種なのは_第03話

Last-modified: 2007-11-18 (日) 16:00:48

アークエンジェルと合流し、ストライクとメビウス・ゼロは格納庫へ入った。
トール、ミリアリア、カズィ、サイ、キラ、そしてなのは。
一般人(1人魔術士)の6人は今後の事と現状の説明を聞く事になった。
連合側はムウ大尉とマリュー大尉とナタル少尉、軍曹数名。
ナタルが説明を始めた。
「まず、艦長以下乗組員の4/5が戦死しました。現状大尉である方が艦長とするのが適任です」
「ムウ大尉は艦長には?」
「俺はMA乗りだから、艦の事は分からんよ」
「ではこの私、マリュー・ラミアス大尉が艦長を勤めさせて頂きます」
「んで、君達の名前は?」
「キラ・ヤマトです」
「トール・ケーニッヒです」
「カズィ・バスカーグです」
「ミリアリア・ハウです」
「サイ・アーガイルです」
「高町なのはです」
自己紹介は終了。
本題へと移る。
「協力ありがとう。特にキラ君」
「いえ…」
ムウが少し悩んでから口を開いた。
「君、コーディネーターだろ」
それを聞いたナタルはキラに銃を向けさせた。
「やめてください!キラは俺達の友達なんです!」
サイが叫んだ。
「そうだな。コーディネーターだからってザフトとは限らないし」
「しかし・・・」
「大尉の言う通りです。戦争を避けて中立にいるコーディネーターだって居ますから。銃を降ろしなさい」
ナタルは本心「上が甘いと下で働く人がどれだけ苦労するのか」と思っていた。

「あれ?高町さんさっきと服と装備が変わってない?」
「なのはでいいです。さっきの服はバリアジャケットです。それにレイジングハートというデバイスです」
「「「「「「「「バリアジャケット!?レイジングハート??デバイス???」」」」」」」」
皆の声がハモる。
「バリアジャケットは物理・魔力攻撃に対する防弾チョッキみたいな物です。
レイジングハートは魔法を使うための物。戦闘補助もしてくれます。ほら、レイジングハート、喋ってごらん」
『イエス、マイマスター』
「「「「「「「「く、首飾りが喋ったぁぁぁ!?」」」」」」」」
余りにも非科学的な事にカズィが泡吹いて倒れてしまった。
マリューが訪ねる。
「さっきの砲撃から見ると威力ありそうね。戦力として期待していいの?」
なのはは渋い顔をして答えた。
「あの時はロボットから闇の書防衛プログラムを感知したので撃ちました。でも、防衛プログラム以外の物は攻撃しちゃダメなんです。
私がいた時空監理局での決まり事で、魔力を持たない一般の物を破壊する事は厳禁なんです。監理局のアースラの皆さんが今も私を探しているはずです」
「そう…。分かったわ」「でも、このストライクとか言ってるロボットから闇の書防衛プログラム反応が出ているんです。近い内に破壊しないとプログラムが暴走しちゃいます」
「暴走するとどうなるの…?」
「この艦は簡単に侵蝕されます。私の最大出力魔法でも歯が立ちません。早急に破壊すべき物なんですが…」
「それは、ここを脱出して月基地まで行ってからの話になりそうね」
「あと、こーでぃねーたーとかざふととか聞いたことが無いんで分かりやすく説明お願いします」
このやりとりは30分以上続いた。
「要するに産まれた時の違いって事で戦争になったんですね?」
「そ、そんなものよ」
マリューは説明に疲れていた。9歳の子に戦争を理解させる事自体が無理だった。
「流石にロリか・・・」
どこかから小さな呟きが・・・。

「坊頭、今度攻めてきた時も出撃してくれないか?」
ムウが言うが、答えは
「嫌です。人を殺したくないですし」
キラは正直戦いたくなかった。戦場での親友との再会。それも敵として現れた。
「だが、生き延びる為には戦う事も必要だ。誰も守れずに死にたいのか?それにストライクは坊頭以外動かせない」
「強制じゃないですか!」
「そう捉えられてもしょうがないな…」
そこになのはが来た。
「何かを守るために戦う。それは私が元いた世界でも私はやりました。キラさん、今は戦う事しかできないかもしれませんが必ず和解できます!」
「なのはちゃん、大人だね…。僕はだだこねていただけだったみたいだ。次、出撃するよ。その前に少しだけ眠るよ」
キラはそう言うと、居住区のベッドで横になった。
そこにはサイやトール、ミリアリア、カズィが小声で話していた。
「キラ、疲れたのか寝てるな」
「だって、私たちを守りながらMSで戦ったんだから」
「今はそっとしておこう」

ヴェザリウスにて
「最後の1機と足つきと共に、ヘリオポリスに攻撃を仕掛ける。拠点攻撃用D装備でジンを30分後に発進させろ」
クルーゼが指示を出している所にアスランが入ってきた。
「クルーゼ隊長、今度の出撃に私も出してください。確認したい事があるのです」
「一応、イージスを最優先でデータの洗い出しをしておいた。確認後すぐに戻れ」
「了解です!」

アークエンジェル格納庫
マードック軍曹達がストライクの整備と、メビウス・ゼロの修理に追われていた。整備士も少なく慌ただしい。
「ストライク最優先だ!メビウス・ゼロは手の空いてる者がやれ!」
そこに仮眠を終えたキラがやってきた。
生き残り、必ず和解できると信じてストライクのOS調整に来たのだ。
「おっ、坊頭。何しに来たんだ?」
「ストライクのOS調整です。整備が万全の状態での調整にあまり時間を掛けたくないので」
「いい心意気だ!コックピットに座れ。現状90%だがな」
「ありがとうございます!」
キラがOS調整し終りそうになったその時!
ドゴォォォォォン…
ザフトのジンD装備部隊がヘリオポリスに侵攻してきた。
「ゼロは使えねえ…。CICにまわる」
ムウはブリッジへと走り、そのまま艦の攻撃担当へ行った。
マリューはストライカーパックをソードと決めた。
理由は、ランチャーだとヘリオポリスが崩壊するだけの威力がある。
エールだとまだ初心者ねキラへの体の負担が掛りすぎると判断。
「ストライカーパックはソードです」
「今度はさっきみたいな惨事は起こらないよな…。キラ・ヤマト行きます!」
カタパルトから勢い良く飛び出した。その時のGが結構きつかった。

「!プログラム反応」
なのははレイジングハートを起動し、ストライクが発進したカタパルトから飛び出した。
ザフト軍は対拠点用装備(通称D装備)で、ジンはミサイル装備が多かった。
「できるだけコロニーに被害を出さないで戦って!」
マリューが言うがナタルが反論する。
「そんな事をしたら本艦が沈められます!」
「出来るだけ努力して」
「不可能を可能にする俺が居るから大丈夫だ」
ムウがCIC席で言う。

なのははフェイトの様な高速戦闘型ではない。言うなれば戦艦タイプになる。
アークエンジェルから出撃したなのはは、カートリッジ2発消費のアクセルシューター強化型でミサイルを落としていく。
その目の前にミゲル専用ジンが斬重刀で斬り掛って来た。
「っつ、ラウンジシールド!」
カートリッジ1発消費し、その斬撃を防ぐが質量の差で吹き飛ばされてしまった。
それを見たミゲルは執拗になのはを狙って斬り掛る。
「へっ?人?空飛ぶ人だと?んな訳あるかーーーー!!!」
そう言いながら斬り掛るが同じ手が何回も通用する訳ではない。
なのはは斬撃を紙一重で避け、集中して斬重刀にバインドを架けた。
「なんだとぉ!?」
ミゲルは叫ぶ。
空中に静止する斬重刀。それを見たナタルはバリアントの指示を出した。
「バリアント、撃てーっ!」
ミゲル専用ジンは斬重刀を破壊されてしまった。
残りの武器は76ミリ重突撃機銃のみ。それを人に当てるのは困難を極める。

その頃ストライクとイージスとで会話をしていた。
「キラ、何で君が地球軍なんかに」
「アスランこそ、何でそんな物に乗っているんだ?」
「情勢も分からぬナチュラル共がこんな物を作るからだ。キラ!コーディネーターなんだからこっちへ来い!」
「アスラン。あの船には守りたい友達がいるんだ。だから攻撃を止めて!」
その間にミゲル専用ジンが飛びこんできた。なのはを追うのはもう無理と判断してストライクだけでもと思いマシンガンを連射してきた。
「こいつさえ落とせば・・・!」
「話し合いに邪魔しないでくれっ!」
キラはマイダスメッサーをミゲル専用ジンに投げつけた。
マイダスメッサーはビームブーメラン。普通に見ただけでは小型ビームサーベル。ミゲルは小型ビームサーベルと思って避け、再度ストライクへ迫った。
「そんなものが通用すr・・・って何ぃぃぃぃ!!」
マイダスメッサーはミゲル専用ジンの脚部を切り裂いた。
そこへキラはシュベルトゲーベルで斬りかかった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミゲル専用ジンは真っ二つになり爆散した。
「ミゲルゥゥゥゥ!」
アスランは叫んだ。キラは必死だったのであまり分からなかったが、人を殺してしまった事だけが頭に残った。

なのはは必死でアクセルシューターを操作しながらアークエンジェルを守っていた。
ミサイルは打ち落とし、マシンガンは防御か避ける。
アークエンジェルも迫り来るジンを撃破していた。
しかし、ジンを撃破した瞬間に放たれたミサイルがコロニーのメインシャフトに命中してしまったり、スレッジハマーを避けられてシャフトに当りヘリオポリスはほぼ崩壊・・・。
なのはは集中した。外に3つの魔力反応を感知。3つは集中しているので戦艦と判断した。
「レイジングハート、エクセリオンモード」
レイジングハートは変形し、鋭い槍の様な形状へなった。
『OK、SLB』
「スタァァァァァライトォォォォ・・・ブレイカァァァァァァッ!!!」
カートリッジ3発消費しての、なのはの最大攻撃。
MSとほぼ同等の大きさの光がヴェザリウスの推進部へ直撃。そのまま撃沈とまでは行かなかったが、航行不能となった。