的にはお前達との約束を破ってしまった」
はやてに謝った。
そんなカナードの態度に慌てるはやて
「ええんよ!カナードが無事なら。それにカナード自身は約束守ってくれたやろ?」
「そうか・・・ありがとう。しかし・・・年齢どころか身長まで抜かされるとはな・・」
はやての姿を見ながらかカナードは言う。
「へへ~、私も19歳や、プロポーションやってシグナムに負けとらんで~」
はやてが立ち上がりポーズをとるが、カナードは見ずに
「そうか・・・コーヒーもう一杯頼む」
コーヒーを要求するカナード。カナードの態度にムスッとしながらも律義にコーヒーを入れるはやて。
「しかし、19歳か・・・・俺より2歳年上になるとはな・・・・」
カナードの言葉に反応するはやて
「2歳年上って・・・カナードって17歳なんか?」
「一応そうらしい・・・・」
「一応って・・・・そうなると二歳差かぁ~、まるでクロノ君とエイミィさんみたいやな」
クロノとエイミィの名前を出した後、急に顔を赤くするはやて、
そんなはやての態度を不審に思いながらも、車両で会ったあのリインフォースのことを尋ねた
「そういてば・・・あのリインフォースのミニチュアは・・・・何だ?」
「ああ、『リイン』な。リインフォースⅡ(ツヴァイ)、リインフォースの妹や。皆『リイン』って呼んどるけどな。可愛いやろ」
はやてが自慢げに答えた。
「そうか・・・・それでは本題に入るが、あのメカは何だ?列車にいた魔道師に聞いたが、あれは『レリック』という物を狙って
活動していると聞いたが」
カナードの問いに、はやては普段の八神はやてから、機動六課部隊長・八神はやての顔になり、答えだした。
「あれはガジェットドローンっていうメカや、四年前からロストロギア『レリック』を狙って活動しとる」
はやては近くのモニターを捜査し、レリックとガジェットドローンの映像を映し出す。
「カナードも戦ったから分かると思うけど、AMFを装備している厄介な相手や。今のところ確認されてるのはこの3体だけ」
モニターに映し出される三機のガジェットそして一人の男性が映し出される。
「そんで、この男性が首謀者と思われるジェイル・スカリエッティ、まぁ、ストレートに言うと「ド悪党」や。そんで、これがレリック」
はやてはモニターからスカリエッティの映像を消し、レリックを大きく映し出した。

 

「これがレリック、正直今のところ使用目的なんかは不明。ただ、下手にいじくると大爆発する物騒な代物や」
はやてはモニターを消し
「私達機動六課は、このレリック問題専門の部隊や、まぁ、出張任務なんかもあるけどな」
笑顔でカナードに答えるはやて。だがカナードは
「それだけではあるまい」
はやてを見据え尋ねた。驚くはやてを無視し、カナードは自分の意見を言う。
「ヴィータから聞いたが、ここにはテスタロッサやシグナム達もいるそうじゃないか、戦力があまりにも充実しすぎている。
レリック問題がそれほど重要ならば、いくらなんでもお前達だけに任せる筈は無いだろ、本局が大掛かりに動いている筈。
本局が大掛かりに動いていないのは、回収に来たのがヘリ一機と数名の魔道師だけだったことでわかる。
能力限定までしてあいつらを集めた理由は何だ?『皆と一緒がいい』とかそんな理由ではあるまい」
カナードの問いに驚きつつも、
「さすがやな・・・・でも、今は待ってくれんか、近いうちに、絶対に話すから」
カナードを見据え、答えた。
「わかった、お前にも考えがあるんだろ。すまんな」
カナードも納得し頷いた。その時、ブザーが鳴った。
「はい、どうぞ」
はやてが言うと、シグナムとシャマルが入ってきた。
カナードの姿を見て、涙を浮かべるシャマル、そして
「カナード!お帰りなさい!!」
いきなりシャマルがカナードに抱きついてきた。
「ああ・・・ただいま・・・・」
いきなりの行動にあっけに取られるカナード
「シャマル・・・・・離れてくれ・・・・」
そんな二人の光景を見てシグナムが呟いた。
シグナムの態度に妙な危険間を感じたシャマルはカナードから離れる。
「シグナムも、久しぶりだな」
カナードがシグナムに挨拶をしたその時
「こ・・・の・・・・・馬鹿者がぁ!!!!!」
カナードに右ストレートを放った。

 

シグナムはカナードが帰ってこないことに不安と同時に、主と自分達を
心配させたことへの怒りを感じていた。
はやて達も同じだが、はやて達は嬉しさのほうが勝っていた。
だが、シグナムは少しばかり怒りの方が勝っていた。ただそれだけ・・・・だと思う。

 

ちなみにこの場合の男の反応は
1・吹っ飛ばされて気絶
2・とにかく謝る
3・睨み返す
であるが、カナードの場合
殴られた瞬間、足でたたらを踏み、体を捻り、そして

 

4・殴り返す

 

「何をするか!貴様ぁ!!!」
カウンターで殴り返した。